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2012年12月

(2412.31) なぜ中国は日本に戦争を仕掛けようとしているのだろうか? 三つの遠因

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  おそらく2012年の日本を取り巻く最大の国際関係の変化は中国が明確に日本に戦争をしかけることを決意したことだろう。
直接的には尖閣諸島を政府が買い上げたことに反発して、中国の漁業監視船航空機尖閣諸島の日本の領海に毎日のように侵入させているのだが、これは一触即発の状況を演出して戦争を待っている状態といえる。

 もし日本の海上保安庁海上・航空自衛隊と中国の艦船や飛行機が接触すれば、それを理由に(日本側が先に戦端を開いたとして)戦争を起こし、一気に尖閣諸島の領有を確定しようと言うのが中国の戦略だ。
幸い日本の海上保安庁海上・航空自衛隊も冷静な態度をとっているので戦争にはなっていないが、中国はそれなら無理やりにでも挑発して(2年前の漁船のようにわざと船舶をぶつけて)戦争を起こそうとしている。

注)中国の行為がどんなに危険かは、もし日本が竹島や北方四島で中国と同じようなことをすれば、まず間違いなくロシアとの間には戦争が起こり、韓国との間でも一触即発の状態になることから分かる。

 通常領有権問題は実効支配しているほうが勝ちで、相手が返還する意思がない場合はこの状態を覆すためには戦争しかない。
中国がなぜここに来て日本に戦争を仕掛けてでも尖閣諸島を自国領にしようとしているかは3つの遠因がある。
中国としては今が日本と戦争をする絶好のタイミングだと判断しているのだが、その遠因とは以下のようなものだ。

① 日米安保条約が空洞化して日本はアメリカの核兵器の傘から外れたと判断した。

 このような状況になったのは民主党の鳩山元総理にすべての責任がある。普天間基地の移設問題を外交問題と判断できず、沖縄の負担軽減の内政問題だと矮小化してアメリカの怒りを買い日本を守る意思を失わせた。
鳩山氏は「良く勉強したら日米安保条約の重要性がわかった」と後に述べたが、日本の首相としては児戯にも等しい判断力だ。
もし中国との間に戦端が開かれれば戦争を起こした戦犯は鳩山元首相と言える。

② 中国の世界最速の軍事増強の結果、通常兵器レベルでも日本に負けない規模の海軍力と空軍力を保持できたと中国は認識した。

 中国は世界が軍縮に進む中で、ただ一国と言っていい規模の軍拡をここ数十年に渡って実施してきている。
その結果海軍力は空母を保有するほど十分に増強され、海洋監視船中国では軍隊と保安庁は未分離だから軍拡の一部)は日本の海上保安庁の船舶を凌駕し始めている(映像で見ても中国の監視船のほうが大きい)。

 領土紛争で核の使用まですると世界的に指弾を受けるので通常戦力での戦闘になるが、それでも中国は日本に勝つと判断している。

注)中国の軍拡の規模については以下参照
http://www.asahi.com/international/update/0305/TKY201203040496.html

③ 中国の軍拡世代(1990年以降の反日教育を受けた世代)が日本人を殲滅したがっている。

 この説明は少し難しい。中国では1980年代の中国と1990年以降の中国では明確な意識改革が行われた。
80年代、中国では改革開放の波に乗って外国からの投資がおおいに奨励されたが、入ってきたのは技術だけでなく自由思想も輸入された。
さらに当時のトップが開明的な胡 耀邦だったこともあり、中国に自由な民主国家ができそうな雰囲気があった。

 この状況が暗転したのが民主化路線を推進した胡 耀邦が保守派の策動で失脚し、1989年に天安門事件(天安門事件は胡 耀邦が死去したことに伴い、胡 耀邦を慕った群衆が天安門に集まって追悼式典を開こうとしたことから始まったが起こってからである。
驚いた共産党首脳は軍隊を動員して弾圧政策をとったので、このとき民主化運動を推進した学生はほとんどが殺害されたか外国に逃れている(殺害された人数は数千人とも数万人とも言われるがすべてやみに葬られている)。

 天安門事件は中国共産党に対する異議申し立て運動で「なぜ共産党は一党独裁で中国人民を支配できる権利を持つのか」との存在理由を問うていた。
まずい、このままでは中国共産党に未来がない。自分たちが権力を掌握できる正当性を確保できなければ民衆に殺される

 その後中国を指導したのは江沢民だったが、江沢民は「中国共産党が残虐な日本から中国を開放したことがその存在理由である」との大キャンペーンを行うことにより正当性を確保する戦術を取った。
共産党への不満を日本を徹底的に悪役に仕立てることによって日本への不満に摩り替えたのだ。

 この辺の事情は1980年代の民主化革命に参加し、その後実質的に日本に亡命して日本国籍をとった石平氏が「私はなぜ中国を捨てたのか」と言う本で詳細に述べている。
中国では反日教育はすさまじく特に南京大虐殺と言う虚構教育を1990年代からほぼ20年間に渡って行った結果、反日人種ばかりになり「中国共産党のおかげで現在があり、栄光ある共産党のもとに一致団結し、日本人は一人残らず虐殺すべき人種」と思うようになった。

注)文化大革命が走資派打倒運動だったのと同じく、反日教育が日本打倒運動になっている。9月の暴動はかつての紅衛兵の暴力に似ている。

 次の会話は石平氏が中国に帰国するたびに周りの学生や友達から聞かされた言葉として紹介している。

あんな国、絶対にゆるせないわ。昔から悪いことばかりやっている」

「そうだね、侵略戦争で、どれだけ多くの中国人を殺したか」

「だから、俺が前から言っているさぁ、原子爆弾でも何発か使って、日本を地球上から抹殺すべきだ」

「原子爆弾だけではだめだ。恨みを晴らすには、やはり一人ずつ殺したほうがいい。今度、東京大虐殺をするとき、俺の腕前をみせてやるぜ」

「しかしね、日本人というのはそもそも進化が遅れている人種じゃないかしら。半分は人間で半分は豚なのね。やはり人種進化の不良品だわ」

「そうしたら、今度日本に攻め込んで全員皆殺しにした後に、日本をそのまま、中国人のための養豚場にしようではないか」


 これが中国の学生の一般的な会話で例外ではないという。

 上記のように鳩山元総理の愚かな外交中国人民軍の軍拡の成果、それと中国の若者の日本人皆殺しの感情があいまって、今中国は日本との戦争を行い一挙に尖閣諸島を領有しようとしているのが実態だ。

なお、こうした中国の対応について日本は如何にに対処すべきかは別途記載する予定。

また尖閣諸島領有問題の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51088450/index.html

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(24.12.30) 金融後進国の中国 民間金融会社の乱立と金融崩壊

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 中国の金融機関は護送船団と言われたかつての日本の銀行にそっくりだ。
貸出金利と預金金利が当局によって規制されており、一年もの定期預金は3%、貸出金利は6%だから金融機関(実質的に金融機関はすべて国営)は黙っていても収益が上げられる
おかげで中国工商銀行などは世界最高の高収益銀行になってしまった(11年12期の純利益がおよそ3兆円)。

 だがしかし「好事魔多し」だ。銀行の貸出先は国営企業地方公共団体の第3セクター地方融資平台という)が主だが、地方政府があまりにずさんな開発を進めてきた結果第3セクターの不良債権が雪だるまのように拡大してしまった。
いくらなんでも、これ以上の融資は地方融資平台さんにはいたしかねます
金融の貸し渋り現象が始まった。

注)この現象はバブル崩壊後の日本の第3セクターを思い浮かべれば想像がつくはずだ。私の住んでいる千葉県ではかずさアカデミアパークと千葉都市モノレールが倒産している。

 思い余った地方政府は金融機関からの調達を諦め、開発物件を担保に債券を発行するか、投資物件を信託財産として販売することにした。
販売先は個人だがそのための業務をおこなう信託会社が雨後のたけのこのように中国にはできている。
お客さん、絶対安全な地方政府の物件だよ。予想収益率は10%は硬いね。絶対安全高利回り、銀行預金なんか3%にしかならないから消費者物価指数より低いじゃないか」なんて勧誘している。

  中国では社会保障制度が未整備だから個人貯蓄は非常に多く、信託会社はこの資金を狙っている。しかし実際は10%などと言う高利回りは夢のまた夢で、地方政府の不動産は氷づけだから利息の支払いもままならない。
勢い日本のマルチ商法と同じで新たな信託購入者の資金を利息に回しているが、限界が来れば夜逃げだ。

注)中国の不動産市場の現状は以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231127-834b.html

 先日テレビ東京が流していた映像ではオルドス地区モンゴルとの国境に近い辺境地区)で100万人都市建設計画があり、立ち退きを命じられた農民に1000万円程度の保証金が出た。
ある女性はこの1000万円を投資してその利息で一生暮らそうと思い、予想収益率6%の信託800万円を購入したら、業者が雲隠れしてしまったと言う。
役所に相談していたがどうにもならないと言うのが実情のようだ。

 もう一つの事件は呉英事件と言うのだが、中国の女性実業家として名高い呉英さんが高利回りの金融商品を売り出した
本人はその資金を投資して出資者に答えるつもりだったがそんな物件は中国にはもう存在しない。
この会社は倒産して出資者から集めた100億円相当の資金が焦げ付いた。
ここに投資した投資家の中に地方政府とれっきとした金融機関があったので大騒ぎになってしまった(ちょうどアメリカで銀行がヘッジファンドに投資するのとよく似ている)。
裁判が起こされ呉英さんは死刑になったが、あまりに刑が重すぎるとして最高裁で刑の執行が2年間猶予された。

 中国では金融インフラが未整備でいわゆる日本にあるような民間金融機関がない。外資は進出が難しい上に規制が厳しく一度進出した外国の金融機関が次々に逃げ出してしまっている。
最後の頼みは訳の分からない民間金融会社ヘッジファンドやマルチ会社や暴力金融や商工金融や無尽のごった煮)で、高利回りを歌って資金を集め、中小企業に融資しているが、バブル崩壊後の日本のように融資先は倒産間際だ。

注)東京都が行った中小企業向け融資銀行「新銀行東京」を思い出してほしい。

 もっぱら製造業優先で民間金融機関の育成をおろそかにしてきた付けがここに来て一斉に出ている。
中国政府は地方政府に凍結していた公共投資の認可を与えているが与えられてもそんな資金はどこにもないというのが実態で、公共工事を再開する資金は民間金融会社頼みだ。

 もともと中国では中央と地方は敵対関係にあり、中央は地方を信頼していない。
こうした中で「どうすりゃ公共投資を再開できるのか!!」
今中国おなじみの中央と地方のせめぎあいが始まっている。

なお、中国経済については以下にまとめて掲載してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

 

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(24.12.29) 韓国経済の不思議 大企業は豊かなのに、なぜ国民は貧しいのか?

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 私が常に不思議に思っていることは韓国経済、特に大企業はこんなに好調なのになぜ韓国民は貧しいのかと言うことだ。
今回の大統領選を見てもパク・ケネ氏は「中間層を70%に増やして特に子育て世代の教育費の低減を計る」と盛んにアピールしていた。

 韓国はいわゆる中間層が縮小して金持ちと貧乏人に二分化されている。
これはイ・ミョンバク大統領が大企業優遇の競争力強化政策をとってきたため、サムスンLG電子現代と言った大企業が史上空前の利益を謳歌している反面、中小企業には利益が回らないためだ。
また大学を出ても一流大学出身者以外は大企業に入れないため若者の失業率が20%にも及んでいる。
おかげで韓国の自殺率は日本を上回ってしまい、また結婚できない若者が増えているため出生率は日本より低く、少子高齢化の波が押し寄せている。

注)この韓国の若者の現状については以下の記事で詳細に記述しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/23104-76d2.html

 特に韓国経済を見て不思議に思えるのは、ウォンドルにペッグしており円に対してはリーマンショック後約半分の値打ちになっていることだ。
このため国際競争力は抜群で、貿易収支が常に黒字で最近ではサービス収支まで黒字なっている(直近の四半期ベースで韓国の経常収支は日本を上回った
だが日本と異なりウォン高にならずにウォン安が継続している。なぜだろうか?

注)従来韓国経済は貿易収支は常に黒字でサービス収支と所得収支が赤字だったが、最近はサービス収支も黒字化し所得収支はトントンのため、ついに日本の経常収支を上回るようになってきた。

 一般的な説明は韓国政府と韓国銀行が市場介入してウォン安に誘導していると言うことだが、それにしては外貨準備は3000億ドル前後で増加速度はそれほどでない(中国などは積極的に介入しているので3兆ドルまで膨張しており、日本は1兆2000億ドル程度。為替介入をするとドルが増える)。

 韓国政府の公式な説明では積極的な為替介入は行っていないと言う立場で、確かに中国などに比較すると為替介入の側面はほとんどない
従来の考え方ではその国の通貨は経済実態を反映すると思われているが(経常黒字国は通貨高になる)、それは20世紀の理論で21世紀に入ってからは通貨はその国の金融政策によって決まるようになった

注)アメリカ、EU、日本が通貨の垂れ流しをしているため、通貨と経済とはまったく無関係な動きをするようになった。いわば金融がモンスターになった。

 韓国のイ・ミョンバク政権が行ってきたことは現在安倍首相が行おうとしている超金融緩和策で、実際通貨供給量は2005年を100とする指数で、2009年には韓国は144、日本は107になっている(経済規模ベースで日本の7倍の通貨供給を行っている)。
これは安倍首相の言う日銀を隷属して紙幣をばら撒く政策とまったく同じで、日本でも安倍首相がアベノミクスを表明したとたんに円安に振れたのでその効果が分かろうと言うものだ。

 また韓国はすでにインフレターゲット3%と言うアコードが政府と韓国銀行の間で取り交わされているから、この3%を目標に韓国銀行はウォンを増刷していることが分かる。
このように金融の超緩和政策をとればその国の通貨が安くなるのは常識だが、一方日銀は物価安定を最重要目標したがって0%が目標になる)にしてきたから、当然超緩和にも限界がある。

 かくして韓国の大企業はウォン安で輸出拡大ができこの世の春を謳歌しているが、一方大企業に勤めていない人はまったくこの恩恵にあずかれない。また物価が毎年3%前後上昇するので特に年金生活者の家計は苦しい。
ある78歳の年金生活者の女性は2万円の年金で、実際の手許に残るのは8000円で肉を食べたことがないと言っていた。

 韓国は超金融緩和策をとることでウォンを安く抑え大企業の後押ししているが、その分輸入価格は上昇し国内市場向けの中小企業は悪戦苦闘しているというのが実態のようだ。
今日本でも安倍首相の言うアベノミクスが発動されようとしている。
そうなると韓国の実情が日本の実情になり、円安はさらに進み毎年2%の物価上昇は起こるから、私のような年金生活者やサラリーマンや国内向けの企業にとっては韓国のような住みにくい世の中になりそうだ。

注)アベノミクスに対する批判の記事は先に記載した。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-23a0.html

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(24.12.28) BSドキュメンタリー 「プーチンの野望 古いロシアの復活」 その4

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 今思うと2008年から2012年まで続いたメドベージェフのロシアはプーチンの傀儡だったのか、それともそうでなかったのか、いま一つ判然としない。
ロシアでは外交は大統領の先決権限で、一方内政は首相(プーチン)の先決権限になっている。

 表面的に見る限り外交ではメドベージェフはプーチンが冷え込ませた米ロ関係を好転させたが、一方内政ではプーチンが思うがままに振舞っていた。
相変わらずプーチンは改革派の記者を暗殺したり、またプーチンの宿敵でかつての石油王ボドルコフスキーを刑期が終る直前に訴追しさらに7年の刑を言い渡したりした。

注)これは独裁国家では反対者は墓場か監獄にいるという最適な例。

 ボドルコフスキーの件ではメドベージェフは中立を保ったが(プーチンの自由にさせたが)、プーチンは裁判に圧力をかけて判決文を書き直させ、さらに裁判長が判決を下す前に定例会見で言い放った。
ボドルコフスキーは泥棒で、数十億ルーブルの詐欺を働いている。このような者を監獄の外に出すわけにはいかない
このときの映像は私も見たが何とも不思議な光景だった。プーチンは首相でかつ裁判官だったからだ。

 結局メドベージェフの4年間プーチンに国内政治を任せる代わりに、外交で若干の自由度を確保したと言うのが実態だろう。
ロシアにはアメリカと協調して経済を立て直さなければならない緊急事態に陥っていたからだ。

 メドベージェフが大統領に就任した直後の2008年9月リーマンショックが世界経済を奈落の底に落とし、それまで1バーレル137ドルだった原油価格が34ドルに暴落した
ロシア経済は石油と天然ガスに頼った原材料輸出経済だったからこの影響はすさまじく、それまで溜め込んでいた準備金6000億ドルの取り崩し以外に対処する方法がなかった。
ロシアの株式市場は暴落し1兆ドルの損失が発生し、ロシアの主要企業が倒産の危機に追い込まれた。

注)当時のロシア経済の危機の状況は以下の記事で記載しておいた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/201124.html

 メドベージェフにとってアメリカのオバマ大統領との間で新たな核軍縮交渉を締結し、少しでも軍事予算を削減して民生に振り向ける必要があった。
STARTⅠ(第一次戦略兵器削減条約)は2009年12月に失効するので新たな削減条約の締結が必要だったが、アメリカのミサイル防衛計画がロシアの喉に刺さったとげになっていた。
ロシアは絶対にポーランドとチェコにアメリカがミサイルを配備することは許せない。アメリカがこの計画を放棄するなら新たな戦略核兵器削減条約を締結していい

注)アメリカにとってもロシアにとっても核兵器の製造とその運搬手段をこれ以上保有しても仕方のない段階に達しており特にオバマ大統領は核兵器の廃絶に積極的だった(その功績でノーベル平和賞を授与している)。
しかし双方で同時に削減をしなければ安全保障上の問題があるため合意が必要だった。

 結局オバマ大統領がポーランドとチェコへのミサイル防衛計画を延期したことと交換に、2010年4月7年以内にミサイルの数を2分の1、核弾頭を3分の1に削減し、その確証のために査察を相互に受け入れる条約が締結した。

注)STARTⅠでは両国の核弾頭の数を6000個、ミサイルを1600機にすることが決められていた。しかしこんなに多くの核弾頭があっても使用する場所がないので無駄なことは両国で十分すぎるほど分かっていた(日本の公共工事と同じで無駄でも軍需産業維持のために作り続けている)。

 メドベージェフは明らかにプーチンより開明的な政治家だが、実際はプーチンの傀儡と言う側面が強く自由に外交政策を決定することができなかった(メドベージェフが了承した内容を何度もプーチンによって覆させられている)。
そして国内政治はプーチンの思うままだったので民主化勢力はことごとく暗殺されるか監獄に追いやられてしまった。

 2012年プーチンが再び大統領に返り咲き、「強いロシア」ではあっても民主化運動が完全に押さえ込まれた「古いロシア」が出現している。
やはり「ロシアはロシア」なのだろうか。この国に民主主義が根ずくことは永遠にないのだろうか?
それがこの番組を見終わった印象だ。

なお「プーチンの野望」シリーズは以下に纏めて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52349785/index.html 

 

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(24.12.27) 肺がんだ!! 余命いくばくもないから巡礼の旅に出よう

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  こうした話を正直に書くのはとてもつらいのだが、私はとても気が弱い。
テレビなどを見ていて悲しい場面が出てくるとチャネルをすぐに変えるし、サッカーで日本が負けそうになると思わずスイッチを切ってしまう。
お父さん、まだ私は見てるのよ!!」なんて娘に言われて、はっとわれに返るが、そそくさとテレビの前を離れてしまう。

 そんな訳だから今年の8月に毎年行っている健康診断の結果を通知されて心が動揺した。
肺に影があるので経過措置として3ヶ月ごとにCTスキャンでチェックするように」と書かれていたからだ。
タバコを一切吸わず、毎日走り回って健康そのものだと思っていたのに、なぜ肺に影があるのだ・・・・・・・・

 最初はそれでも「何かの間違いだろう」程度に思いながら3ヶ月ごとにCTスキャンをとっていたが、相変わらず経過措置が続いている。
何とも宙ぶらりんの状態で、だんだんと「もしかしたら本当に肺がんになってしまったのかしら・・・・」なんて思い始めたとたん左胸が痛むようになってきた。

 気にしなければ何でもないのだが、ふと左胸に手を当てたりすると鈍い痛みが感じる。
アー、俺は絶対に肺がんだ。たぶん半年の寿命だろう。放射線療法や抗がん剤の投与を始めるといっぺんで身体が弱ってしまうからこのまま人生を終ろう
そう決心をしたまではいいが、ますます左胸が痛み呼吸をすると苦しい。
おまけに吐き気までし始め、清掃活動のため遊歩道を歩くのも困難になってきた。
思えば昨年から草刈をしすぎたのがいけなかったのかもしれない。草だけでなく土ぼこりが立っていたのを無視して草刈をしたが、胸の中に放射性物質を含んだ土を吸い込みすぎたのだろう・・・・

 ここ1ヶ月ぐらい前から今まで購入しようとして躊躇していたものをアマゾンで大量に購入し始めた。
もう最後だし、お金を残しても仕方ないからほしいものはすべてそろえてしまおう・・・・・
毎日のように宅急便が届くのでかみさんが不思議がって聞いた。
最近やたらとものを購入しているけど、どうして??」

 先日から余命が分かったら最後の巡礼の旅に出る計画を立てた。
自転車でテントと寝袋を積んで、日本全国の神社仏閣をお参りしながら日本を一周しようという計画で、最後は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻るという形で人生を終える計画だ。

 しかしその前に肺がんであることを最終確認するために、私の家庭医で最も信頼できる「かない内科」の金井先生の診断を仰いだ。
先生私の余命はどのくらいでしょうか・・・・
山崎さん、別段肺に影なんかありませんよ、健康そのものです

 聞いたとたんに今までの巡礼計画が雲散霧消してしまった。
左の肺も気にしなくなったとたん信じられないことに痛みが消えてしまった。
なんてことはない、いつものように勝手に自分で病気になっていただけだ
私の気の弱さもどうにかならないかと思うがこればかりはどうにもならない。
半年間肺がんで悩んでいたが、今回も精神的病で終わりそうだ。

なお、精神性の胃がん恐怖症については以下の記事を参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/23715-6c56.html

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(24.12.26) BSドキュメンタリー 「プーチンの野望 新たなる冷戦の火種 グルジア」 その3

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 私が北京オリンピックに浮かれていた2008年8月、世界ではグルジアロシアの間で南オセチア紛争が勃発した。
当初グルジアもロシアも「相手が先に攻撃を仕掛けてきた」と主張していたのでさっぱり分からなかったが、実際はグルジア大統領サーカシビリがロシアの挑発に乗って南オセチアに進軍したと言うのが実態だった(日本がルーズベルトの挑発に乗って真珠湾を攻撃したのとよく似ている)。

 当時私はグルジアの地理的位置も定かではなかったが、ロシアとトルコに挟まれ黒海に面した国で人口約4百万人、観光と農業以外には目立った産業のない、はっきり言えば何もない国だ(日本には大相撲で黒海と言う力士がいたので割合と知られている)。
しかしここは1991年のソビエト崩壊以来常に紛争地域で在り続け、グルジア内部にグルジア人オセチア人オセット人)、アブハジア人アブハズ人)の民族対立があり、実質的に南オセチアとアブハジアはロシアの庇護の下に自治州を形成していた。

 この状況を何とか打破して南オセチアとアブハジアをグルジアの元に取り返そうというのが、民族主義者だった大統領サーカシビリの悲願だった。
サーカシビリはアメリカのパウエル国務長官の評では「直情激高の人物」でアメリカの軍事援助を受けて領土奪還紛争を起こそうとしていた。

 民族紛争が実に厄介なのは南オセチアにもオセット人だけでなくグルジア人もおり、アブハジアにもグルジア人が住んでいたことだ。
ちょうどユーゴスラビアの内戦のような民族浄化紛争に発展しつつあり、これをロシアが平和維持部隊を派遣して(南オセチアとアブハジアに派遣)、かろうじて内戦を抑えているような状況だった。

 サーカシビリにとって我慢ならないのは平和維持部隊がロシア軍であったことで、「これではニワトリの番をキツネにさせているようなもの」と言うのがグルジア側の認識だった。
実際ロシアの平和部隊の任務はグルジアの攻撃から南オセチアとアブハジアを守ることだったと言える。

 この時期ロシアにとって最大の懸念はロシア周辺諸国であるポーランドチェコそしてグルジア等にアメリカのミサイル防衛システムが配備されることで、こうなったらロシアはアメリカに完全に喉元に匕首を突きつけられることになる。
誇り高いプーチンがそうしたことを認めるはずがなく、ミサイル防衛計画を排除するためにはグルジアに軍事行動を起こすつもりだった。

 2004年ごろから急速にグルジアとロシアは緊張関係が強まり、2006年にはロシアの軍人をグルジアがスパイ容疑で摘発すると、ロシアはすぐさまロシアで出稼ぎをしていたグルジア人を強制退去させた。
そして南オセチアとアブハジアに実質的に軍事援助をして完全独立をそそのかした。

 これに反発してグルジアはアメリカの支援で軍事行動を起こそうとしたが、パウエル国務長官はその動きを牽制していた。
アメリカにとって国益にならない戦争は支援しない。グルジアはアメリカの参戦を期待しないでほしい
ただその代わりにアメリカはグルジアとウクライナ)をNATO加盟国にすることでロシアの軍事攻撃を防ごうとしたが、これにはドイツとフランスが反対した。
だめよ、グルジア紛争をNATOに持ち込むなんてとんでもないメルケル首相が言い放った。

注)結局グルジアとウクライナは将来NATOに加盟させるがそれは紛争がなくなってからということになってしまった。

 こうしてサーカシビリは追い詰められていった。南オセチアとアブハジアのグルジア人は民族浄化の標的にされ、ロシア軍はこの両地域保全のために軍備増強に走っており、一方NATOの加盟は実質的に不可能になっていた。
このままでは南オセチアとアブハジアは永久にロシアのものになってしまう。今はちょうどオリンピックが開催されていてプーチンは北京だし、メドベージェフは休暇中だ。このときを逃したらチャンスはない。俺は男だ!!」
2008年8月7日グルジアの真珠湾が始まった。 

 だがこれはプーチンがまさに望んでいたことでロシア軍は直ちに反撃し、攻め込んだグルジア軍を蹴散らして、さらにグルジアの首都トビリシに進軍を開始した。
まったく歯が立たなかったサーカシビリサルコジに泣きを入れて停戦を計ろうとしたが、その条件はグルジア軍の一方的撤退と、南オセチアとアブハジアの独立を認めることだった。
サーカシビリはアメリカの支援を受けることなく一方的に敗北したのである。
プーチンの強いロシアの前にアメリカはグルジアを支援できず、ロシアは確かにこのとき復活していた。

 こうしてロシアとアメリカは新しい冷戦時代に入ることになった。

注)2003年のイラク戦争以降石油と天然ガスの価格が高騰し、ロシアは財政的に完全に立ち直り軍備も増強していた。サーカシビリは運がなかったといえる。
ロシア経済の実態は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/201124.html

なお、「プーチンの野望」シリーズは以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52349785/index.html

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(24.12.25) NHKの日本国債への警告 「安倍さん、本当に国債増発ばかりでいいの?」

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  NHKが「日本国債」と言う番組で安倍総裁に警告を発した。「本当にそれでいいのですか?」と問うている。

 すでに日本は世界最悪の1000兆円規模になっている公的債務があり、そのうち700兆円日本国債になっている。
安倍総裁は今回の衆議院選挙の期間中「日銀を政府に隷属させて建設国債を日銀に引き受けさせる」と公言していた。
言うことを聞かせるように日銀法を改正する」とも言っている。
白川日銀総裁はほとんど壁際に追い詰められ、政府との物価上昇率2%の確約を迫られつつある。
何でもいいから日銀券を刷ればデフレから脱却しインフレになる。だからドンドン印刷してばらまけ」安倍総裁の経済政策だ。

注)安倍総裁の金融政策については以下の記事で批判をしておいた。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-23a0.html

 確かに紙幣をばら撒けばインフレになることは確かで、これはロシアのエリツィンが最も得意とした政策だった。
エリツィンは遊説をするときは飛行機いっぱいに印刷したばかりの紙幣を積んで、遊説先でばら撒いた。
もらった市民はすぐさま闇でルーブルドルに代えて保管したがそうしないとたちまちのうちにルーブルが紙くずになってしまうからだ。

 当たり前のことだが経済規模が拡大しない限り紙幣の増刷はインフレだけをもたらし、給与生活者と年金生活者に塗炭の苦しみを残す
安倍総裁は円の増刷で公共工事を拡大すると言っているが、不要な拡大工事は今度はその後のメンテナンスに莫大な費用が必要になる。
首都高が開業から50年たちボロボロになっており、最近では中央高速笹子トンネルで天井壁の落下が発生したばかりだ。
現実は新規公共工事をするよう余裕などなく、メンテナンスで手一杯と言うのが実態なのに、また無駄な箱物だらけにするつもりだ。

 そうした状況を見て日本国債を喜んで購入していた金融機関が、現在国債の発行現場では消極的になり始めている。
みずほFGでは総資産165兆円のうち5分の1約33兆円が国債の購入に当てられている。
なぜ今まで金融機関が国債の購入に応じたかというと、国内には他に有力な貸出先はなく、一方で日銀がただ同然の資金供給をしてくれるので利回りが1%程度でも鞘が抜けるからだ。
昨年1年間で収益が1500億円になりました」と言っていた。

注)現在金融機関にとって最も安全で確実に収益を挙げる方法が日銀からただの資金を借りて日本国債を購入する方法で郵貯や簡保はこれ以外の運用をしらない。

 しかし日本国債にもリスクがあり、現在1%程度の利回りが上昇すると持っている国債の価格は減価するのでたちまちのうちに金融機関は含み損を抱え倒産の危機に陥る。
ギリシャ並みの40%、ポルトガル並みの23%、アイルランド並みの19%になったらどうしようかと言う問題だ。

 だがなぜか日本国債の利回りは1%程度に張り付いたままだ。最大の理由は日銀が市場で国債を買い支えているからで、日銀の保有する国債は80兆円規模にふくらみ、特に今年だけで40兆円国債購入を実施した。
大丈夫だ、もし国債の価格が下落しそうになれば日銀が購入してくれる。ラストリゾートは日銀だ!!!」

 日本の一般会計予算は約90兆円で内半分の45兆円は国債発行でまかなわれている。それに相当する金額を日銀が市場から買い上げているのだから、実際は国債の日銀引受となんら変わりがない。

 この状況を見て海外のヘッジファンドが日本国債の空売りを仕掛けてきている。利回りが1.5%になれば収支がトントンで3%になれば莫大な利益が出る相場にかけている。
世界的な投資家ジム・ロジャースがシンガポールで講演を行った。
日本は少子高齢化で人口が減少し、移民の受け入れには消極的だ。社会保障費は毎年1兆円規模で増大しているが、生活水準の引下げには応じようとしない。
仕方なく国債発行で帳尻を合わせているが限界が近づいた。今日本国債の値下がりにかければ莫大な収益が上げられるだろう

 日本の財務省は日本国内だけの国債消化が行き詰ると見て海外投資家に日本国債の購入を呼びかけている(今ジリジリと海外投資家の保有が増大している。従来は国内で95%の消化を行っていたが最近は90%程度に落ちてきた)。

 NHKの警告はこうだ。
確かに今までは国内の金融機関が国債購入に応じてくれた。また国債価格の低下を防ぐために日銀が市場で国債を購入している。
しかし国債の発行額は毎年のように増大し、金融機関の購入限度を越えつつある。限度を越えれば国債は紙くずになる。そのときは必ず来るがそれは何時か


なお、日本の財政・金融政策については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/1/index.html

 

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(4.12.24) なぜ中国の株価は低迷するのか? 上海総合指数の低迷と中国経済の実態

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  NHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトが特集で放映した「中国市場の株価の低迷」は興味深かった。
現在上海市場に上場されている上海総合指数はバブル崩壊直前の3分の1に低迷していて、一方アメリカはバブル崩壊前の水準に戻っており、日本も3分の2の水準に戻っているのでひときわその低迷振りが目立つ。

 上海の証券会社では個人がパソコンを使用して自由に株取引ができる設備があるが、現在はまったく使われておらず集まってきた5人程度の女性投資家は事務所の一角でトランプに興じていた。
画面を見てもまったく株価は上がらないから無駄なのよ・・・だからトランプをしているの
中国は偉大な国なのになぜ株価が下がるのよ・・・・・、おかしいじゃない・・・」

 私はわらいこけてしまったが、株価は国の偉大さ経済・政治・軍事・文化の総合)とはまったく無関係で、個別企業の業績と金融政策に左右されるから、いくら女性が国の偉大さを強調しても無駄と言うものだ。

 中国国内の株式市場は他国に見られない特殊な構造がある。
外国人がこの市場にほとんど参加できないと言う制約で、上海市場の場合外国人の持ち株比率がほぼ1%で、しかも個人での参加は不可能で機関投資家が投資信託で運用しているのがすべてだ。

注)香港のハンセン指数はピーク時の8割程度まで回復している。香港はイギリス統治の時代から株式市場は自由化されている。

 日本などは外国人(外国籍の法人や個人)の持ち株比率は約70%だから、自由化なんてものでなく株価は外国人投資家の動きで左右されているが、中国の上海市場はこの対極にあるといえる。

注)日経平均の動きは、安倍総裁の円安誘導発言で円が76円程度から84円前後に10%円安に動いたので、株価が9000円前後から10000に10%程度上昇した。
外国人から見ると円安分だけ株価をアップさせればちょうどもとの価値と同じになるので株式を購入している。これを裁定取引という。


 中国ではリーマンショック後約50兆円規模の財政資金を投入してケインズ政策を実施したため、その後遺症で不動産価格が暴騰し賃金も暴騰したため企業活動がすっかり萎縮してしまった(外国企業が中国から逃げ出している)。
多くの市民が不動産投資に熱を上げたため不良在庫の山となってしまい株式投資に向ける資金などどこを探してもないというのが実態だ。

 こうした状況下にあっても中国政府が株式投資の自由化を認めないのは1997年アジア危機を教訓としているからで、ファンド資金がアジア市場から逃げ出したために、韓国、タイ、インドネシア等が倒産してしまった。
株式がいくら低迷しようが外国資金を株式市場に入れることは相成らん。国家の存亡にかかわる!!」中国政府のスタンスだ。

 中国政府は来年度から株式の長期保有の売却益に対する税率を下げると言う措置をとろうとしてる。
しかしリーマンショック前から株式を保有していた人の評価損は2割から7割なので売却益などでようはずがなく無駄な措置だ。

 一方ここに来て中国の御用学者の間から「中国経済は12年7月~9月が底で、13年度に入り8%成長が可能」とのアドバルーンが盛んに揚げられている。
これは中国国営銀行が今までの緊縮政策を止めて融資拡大に走っていることと、政府が財政政策として(元を印刷して)鉄道建設に拍車をかけ始めたからだ。

 だが、今回は中国のケインズ政策(財政・金融政策)は不発に終るだろう。
中国経済の実態はちょうど日本のバブル崩壊後と同じで不良債権の山が築かれておりちょっとやそっとのてこ入れではどうにもならない状況になっている。

 海外の景気はアメリカ、EU、日本とも低迷しており、国内は不動産の不良在庫がたまり、又金融機関(中国には公的な金融機関だけでなく私的な金融機関が多く存在する)の倒産が始まっている。
日本の1990年代と同じだと言ったら一番イメージがわくはずだ。

 経済は回復するはずはなく中国の株価低迷は中国経済の実態を正しく反映していると言える。

注)ただし中国政府発表のGDPの推移は8%を越すだろう。これは中央からの指令が8%を越えるように指示されているからで、地方は鉛筆をなめてそのような数字を挙げる。
そうしたGDPの推移を見るより上海総合指数の動きを追う方がはるかに中国の経済実態を理解できる。

なお中国経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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(24.12.23) BS世界のドキュメンタリー 「プーチンの野望 脅かされる民主主義」 その2-2

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  この記事は「プーチンの野望 脅かされる民主主義 その2-1」の続きです。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/241221-bs.html

 「スラブはスラブ」だとつくづく思う。「強権」と「民権」の間を揺れ動き、当初指導者は「民権」の代表として登場する。
しかし結局は「強権」発動をしてジャーナリストを殺害したり、選挙結果を自派に有利なように改ざんしたり、それでも駄目な場合は内務省治安部隊を派遣して流血の惨事を招くと言うのがお決まりのパターンだ。

 プーチンもそうだし、ウクライナのクチマ大統領もそうだった。
クチマ大統領は1994年から2004年のオレンジ革命までウクライナの大統領だったが、当初は西欧からの資本を導入して西側との親密な関係を築いたものの、いつもの縁故主義がはびこりウクライナは汚職の巣窟になってしまった。 

 これを暴いたジャーナリストが暗殺誰が命令したか証拠がなくうやむやになっている)され強権政治を発動したのですっかり西欧との関係が冷え込んだ。
クチマ大統領は「それなら頼るのはロシアだ」とプーチンに擦り寄ったが、それに反対しオレンジ革命で勝者になったのがユーシェンコだった。

 2004年に行われたウクライナの大統領選挙ほど「スラブはスラブ」だと感じたことはない。
ユーシェンコは明確に西欧との同盟を掲げ、EU、NATOへの加盟を表明していたので、プーチンにとり由々しき事態といえた。
なにしろウクライナはロシアの次に巨大な国土を持ち、人口は約45百万人、ソビエト時代から穀倉地帯と知られ、特に東部地区は鉄鉱石と石炭が産出していたので一大工業地帯になっていた。

ウクライナをアメリカや西欧に押さえられればロシアの未来はない。
ここには800万人のロシア人がいて、ヨーロッパ向けの主要な天然ガスのパイプラインが通っている。そして何よりわが黒海艦隊の基地があるではないか!!」


 2004年の大統領選挙では西欧派のユーシェンコとクチマ大統領の傀儡でロシア派のヤヌーコビッチの一騎打ちになった。
このときロシアはこの選挙に選挙参謀どうしたら票を操作できるかの参謀)を送りプーチン自身も7回も訪問して選挙のてこ入れを行った。
何でもいいからユーシェンコの選挙を妨害し、ネガティブキャンペーンを行い、それでも駄目なら暗殺しろ!!」

 クチマ大統領ユーシェンコの集会所をわざと封鎖したりして妨害したが、さすがに暗殺までは二の足を踏んだ。
クチマ大統領の弱腰に腹をたてたプーチンはKGBに命じた。
駄目だ、このままではヤヌーコビッチは負ける。何とか分からないようにユーシェンコを殺すか病気にさせてしまえ!!!」

 この事件ほど世界を震撼させた事件はない。2004年9月6日ユーシェンコは食事の後急激に体調が悪化し体中から吹き出物が出たが、大量のダイオキシンを飲まされたのが原因と判明した。
ユーシェンコは死地をさまよったものの何とか回復して2週間後の集会に出席し参加者の熱狂的な歓迎を受けた(このときの映像は私も見ている)。

 怒った民衆はユーシェンコに大量の同情票を投じたため、大統領選挙の出口調査ではユーシェンコの圧倒的な勝利だったが、開票結果はヤヌーコビッチの勝利となった。
不正は明らかだったのでふたたびウクライナは大混乱になってしまい、クチマ大統領プーチンにせっつかれて内務省治安部隊の戦車を派遣した。
しかしアメリカのパウエル国務長官からの電話等もあって、さすがに弾圧に乗り出さなかった。

注)クチマ大統領は優柔不断な性格でプーチンのように冷酷になることはできなかった。ロシアとアメリカの間で動揺し決断することができなかった。

 結局ポーランドの仲裁で円卓会議を開催したが、そこに出席したロシア代表が言い放った。
不正があったとしても10%程度だから、ここは選挙管理委員会の決定を重視してヤヌーコビッチを大統領として認めるべきだ

 しかし世界が注目する選挙結果で不正率10%の選挙を認めるわけにいかなかったので、最高裁判所が選挙の無効を宣言し再選挙を行った結果ユーシェンコが正式の大統領に就任した。
2005年1月のことである。

 このときからロシアとウクライナとの間では長く続く天然ガスの争奪戦ロシアがウクライナ向け天然ガスの供給を停止したので、ウクライナを通り他国に向かっていた天然ガスをウクライナが抜き取る争奪戦)が始まった。

注)ウクライナとロシアの天然ガス争奪戦は以下の記事に詳述してある。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2117-a928.html

 
ウクライナの選挙妨害に失敗したロシアはその後危機感を強め、国内の民主化組織の大弾圧に乗り出した。
右派的な若者10万人を集めて「ナーシ」を組織し、外国人の排斥運動をあおったため一時モスクワには日本人でさえ近づけないような有様だった(
出稼ぎの中国人に間違えられる)。
さらに国内に1000近くあったNGOや民主化組織を
海外から資金提供を受けている反ロシア的組織」として法的に取り締まった。

注)KGBはその証拠として「イギリスのMI6から資金提供を受けている民主化組織の秘密交信の現場」だという映像を流した。

 こうしてロシアの民主化運動はプーチンの手によって息を止められることになった。

なお「プーチンの野望」シリーズは以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52349785/index.html

 

 

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(24.12.22) 誰が大統領でも韓国との和解と協力はありえない。 「歴史認識の相違」

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 世の中には絶対に和解も協力もできなく、平和をもたらさない相手がいるものだと再確認してしまった。
今回韓国大統領に選出されたパク・クネ氏が「正しい歴史認識を土台に北東アジアの和解と協力と平和が拡大するように努力する」と言ったからだ。

 問題なのは「正しい歴史認識」と言う言葉で、これは韓国と日本ではほぼ180度異なっており、互いにまったく違う歴史認識を持っている。
パク・クネ氏が言っている歴史認識とは、竹島韓国では独島)は韓国の領土であり、従軍慰安婦問題では日本は謝罪して賠償責任を負えということだ。

 一方日本の歴史認識では、竹島は戦後日本が敗戦で打ちひしがれていた間隙をぬって、1953年李承晩大統領が掠め取りその後実効支配している島と言う認識だ。
また従軍慰安婦等を含めた韓国に対する賠償はすでに1965年の日韓基本条約で「韓国は日本に対し賠償請求権を放棄し、一方日本は韓国に1080億円の経済協力金を支払うことで解決済み」という歴史認識になっている。

注)竹島問題の経緯の詳細は以下の記事に纏めておいた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/20522_7e99.html

 これだけ歴史認識が異なるのだからいくらパク・クネ氏が「正しい歴史認識」と言っても歩み寄りがあるはずがなく、互いに罵声を浴びせてののしりあう以外に対応のしようがない。

 だが従軍慰安婦問題については日本人の間にも歴史認識に誤解がある。
それは日本軍が兵隊を徴用したように従軍慰安婦を徴用したと言う誤解で、あたかも従軍慰安婦が兵士と同じような国家権力で従軍したと思っていることだ。

 そんなことはまったくないのは、いくら政府の公式文書を探して出てこないことから分かるが(ただしでっち上げ文書はある)、わざわざ徴用する必要がなかったからだ。
日本では戦後売春防止法が制定されるまでは売春は広く認められた職業で、斡旋業者が貧しい農民の子女を安く買い集めて遊郭に売っていた。

 この人身売買の対象者は貧困家庭で(だから子供を売ることで生計を維持した)、戦前・戦中を通して朝鮮人の家庭は貧しい人が多かったから売春婦に朝鮮人が多かったが、当然ながら多くの貧しい日本人もいた。
人種で区別したのではなく経済状況で区分していたのだ。

 そうして日本軍の占領地域にこの従軍慰安婦がいたのは、日本の兵士が外国に行ってしまって日本ではこの商売が上がったりになったから海外進出しただけに過ぎない。
もちろん軍と業者の癒着やアウンの呼吸のようなものが在ったのは事実だが、国家が軍に命じて売春婦を公式に派遣したわけでない

注)一部の日本おとしめ派の人が「公式な軍の命令があった」という文書を捜し求め、時々これがその証拠だと言うものが出てくるが、でっちあげか単なる私的文書に過ぎない。

 売春行為はかつては貧しい子女が金を稼ぐ唯一の職業だったと言うことで、親には代金が支払われておりそれが従軍慰安婦の実態だ。
だから日本政府が公式に謝罪したり、賠償を払うようなものではなく私的な経済行為と言える。

 しかし韓国人からすると、「かよわい女性を軍隊が無理やり徴用して、性の奴隷にした」と言うのが歴史認識だから、歩み寄りなどあろうはずがない。
日本と韓国との間には和解も協力もありえないというのが正しい歴史認識だといえる。

注)日本と韓国との間(中国も同じ)絶対が和解不能だと言うことは前に以下の記事で詳細に論じておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-a3f7.html

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(24.12.21) BS世界のドキュメンタリー 「プーチンの野望 脅かされる民主主義」 2-1

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  プーチン
は大統領就任当初西側との同盟路線をとっていたが、アメリカや西欧の態度がロシア排除であることを認識してからは「強いロシア」の復活に邁進した。
とくにプーチンが求めたNATOへの加盟を拒否されたことがプーチンの自尊心を痛く傷つけた。

注)2000年3月に大統領に就任したプーチンは2003年3月のアメリカのイラク侵攻までは協調路線をとっていた。

 かつてのソビエトの衛星国だったチェコ・ハンガリー・ポーランド1999年NATOに加盟し、さらに2004年ブルガリア・ルーマニア・スロバキア等7カ国がNATOに加盟するとプーチンの猜疑心は頂点に達した。
そうか、アメリカと西欧は旧ソビエト諸国をすべてNATOに加盟させ、ロシアを包囲するつもりだ・・・・」

 だがプーチンにとって当時最も頭の痛い問題はチェチェンの独立運動で、ロシア軍の総力をあげて独立派を叩き潰しにかかっていたが、独立派は地続きのグルジアパンケシ渓谷に逃げ込み盛んにテロ攻撃を仕掛けていた。
チェチェンのテロリストを叩き潰すまではNATO問題にかまっていられない・・

注)チェチェン紛争は1999年から2009年まで10年間に渡った紛争。
チェチェン独立派のテロ事件として最も有名なのは以下の二つ。
・2002 モスクワ劇場襲撃事件 死者169人
・2004 ベスラン小学校襲撃事件 死者322人

 
プーチンは国内では新興財閥の資産を次々に没収して国家管理にし、敵対するジャーナリストは暗殺し、外国から支援を受けている民主団体をでっち上げの罪で解散させていたが、チェチェン紛争だけはチェチェン独立派の手ごわい反撃にあっていた。

 パンケシ渓谷グルジアの領土だから直接掃討作戦をとるわけにはいかなかったのでプーチンはグルジアに脅しをかけた。
グルジアが適切な手段をとらなければロシア軍がパンケシ渓谷のチェチェンのテロ集団を一掃する

 当時グルジアはシュワルナゼゴルバチョフ時代のソビエトの外相)が大統領だったが、シュワルナゼのグルジアは経済的にも政治的にも破綻していた。
もとともグルジアは経済的には何もないところでソビエトの一員としてかろうじて経済が成り立っていたため、独立したことでひどい窮状に陥っていた。

注)旧ソビエトから独立した国で何とか経済を立て直せたのは石油等の資源がある国だけで、それ以外の国はひたすら貧乏になるだけだった。

 シュワルナゼは国民から見放されて支持を失っていたので、2003年11月の議会選挙では選挙結果を操作して、自分を支持する政党に有利な開票結果に改竄した。
当然野党勢力は大反発して議会をボイコットし、特に野党党首のサーカシビリから糾弾され窮地に陥っていた。
グルジア内はテンヤワンヤの大騒ぎだったので、とてもプーチンの強硬外交に対応できるような状態ではなかったといえる。

注)ロシアをはじめ旧ソビエト諸国は独立後選挙を行ったが、どこも不正が蔓延し適切な選挙結果になることはなかった。旧ソビエトの役人は今も昔も選挙は不正をするのが当然と思っている。

 そこでシュワルナゼサーカシビリとの仲裁に乗り出したのがロシアで、イワノフ外相がモスクワからトビリシグルジアの首都)に出向いた。
シュワルナゼはロシアの後押しを期待していたが、ロシアはどちらにも加担しないとの態度であったため、シュワルナゼは落胆して大統領を辞任2004年の選挙でサーカシビリが大統領に就任した。

 ロシアがどちらにも肩入れしなかったのはシュワルナゼサーカシビリもロシア派でなかったからだ。
ロシアにとってはどちらが大統領であっても好ましくはなかったが、パンケシ渓谷にいるチェチェン独立派掃討に協力してくれさえすれば選挙結果を是認するつもりだった。

 しかしグルジア側にはロシアと共闘を組めない事情があった。グルジアの領内の南オセチアにはロシアへの帰属を望む独立派が存在し、ロシアの支援で独立を勝ち取ろうと虎視眈々と狙っていたからだ。
ロシア軍の侵攻を認めると南オセチアが独立してしまう。絶対にそれは認められない
大統領就任後サーカシビリはアメリカの後押しでロシアに対抗しようとしたため、プーチンのロシアと全面対決することになっていった。

続く

なお、「プーチンの野望」シリーズは以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52349785/index.html

 

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(24.12.20) 石油時代の終わりとシェールガス革命 世界が変ろうとしている!!

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  時代の流れが速すぎるとその中にいるときは何が起こっているか分からないものだ。
今急速に石油の時代が終り、ガスの時代に移ろうとしているが、そのことを明確に認識している人は少ない。
先日来長谷川慶太郎氏の「シェールガス革命で世界は激変する」と言う本を読んでその感を深くした。

 シェールガスと言っても普通の人は「天然ガスとどう違うの?」と言う感度のはずだ。
実は天然ガスシェールガスも成分はまったく同じで、単に採掘の仕方が異なるだけだ。
天然ガスは地下の岩盤層の割れ目の隙間に大量にたまっているので、そこに鉄パイプを打ち込めば吹き出てくる。
それに対しシェールガスシェール層と言う泥岩の一種に閉じ込められているため、高水圧で岩盤を砕いて割れ目を作って岩とガスを分離し、そこからシェールガス(天然ガスを採掘している。

注)シェールガスそのものについての詳細な説明については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/23520-d5f1.html

 技術的にはシェールガスの採掘が圧倒的に難しいので長い間その採掘を諦めていた。
しかし21世紀に入り原油価格が暴騰しそれにあわせて天然ガスの価格も暴騰するようになると、シェールガスを採掘しても採算が合うことになった。

注)長らく1バーレル30ドル程度で安定していた原油価格は08年まで一本調子で高騰しピーク時は147ドル程度まで上昇した。

 そしてこれが一番大事なことだが、シェールガスはシェール層のある場所ならどこにでも存在し、アメリカ、中国、アルゼンチン、メキシコといったそれまでは産油国とは言いがたかった国で大量に産出することが分かってきた。
シェール層は泥岩が固まったものだから大河が運んできた泥が集積している場所ならばどこにでもシェールガスが存在する

注)アメリカではミシシッピ川、中国には黄河や長江、アルゼンチンにはラプラタ川等がある。

 しかも驚くべきことにその埋蔵量はほとんど無限で現在分かっているだけでも採掘可能量は世界の使用量の60年分、技術開発が進めば239年分存在すると言うのだからすさまじい。
アメリカではエクソン・モービルと言ったメジャー資本がこの採掘に乗り出して、現在アメリカの天然ガス使用量の23%(2010年まで拡大し、アメリカは世界最大の天然ガス産出国シェールガスを含む)になってしまった。そして今後どこまで生産拡大するかわからないような状況になっている。

  さらに驚くべきことには技術開発が進んでアメリカではシェールガス(天然ガス)の価格が劇的に下がってきた。
100万BTU(英国熱量単位)で従来は15ドル前後だったのが、現在は4ドル前後に値下がりしている。

 現在シェールガスはアメリカの国内法でFTA締結国以外には輸出できないが、オバマ政権は輸出振興のために日本等への輸出を検討し始めた。
現在日本はLNG(液化天然ガス)を16ドル程度の世界最高価格で輸入しており、これが日本の貿易収支をひどく圧迫している。

注)日本の貿易収支の現状とシェールガスの関係は以下に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-dd1f.html

 
現在原油価格が軟調なのはアメリカが原油の輸入を減少させそうだからで、シェールガスの生産が増えれば増えるほど原油価格は低下する。
そうなると地政学的な大変革が起こり、以下のように纏められる(
燃料としては原油とガスは代替関係にある)。

① 原油価格と天然ガスの価格低下は資源国(中東、ロシア)等の地位が相対的に低下する。

② シェールガス革命により天然ガスの価格が低下すると、最も安価な熱資源は天然ガスになり、火力発電所のウェイトが高くなる。

③ それまで最も安価と言われてきた原子力は高価な発電施設になり、また太陽光や風力発電に対する需要も激減する。

④ 石油よりガスの時代になって石油化学の位置が相対的に低下しガス化学の時代になる。

⑤ 自動車はガス自動車が主力になる可能性が高い。

 
19世紀が石炭の時代、20世紀が石油の時代だとすると、21世紀はガスの時代になる(原子力や自然エネルギーの時代ではない)。
何しろシェールガスは世界のほとんどの場所に存在し、埋蔵量は無限大で価格は何よりも安いのだから最高の熱量だ。
おそらくここ10年のあいだに、誰の目にもシェールガス革命が明らかになるだろう。

注)天然ガスとLNGの価格の推移については以下のグラフ参照。日本だけが突出して高価なLNGを購入しているのが分かる。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4124.html

 

 

 

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(24.12.19) BSドキュメンタリー 「プーチンの野望」 その1-2

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  この記事は「プーチンの野望」その1-1の続きです。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-0d45.html


 今思うとロシアとアメリカの間で一時的にせよ蜜月時代があったとは不思議な気がする。
それはプーチンが大統領になった2000年からブッシュイラク戦争を始めるまでの2003年までの約3年間だが、この間はロシアとアメリカの関係はちょうど日本とアメリカのような関係だった(石原氏の言葉で言えばアメリカの妾のような関係)。

 なぜプーチンのロシアがアメリカや西欧との関係改善を求めていたかと言えば以下の理由だろう。
① 国内経済が疲弊し海外からの資本投入以外に経済再建がおぼつかなかったこと、
② 国内の反プーチン派を叩き潰すことに忙しかったこと、
③ チェチェンで独立運動が起こっていたこと

プーチン
にとり上記問題の解決が優先で、その間はアメリカとことを起こしたくなかった。

 プーチンにとって幸いだったのは2001年9月に信じられないような同時多発テロがニューヨークで発生し、ブッシュ大統領が頭に血が登ってアルカイダ殲滅に乗り出したことだ。
ブッシュアルカイダが根拠地を置くアフガニスタンの山岳地帯を攻撃することにしたが、空母による海からの攻撃だけでは容易にアルカイダは背後の旧ソビエト領タジキスタンキルギスに逃げ込んでしまう。

 そこでタジキスタンとキリギスの空軍基地を対アルカイダ殲滅のために使用してほしいとプーチンのロシアに申し込んだ(ロシアの同意なしには両国は基地の提供ができなかった)。
この申し出でに対しロシアのイワノフ国防相は絶対反対だったが、プーチンはロシアが行っている「チェチェン紛争は同じくテロとの戦いだ」と言うことをアメリカが同意することを条件にこの申し出でを受け入れた。
チェチェンの戦士の秘密訓練所がアフガニスタンにあったこともプーチンが同意した大きな要因だったと言う。
よし、アメリカにアフガニスタンにあるチェチェンの秘密訓練所をたたいてもらおう

注)通常ロシア周辺諸国の独立運動の資金はアメリカをはじめとする西側諸国から提供される。アメリカがチェチェンの独立派をテロ集団と認めることはアメリカからの資金提供がとまることを意味する。

 だがしかしロシアとアメリカとの蜜月はそう長くは続かなかった。
アメリカが長くロシアとの間で締結していたABM条約弾道弾迎撃ミサイル制限条約)を廃棄したいとロシアに申し出て来たからだ。
ABM条約迎撃ミサイルの配置と数を制限する条約で、迎撃能力を互いに最小に抑えることで相互確証破壊を保障し、その結果互いに核戦争を防ごうとした条約である。

注)核戦争を行えば互いに消滅するから戦争を起こさないようにしようと言うことだが、そのために迎撃能力を制限すると言う発想は日本人にはなじまない。それなら核兵器を持たなければいいではないかと思うが、ロシア人やアメリカ人は核兵器がなければ安心できないし、核兵器が確実にその能力を発揮できなければさらに安心できない。

 アメリカがABM条約を破棄しようとしたのは核兵器の運搬手段を持つ国はロシアだけでなく中国インドイランも(現在では北朝鮮も)そうした能力を持ってきたからだ。
まずいじゃないか、迎撃能力がないとロシアの核兵器はともかく中国やイランからの攻撃を防げないじゃないか・・・・

 一方ロシアは迎撃能力ではるかにアメリカに遅れていたためABM条約の破棄に大反対したが、アメリカはロシアの反対を押し切って2002年に脱退してしまった。
このことがプーチンにアメリカとの蜜月時代の終焉を決意させた。
2003年3月、アメリカはイラクに大量破壊兵器が隠されているとの理由にイラク侵攻を図ることにし、国連決議を要求したがこのときロシアはフランスとドイツと図って安保理決議を葬り去ることにした。
明確な証拠がない限りイラクへの侵攻は認められない

注)後にイラクに大量破壊兵器があるとの情報はCIAのでっち上げだったことが判明した。

  アメリカは致し方なくイギリス・オーストラリア等との有志連合でイラク戦争に突入したが、この戦争を契機に石油価格が上昇し始め石油資源王国ロシアに思わぬ富をもたらすことになった。
石油価格は開戦当初30ドル程度だったのがその後一本調子で上昇し、リーマンショックで世界経済が崩壊する2008年まで約100ドル程度にまで上昇した。

 ロシアは漁夫の利を得たのだが、当初この利益は新興財閥だけのものだった。
プーチンは強いロシア再生のために石油会社ユコスポドルフスキーをKGBの総力をあげて追い込みユコスを国家管理にすることで財政の安定化が図れるようになった。
そうしてプーチンはアメリカとの提携を捨てて、再び強いロシアに邁進し始めた。

注)ロシア経済の実態は以下の二つの記事に纏めておいた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/201124.html

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-afae.html

続く

 
 

 

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(24.12.18) 何が民主党を惨敗させたか? 鳩山総理と菅総理の大失政

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 第46回衆議院選挙
は大方の予測どおり自民党の圧勝に終り、民主党は惨敗と言うよりも凋落と言う状況になった。イメージは大阪城落城だ。
自民党と公明党をあわせた国会議員数は325名だから、法案を衆議院で再可決できる3分の2320名)を越えたことになる。
これで衆議院に優勢権のない国会同意人事日銀総裁等)以外で自民党はオールマイティーの力を得たことになる。

注)上記の日銀総裁の人事ではかつて福田政権が参議院民主党の反対で元大蔵官僚を総裁につけることに失敗している。

 今回の衆議院議員選挙はしらけきった選挙になってしまった。なにより小選挙区の得票率が前回より10%あまり下がって59.26%過去最低だったことがそれを示している。

 なぜ国民がこんなにしらけて民主党を見捨てたかというと、鳩山・菅と二代続いた民主党政権の失政のせいだ。
鳩山氏は普天間基地移設問題で、ありえない「国外か県外、最低でも県外と言う夢想を描いて自沈したが、鳩山氏が残した最大の汚点はアメリカとの関係を徹底的に悪化させたことにある。

 おかげでその後中国、韓国、ロシアから領土問題で押しまくられてしまったが、アメリカの核の後ろ盾のない日本は赤子の手をひねるようなものだとみなされたのがその原因だ。
中国との間では現在尖閣諸島をめぐり一触即発の状態になっており、これはすべて鳩山氏の愚かなパフォーマンスのせいだ。

注)しかし鳩山氏は日本が中国から脅されるようになった原因が自分にあることに気がついていない。

 菅氏の場合は東日本大震災の対応でヒステリーを起こし、福島第一原発の水素爆発を誘発した責任がある。
私は長い間システム担当をし、システムトラブルに遭遇したが、そうした場合の上司の一番の心得は、最も優秀でシステムを知悉している人に処理を任せ口出しをしないことにある。

 その人間が全力を尽くしてもなおトラブルが収束しない場合は他の誰がやっても収束しないのだから、上司がすることは辞任を覚悟で静かに見守って作業に余計なちゃちが入るのを防ぐことだけだ。
菅総理の行ったことはこの反対で福島第一原発の所長が全力でトラブル処理を行っているときに何回も呼び出して説明をさせ、かつ余計な指示をしまくっていた。
私は菅総理が余計な口出しさえしなければ福島第一原発の水素爆発は防げ、チェルノブイリに匹敵する放射能災害が発生することはなかったのではないかと思っている。
福島県の住民を苦しめている全責任は菅総理にある。

注)菅総理の誤った指導は以下のように総括されていた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231229.html

 鳩山・菅総理に比べれば野田総理はるかに現実的で無難な総理だったが、消費税を上げ日米関係を修復したことは自民党政権とはなんら変りがなかった。これでは自民党野田派と揶揄されるのはいたし方がないところで、「なら民主党でなくて自民党でいいじゃないか」ということになる。

 民主党政権になって3年余り、すっかり民心は民主党から離れてしまい立ち直ることが不可能なほどの大敗北を民主党は喫した。
3年前ありえない幻想をマニフェストに記載して大勝したのだから、幻想であることが分かってしまえば見捨てられるのもいたし方がないところだ。

 今度は安倍政権になるが、安倍氏は安保・外交ではしっかりした定見を持っているものの、経済政策は相当危うい。
私は安倍氏がもくろむ日銀の隷属化と、建設国債の日銀引受はインフレ以外の何ももたらさないので反対だが、そのことが分かるまでには又3年程度の歳月が必要なのだろう。

注)安倍氏の経済政策に反対する理由は以下に記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-23a0.html

 

 

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(24.12.17) 中国航空機の領空侵犯 尖閣諸島は一触即発の状態 「戦争をしたくなければ尖閣をよこせ!」

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  尖閣諸島
をめぐる領有権問題で、中国はますます領有権の主張をエスカレートし、ついに航空機による領空侵犯を始めた。
12月13日に中国国家海洋局所属のプロペラ機1機が、尖閣諸島の日本側領空に侵入したのだが、当初日本側のレーダーではこれを補足できなかった(侵犯前の補足に失敗した)。

 政府はこの失敗にかんがみAWACS(空中警戒管制機)をこの方面に飛ばして、領空侵犯を防ぐとの意思表示を示したが、実際は領空侵犯を防ぐことは無理だろう。
何しろ中国は海でも海洋監視船を日本の領海に何度も進入させているが、日本側は海上保安庁の巡視船が「領海から出るように」説得しても「ここは中国の領海だ」と答えて蛙の顔にションベンだからだ。

 実は領土・領海問題は互いに譲らない場合は戦争で決着するほかに手段がない。
中国は明らかに日本を挑発して日本から戦争を仕掛けさせようとしており、そのために何度も船舶や航空機を進入させて日本側が実力で排除する時を狙っている。

 たとえば自衛隊の航空機がプロペラ機を強制的に那覇空港に着陸させようとすれば中国空軍の航空機が出てきて自衛隊機と戦闘をする腹で、戦闘が始まれば中国海軍が尖閣諸島に上陸してここを占領するつもりだ。

 中国は領土紛争を戦争で解決しようとした歴史的経緯を何回も持っており、チベットウィグルは人民解放軍が無血占領したが、さすがにソビエトとの領土問題では地域紛争になった。
1969年に発生したアムール川の中州にあったダマンスキー島をめぐる戦闘で、両軍合わせ100万人規模の軍隊を動員し中国側で800人、ソビエト側で80人の死傷者が出た。

 この戦闘で両国は核兵器の使用を互いに脅しに使ったが、その年の秋にコスイギン周恩来の間で手打ちが行われ戦闘そのものは終結し、その後1991年にロシア側の政治的混乱と経済が疲弊したときに中国が金銭を支払って中国領にした経緯がある。

 また領土紛争ではないが1979年にはベトナムに対し中越紛争を仕掛けている。原因はベトナムが中国の支援していたポルポト政権を打倒したためだ。
このときは50万人規模の軍隊を動員してベトナムに攻め込んだものの、戦争慣れしていたベトナム軍の反撃にあって敗走している。

注)中国は戦争が実は強くない。ダマンスキート島の紛争では死傷者の数からして中国の負けだし、ベトナムには大恥をかかされて敗退している。

 だが中国は軍事国家だから紛争は最後は戦争で決着させることに躊躇しない。
尖閣諸島問題でも中国は日本との領有権問題を戦争で決着つけるつもりで、そのための挑発を何度も行ってくる。
小日本など何するものぞ!! わが国には大陸間弾道弾と核弾頭がある。いざとなればそれを日本に落とせばいい

 日本はアメリカとの間で日米安保条約が締結されていて、尖閣諸島は安保条約の範囲内とアメリカ政府が後押しをしてくれているので、核の脅しには核の脅しで対抗できる。
しかし通常の戦闘は自衛隊と人民解放軍の戦いになるだろう。
中国は銃口で国家を作った国だ。
戦争をしたくなければ尖閣諸島をよこせ!!!」挑発は続く。

注)鳩山・菅と続いた民主党政権をアメリカは嫌っていたので、今までは明確な形で尖閣諸島が日米安保の対象だとは言ってこなかった。
今回中国航空機の領空侵犯を見て、中国が日本に戦争を仕掛けていることが明確になったので、ようやく重い腰を上げてくれた。


 日本は安倍政権ができれば本格的な防衛体制を構築するだろうが、中国とは一触即発の状況が続きそうだ。
だから、日本企業の中国進出は9月の暴動以上の被害が発生すると思わなくてはならない。今のうちに中国から撤退するのが最善の選択だろう)。

なお中国との尖閣諸島に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51088450/index.html

別件)ブログ「おゆみ野四季の道」のカウンター10000を「おゆみ野四季の道 新」に加えました。

 

 

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(24.12.16) BSドキュメンタリー 「プーチンの野望」 その1-1

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  私が本格的にブログを書き始めたのは2007年2月だから、それから約6年間記載し続けたことになる。
ずいぶん長い間毎日休まず掲載してきたが、今思うとなぜもっと早くからブログを書かなかったか残念でならない。

  日本で本格的にブログが利用され始めたのは日本語対応がなされた2002年頃からだから、少なくとも2007年より5年前にはスタートできたはずだ。
私が残念に思う最大の理由はその間に発生した政治・経済・社会情勢に対し私が何を考え、何を感じたかの痕跡を残せなかったからだ。
もし、2002年ごろから書いていれば、より深い政治や経済の分析ができていたし、その積み重ねはかなりのものだったはずだ・・・・・・・・

 だがしかし「捨てる神あれば拾う神あり」だ。
NHKが昨年放送し、最近再放送していたBS世界のドキュメンタリープーチンの野望 1~4」を見て、失われた5年を少しでも補うことができると嬉しくなった。

 プーチンが正式に大統領になったのは2000年3月で、身体はボロボロで判断力もなくなっていたエリツィンの後継者に指名された。
映像では2000年1月4日にエリツィンプーチンを大統領府に呼び出して大統領代行に任命するとの体裁をとっていたが、実際はプーチンに追い落とされたのだと私は思っている。

 それまでプーチンは連邦保安庁のトップだったが、連邦保安庁とはあの悪名高かった秘密警察KGBの後継組織である。
エリツィンの家族や側近は汚職のし放題だったから、その証拠をすべてプーチンに握られておりその免責と引き換えに大統領の座をプーチンに譲ったと言うのが実際だろう。

 エリツィンのロシアは経済的には破綻し、又国内ではチェチェン紛争で連邦の更なる崩壊の危機にさらされていた。
プーチンがまず取り組んだのはチェチェン紛争の解決で、プーチンの言うテロ集団独立派)を軍事力で押さえつけることだった。
ロシア軍はソビエト崩壊までは世界最強の軍事大国だったからさすがに戦争には強かったが、ロシアにもアキレス腱があった。
軍事予算が十分に確保できなく、軍隊の士気が地に落ちていたことだ(給与が遅延し装備は旧式のままだった)。

 当時ロシアにはオリガルヒという新興財閥が棟梁跋扈していて、石油、天然ガス、石炭、ニッケル等の鉱物資源、金融、メディア等すべてを抑えていて、国会議員を金で買収していた。
国家よりもオリガルヒが実質的なロシア政府だったといってもいい。

 このオリガルヒプーチンは全面戦争を行うことになったが、当時プーチンが抑えていたのはKGB連邦保安庁と名前を変えていたがKGBと言ったほうが分かりやすい)と軍隊だけだったから、当初は力はイーブンだった。
まず最初にプーチンは国家財政立て直しのため所得税を13%に引下げオリガルヒにも所得税を納めるように要請した。

注)ロシアでは税金を納めないのが普通で、税金の代わりに役人に対して賄賂を送り権益を得ていた。役人は政府から給与がもらえないためこの賄賂こそが生活費だった。

 しかしオリガルヒが税金徴収に大反対のキャンペーンを始めたので、プーチンはまず最初にメディア王グジンスキーを標的に定め、KGBに脱税等の調査を命じて2000年6月グジンスキーを逮捕した(逮捕容疑は山ほどあったがそれまでは警察を買収して逃れていた)。

 グジンスキーは海外に出獄することを条件に逮捕を免れたが、これによりメディアはプーチンの支配下に置かれることになった。
それまで政府批判一辺倒でニュースキャスターが政治家よりも権力を持っていたのが、一夜にしてメディアは政府の犬に変わってしまった(一部のジャーナリストは抵抗したが、ほとんどが不慮の死をとげている)。

 メディアを抑えた後、次は鉱物資源の再国有化政策を推し進め財政の安定化を図ろうとしたが、ここでは石油会社ユコスの社長ポドルコフスキーが立ちはだかった。
プーチン円卓会議を開催して主要なオリガルヒを集めて税金を支払うように要請した。
減税するから所得税を支払い、ビジネスマンは政治に口を出すな」と言うのがプーチンの主張だったが、国会議員をほとんど買収していたオリガルヒは馬耳東風だった。

 反対にポドルコフスキーはプーチンの側近が石油企業を買収する際に多額の賄賂を要求し、本来の価格の2倍の値段で企業買収をしたと言うことを証拠を示して反論した。
こうしてプーチンポドルコフスキーは全面戦争に突入し、プーチンはKGBを使ってポドルコフスキーの側近の脱税や汚職を暴いて次々に逮捕をするようになった。

注)逮捕容疑は山のようにあったが、それまでは警察や裁判所をすべて買収していたので逮捕されなかった。しかしKGBはアメリカの禁酒法時代のアンタッチャブルを真似た特別チームを作り、ポドルコフスキーの側近を次々に逮捕していった。

 ポドルコフスキーは資金力でプーチンに対抗し、特に国会議員選挙ではプーチン派を追い落とすべく、資金的にも行動の上でも、プーチンに反対していた共産党や民主団体を応援した。
しかしこの勝負はプーチンの勝ちで、プーチンは2003年10月にKGBにポドルコフスキーの逮捕を命じ、その後はでっち上げの裁判で10年間の収監を命じた。

注)独裁国家では反対者は監獄にいるか殺害される。
プーチンの最大の敵対者ポドルコフスキーはプーチンが権力を握っている限り監獄からは出られない。


 こうしてプーチンはロシア最大の石油会社ニコスを国有化することに成功し、その後はここからあがる収入で国民に給与と年金を支払うことができるようになった。
それまで貧困のどん底にいた国民は狂喜してプーチンを支持するようになり、プーチンの地盤は磐石になっていった。

注1)ロシアの経済構造については以下の記事参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/201124.html

注2)私はこのプーチンがとった措置は何とも野蛮には見えるが、しかしプーチンが愛国者だと言うことは認めている。
それまで新興財閥の思いのままだった政治を曲がりなりにも国民のものに取り戻したのはプーチンの功績だ。
プーチンはKGBと言う秘密警察の力を良く理解しており、その力を使って新興財閥を叩き潰すことに成功した。


(続く)
 
なおロシア経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44368795/index.html

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(2412.15) ためしてガッテン 関節リュウマチの最新情報

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  最近の私の身体はガチガチになり柔軟性がほとんど失われている。特に身体を後ろにそらせようとすると、腰に激痛が走り悲鳴をあげる。
体中が何か動きを締め付ける器具で覆われているようだ。
関節リューマチではないだろうか?????」

 今回の「ためしてガッテン」は関節リュウマチ最新情報の紹介だった。
5年ほど前に関節リューマチがこの番組で取り上げられたときは以下のように整理されていた。

① 全身に激痛が発生する。
② 骨まで破壊される。
③ 進行を止めることができない。


 そのためこの病気の対処は早期発見が一番で、その段階で抗リューマチ薬、消炎剤、鎮痛剤の投与を行うと症状が和らぐ。

 しかしこの五年間の間に関節リュウマチに対する新発見があって、医療方法が変わってきているのだと言う。
そもそも関節リュウマチになってしまうメカニズムは明確に判明しているわけではないが、免疫細胞が関節の周りにある滑膜を攻撃し、さらに骨まで攻撃して破壊する病気だと言う。

 なぜ免疫細胞が誤って滑膜や骨を攻撃するかというと、サイトカインという伝令物質免疫細胞に大集合をかけるからだそうだが、サイトカインがなぜこのような間違いをしでかすのかは分かっていない。

 戦争で言えば敵がいないのにもかかわらず、伝令が「敵襲」と叫ぶので一斉にめくら撃ちを始めたようなものだ。
この状態を「サイトカインの嵐」と言うのだそうだが、この嵐が発生するのは関節リューマチにかかってから6ヵ月後で、その後滑膜と骨の破壊が始まる(リュウマチにかかっても最初は症状はそれほどでなく滑膜も骨も異常がでない

 反対に言えば関節リュウマチにかかっても6ヶ月以内に発見して、「サイトカインの嵐」を食い止めれば日常生活は通常と変らずにおくることができると言う。
発見はエコーで診断でき、かつサイトカインを抑える生物学的製剤どんなものなの私には分からなかった)も開発されているので、これを飲み続けることで関節リュウマチの悪化を防ぐことができるのだと言う。

 今までは進行形の病気で一生治らずますます手や足の変形が進むと思われていた関節リュウマチが、6ヶ月以内に発見これを超早期発見という)できれば、進行を抑えられるのだから大進歩だ。

 最近の医学の進歩は実に急速だと思う。
特に日本人は世界の最先端の老人大国だから病気も多彩だ。
通常年をとれば病気になるのが当たり前だが、それに対する対処方法は毎年進歩する。
資金に余裕のある老人はこうした最先端の医療や薬を処方してもらって、少しでも日常生活を意義あるものにすることは重要だ。

なお「ためしてガッテン」のシリーズは以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

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(24.12.14) 金(かね)の逃げ場がない!! 残された市場の選択は豪ドル預金だ!!

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 すっかり資金の流れが変ってしまった。日本では自民党が大勝しそうで安倍政権ができることが確実となるにつれ、資金が日本から逃げ出している。
安倍総裁は勝利したら日銀を隷属させ、建設国債をすべて日銀に引受させると公言しているのだから資金が逃げるのは当然だ。
FRBのバーナンキ議長でさえ、そこまでは恥ずかしくていえないだろう。

  ヨーロッパでは謹厳実直なドイツ連銀がEUの金融政策を監視しているので、市場では今円を売ってユーロを買う動きが急速に拡大している。
そしてもう一つ市場が注目しているのがオーストラリアだ。

 最近までのオーストラリア経済は順風漫歩を通り越して絶好調だったが、ここに来てかげりが出てきた。
オーストラリア経済は鉄鉱石石炭と言った鉱物資源を中国や日本に販売して潤ってきたのだが中国経済が急停車し始めた。

注)最近のオーストラリア経済の分析記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-45ae.html


 しかしそれでも資金がオーストラリアに逃げ込んでいるのは相対的に最もまともな経済であり、その結果の金融政策だからだ。
オーストラリア国債の格付けがトリプルA最高なのは国家の債務が少ないからだ。
GDPの11%と言うから、日本の200%イタリアの100%に比較すれば健全なんてものではない。
さらにギラード首相は財政の赤字を4年ぶりに黒字化すると公約している。

 ギラード政権は鉱物資源利用税を導入して好調な鉱物資源会社BHPビリトン等)から税金を巻き上げそれで健全化計画を達成しようとした。
しかしここに来て鉱物資源会社の収支は悪化しており、税金を納めることができなくなって黒字化計画に黄色ランプがともっている。
しかし日本のように一般会計の約5割を国債でまかなう国と、無借金で行こうとする国との差は大きい。

 またオーストラリアの4大金融機関の経営状況もいたって健全で、リーマンショックの影響をほとんど受けていない。
おかげで株式の評価額でコモンウェルス、ウェストバンク、ANZは日本の三菱UFJより大きい。
現在日本の金融機関は西欧勢がアジアや中東から総引き上げの状態の中でその存在感を増しているのだが、その日本の金融機関より株式の評価額も格付(上から2番目)も高いのだ。
オーストラリアではノンバンクがリーマンショック前にサブプライムローンの証券化商品の販売に手を出していたが、一方金融機関はそうした取引に手を出さなかったためにリーマンショックの影響は軽微に止まった。

注)4大銀行の資産規模はそれぞれ50兆円規模だから、4行合わせてちょうど三菱UFJと同じレベルになる。このため今までは世界の金融機関とは認められてこなかったが、その健全性から急に存在感を高めている。

 いまアメリカ、EUそして日本が金融緩和の競争をしている。あまった資金はどこかに向かわなくてはならないが、そのラストリゾートが豪ドル預金(あるいは豪州国債になりそうだ。
なにしろオーストラリアの経済はそれなりに順調だし、政府の財政も健全だから、無理な金融拡大策はとらないだろう。そうなれば豪ドルは他通貨に比較して豪ドル高になるから、これは一番の安全確実な避難先だ」と言う感じだ。

注)他にも金(きん)に資金が向かっており中央銀行でひそかに金準備の増額を図っている。又豪ドルについてはロシアとシンガポールが準備通貨に繰り入れた。
それ以外にヘッジファンドや海外の銀行が豪ドル預金に殺到している。

 
現在資金は最も金融政策がしっかりしたところに殺到している(財政政策ではない)。
しばらく前までは日銀が円の価値維持に熱心だったので(
政府は信用しないが日銀は信用できたので)日本に資金が向かっていた。
しかし安倍政権ができれば円の信任は地に落ちそうだ。こうして資金は最も安全と思われる豪州に向かって一斉になだれを打ち始めた。


なお、オーストラリア経済全般については以下に記事を纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44300846/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat37400255/index.html

 

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(24.12.13) 小説入門 山本周五郎 「赤ひげ診療譚」

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 今から思うと滑稽だが私が高校生の頃、進歩史観に取り付かれていた。
すべてが進歩に向かって一直線に動いており、科学も経済も歴史もそして人間でさえ進歩するものだと思っていた。
もちろん文学も直線的な動きをすると思って教師に質問したものだ。

先生、なんで私たちは古典を学ぶ必要があるのでしょうか? 文学も進歩しているのなら昔の遅れた古文など読まずに、現代小説を読めばそれが一番なのではないでしょうか?」

 教師は呆れて言ったものだ。
文学と言うものは形式があり、ある形式はある時点で最高の発展をするが、その後衰退し又新たな形式が現れる。
そして文学ではある形式と他の形式に優劣が付けられない以上、最高も最低もない

 私はその時教師の回答に不満だったが、その後文学に親しむにつれて教師が言っていた言葉が正しいことに気がついた。
たとえば和歌は平安朝に最高に達しその後は衰退したし、俳諧は江戸時代松尾芭蕉を頂点にその後衰退した。
近代詩は明治時期以降進歩は完全に止まっているし、そして現在は小説がその意味を失っている。

 私が最近の小説を読まないのは読んでも無駄だからで、そのことを再確認したのは前回読書会で川上三映子氏の「乳(ちち)と卵(らん)」を読んだからだ。
氏は最近の売れっ子作家で芥川賞作家だが、その内容のなさにおどろいた。

注)私が驚いた内容の詳細は以下に詳述してある
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-a2bb.html

 また最近ノーベル文学賞にノミネートされている村上春樹氏の「」と言う小説も読んでみたが、まったく感心しなかった。ただフィーリングだけで書いてあるような小説だ。

注)村上春樹氏の「蛍」に関する感想文は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ed1e.html

 「小説はもう読んでも仕方がないのではなかろうか・・・・・・・・・」と思っていたが、駄目なのは最近の作者の作品でさすがに隆盛期の小説は読みがいがある。
今回の読書会のテーマ本は山本周五郎氏の「赤ひげ診療譚」で昭和33年の作品である。
この作品はその後映画やテレビで放映されてとても好評だったから見た人が多かったと思う。

 私は前に山本氏の「青べか物語」を読んで昭和初期の浦安という漁村を理解したが、今回この「赤ひげ診療譚」で江戸の下町に住んでいた庶民を理解した。
山本氏の描く江戸や昭和初期は実に生き生きしており、そこに生きた人々の息吹を感じさせてくれる。

注)「青べか物語」についての感想文は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/221023-f1a8.html


 私が高校生の頃は左翼全盛時代で教師も好んで唯物史観を教えていた。江戸時代の農民や庶民は武士に虐げられ、年貢の徴収は過酷を極め、年がら年中一揆が発生していたと言うような話だったが、まったく無味乾燥な話だった。
しかし実際はそこに生きた人々がいてその人々の喜怒哀楽があったのだ。

 この小説は8つの短編でできていてそれぞれが完結しているが、短編は時間軸で継続されている。
主要なテーマは若くして長崎のオランダ医術実際はドイツ医術)を習得した安本登が、意に沿わない小石川養生所に配置されたところから物語が始まり、安本登の精神の成長を描いている。

 安本登にとってこの養生所は場末の病院で、幕府の御目見医イメージとしては東大病院の助手)になるつもりだった安本登は落胆してやけになり、医療行為をそっちのけに酒浸りになる。
しかし自身が狂女の診断を誤り殺されそうになったのを、診療所の所長の新出去定に助けられたり、また腹を縫合する場面で気を失ったりして自分が実際の実務においてはなんら能力がないことを悟っていく。

 当初は診療所のユニフォーム(筒袖)を切ることを断固拒んでいたが、この筒袖こそが江戸の貧しい庶民にとって唯一の救いのシンボルであることを診療所所長の新出去定の往診の助手をしながら悟るようになる。

 私はこの8つの短編の中で「ばか」が一番好きだ。庶民の中でも最下層に住む五郎吉の家族夫婦と子供3人)が出てくるのだが、このうちの次男長次7歳)と安本昇は仲良くなる。
長次は家計を助けるために銀杏の実を拾って売ったり、また炊事用の木材を拾い集めたりするのだが、あるとき大店のひさしの下にひかれている木材をくすねて、意地悪い長屋の女に目撃される。

 このため長次は泥棒と問い詰められ、窮した家族は猫いらずで一家心中を図り、子供3人は死亡して親だけが生き残ると言う筋だ。
長次の薪集めは貧乏所帯では止むおえざる所業なのだが、しかし指摘されれば死を持って償うと言う悲しい庶民の姿があり、長次安本登に「先生自分は泥棒をした、ごめん」と誤る姿が痛々しい。

 こうした経験をつみながら安本登はこの小石川診療所での医療行為の重要性に目覚めてゆき、1年後に幕府の御目見医になる内定をもらったときそれを断って診療所で働く決意を述べているところでこの小説は終る。

はっきり申し上げますが、私は力ずくでもここにいます、先生の腕力の強いことは拝見しましたが、私だってそうやすやすとは負けはしません、お望みならば力ずくで私を放り出してください
おまえはばかなやつだ
先生のおかげです
ばかなやつだ」と去定はたちあがった、「若気でそんなことを言っているが、今に後悔するぞ
お許しがでたのですね
きっと今に後悔するぞ

 すばらしいエンディングだ。私は思わず泣いてしまった。小説はこうでなくてはならないと言うような見本だ。
そしてこの昭和の30年代から40年代が日本の小説のピークであったことを確信した。

注)なおこの小説では精神的病がしばしば出てくる。たとえば「狂女の話」では幼児期にいたずらされてそれがトラウマになって人を殺す女性だし、「鶯ばか」には見えない鶯の音を聞いてうっとりする男性が出ている。
昭和33年の頃はまだ精神疾患に対する現在のような認識がなかった時代であり、それを正面から取り上げた先駆的な小説でもある。


文学関連の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html

 

 

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(24.12.12) 中国の無駄な財政・金融政策の発動 中国経済は日本シンドロームにかかった!!

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  笑ってしまった。中国がとうとう日本シンドロームの病気にかかり始めたからだ。
日本シンドロームとはいくら公共投資を行ってケインズ政策を発動しても、ちっともGDP成長率が上向かない経済の病気を言う。

 こうなるのには原因があって以下のような条件が重なると発病する。

① 人口が停滞し(あるいは減少し)老人比率が高くなる。
② バブルが崩壊し不動産や株式に多額の含み損を抱える。
③ 公共投資をしすぎてこれ以上の投資は不良資産を膨らませるだけになる。
④ 資金を国債発行か銀行券の増刷に頼るため財政が硬直化するかインフレに見舞われる。

 EUは完全にこの症状にかかっており、今中国は日本に比べるとまだ症状は軽いが明らかにこの病気になりつつある。
中国のGDPの伸び率が四半期統計で毎期のように低下しており、12年7月~9月はとうとう7.4%になってしまった。
長い間中国では8%の成長がないと新規に発生する労働力を雇用できないとされていたが、最近はその労働力が頭打ちになってきた(だから高い成長率は必要としない)。

 一人っ子政策が効をそうしてきたからだが、一方で老人人口が増えているので元気な若者がいなくなりつつある。
農民工といわれた農民もすでに枯渇して都市と農村の人口比率は都市人口のほうが多くなっている。
この結果人件費はうなぎのぼりで今ではベトナムの3倍、ミャンマーの5倍になり外資が中国で安価な製品を作ることができなくなった。
ナイキアディダスも中国での運動靴の生産を止めだしており、そのうちメイド・イン・チャイナの文字は消えるだろう。

注)人口動態論の立場から見ると中国は生産者人口の占める割合が2010年の初めに頭打ちになっている。日本は1990年代の初めに頭打ちになった。

 また中国各地で不動産バブルが大崩壊しており、特に内蒙古のオルドスがマスコミによく取り上げられている。ここの人口は約100万人なのだが、さらに100万都市を建設するとして大開発を行った。
当初は多くの人がマンションを購入したがすぐにバブルがはじけて住んでいる人は約2万5000人程度になり、ゴーストタウンになっている。

注)BSテレビ東京の映像では、ここに土地を売った人は平均で1000万円の収入を得たが、それを再投資しようとして悪徳金融会社にだまされ800万円持ち逃げされたと女性が訴えていた。

 中国ではリーマンショック4兆元52兆円)規模の財政出動をして危機を乗り切ったが、このため不動産価格豚肉豚肉は一般の中国人にとって豊かさの象徴)価格が暴騰した。
これに懲りて金融を引き締めたが経済が大失速したので、ここに来てケインズ政策を再出動させている。

 中国では道路鉄道建設飛行場が公共投資に対象になり、鉄道は高速鉄道の事故で一時自粛していたが再び激が発せられている。
何でもいいから鉄道を建設しろ!!!!
また金融機関にも融資拡大を迫っており、「不動産価格が暴騰してもいいから建設業に資金を回せ」と言う状況だ。
おかげで10月に入り製造業の指標が上向き、「中国経済は持ち直しつつある」との評価を日本政府はしていた。

 しかしこれが日本シンドロームと言われる所以だが、このケインズ政策は従来のような効果は期待できない。
上記のように成長を阻害する要因が目白押しで、何よりも問題なのは中国では紙幣の増刷はリーマンショック後を凌駕するインフレをもたらすだけだろう。

 なにしろ中国政府は、資金を日本政府のような国債発行というまだろっこしい事はせずに、人民元の印刷と言ういたって直截な方法をとっている。
大丈夫だ。いくらでも紙幣を印刷してもいい。経済が拡大すれば成長通貨として吸収される!!!」

注)貨幣論の中でフィッシャーの貨幣数量説というものがあり、M・V=P・Qと言う関係が成り立つとされるもの。
M は貨幣の数量、Vは流通速度。Pは価格でQはものの数量。
一般にVはほとんど変らないから、M(貨幣)を印刷してもQ(生産)が伸びればインフレにならない(これを成長通貨という)。
一方Q(生産)伸びないのにM(通貨)を増刷するとPが大きくなってインフレになる。


 だが、今度はフィッシャーは中国に微笑んでくれないだろう。日本と同様な無駄な設備投資は成長を結果的に阻害し、いまでも不良債権の山になっている不動産をさらに膨らませるだけだ。
中国は日本シンドロームにかかっており、高度成長は終り、中成長の時代に入ってきた。一時的に無理をすれば成長率が上がるがすぐに失速する。
経済が何時までも高成長を続けられると考えるのは身長が何時までも伸びると思っているのと同様に幻想に過ぎない。
だが中国政府は(日本の安倍総裁も同様だが)この幻想にすがろうとしている。

中国経済については以下にまとめてあります。
 http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

  

 

 

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(24.12.11) 経常収支がとうとう赤字になった。 LNG価格の引下げが焦眉の急!!

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 今年の10月、経済関係者を驚かす経常収支の数値が財務省から発表さた。
信じられないことに季節調整後の12年9月の経常収支が1996年以降(連続性のある統計を取り始めて以来)、始めての1420億円赤字に転落していたからだ。

注)経常収支=貿易収支 + サービス収支 + 所得収支
日本は貿易収支と所得収支が黒字でサービス収支が赤字だった。

 日本は長い間、貿易収支所得収支黒字だったから、リーマンショック以前年間で20兆円規模の経常収支の黒字(毎月2兆円前後の黒字が続いてきた。
しかしリーマンショック後の円高で貿易収支の黒字幅が減少していたところに、東日本大震災が襲いかかり原発の稼動中止に追い込まれ状況が一変した。
火力発電用のLNGの輸入が急速に拡大し、貿易収支は完全に赤字基調となり日本は輸入立国に様変わりしている。

まあ、しかし所得収支が黒字だからよもや経常収支が赤字になることはあるまい。経常収支さえ黒字ならそれでいいじゃないか
そう思っていた経常収支が赤字になったのだからことは深刻だ(ただし10月は経常収支は3769億円の黒字に戻った)。

注)国際収支のグラフは以下参照
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_bop-balance
貿易収支は日々の稼ぎ、所得収支は投資や預金利息だから日本は過去の蓄えを利用して生活している年金生活者のような立場になっている。

 輸出が伸び悩んだのは世界経済の減速により西欧等への輸出が減少したのと、中国では景気減退と日本製品に対する不買運動が続いているからだ。
しかし一方で日本の輸入が急拡大しているのは原発稼動中止に伴う火力発電所用のLNGの輸入が増大しているからで、不幸なことに日本のLNG輸入の増大が世界市場での価格を押し上げている。

 もともとLNGについては長期契約スポット契約があり、全輸入量の約7割は長期契約になっている。
日本の電力会社は原発稼働中止後のLNGをスポットで調達しており、主としてカタール等中東からの輸入に頼った。
輸入先が偏っているため輸入価格が百万BTU(英国熱量単位)当たり、リーマンショック前の10ドルから現在16ドルに跳ね上がっている。

注)LNG価格の推移は以下のグラフ参照
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4124.html

 日本はLNGを11年度7853万tの輸入したが、12年度は9000万t約1000万tも増大しそうだ。
さらにスポット価格が6割も上がっているため、年間の支払いが約7兆円になり、支払いの増額分は約2兆円規模にのぼっている。

注)日本の本年度の国際収支は激減し12年度は6兆円程度の黒字となるみこみ。かつての20兆円規模から見たら3分の1から4分の1程度まで落ち込んだ。

 現在日本の最も差し迫った経済戦略はこの輸入LNGの価格を引き下げ貿易収支の赤字幅を縮小することだが、輸入先が中東や東南アジア等に集中して売り手市場になっているため価格交渉で常に日本は不利な立場にある。
なら、売りませんよ」と言われたら大ピンチに陥るからだ。

 最近になりロシアアフリカからのLNGの調達を増やしているが本命はアメリカのシェールガスにある。
アメリカではシェールガス革命によって天然ガスの値段は劇的に低下し、百万BTUあたりなんと3ドル程度で取引されている。
日本が調達している価格の16ドルに比較すると5分の1以下だ(最も日本に運んでくるためには天然ガスを液化しさらに輸送費がかかるから10ドル程度になると言われている)。

注)シェールガス革命については以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/23520-d5f1.html

  現在日本はこの安価なLNGをアメリカから輸入しようとしているが、アメリカには国内法の制約があり、アメリカとのFTA条約締結国日本は締結していない)にしか輸出を認めていない。
しかしここに来てオバマ政権の輸出拡大策と実際にシェールガスの生産量が拡大したことから日本を含むFTA未締結国にも輸出を拡大させようとの動きが出てきた。

 日本の貿易収支の改善は輸入金額を減少させることで、その最も有効な手段が安価なLNGをアメリカから輸入することだろう。
現在日本の貿易収支の赤字幅は年間6兆円程度だから、LNG価格の引下げで2兆円規模の圧縮が可能になれば万々歳だ。
こうして今日本ではLNG価格の引下げが日本経済の鍵を握る焦眉の急になってしまった。

注)現在日本は原発の再稼動に消極的で火力発電による電力供給に頼っているが、経常収支が赤字に転落するとそうとばかり言っていられなくなる。
 

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(24.12.10) クローズアップ現代 忍び寄るスーパーナンキンムシの恐怖

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  何とも大変なことになってきた。今世界中で南京虫トコジラミ)の被害が拡大しており、日本においても保健所等への相談件数が急拡大しているという。
もともと南京虫は江戸時代に中国からの貿易船に乗って日本に上陸したと思われていた(だから南京虫という)。

 戦後殺虫剤の集中散布で南京虫は一掃されたが、近年になって海外からスーパーナンキンムシという殺虫剤に耐性を持った南京虫が上陸し、主として外国人が宿泊する旅館を中心に蔓延し始めた。
このスーパーナンキンムシには市販の殺虫剤をいくら振り掛けても駆除できないと言う。

 私は今年の夏にネパールに旅行をし、ジュムラと言う村の現地人が宿泊する旅館に泊まったときダニに食われたが、もしかしたらこの南京虫だったのかもしれない。
南京虫は人の血をすって生きるという何かドラキュラみたいな昆虫で、当然のことに人間の生活空間に隣接して生きている。

 大きさは5mmから7mm程度だから歩いていれば発見できる。ただし南京虫の習性として昼間は畳の目の間やジュータンの裏側や衣服のすそ等に隠れていて、夜半人間が寝静まると体温を感知(赤外線センサーを持っているのだろうしながら人間に取り付き血を吸って生きている。

 繁殖力はめちゃくちゃに旺盛で二ヶ月で成虫になるとその後は毎日5つ程度卵を産み続けるという。
一旦繁殖してしまうと市販の殺虫剤では駆除できないので専門の業者に頼むことになる。
南京虫は熱に弱いから、南京虫が生息していると思れる家具等をトラックの荷台を改造した熱送風機の中に入れて殺すか、掃除機で隅々を吸い取って捕獲している。
ただし費用は数十万円になり高価だ。

 なぜスーパーナンキンムシが現れたかというと、それまでペレスロイド系の殺虫剤を使いすぎたためで、突然変異によりこのペレスロイドに耐性を持つ南京虫が発生してしまった。
薬と耐性は鬼ごっこの関係で現在では有効な薬品は少なく、有機リン剤系の薬品は有効だが扱いに十分な知識がいるので主として業者が使用している(毒性が強く誤って人間が触れるとサリンと同様に被害が出る)。

 現在アメリカでは薬品の開発は鬼ごっこになるので、薬品に頼らない駆除方法が研究されており、南京虫の習性を利用した駆除器具等が発売されていた。

注)南京虫の習性は以下の通りでこれを利用した捕獲器が開発されていた。

① 黒い色の布や紙に集まる。
② 下が滑らないざらざらした場所が好き(プラスチックは嫌う)
③ 人間の体温に近い場所に寄ってくる。


 日本ではまだこうした器具は発売されていないため、当面は衣類の熱乾燥機で熱風消毒45度程度で数分)したり、南京虫がいる場所を掃除機で吸入するのが有効だと専門家が話していた。
また南京虫がいるかどうかは糞があることで確認でき、微小な糞模様のものがある場所には必ず南京虫がいる。

 しかし驚くべきことだ。こんなに薬品の研究が進んでいるのにそれを凌駕する耐性を持った南京虫が発生し、人間を襲っているのだから自然界は侮りがたい。

なおクローズアップ現代のシリーズは以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_2/index.html

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(24.12.9) NHK BS歴史館 「ミッドウェイ海戦 敗北が語る日本の弱点」 その2

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本件は(その1)の続きです。(その1)は以下参照 
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-88e8.html

 今から思うと信じられないかもしれないが、真珠湾攻撃からのほぼ半年間は日本海軍は圧倒的な戦力でアメリカやイギリスの艦隊を駆逐していた。
山本五十六連合艦隊長官は当初から短期決戦を志向していたが、そのためにはハワイに隠れていると想定されたアメリカ空母3隻をたたく必要があった。
残されたアメリカの戦力は空母3隻だけだ。これがなくなればアメリカ太平洋艦隊は実質的に消滅する。そうすればアメリカはドイツとの二正面作戦は無理だから日本と停戦を望むだろう」これが山本長官のシナリオだった。

 日本はこの目的遂行のために1942年5月に海軍のトップ100名(将官や参謀)を広島の呉軍港に集めてミッドウェイ攻略作戦図上演習を行っている。
図上演習とは今で言うシュミレーションだが、ドイツから導入された作戦方法で、敵味方の装備や兵士の能力を数値化し、発生確率をさいころを振って予測する方法である。

 山本長官宇垣連合艦隊参謀長ら主だった幕僚が参集しており、この図上演習の審判長は宇垣参謀長だった。
日本の戦略は以下のような三段階に分かれていた。

① 空母4隻によるミッドウェイ島の攻撃でミッドウェイの防御能力を完全に殲滅する。

② 海軍の上陸部隊をミッドウェイに上陸させて占領する。

③ あわてたアメリカ軍が急遽ハワイに集積していた空母3隻をミッドウェイに派遣するので、これを待ち伏せして全滅させる。

 このために日本海軍は空母、戦艦、駆逐艦、上陸艦等からなる162隻の大艦隊を組織し、いわば一大決戦に備えていた。
しかしこの図上演習では思わぬ結果が出たと言う。
さいころによる発生確率で想定外にアメリカ空母が日本軍を待ち伏せし、その結果は日本の空母4隻のうち2隻が炎上沈没、ミッドウェイ作戦は失敗に終ると結論が出た。

 あわてた宇垣参謀長がアメリカ海軍の能力を低い値に修正させて演習を継続することにし、その結果日本軍の被害は空母1隻となり、ミッドウェイの占領は可能との結論になったという。
しかし実際はこのさいころ確率が正しく、アメリカ軍は日本軍を待ち伏せし空母2隻ではなく4隻を撃沈し、その後日本軍は空母対空母と言う近代戦を遂行する能力を失ってしまった(その結果日本軍は仕方なしに艦隊決戦と言う日露戦争当時の戦略に舞い戻ってしまった)。

 実は真珠湾攻撃の場合も図上演習を行っており、このときも第一回目の演習では日本軍は敗退する予測になっていた。そこで空母を当初の4隻でなく6隻に増大して2回目の図上演習で勝利を確信している。
一方なぜミッドウェイで再度演習をしなおさなかったかの理由は、時間がなくて切迫していたことと(山本長官が早期決着を図りたがっていた)、油断があったのだと言う。

 それまで日本海軍は真珠湾攻撃でアメリカ太平洋艦隊の戦艦を全滅させ、マレー沖海戦ではイギリスの東洋艦隊を全滅することに成功し、珊瑚海海戦で何とか勝利することができていた。
アメリカは弱い。日本海軍を恐れて残った空母3隻をハワイの真珠湾に隠して戦闘にも出られない。ミッドウェイは高々防御のための航空部隊がいるだけだから赤子の手をねじるようなものだ」そう日本は思っていた。

 しかしアメリカ太平洋艦隊司令長官ニミッツはまったく別のことを考えていた。
日本海軍はおごり高ぶっているので闇雲に攻めてくる。日本軍の暗号は完全に解読しているので何時どこから攻めてくるのかも分かっている。
アメリカの空母が待ち伏せをして日本の空母をたたけば勝利はアメリカのものだ


 ニミッツ司令長官は真珠湾の二の舞を避けるためミッドウェイの防空態勢を強化し(高射砲、機関砲、航空機等を十分配置して準備していた)、一方アメリカ空母は日本空母との決戦に備えさせた。
ミッドウェイの防空に空母を期待するな。空母の目的は日本軍の空母殲滅だけに特化せよ」これがニミッツの戦略だった。

 それに対し南雲中将が率いる空母艦隊の指揮はお粗末だった。
アメリカ軍の空母が待ち受けているとはまったく考えなかったために飛行機と潜水艦による索敵をなおざりに行っただけで、敵艦隊は存在しないとの結論に達していた。
アメリカは真珠湾と同様にまったくわが軍に気付いていない。相変わらずアホだ!!!」
そこで悠々とミッドウェイ島を攻撃したのだが、思わぬ反撃にあって第一波の攻撃ではまったく打撃を与えることができなかった。

ミッドウェイ島の防御は完璧です。攻撃に失敗しました
戦闘部隊からの報告で第一波だけでは不可能なので第二波攻撃の要請が南雲部隊に伝達された。
残っていた航空機は対空母や海戦用に魚雷を装備していたのだが、南雲中将は急遽魚雷をはずさせて陸上攻撃用爆弾に付け替えさせたこうした時間は1時間程度かかる)。

 その途中信じられないような情報が策敵機からもたらされた。
空母3隻発見
魚雷を陸上用爆弾に変更している途中にアメリカ軍の空母が発見され、日本軍空母の攻撃に発進しているとの情報がもたらされたので再び大騒ぎになってしまった。
南雲中将は再度陸上攻撃用爆弾を魚雷に付け替えさせる作業を命じたが、そのときアメリカ軍の急降下爆撃機が日本の空母におそいかかり日本海軍の虎の子の空母はニミッツの戦略にはまって海の藻屑となってしまった。

注)ただし空母飛龍の司令官だった山口多門はこの状況下では魚雷と爆弾の付け替え作業は時間の無駄と判断し(南雲中将の指令を無視して)、爆弾のまま航空機を発進させてアメリカ空母ヨークタウンを撃破している。
戦闘では時間と判断の勝負になるが、凡将の南雲中将にはそうした判断力はなかった。

 この敗戦で日本海軍はアメリカと互角に戦う戦闘能力を失いその後は一方的な敗北を重ねるだけになった。
防衛省防衛研究所主任研究員の小谷氏は「作戦重視、情報軽視」の結果だと言っていたが、私はそれとともにアメリカ軍の戦闘能力を低く評価したのが原因だと思っている。
 
 図上演習ではまさに想定外のアメリカ空母の出現(実際そうなった)が予測されたのに確率が低い案件として無視して真珠湾のときよりも安易な作戦遂行をしたのがその証拠だ。
無敵、日本海軍が負けることはない。さいころ確率がおかしいのだ

 こうして日本海軍は大敗北を喫したのだが、このミッドウェイの敗北の責任を南雲中将山本司令長官も取らなかった。
これこそが日本の最も悪い癖で、失敗すると仲間内でかばって原因追及をうやむやにする」と指摘したのはゲストの田原総一朗氏だが、日本の悪いところがすべて出た作戦だったのは事実のようだ。

 この敗戦から分かる日本人の最大の欠点は以下のように纏められる。

① 戦闘重視・情報軽視(今でも日本にはCIAのような情報機関がない
② 負けると言う結論を嫌がってデータを操作する(
理論的につめない
③ 失敗の責任を仲間内でかばって外に出さない(
同期の仲間と言う意識
④ トップが年功序列なため無能な将軍が指揮を取ることになる(
アメリカではニミッツが少将だったが能力NO1と認められて大将に抜擢された。一方日本は無能な南雲中将がそのまま指揮を取り続け、本当に有能だった山口多門は飛龍とともに運命をともにした

なお日本史の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html

 

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(24.12.8) NHK BS歴史館 「ミッドウェイ海戦 敗北が語る日本の弱点」 その1

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 太平洋戦争で日本はアメリカに大敗したのだが、なぜ日露戦争のようにイーブンに持ち込めなかったかととても不思議に思っていた。
特にミッドウェイ海戦は日本が必勝の態勢で臨み、軍備も日本が圧倒的に優勢だったのに(日本の空母4、アメリカ3、他に日本軍は戦艦大和等主力艦をすべて投入していた)、日本の連合艦隊の空母は日露戦争時のバルチック艦隊になり海の藻屑と消えてしまった。
アメリカ空母の待ち伏せ作戦にものの見事にひっかかったからだ。

 当時山本五十六連合艦隊司令長官はこの戦争を短期決戦で終結しようとしていたし、1941年12月真珠湾攻撃で大勝利を収めていたのだから、戦争を有利に終結できる条件は整っていた。
山本司令長官は「ミッドウェイをたたけば必ずアメリカの空母が出てくる。アメリカで残っている戦力は空母だけだ(戦艦は真珠湾攻撃でほぼ全滅していた)。ここで勝利すればアメリカは戦意を失うから戦争終結に持ち込める」と言うビジョンを描いていた。

 それが1942年6月のミッドウェイ海戦の敗北ですっかりシナリオが狂ってしまい、その後3年以上も無駄な戦争を続けたのだが、それから後はただアメリカのサンドバックになっただけだった。
なぜ山本五十六東郷平八郎でなく、ロシアバルチック艦隊司令長官ロジェストヴェンスキーになってしまったのだろうか。

 今回「歴史秘話ヒストリア」「ミッドウェイ海戦 敗北が語る日本の弱点」と言う番組でその原因を探っていた。

 日本は真珠湾攻撃の半年後には大敗北を喫し、主力空母4隻が撃沈され、航空機300機将兵3000人が戦死したが、これは日本の虎の子の空母と最も良く訓練されていた航空機の乗員だった。
番組では東京大学大学院教授の加藤氏が以下の原因を述べていた。
なお(  )の中の説明は私が加えたものである。

① 国力判断の誤り(GDPの差は開戦時約20倍の差があった。したがって日本は一度戦力を失うとアメリカの20分の1程度の回復力しかなかった

② 情報軽視(
日本は情報戦略をほとんどとっていなかった。スパイを摘発することには熱心だったが暗号文の解読と言う当時の戦争の常識を身につけていなかった

③ 兵站軽視(
戦闘重視で兵站は二流の仕事と考えられていた。占領すれば食料は現地調達できると簡単に考え戦線拡大に走った

④ 命令系統の不統一(
海軍は軍令部が作戦指令を出すことになっていたが、実際は連合艦隊司令部が作戦を遂行してた。日本では現地司令部が中央の言うことを聞かないのは常識で陸軍の関東軍、海軍の連合艦隊という相似形をしていた

 上記の中で「情報軽視」こそが日本軍の最大の弱点と指摘していたのは、防衛省防衛研究所主任研究員小谷氏だった。
氏によれば日本の情報の取り扱い方は、作戦遂行を行うための説明理由に使われるだけで、作戦を行うための判断材料ではなかったと指摘していた。
日本海軍は作戦重視・情報軽視が徹底していて、情報は上司の裁可を仰ぐための補助材料だったと言う(だから都合の悪い情報は伏せられた)。

 一方アメリカは真珠湾の敗北後新たに任命されたニミッツ太平洋艦隊司令長官は徹底的な情報作戦を展開し、日本軍の暗号電文の解読に150名の優秀なスタッフを配置していた(日本でもこうした要員はいたが人数も能力もはるかにアメリカに劣っていた)。

 日本軍の暗号電文5桁の数字を乱数表で暗号化したものだが、陸軍はこの暗号文が暗号として解読可能なことを実際に実証して見せた。
陸軍あんた、この暗号文では敵に情報が筒抜けになる。もっと複雑な暗号にしなければアメリカに作戦を読まれてしまう
海軍いや、日本語は特殊でアメリカ人は日本語を読めないからこれで大丈夫だ。陸軍さんが余計な心配をしなくていい

 実際は1942年5月珊瑚海開戦(空母対空母の始めての戦闘)ではアメリカは暗号解読に成功していたが、作戦の失敗から日本海軍の小差の勝利になっている。
ニミッツは真珠湾、珊瑚海の敗戦を教訓にさらに解読の精度をあげて日本軍を待ち伏せして壊滅する作戦(当時の戦力比ではアメリカはこれ以外に勝利する手段を持っていなかったをとることとしていたが、ついに日本軍の決定的な暗号文を入手した。
それは兵員輸送船五州丸に対する暗号文「基地設備と兵員を乗せAFに進出せよ」で、日本軍の攻撃目標がAFであることが分かった。

 ただしアメリカはこのAFがどこか判断できなかった。
そこでわざと暗号文でない平分で「ミッドウェイは水が不足しているので注意」とのおとり電文を打ったところ、日本の艦船から日本本国に「AFは水が不足との情報あり」との電文を打電したことを傍受した。
このあたりになるとまさにスパイ映画そのものだが、アメリカは情報戦略こそが勝利への道だと確信していたことが分かる。

 こうしてアメリカは日本の連合艦隊がミッドウェイ攻略に乗り出したことを察知し、その後の暗号解読で日本軍の戦力と行動をほとんど100%把握することに成功していたと言う。
一方日本はアメリカが日本の動きを察知して待ち伏せを行っていることはまったく想定していなかった。

アメリカ軍は日本海軍を恐れて空母をハワイに隠しているので、日本が空母に待ち伏せを受けることなどありえない」そう判断していたと言う。
なぜこれほどまで日本は作戦重視・情報軽視でいられたのだろうか。今から考えると信じられないような失態だが、それが日本軍だと小谷氏はいう。

なお、長くなるので今回の記事は2回に分けて掲載します。

日本史シリーズは以下にまとめて掲載してあります

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html
 

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(2412.7) NHKクローズアップ現代 「お葬式がだせない。どうする、葬送の場」

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これは死ぬのも容易ではないな」と思ってしまった。
クローズアップ現代で放映した「お葬式が出せない。どうする、葬送の場」を見た感想である。

 最近老人人口が増えた関係で死亡者数が増加して、火葬場(斎場がそれに対応できない状況が発生していると言う。
従来であれば3日か4日のうちにはダビにふすことが可能だったが、最近では半数以上が1週間以上待ちの状態になり、場合によったら10日程度かかるのだと言う。

注1)23年度の死者は128万人でこれは10年前より30万人程度増加している。今後も死者は増加し2038年には170万人になると推定されている

注2) なお斎場と火葬場は本来は別物で、斎場は死者をあの世に送るセレモニーをする場所、火葬場は死者を火葬する場を意味した。
しかし火葬場と言う言葉があまりに直截な表現なので現在では火葬場を斎場と称するようになっている。


 その間遺族は遺体を自宅で見守ったり、あるいは火葬場にある冷凍庫内に保管してもらって待っているのだそうだ。
こうした状況に地方自治体は火葬場の建設を進めようとしているが、実際は地元住民の反対があってなかなか建設が進まない。

 映像では反対の住民が「火葬場は迷惑施設の最たるもので、これができると不動産価格が1~2割り低下する」と言っていた。
日本人の間には古くから死に対する禁忌があり、死を見ることも火葬場の作業に携わることにも避けてきた歴史がある。

注)数年前に映画化された「おくりびと」にその生々しい実態が描かれていた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/201015.html

 特に大都市周辺で用地を探すとなるとほとんどが住宅地の中になってしまいまず建設が不可能だから、従来の火葬場はほぼフル回転で操業をしている。
又火葬場は公営のものと私営のものがあるが、通常私営は公営より平均で20万円程度費用が多くかかり、このため公営の火葬場がひどく混雑していると説明されていた。

注)もともとは火葬場は集落に並存されていたが、人々が都市に集中するようになって自治体が火葬場を整備するようになった歴史的経緯がある。

 しかし死んでもなかなかダビに付されないと言うのは困ったものだ。
広島県三次市では火葬場(斎場の建設を住民から公募していた。
三好市の提示した条件は火葬場の周りを公園として整備すると言うもので、多くの公募があり、住民代表が「ここがサクラやモミジの名所になったらいい」とコメントしていた。
環境整備を条件に火葬場の建設が可能になった場所も他に在り、そうした場所はかえって不動産価格が上昇するから住民の賛同を得やすいのだろう。

 火葬場ではないが東京都にあるゴミ処理場の周りなどは実に美しい公園になっていたり、ゴミの排熱を利用したプールなどもあって、かえって環境はよくなっている場所が多い。
日本では今後とも死者は増加して火葬場に対する需要は拡大するのだから、禁忌や不動産価格の値下がりだけを心配して反対するのは正しい方向ではないだろう。

注)現在盛んに公共投資が叫ばれているが、無駄な道路や橋梁やダムを作るのではなく確実に需要が拡大する火葬場の建設に資金を投下するのが正しい公共投資というものだ。

なおクローズアップ現代の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_2/index.html

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(24.12.6) 総選挙の争点 名目GDPのアップは経済政策でない 馬鹿げた安倍総裁の経済政策

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  今回の総選挙の公約を見て見ると名目成長率引き上げのオンパレードだ。
たとえば自民党・民主党・日本維新名目3%以上、みんなの党4%以上と言っているが名目GDPがいくらあがっても生活は楽にならない。
本当に生活が楽になるのは実質GDPがあがることで、名目GDPは生活の指標ではない。

 それは当たり前で、たとえば自民党の安倍総裁が言っているようなインフレ率3%公約では2%)で名目GDP成長率が3%とすると、実質GDP成長率は0%になるから日本全体では何も変らないことになる(富は増えも減りもせずただ価格が平均3%上昇するだけ)。

 こんなつまらないことをなぜするかというと、生産者と消費者と言う立場から見ると生産者に有利、消費者には不利になる政策だからだ。
はっきり言えば消費者の富を生産者に振り分け、富を移転する方法が安倍総裁の名目GDP UP戦略だ。

 それは経済学で言う価格の弾力性の問題で、消費者の給与や年金はインフレになってもすぐにあがらず、一方商品価格はインフレ分だけすぐに上がるからだ。
イヤー、電気料金も運送費も海外からの輸入原料も上がって、とても今までの価格ではやってられません。お客さん3%分だけ値上げしますがご了承ください」と言われる。

 一方私のような年金生活者は基本的に増額しないので(あがるとしても翌年以降)、すぐさま3%分だけ生活が苦しくなる。しかもこの3%は毎年のようにあがるのだから生活苦は年を追ってひどくなる。
もう日本に住むことは不可能なのだろうか・・・ミャンマーあたりで生活するしか残された方法はなさそうだ・・・」なんて気持ちになってしまう。

注)反対にデフレ下では年金生活者や給与が固定的な公務員は毎年生活が豊かになって思わぬボーナスを得ていた。

 通常のサラリーマンや商売をしている人は生産者と消費者を兼ねているからインフレであろうがデフレであろうが影響を緩和できるが、私のような年金生活者は完全な消費者だから対処の仕様がない。
前にも書いたがインフレは増税より厳しい究極の増税だし、一方デフレは究極の減税なのだ。

注)インフレが消費税より厳しい増税策だと言うことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/24121-707b.html

 もし、安倍総裁の言う名目GDP UP戦略インフレ政策)で日本の経済構造が変り成長産業が育成されて実質GDPが増大するなら、私も日本のために歯を食いしばって我慢する。

 しかし安倍総裁が示している政策は単に不要の公共投資を大々的に行ってその資金を日銀に引受させるだからインフレになる)ことだけだから、日本には何の成長産業も根付かない。
何でもいいから価格を上げよう。そうすれば生産者は助かるし、消費者は塗炭の苦しみになる。経済は成長しないからツケは将来に回すがそれでいいじゃないか」と言っているに等しい。

 この政策は末期のがん患者にモルヒネを与えて一時のユーフォリアを演出するのと同じだから、モルヒネが切れたらおしまいだ(安倍総裁はそうなったらさらに日銀に日銀券を印刷させモルヒネづけにするつもりだ)。

 何度も言うが経済が成長しないのは日本に成長産業が育っていないことが問題で、いくら金をばら撒いても価格が上がりインフレになるだけだ。
だが実際は日本には医療と介護の産業が育つ余地がある。
なぜそのように断定できるかというと日本は人口減少国でさらに世界最速の老人大国だからだ。
老人は体中が病気みたいなもので医療と介護のためには蓄えた1500兆円の貯蓄を使用する用意がある。

 需要はますます増大するのだから医療・介護に投資するのは最も効果的だ。反対に自動車や家電や道路や飛行場のような公共施設などは人が減少して老人ばかりなる以上、日本はこうした産業は斜陽産業になる。
私が安倍総裁の言う「何でもいいから公共投資を拡大させよう」とする政策に反対するのは、無駄に富を浪費しようと言う政策だからで、これほど愚かな政策はない。

 成長産業を育てることなく金を印刷するのはロシアのエリツィンがしていたがそれはロシア人の生活を崩壊させただけだったのは記憶に新しい。
なぜ安倍総裁は成長産業の育成を考えずに紙幣の印刷だけにこだわるのだろうか。

なお24年度の衆議院選挙に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51951479/index.html

 

 

 

 

 

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(24.12.5) NHK 中国文明の謎 第3集 始皇帝 帝国への野望

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 NHKが放送したこの「中国文明の謎」のテーマは「なぜ中国は一時的に分裂してもその後大帝国として復活するのか」と言うことだ。
メソポタミアやインダスやエジプトの文明がその後歴史の闇に消えたのに、中国文明だけは今なお脈々と引き継がれている。
中国と言うまとまりは何に起因するのかをこの番組は追い求めていた。

 第一集では最初の王朝「」が取り上げられ、夏が発明した宮廷儀礼がその最初のノウハウと説明していた。神ではなく皇帝にひざまずかせることによって神なき中国の権威を獲得したのだと言う。

注)詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-57d6.html

 第二集では「」が取り上げられ、ここで漢字を公文書に使用する知恵によって、異なる民族・言語間で共通の理解言語を発明することになったという(漢字そのものは夏の時代に発明されていたがこれは王と神のみ知る神聖文字だった)。
漢字は表意文字だから発音ができなくても意味は分かるので漢字文化圏は広がる。
日本もその中国文化圏の一員だ。

注)詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/241124.html

 そして第三集では秦の始皇帝が中華と言う概念を逆転させることで、中国を作り上げたという。
もともと中華とは中夏と書いて、夏の末裔を意味した。
日本の例で言えば天皇家につながる家柄と言う感じで、源氏も平家もそうして権威を確保したものだ。

 夏・殷・周が都を置いた場所を中原と言ったが、この中原を支配していることが夏の後継者でありすべての権威の根源になっていたと言う。
周が実質的に滅んだのはBC8世紀だが、その後秦による統一がされるBC221年までを(約600年間春秋戦国時代というが、この間中原に覇を唱えた国はすべて自分たちは夏の末裔だと称した(当時は中原にある国だけが中夏であり、中国だった)。

 その頃は中原から西に約500kmも離れた遊牧民族で、夏の末裔国家から見ると野蛮人の住むところ、西戎せいじゅう)と言われていて日本が東夷と言われているのとさして違いがなかったと言う。
しかし秦は名馬の産地で当時の馬は現在の戦車と同じだから、ヒットラーの戦車軍団のように中原の魏やその他の国家を軍馬で一蹴してしまった。

 そしてそのとき以来、秦は実は夏の末裔だと称し、「中原とは秦や南の揚子江沿岸の楚までを含めた広い地域をさす」と中原の意味を拡大解釈した。
もちろんもともと中原に住んでいた人々は不満だったが、何しろ秦は絶対的な軍事国家だし逆らうと殺されるのでそれに従った。
間違いありません。西の西戎も南の南蛮も東の東夷(山東半島当たり)もすべて中原でございます

 こうして中原の地は一挙に拡大したがその領域が中華(中国)だと言うことになった。いわば力ずくで始皇帝が中原を拡大して中原を支配する国中国を作り上げたが、これを中華思想(もともとは夏の後継者の住むところ)と言うのだそうだ。
なるほどね、宮廷儀礼と漢字と中華思想が中国の接着剤か・・・・・・・・・・・・・

 最近の中国はありとあらゆるところが中国の領土だと言って海洋監視船や海軍を派遣しては周辺国家を脅しているがこれも中華思想のようだ。
秦の始皇帝と同じで軍事力で支配したところはすべて中華中国)になる(実際チベットもウイグルもそうして中国になった)。

 中国からすると中国皇帝に拝謁し(小沢氏が民主党の若手議員を引き連れて拝謁していた)、漢字を使用し(本、台湾、ベトナム、韓国は何らかの意味で漢字を使用している)、そして中原の一員になることを望む国家あるいは無理に併合した国家)はすべて中国領にするのが天命だというのだ。
何ともきな臭い話だが、油断すると尖閣諸島も沖縄もそして大和もすべて中国領になってしまいそうだ。

 この3部作を見終わっての印象は中国は本当に「この接着剤さえあれば統一に向かうのか」と言う疑問だ。
ソビエト・ロシアユーゴスラビアスーダンも大分裂し、世界の趨勢は分裂にあるのだが中国のみは統一に向かうと言うこの番組の主張には疑問がある(そんなことを言えば世界全体が中国領になってしまう)。

 やはり現在は中国の拡張期のピークで、そのために拡大に次ぐ拡大をしてきたが、あらゆる帝国にも限界があるようにこのあたりが中国の最大版図だと思ったほうがいいのではなかろうか(だからこれからは分裂の時期に入る可能性が高い)。

注)私から見るとこの番組は1980年代の世界が日本を見ていた見方と同じに見える。当時エズラ・ボーゲルは「ジャパン アズ NO1」と言って日本が次の覇権国家だと言っていた。
この番組を制作したNHKのディレクターもそうした幻覚にとらわれているのではなかろうか。

 

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(24.12.4) 余計な公共投資の時代は終った。 これからは維持・補修の時代だ。 笹子トンネルの天井板落下事故

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  とうとう恐れていた事態が始まった。古いトンネルや橋梁や高速道路やダムや壁面の崩壊現象のことである。
12月2日に発生した笹子トンネルの事故では、重さ1トンの天井板200枚が110mにわたってトンネル内に落下し、走っていた車3台が巻き込まれ死者は9名になった。

 笹子トンネルは今から約35年前の高度成長真っ只中の1977年に完成されたトンネルで、全長約5km、上下道別で、横流換気方式という換気方式を採用していた(天井に排気ガスを通す通路と新鮮な空気を送気する通路がある)。

注)現在はこの横流換気方式は一世代前の方式になり、今では縦流換気方式と言って一方のトンネルの端からファンで空気を送り込んで排気と新鮮な空気の送気を同時に行っている。

 この天井板は上のコンクリートに固定されたボルトによって吊り下げられているが、このボルトが経年劣化によって抜け落ちたのが今回の事故ではなかろうかと専門家が推測していた。
この吊天井方式全国で49箇所あり、国土交通省はすぐに同方式を採用しているトンネルの再点検を命じている。

 しかし私が一番問題だと思っているのは、トンネルであれ橋であれ高速道路であれ、作るときは「公共投資だからどんどん作れ」と不要な公共施設まで作るのだが、その後の維持・補修についてはまったく考えていないことだ。
最近になってようやく老朽化対策の専門家会議が発足したが、信じられないような後手の対応だ。

 考えても見てほしい。今回のトンネルのように35年間も経過すれば経年劣化で災害が起こるのは当然だ。
ところが安倍総裁の言葉を聞いても「全国で公共投資をおこなえば景気が回復する。そのための建設国債はすべて日銀に引受させる(日銀券を印刷させる)」と言って新規の建設をじゃんじゃん推し進めようとしている。
しかし作った公共施設は必ず劣化し、その後の維持補修に莫大な費用がかかることになるがそのことはまったく考慮されていない。

注)安倍総裁の政策についてについて、特に新規の公共工事がまったく無駄に終ることを以下の記事で述べておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3a83.html

 私は土木関連の知識はないが、システム開発でも同じ問題が常に存在し、新しいシステムを作っても古いシステムをそのまま残して両方の面倒を見なければならない状況に良く追い込まれた。
システムが2倍になりその維持費用も2倍で、それを運用する要員も2倍、ディスクやテープや夜間作業も2倍になった。
システムは金食い虫と言われたが、本当は不要なシステムを次々に作った結果である。

注)古いシステムにも利用者がいて「このシステムがなくなると仕事ができなくなる」と抵抗された。

 ちょうど新幹線を作っても従来線を残せと言われたり、新しい飛行場を作って古い飛行場を閉鎖しようとしたら住民運動が起こって閉鎖できなかったり、漁港はすべての漁村に作れと言われたりしたのと同じだ。
公共施設は作れば作るほど後の維持・補修対応が大変なのだから、不要な公共投資は絶対にしてはいけない

 今30年以上経ったトンネルは359箇所あるが、それをすべて補修するにはどれだけ費用がかかるか分からない。
金も時間もない場合は中央道や東名や名神と言った幹線道路を中心にすべきなのだが実際はそうはならない。
劣化はどのトンネルにも起こるから、補修要員はすべてのトンネルをチェックせざる得ず、問題があれば交通量の多寡に関係なく補修しなければならない(僻地のトンネルでも中央道でも経年劣化すれば補修は必要になる)。

 このため少ない補修費用をすべてのトンネルに振り分けないとならなくなり、実際は有用か無用か関係なく少しずつ補修が行われる。
北海道の熊とキツネが遊ぶ道路の補修も中央道の補修も同じレベルなのだから、特に交通量の多い道路に問題が発生する。

 日本は人口がますます少なくなり僻地からは人が消えている。
それなのに補修をしなければならない道路やトンネルや飛行場や港湾はわんさかとあって、しかも補修費は新規投資に比べると圧倒的に少ない
日本ではこれ以上の道路もダムも飛行場も港湾も必要なく、どうすればそれを撤去できるかを考える時代に入っている。

 公共投資の時代はすでに終っている。
これからはすべて維持・補修に回すべきで道路やトンネルは作る余裕などなく、道路も飛行場も不必要なものは閉鎖すべきなのだ。
そうした時代が来たことを笹子トンネルの事故が教えてくれたが、政治家は分かってくれるだろうか。

 

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(24.12.3) 公園のベンチは住民が修復しよう。  円卓会議の実験が成功

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 大変興味深い実験がおゆみ野の森の隣にある公園で行われた。
この公園にはいわゆるアズマ屋があってそこに2m四方程度テーブルが設置されているのだが、そのテーブルの上で火を炊いた者がいてテーブルの一部が焼け焦げていた
そのテーブルを住民の手で修復しようと言う実験である。

注)夏場花火をこの公園であげた者が、ろうそくをテーブルの上に立ててそのまま放っておくためにテーブルが焦げてしまう。

 この実験は今おゆみ野で立ち上がった円卓会議の一環として実施したもので、市の緑公園事務所で代替の木材を間伐材で作ってくれたのを住民が従来の焼け焦げた木材とこの新しい木材に取り替える作業の実験だった。
果たして業者に頼まなくても住民が実施可能だろうか???」

Photo

 実はおゆみ野の公園や四季の道に設置されたテーブルやベンチはほぼ20年以上の歳月がたって一部がぼろぼろになっていたり、また悪がきが意図的にベンチの上で冬焚き火をしたりしたためひどく痛んでいる場所がある。

注)私は古くなったベンチやテーブルを少しでも長持ちさせるために防腐剤を塗っているが、すでに朽ち果ててしまった板のあるベンチ等もありどうしても本格的な修復が必要になっていた。
防腐剤の塗布の状況については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/2441-b8b4.html

 木材の本数は約20本程度ボルトで下の金属に固定してあった。
これを電動ドリルでねじを取ってはずし、又同じ場所に新しい木材をセットするのだが、やってみて半日ほどかかり意外とてこずった。

 一番難しかったのは取り除いた木材のボルト穴と同じ位置に穴を開けないと、下の金属の穴とあわないことだったが、知らずに前の板を取り除いたためにどの板がどの場所にあったのかわからなくなってしまった。

 私は全部穴の位置は同じだろうと思って、すべて同じ位置に穴を開けたのだが、これが大失敗で実際にボルトを留める段になると1~2箇所程度どうしてもボルトの位置が違って下の金属とかみ合わない。
こうしたときは穴を大きくして何とかボルトを留めるのだが、私があけた穴のおかげでみんなに迷惑をかけてしまった。

 迷惑と言えば電動ドリルを初めて使用したのだが、ねじを抜くときにねじ山をつぶしてしまったりして散々だったものの、実験だから許してもらえた。
本番だったら親方から怒鳴り散らされているところだ。

 この実験に参加した住民は私を含めて5名程度だったが、客観的に見て私が一番工作が下手だった。
中学と高校時代に工作の授業があったが、そのときも糸鋸の操作が下手でまともに木材を切り出せなかったが相変わらずだ。
手先の不器用さはいつまでたっても直らないものらしい。

 だがしかし今回の実験で住民で四季の道や公園のベンチのテーブルの修復が可能なことが実証された。
木材さえ緑公園事務所で作成してくれれば(実はこの作業が一番大変なのだと緑公園事務所の担当者が言っていた)、あとは住民の力で修復できる。
なんともすばらしい実験結果だ。

 今回の実験作業で私自身の反省は以下の通り

① 電動ドリルを使用するときはネジをつぶしてしまわないように注意する。
② 取り除いた木材と同じ場所にネジを打ち込む必用があるので、穴の位置を一対一で合わせる。

なお円卓会議の経過等については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46662965/index.html

 

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(24.12.2) 中国語を漢文方式で学ぼう 発音できなくても意味が分かればいいじゃないか

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 「そうか、中国語を習うコツは漢文と同じか!!」と思った。
先日NHKが放送した「中国文明の謎 漢字誕生 王朝交代の謎」を見た感想である。

 番組では中国が一時的に分裂をしてもなぜ統一に向かうかの最大の要因は漢字にあると説明していた。
漢字は世界でもまれな表意文字で、たとえ読めなくても意味が分かれば解読でき、周辺の多民族もこの漢字を使用することで中国文化圏の一員になれるという。

注)「漢字誕生 王朝交代の謎」に関する記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/241124.html

 実際日本でも大和政権成立から菅原道真遣唐使船を廃止するまで直接に中国の文化圏だったし、その後も漢文は日本のインテリの基本的素養だった。
明治時期中国から日本に多くの留学生が来たり政治犯が亡命したが、宮崎 滔天は孫文と漢文で完全に意思疎通を行っていた。

 「これはすばらしいことではなかろうか。中国語は意味だけ理解して読めて書ければ、何も会話をする必要はなさそうだ!!!」急に興味がわいた。
特に私の場合は聴力に支障があり、日本語でさえまともに聞こえない。
だから所詮会話など夢のまた夢だから中国語を大和朝廷の役人がしたのと同じ方法で学んでみることにした。
中国語を意味だけで理解しよう・・・・・・

 先日から買って来た「やさしい中国語会話」と言う本を発音をまったく無視して漢文の書き下し文と同じ方法で読んでいる。
現在の中国の漢字は時代の漢字を相当簡略化しているが推定が可能な範囲で、かつ文法は同じなのだから、なにかロゼッタストーンを解読したシャンポリオンのような気持だ。

 私は最近の中国の覇権主義にはほとほと閉口していて、なんとか中国がもう少しおとなしい国になってほしいと望んでいる一人だが、そのためには中国の本音を知る必要がありそうだ。
それにはまず中国語が読めなくては無理だ。

 漢文を学ぶ程度の努力で中国語を理解できるのなら簡単なことだ。
かつて史記十八史略を受験勉強で学んでいた頃を思い出した。
現在の高校教育で漢文の授業中に中国現代文を加えてそれを書き下し分で読ませる訓練をするのは興味深い方法ではなかろうかと思ってしまう。
本格的な勉強(発音や会話)は大学ですればいいのだから高校では杜甫李白や白楽天の詩を学ぶより現代文を読ませたほうが実際はためになるはずだ。

注)このような提案は漢文学者からも現代の中国語教育者からも支持されそうもない。しかし大変興味深い方法だから漢文の素養のある人が個人的にすることは大いに勧める。

なお中国社会にかかる記事は如何にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48428075/index.html


 

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(24.12.1) インフレと言う名の増税が始まる。 預金は外貨預金にシフトしろ!!

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 増税とは消費税を上げることではなくてインフレを起こすことだといったら納得してもらえるだろうか。
これは少し考えてみれば分かるのだが、所得が一定のときインフレは確実に所得の減少になる。一方得をする人は誰かと言うと借金をしている人で、日本最大の借金王は政府で地方とあわせて1000兆円規模の借金があり、これが確実に減少する。

注)現在の国債は今のままでは償還できない。これを償還する方法は実際はインフレしかないが、社会的大混乱が起こる。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/2323-db65.html

  消費税を上げるためには国会の承認が必用で、あれやこれやとうるさい問題が発生するが、インフレを起こすのは政府と日銀が組めばやすやすとできる。
自民党の安倍総裁が「インフレ目標を3%ととし、この目標に達するまでは日銀券を刷りまくる」と言っているのがそれで、これは毎年3%ずつ消費税を上げると言っていることと等しい

 これがどんなに恐ろしいことかは毎年3%づつあがるとして、消費税が10%になる27年10月までにインフレ率がいくらかと計算すると、3年後には9.2%のインフレになる。
たった3年間で消費税10%と同じ規模になり、後はほぼ毎年3%ずつインフレが継続するので消費税どころではない。

 インフレは究極の増税なのだが(一方デフレは究極の減税になる)、インフレを利用して国の借金をゼロにした歴史が日本にある。
第二次世界大戦中軍部は軍事費を国債を発行して調達したが(戦時国債)、このほとんどを日銀に引受させた。
安倍総裁が「建設国債はすべて日銀に引き受けさせる」と言っているのがこれで、戦時と建設と言葉は違うが内容は同じである。

注)日本が戦後インフレを起こして戦時国債をゼロにした経緯は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/22223.html

 
 インフレはこのように恐ろしいことなので日銀は長い間インフレ率はゼロ%が好ましい水準としてきた。
ゼロならば消費者も生産者も影響はイーブンなので最も支障がないと考えてきたからだ。
これに対し安倍総裁は全国にダムや高速道路や港湾や飛行場や河川工事など何でもいいから建設を行って、その金を日銀に引受させればインフレが起こり景気が回復すると言う。

注)こうした無駄な投資を行うとどのような影響がその後起こるかは以下の記事参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3a83.html

 今回の選挙で自民党が勝利することは確実なので、安倍総裁の言うインフレ率3%インフレ政策が実施されることはほぼ間違いなさそうだ。
こうした時一般庶民はどのような対応をとったらいいのだろうか。
考えられる選択は以下の通り。

① 安倍総裁のインフレ政策を支持してインフレを甘受する。生活は毎年厳しくなるが日本再生のためと思って我慢する。

② インフレヘッジのために預金を国内から海外に移す。日本円はインフレに伴い減価するのでドルかあるいは新興国の通貨に代える。

③ 現在の全財産を処分して国外に移り住む。今のうちに処分しないと日本にある財産の価値は加速度的に低下する。

 実際多くの人や企業が行っているのはで、すでにヘッジファンドや金融機関、それと大企業や資産家は手持ちの円を減らしてユーロドルに代えている(これが最近のユーロ高とドル高を引き起こしている)。

 問題は日本の総預金1500兆円80%を持っているといわれる老人の対処方法だ。
海外に移り住すむ元気はなく、さりとて安倍総裁の餌食(安倍総裁は無駄な公共投資しか考えていないので日本の再生にはならない)になるのがいやだったら、手持ちの預金を外貨に代えることしかない。
最も全額代えるとヘッジとしては危険すぎるので預金の半分を外貨にするのが適切だろう。これだと円安になっても円高になっても影響はイーブンになる。

 インフレ政策は政府による庶民の預金の収奪だから消費税の値上げ以上に厳しい。(消費税値上げに反対する人がインフレに反対しないのはなんとも理解できない
過酷なインフレ政策をとる政府が問題で、それに対し対抗策をとるのは庶民の知恵だ。
自民党政権ができてインフレ政策をとる前に対処しないと間に合わない可能性が高い。

注)なお安倍総裁が実際にインフレ政策を採れるかどうかは選挙結果による。
強力な安倍政権ができればインフレ政策は実施されるから、日本から資金が逃げ出して国債の購入ができなくなり国債の金利が上昇する(既発債の国債の価格が下がる)。
これを日銀引受にするとさらに金利は上昇する(国債価格はさらに下がる)。
国債の約90%程度を国内の金融機関が持っているため莫大な評価損が発生して金融機関の倒産が始まる。
このシナリオでは政府はこうした金融パニックに対処しなければならなくなり、ギリシャやスペインとなんら変らなくなる。


なお24年総選挙に関する記事は如何にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51951479/index.html

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