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(24.12.30) 金融後進国の中国 民間金融会社の乱立と金融崩壊

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 中国の金融機関は護送船団と言われたかつての日本の銀行にそっくりだ。
貸出金利と預金金利が当局によって規制されており、一年もの定期預金は3%、貸出金利は6%だから金融機関(実質的に金融機関はすべて国営)は黙っていても収益が上げられる
おかげで中国工商銀行などは世界最高の高収益銀行になってしまった(11年12期の純利益がおよそ3兆円)。

 だがしかし「好事魔多し」だ。銀行の貸出先は国営企業地方公共団体の第3セクター地方融資平台という)が主だが、地方政府があまりにずさんな開発を進めてきた結果第3セクターの不良債権が雪だるまのように拡大してしまった。
いくらなんでも、これ以上の融資は地方融資平台さんにはいたしかねます
金融の貸し渋り現象が始まった。

注)この現象はバブル崩壊後の日本の第3セクターを思い浮かべれば想像がつくはずだ。私の住んでいる千葉県ではかずさアカデミアパークと千葉都市モノレールが倒産している。

 思い余った地方政府は金融機関からの調達を諦め、開発物件を担保に債券を発行するか、投資物件を信託財産として販売することにした。
販売先は個人だがそのための業務をおこなう信託会社が雨後のたけのこのように中国にはできている。
お客さん、絶対安全な地方政府の物件だよ。予想収益率は10%は硬いね。絶対安全高利回り、銀行預金なんか3%にしかならないから消費者物価指数より低いじゃないか」なんて勧誘している。

  中国では社会保障制度が未整備だから個人貯蓄は非常に多く、信託会社はこの資金を狙っている。しかし実際は10%などと言う高利回りは夢のまた夢で、地方政府の不動産は氷づけだから利息の支払いもままならない。
勢い日本のマルチ商法と同じで新たな信託購入者の資金を利息に回しているが、限界が来れば夜逃げだ。

注)中国の不動産市場の現状は以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231127-834b.html

 先日テレビ東京が流していた映像ではオルドス地区モンゴルとの国境に近い辺境地区)で100万人都市建設計画があり、立ち退きを命じられた農民に1000万円程度の保証金が出た。
ある女性はこの1000万円を投資してその利息で一生暮らそうと思い、予想収益率6%の信託800万円を購入したら、業者が雲隠れしてしまったと言う。
役所に相談していたがどうにもならないと言うのが実情のようだ。

 もう一つの事件は呉英事件と言うのだが、中国の女性実業家として名高い呉英さんが高利回りの金融商品を売り出した
本人はその資金を投資して出資者に答えるつもりだったがそんな物件は中国にはもう存在しない。
この会社は倒産して出資者から集めた100億円相当の資金が焦げ付いた。
ここに投資した投資家の中に地方政府とれっきとした金融機関があったので大騒ぎになってしまった(ちょうどアメリカで銀行がヘッジファンドに投資するのとよく似ている)。
裁判が起こされ呉英さんは死刑になったが、あまりに刑が重すぎるとして最高裁で刑の執行が2年間猶予された。

 中国では金融インフラが未整備でいわゆる日本にあるような民間金融機関がない。外資は進出が難しい上に規制が厳しく一度進出した外国の金融機関が次々に逃げ出してしまっている。
最後の頼みは訳の分からない民間金融会社ヘッジファンドやマルチ会社や暴力金融や商工金融や無尽のごった煮)で、高利回りを歌って資金を集め、中小企業に融資しているが、バブル崩壊後の日本のように融資先は倒産間際だ。

注)東京都が行った中小企業向け融資銀行「新銀行東京」を思い出してほしい。

 もっぱら製造業優先で民間金融機関の育成をおろそかにしてきた付けがここに来て一斉に出ている。
中国政府は地方政府に凍結していた公共投資の認可を与えているが与えられてもそんな資金はどこにもないというのが実態で、公共工事を再開する資金は民間金融会社頼みだ。

 もともと中国では中央と地方は敵対関係にあり、中央は地方を信頼していない。
こうした中で「どうすりゃ公共投資を再開できるのか!!」
今中国おなじみの中央と地方のせめぎあいが始まっている。

なお、中国経済については以下にまとめて掲載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

 

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