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(24.11.2) NHKメイド・イン・ジャパン  岐路に立つ日の丸家電  ソニーの逆襲はあるか?

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 私のように普段音楽と言えば演歌しか聴かないものにとってiPodの衝撃を理解できなかったのはいたし方ない面がある。
2001年、アップルからiPodが発売されたとき「やれやれ、アップルもとうとう焼きが回ったか、パソコンが売れないのでこうしたちまちました商品開発を始めたのだな」と思ったものだ。

 しかしこのときが日本家電業界の雄ソニーが凋落し、アップルが世界を席巻する分水嶺だったことを、今回NHKが放送した「岐路に立つ日の丸家電」を見て知った。
iPodの出現を境に世界中で使用されていたソニーウォークマンが突然売れなくなり、鳴り物入りで投入した最新機種「メモリー・スティック・ウォークマン」すらiPodの前にあえなく在庫の山を築くことになった。
現在ソニーは4期にわたって赤字を計上し、その赤字幅は年々拡大の傾向にある。

注)ウォークマンは記憶媒体をテープ、CD、DAT、MD、メモリーと変えながら進歩してきた

なぜiPodが世界中で歓迎され、一方メモリー・スティック・ウォークマンが捨て去られたかの理由をアップルのスティーブ・ジョブズ氏が述べている。
iPodはソフトウェアだからだ
これには若干の説明が要る。iPodは見た目はウォークマンと変らないハードウェアだが、iTunesと言うダウンロードソフトと、iTunesストアというあらゆるジャンルの音楽在庫が組み合わさって、一つのソフトを形成していると言う意味だ。

 一方ソニーもメモリー・スティック・ウォークマンでダウンロードできたが、ダウンロードする製品はソニーミュージックが保有する商品に限られていた。
iTunesストアは著作権法に守られたウォークマンに比較し、自由にどのようなミュージックでもダウンロードできたところが違う。
アップルは著作権法の高い壁を取り崩し、一方ソニーは著作権を守る立場にいた。


注)アップルと同様にアマゾンが著作権に今挑戦している。著作権は非常に強い権利だが、ネットワーク社会では強すぎる著作権は障害になっている。

 さらに問題なのはiPodウォークマン駆動部分の違いだった。
ウォークマンの中身は自動車のボンネットを開けて中を見たときとよく似ていたが、iPodの中身はパソコンと同じく半導体が在るだけだった。
複雑なモーター等の駆動部分は専門の工場で生産する必要があるが、一方iPodは部品さえそろえば素人でも組み立てることができる。


注)私の友達でパソコンを何台も組み立てるのを趣味にしている人がいる。
彼によると「ボードに半導体を並べるだけだ」と言っていた。

 デジタル革命とはモーターやベルトと言ったメカニックな駆動部分がなくなり、すべてが半導体のソフトに切り替わる革命を意味する。
そこで大事なのは製造技術ではなく、ソフトの設計能力であり、研究所さえあれば工場はどこにでも委託生産することができるので工場はいらない。

 アップルは明確にそうした対応をとっており、商品の製造は中国や台湾や韓国のメーカーに任せている。
一方ソニーはあくまでもものづくりの会社で世界に100社規模で展開していたが、そこのアナログのメカ製造技術がデジタル技術の前に陳腐化していたのだ。
そうなのか、工場の時代は終ってソフト開発力の時代にいたのか・・・・・・・・・

 今回の番組ではソニーがアップルに破れた理由が色々と説明されていた。

① ソニーは16万人の雇用を抱えた縦割りの会社で、ネットワーク部門とコンテンツ部門と商品販売部門の連携が不十分だった。

② 自社にソニー・ミュージックと言う音楽製作会社があったため、著作権を守ろうとの立場をとりアップルのようなあらゆるミュージックを取り込むことができなかった。

③ 時代はインターネットによるダウンロードの時代になったが、ソニーはMDにこだわり続けインターネットの取り込みに失敗した。

④ デジタル時代はソフトの時代だが、ソニーはハードにこだわり続け多くのアナログ工場を保有し続けた。


 今回の番組を見て一番印象深かったのは、デジタル時代とは優秀な工場労働者を淘汰してしまう時代だとの説明だった(正確にはそうした説明はなかったが番組を見れば分かるようになっている)。
かつて産業革命が始まった頃、多くの手に職を持っていた手工業者が淘汰されたが、今は優秀な工場労働者が淘汰されている。

注)日本ではリストラで優秀な工場労働者が馘首されているが、そうした人々の再就職先が中国や台湾や韓国で、ここでは日本に代わって低賃金の労働者を使う管理者を求めている。

 
果たしてソニーは復活できるだろうか。アップルのようにソフトだけ抑えて製品は中国や台湾や韓国に作ってもらう企業に脱皮するのだろうか。
それともトヨタと同様に最も儲かっている金融部門(
融資や投資の収益金)に特化した金融会社になるのだろうか。

 ソニーは経営資源を ① デジタル・イメージング ② ゲーム ③ スマートフォン に特化すると言う。
①はデジタル・カメラビデオ・カメラの眼の部分であり世界を日本が押さえている数少ない製品だ。
②はプレーステーションをハードでなくソフトとしてどこまで伸ばせるかが鍵だろう。
③はサムスンノキア等との厳しい戦いがあり、ソニーがこの分野に進出できるかかなり怪しい。

 20世紀はアナログの時代で優秀な工場を持った企業が勝利を占めた時代だった。
そして21世紀はデジタルの時代で優秀なソフトを開発できる研究所の時代になった。
だから20世紀型モデルのソニーは今後も工場閉鎖を迫られ苦悩はまだまだ続くのではなかろうかと私は思っている。


なお、日本再生関連の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

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