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(24.12.12) 中国の無駄な財政・金融政策の発動 中国経済は日本シンドロームにかかった!!

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  笑ってしまった。中国がとうとう日本シンドロームの病気にかかり始めたからだ。
日本シンドロームとはいくら公共投資を行ってケインズ政策を発動しても、ちっともGDP成長率が上向かない経済の病気を言う。

 こうなるのには原因があって以下のような条件が重なると発病する。

① 人口が停滞し(あるいは減少し)老人比率が高くなる。
② バブルが崩壊し不動産や株式に多額の含み損を抱える。
③ 公共投資をしすぎてこれ以上の投資は不良資産を膨らませるだけになる。
④ 資金を国債発行か銀行券の増刷に頼るため財政が硬直化するかインフレに見舞われる。

 EUは完全にこの症状にかかっており、今中国は日本に比べるとまだ症状は軽いが明らかにこの病気になりつつある。
中国のGDPの伸び率が四半期統計で毎期のように低下しており、12年7月~9月はとうとう7.4%になってしまった。
長い間中国では8%の成長がないと新規に発生する労働力を雇用できないとされていたが、最近はその労働力が頭打ちになってきた(だから高い成長率は必要としない)。

 一人っ子政策が効をそうしてきたからだが、一方で老人人口が増えているので元気な若者がいなくなりつつある。
農民工といわれた農民もすでに枯渇して都市と農村の人口比率は都市人口のほうが多くなっている。
この結果人件費はうなぎのぼりで今ではベトナムの3倍、ミャンマーの5倍になり外資が中国で安価な製品を作ることができなくなった。
ナイキアディダスも中国での運動靴の生産を止めだしており、そのうちメイド・イン・チャイナの文字は消えるだろう。

注)人口動態論の立場から見ると中国は生産者人口の占める割合が2010年の初めに頭打ちになっている。日本は1990年代の初めに頭打ちになった。

 また中国各地で不動産バブルが大崩壊しており、特に内蒙古のオルドスがマスコミによく取り上げられている。ここの人口は約100万人なのだが、さらに100万都市を建設するとして大開発を行った。
当初は多くの人がマンションを購入したがすぐにバブルがはじけて住んでいる人は約2万5000人程度になり、ゴーストタウンになっている。

注)BSテレビ東京の映像では、ここに土地を売った人は平均で1000万円の収入を得たが、それを再投資しようとして悪徳金融会社にだまされ800万円持ち逃げされたと女性が訴えていた。

 中国ではリーマンショック4兆元52兆円)規模の財政出動をして危機を乗り切ったが、このため不動産価格豚肉豚肉は一般の中国人にとって豊かさの象徴)価格が暴騰した。
これに懲りて金融を引き締めたが経済が大失速したので、ここに来てケインズ政策を再出動させている。

 中国では道路鉄道建設飛行場が公共投資に対象になり、鉄道は高速鉄道の事故で一時自粛していたが再び激が発せられている。
何でもいいから鉄道を建設しろ!!!!
また金融機関にも融資拡大を迫っており、「不動産価格が暴騰してもいいから建設業に資金を回せ」と言う状況だ。
おかげで10月に入り製造業の指標が上向き、「中国経済は持ち直しつつある」との評価を日本政府はしていた。

 しかしこれが日本シンドロームと言われる所以だが、このケインズ政策は従来のような効果は期待できない。
上記のように成長を阻害する要因が目白押しで、何よりも問題なのは中国では紙幣の増刷はリーマンショック後を凌駕するインフレをもたらすだけだろう。

 なにしろ中国政府は、資金を日本政府のような国債発行というまだろっこしい事はせずに、人民元の印刷と言ういたって直截な方法をとっている。
大丈夫だ。いくらでも紙幣を印刷してもいい。経済が拡大すれば成長通貨として吸収される!!!」

注)貨幣論の中でフィッシャーの貨幣数量説というものがあり、M・V=P・Qと言う関係が成り立つとされるもの。
M は貨幣の数量、Vは流通速度。Pは価格でQはものの数量。
一般にVはほとんど変らないから、M(貨幣)を印刷してもQ(生産)が伸びればインフレにならない(これを成長通貨という)。
一方Q(生産)伸びないのにM(通貨)を増刷するとPが大きくなってインフレになる。


 だが、今度はフィッシャーは中国に微笑んでくれないだろう。日本と同様な無駄な設備投資は成長を結果的に阻害し、いまでも不良債権の山になっている不動産をさらに膨らませるだけだ。
中国は日本シンドロームにかかっており、高度成長は終り、中成長の時代に入ってきた。一時的に無理をすれば成長率が上がるがすぐに失速する。
経済が何時までも高成長を続けられると考えるのは身長が何時までも伸びると思っているのと同様に幻想に過ぎない。
だが中国政府は(日本の安倍総裁も同様だが)この幻想にすがろうとしている。

中国経済については以下にまとめてあります。
 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

  

 

 

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