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(24.12.21) BS世界のドキュメンタリー 「プーチンの野望 脅かされる民主主義」 2-1

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  プーチン
は大統領就任当初西側との同盟路線をとっていたが、アメリカや西欧の態度がロシア排除であることを認識してからは「強いロシア」の復活に邁進した。
とくにプーチンが求めたNATOへの加盟を拒否されたことがプーチンの自尊心を痛く傷つけた。

注)2000年3月に大統領に就任したプーチンは2003年3月のアメリカのイラク侵攻までは協調路線をとっていた。

 かつてのソビエトの衛星国だったチェコ・ハンガリー・ポーランド1999年NATOに加盟し、さらに2004年ブルガリア・ルーマニア・スロバキア等7カ国がNATOに加盟するとプーチンの猜疑心は頂点に達した。
そうか、アメリカと西欧は旧ソビエト諸国をすべてNATOに加盟させ、ロシアを包囲するつもりだ・・・・」

 だがプーチンにとって当時最も頭の痛い問題はチェチェンの独立運動で、ロシア軍の総力をあげて独立派を叩き潰しにかかっていたが、独立派は地続きのグルジアパンケシ渓谷に逃げ込み盛んにテロ攻撃を仕掛けていた。
チェチェンのテロリストを叩き潰すまではNATO問題にかまっていられない・・

注)チェチェン紛争は1999年から2009年まで10年間に渡った紛争。
チェチェン独立派のテロ事件として最も有名なのは以下の二つ。
・2002 モスクワ劇場襲撃事件 死者169人
・2004 ベスラン小学校襲撃事件 死者322人

 
プーチンは国内では新興財閥の資産を次々に没収して国家管理にし、敵対するジャーナリストは暗殺し、外国から支援を受けている民主団体をでっち上げの罪で解散させていたが、チェチェン紛争だけはチェチェン独立派の手ごわい反撃にあっていた。

 パンケシ渓谷グルジアの領土だから直接掃討作戦をとるわけにはいかなかったのでプーチンはグルジアに脅しをかけた。
グルジアが適切な手段をとらなければロシア軍がパンケシ渓谷のチェチェンのテロ集団を一掃する

 当時グルジアはシュワルナゼゴルバチョフ時代のソビエトの外相)が大統領だったが、シュワルナゼのグルジアは経済的にも政治的にも破綻していた。
もとともグルジアは経済的には何もないところでソビエトの一員としてかろうじて経済が成り立っていたため、独立したことでひどい窮状に陥っていた。

注)旧ソビエトから独立した国で何とか経済を立て直せたのは石油等の資源がある国だけで、それ以外の国はひたすら貧乏になるだけだった。

 シュワルナゼは国民から見放されて支持を失っていたので、2003年11月の議会選挙では選挙結果を操作して、自分を支持する政党に有利な開票結果に改竄した。
当然野党勢力は大反発して議会をボイコットし、特に野党党首のサーカシビリから糾弾され窮地に陥っていた。
グルジア内はテンヤワンヤの大騒ぎだったので、とてもプーチンの強硬外交に対応できるような状態ではなかったといえる。

注)ロシアをはじめ旧ソビエト諸国は独立後選挙を行ったが、どこも不正が蔓延し適切な選挙結果になることはなかった。旧ソビエトの役人は今も昔も選挙は不正をするのが当然と思っている。

 そこでシュワルナゼサーカシビリとの仲裁に乗り出したのがロシアで、イワノフ外相がモスクワからトビリシグルジアの首都)に出向いた。
シュワルナゼはロシアの後押しを期待していたが、ロシアはどちらにも加担しないとの態度であったため、シュワルナゼは落胆して大統領を辞任2004年の選挙でサーカシビリが大統領に就任した。

 ロシアがどちらにも肩入れしなかったのはシュワルナゼサーカシビリもロシア派でなかったからだ。
ロシアにとってはどちらが大統領であっても好ましくはなかったが、パンケシ渓谷にいるチェチェン独立派掃討に協力してくれさえすれば選挙結果を是認するつもりだった。

 しかしグルジア側にはロシアと共闘を組めない事情があった。グルジアの領内の南オセチアにはロシアへの帰属を望む独立派が存在し、ロシアの支援で独立を勝ち取ろうと虎視眈々と狙っていたからだ。
ロシア軍の侵攻を認めると南オセチアが独立してしまう。絶対にそれは認められない
大統領就任後サーカシビリはアメリカの後押しでロシアに対抗しようとしたため、プーチンのロシアと全面対決することになっていった。

続く

なお、「プーチンの野望」シリーズは以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat52349785/index.html

 

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