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(24.11.4) NHKメイド・イン・ジャパン 復活のシナリオ第二話  ダイキン・トーレ・三洋電機のそれぞれの対応

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 日本メーカーの復活のシナリオ第2話は「状況に応じて最適解を求めよ」と言うことのようだ。
最初の例は業績不振で中国の家電メーカー、ハイアールに売却された三洋電機のタイ工場だった。
ここでは冷蔵庫洗濯機の製造を行っていたものの販売不振に陥っていたためハイアールに売却されたのだが、売却後この工場の生産高は飛躍的に伸びている。

 理由はハイアールが世界最大の冷蔵庫と洗濯機のメーカーであり、特に新興国や後進国の需要にあわせた製品開発を行ってきて、それが消費者から受け入れられているからだと言う。
三洋電機の工場であったときは主として先進国向けの製品を作っていて、成長著しい新興国や後進国を無視した販売戦略をとっていたのが販売不振に陥った原因と言う。

 この第一の例は中国のトップメーカーの傘下に入れば工場は復活できると言うものだが、正直な感想は「これが復活のシナリオかい!!!」と言うものだ。

 第二の例は空調器メーカー、ダイキン工業の戦略に復活の可能性を見ていた。
ダイキンは日本の家電メーカーが軒並み不振に陥っているときに、毎期収益を増加させている優良企業である。
ダイキンにはインバーターと言う電力消費を約30%節減する技術があるのだが、この技術を中国の最大手、格力電気に無償で提供した。
格力電気はこの技術を使用してインバータ製品を販売し中国の標準機種にしたのだが、そこでダイキンがより高品質のインバータ製品を投入したと言う戦だった。

 インバータのよさが消費者に浸透すればより高品質のダイキンのインバータエアコンが売れると言う戦略で、実際に今までの推移はその通りになっている(この番組制作時点で9月の尖閣諸島問題に端を発した日本製品不買運動の影響はまだ明確でない)。
この番組に出ていたコメンテイターが「ライバルこそパートナー」と言っていたが、新技術はその国の最大のメーカーに市場を切り開いてもらって、日本メーカーはそれに便乗すると言う戦略のようだ。

 この戦略は「ふぐの毒」のようなもので常に技術が上位でないと、たちまちのうちに自社の製品が売れなくなるが、ダイキン工業にはその自信があるのだろう。
技術のオープン化」は世界中に仲間を作ることなので、一社で販売するよりは相乗効果が期待できると番組では説明していた。

注)トヨタはHV技術をフォードやBMWに提供しているが、これも仲間を増やして世界標準をつくろうとの試み。

 三番目のトーレの例は面白かった。
トーレは技術力が企業を育てると言う信念を持ち続けて研究開発費を削らず、長い年月をかけて商品開発に取り組んできた企業の例だという。
過去にレーヨン、ナイロン、ポリエステルと需要にあわせて最新の繊維を開発してきたが、今は炭素繊維と浸透膜の開発・製造で世界をリードしていると言う。
何しろトーレでは炭素繊維の開発に51年、海水から真水を作る技術に44年の歳月をかけている。

 
 炭素繊維は自動車、航空機、宇宙ステーション等の構造を支える軽くて丈夫な繊維で世界のシェアの40%を占めている。
すべて辛抱強い開発が企業業績を伸ばすと言う例だという。

 私にはこのトーレの例が最もしっくりと納得できた。
現在は研究開発の時代で、そこにどれだけ資金をつぎ込みじっと成果を待っていられるかの競争だ。
実際100の新製品のうちヒットするのはそのうちの一つと言われているような状況下で、競争力を保つのはトーレのような会社ではないかと思う。

 三洋電機タイ工場の事例は中国に売却された企業の例で、それは中国企業が如何にに強い販売力を持つかと言えても、日本企業復活のシナリオにはなりがたいし(ただしなぜ中国企業では強い販売力を持つかのノウハウは学べる)、虎の子技術を中国に開放して市場を先に開発させるダイキンの戦略は一歩間違うとその企業の衰退につながりそうだ。

 それに比べてトーレの研究開発重視政策は、(昨日放送した第一話で強調していたように)、「現在はソフトをおさえたものが勝利する」時代で工場の有利性がなくなった時代の日本企業の生き方を指し示している。
一歩先を行くためには研究・開発が最も大事でこの部分を日本に残し、生産工場は世界の最適な場所で行うのが最も効率的で日本企業の再生の条件だろう。

注)昨日放送した第一話の取りまとめ記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-d869.html


 この番組では他にベンチャー企業の動きを追っていた。日本にはアップルサムスンと言ったベンチャー企業が育たず、すっかり世界の潮流から取りのこされたが、現在大企業からドロップアウトした優秀な技術者がベンチャー企業をたち上げようと努力しているという
その場合最も重要なのはファイナンスで、日本には今まではこうした企業に資金を提供する仕組みがなかった。

 現在はクラウドファイナンスと言う技術があり、ネットで呼びかければ資金が集まる仕組みが開発されている。
最終的には元気のいいベンチャー企業が育たなければ日本再生は不可能なのだから是非成功してほしい取り組みと言える。

なお日本再生に関する記事は以下にまとめて在ります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

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コメント

私は此の番組を見逃しましたが、日立製作製作所の例がありませんね。日立の場合は、洗濯機などの家電製品の国内生産は継続するものの、絶対量を減らしましたね。それから、販売国のニーズに合わせるのではなくブランド化する、という道を歩んでいますね。乗用車でいえば、ベンツやジャガーなどのブランドカーですね。これらの車は左ハンドルばかりが売れ、使い勝手が良くても右ハンドルは売れませんよね。それと同じことを家電で実現しようとしています。乾燥機付き洗濯機などは、巨大風圧で一気に乾燥させるという固有技術を使った製品ですが、洗濯物などというモノは発展途上国では軒先に干すものだから売れないと思いきや、ブランド品として売れているようですね。そういう形の生産ですから製品はラインで流していません。一人の職人は数百ページのもマニュアルを暗記して一台丸ごと生産しています。何が言いたいかといえば、生産と研究開発を切り離せば開発も力を失うという事ですね。これは製造業にかかわっている人なら誰でも知っていることです。で、為替が円安に傾くのを5年でも10年でも待ち続けます。いわゆる伏竜戦略ですね。伏竜とは、諸葛孔明が田舎に隠遁していた頃のあだ名です。竜が湖底に伏せているのは、いつか時期をみて天に昇らんがため、と言ったところでしょう。日立は重電部門がありますので、その間の僅かな赤字は何とでもなる、と思っているのでしょう。  ・・・・・山崎さんの今後のブログ材料になればと思って書き込みましたが、どうもつまらない話になってしまい申し訳ありませんでした。

(山崎)日立の例は記憶に残っていませんでした。もしかしたらその時間帯は寝てしまっていたのかもしれません。

投稿: 三太郎 | 2012年11月 4日 (日) 07時44分

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