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(24.11.28) 為替相場は金融政策で決まる  なぜユーロ高か?  安倍総裁の金融緩和発言で市場は大騒ぎ

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 為替相場は経済実態を反映するか?
もし反映すると答えたらそれは20世紀の経済学的センスで、反映しないと答えたら21世紀の経済学的センスである。

 21世紀に入りリーマンショック前まで日銀が行った超緩和策によって為替相場は経済実態と切り離され始め、リーマンショック後アメリカ、EU、日本の更なる超緩和策で為替相場は経済実態とまったく無関係になってしまった。
今の円、ドル、ユーロ相場はその中央銀行が行う金融政策、はっきり言えば金融緩和の程度に反映して動いている。

注)金融緩和の総額は大雑把に言ってアメリカ:EU:日本は3:2:1の割合。
ただし経済規模はアメリカ:EU:日本は3:3:1だからGDP対比にすると日本とアメリカは同規模、EUは金融緩和の程度が低い

 そのことを再確認させたのが安倍総裁の発言に伴う昨今の円安、ユーロ高、ドル高である。
現在ドルは82円程度、ユーロは106円程度で推移しており、これは今年4月以来のドル高、ユーロ高水準だ。
なぜこのような状況になったかというと自民党安倍総裁が「この衆議院選挙で勝利したら無制限に円を刷りまくり、日銀を政府のイエスマンにする」と言ったからだ。

 「円は確実に下がる、今のうち円を売ってしまえ」金融機関やヘッジファンド、そして円をたっぷり持っている資産家が色めきたった。
さらに手持ちをしている円を売るだけでなく、円を借りてドルやユーロと交換しておけば確実に儲かるし、オーストラリアドルのように金利の高い通貨であれば鞘も稼げる。
これを円キャリー取引と言うが各国のヘッジファンドが色めきたっている。
ほれ、又日本がもうけさせてくれるぞ、円を借りて利ざやでぼろもうけだ!!」

 
 最も円を売った資金は他の通貨や物に換えなければならない。
現在の動きは信じられないことに主にユーロに向かっている。
常識的には今まで世界中から無視されてきたユーロが復活したのだから不思議だ。
ギリシャ支援は相変わらずおたおたしているし、スペインカタリューニャ地方の選挙ではスペイン独立派が勝利して気勢を上げている。
何一つ評価する内容がないのにユーロ高なのは、円は低下するしドルはまだ危ないと判断したからだ。

 ドルは「財政の崖」問題が片付いていないから、もし政府と議会の話し合いが決裂すればFRBのバーナンキ議長が再び無制限の金融緩和を行う。
一方日本では自民党が勝利すれば安倍総裁がここも無制限に金融緩和を行う。
今、まだまともなのはメルケル・ドイツ首相ががんばっているユーロだけじゃないか」こうして資金がユーロに集まってきた。

 日本は円安になったので輸出産業が一息つけると判断されて株高になってきた。
日本経済は直近でマイナス成長になり評価できないが、それでも株高なのは単に円安になったことに伴う調整に過ぎない。

 日銀の白川総裁は講演で「政府の為替介入と相まって日銀の金融政策は円高への一定の歯止めとして作用している」と言って、日銀の金融政策の正当性を強調した。
さらに「央銀行に出すお金の量によって為替レートが決まるという議論があるが、そうした関係は確認されていない」とまで言い切った。

 しかしこの白川総裁の後者の言葉は真実でない。
安倍総裁無制限の金融緩和を言ったとたんに資金が日本から逃げ出して円安になったのを見ても分かる。
経済規模が一定の時通貨量の増大は必ずその国の通貨の価値を減価させる。
為替相場は中央銀行の発行するお金の量に連動する。

注)第一次世界大戦後のドイツや、第二次世界大戦後の日本、そして最近のエリツィンのロシアやアルゼンチンで起こった超インフレはその例。

 今まで円高だったのは日銀がアメリカやEUの金融緩和策に比較して抑制的だったからだ(だから前原財務担当相や安倍総裁がいらいらした)。
これは21世紀の最初の10年間に日銀が行った金融緩和がリーマン・ショックを引き起こしたという反省があるからだ。
金融緩和は単にバブルを助長するだけで、必ず大きなクラッシュを引き起こす。経済政策はあくまで財政と規制緩和で行うべきで、金融政策は裏方に過ぎない」という気持ちが日銀にある。

注)リーマン・ショックの原因が日本の超金融緩和にあったと日銀が正式に認めた訳ではないが、通常の金融のセンスを持っていればそう思う。

 安倍総裁が首相になれは円安傾向は続き、円の価値は漸減する。
そうした通貨を持ちたくないのは誰でも同じで、今まで日銀の抑制的な金融政策を評価していた市場は今一斉に円を売っている。
そしてさらに21世紀の最初の10年のように円キャリー取引でヘッジファンドは莫大な富を儲けようとしている。

注)私はこうした世界にバブルをばら撒く政策には反対なのだが、それは以下の記事で述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-c7f9.html
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3a83.html

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