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(4.12.24) なぜ中国の株価は低迷するのか? 上海総合指数の低迷と中国経済の実態

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  NHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトが特集で放映した「中国市場の株価の低迷」は興味深かった。
現在上海市場に上場されている上海総合指数はバブル崩壊直前の3分の1に低迷していて、一方アメリカはバブル崩壊前の水準に戻っており、日本も3分の2の水準に戻っているのでひときわその低迷振りが目立つ。

 上海の証券会社では個人がパソコンを使用して自由に株取引ができる設備があるが、現在はまったく使われておらず集まってきた5人程度の女性投資家は事務所の一角でトランプに興じていた。
画面を見てもまったく株価は上がらないから無駄なのよ・・・だからトランプをしているの
中国は偉大な国なのになぜ株価が下がるのよ・・・・・、おかしいじゃない・・・」

 私はわらいこけてしまったが、株価は国の偉大さ経済・政治・軍事・文化の総合)とはまったく無関係で、個別企業の業績と金融政策に左右されるから、いくら女性が国の偉大さを強調しても無駄と言うものだ。

 中国国内の株式市場は他国に見られない特殊な構造がある。
外国人がこの市場にほとんど参加できないと言う制約で、上海市場の場合外国人の持ち株比率がほぼ1%で、しかも個人での参加は不可能で機関投資家が投資信託で運用しているのがすべてだ。

注)香港のハンセン指数はピーク時の8割程度まで回復している。香港はイギリス統治の時代から株式市場は自由化されている。

 日本などは外国人(外国籍の法人や個人)の持ち株比率は約70%だから、自由化なんてものでなく株価は外国人投資家の動きで左右されているが、中国の上海市場はこの対極にあるといえる。

注)日経平均の動きは、安倍総裁の円安誘導発言で円が76円程度から84円前後に10%円安に動いたので、株価が9000円前後から10000に10%程度上昇した。
外国人から見ると円安分だけ株価をアップさせればちょうどもとの価値と同じになるので株式を購入している。これを裁定取引という。


 中国ではリーマンショック後約50兆円規模の財政資金を投入してケインズ政策を実施したため、その後遺症で不動産価格が暴騰し賃金も暴騰したため企業活動がすっかり萎縮してしまった(外国企業が中国から逃げ出している)。
多くの市民が不動産投資に熱を上げたため不良在庫の山となってしまい株式投資に向ける資金などどこを探してもないというのが実態だ。

 こうした状況下にあっても中国政府が株式投資の自由化を認めないのは1997年アジア危機を教訓としているからで、ファンド資金がアジア市場から逃げ出したために、韓国、タイ、インドネシア等が倒産してしまった。
株式がいくら低迷しようが外国資金を株式市場に入れることは相成らん。国家の存亡にかかわる!!」中国政府のスタンスだ。

 中国政府は来年度から株式の長期保有の売却益に対する税率を下げると言う措置をとろうとしてる。
しかしリーマンショック前から株式を保有していた人の評価損は2割から7割なので売却益などでようはずがなく無駄な措置だ。

 一方ここに来て中国の御用学者の間から「中国経済は12年7月~9月が底で、13年度に入り8%成長が可能」とのアドバルーンが盛んに揚げられている。
これは中国国営銀行が今までの緊縮政策を止めて融資拡大に走っていることと、政府が財政政策として(元を印刷して)鉄道建設に拍車をかけ始めたからだ。

 だが、今回は中国のケインズ政策(財政・金融政策)は不発に終るだろう。
中国経済の実態はちょうど日本のバブル崩壊後と同じで不良債権の山が築かれておりちょっとやそっとのてこ入れではどうにもならない状況になっている。

 海外の景気はアメリカ、EU、日本とも低迷しており、国内は不動産の不良在庫がたまり、又金融機関(中国には公的な金融機関だけでなく私的な金融機関が多く存在する)の倒産が始まっている。
日本の1990年代と同じだと言ったら一番イメージがわくはずだ。

 経済は回復するはずはなく中国の株価低迷は中国経済の実態を正しく反映していると言える。

注)ただし中国政府発表のGDPの推移は8%を越すだろう。これは中央からの指令が8%を越えるように指示されているからで、地方は鉛筆をなめてそのような数字を挙げる。
そうしたGDPの推移を見るより上海総合指数の動きを追う方がはるかに中国の経済実態を理解できる。

なお中国経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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