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(24.11.11) 落ち目の民主党とTPP  日本はアメリカの戦略を理解しているのだろうか?

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 TPP(環太平洋パートナーシップは落ち目の民主党にとって最後の福音になるのだろうか?
このところ前原国家戦略担当相枝野経済産業相が盛んにTPP交渉への参加表明を言い出し、もともとTPPに賛成の野田総理の尻を突っつきだした。

総理、このままでは民主党は惨敗です。なんとか選挙民をひきつけるための魅力的な公約が必要で、自民党との相違を明確にしましょう。

不要な公共事業の停止、脱原発、そして自由貿易のためのTPP参加、これしかありません


 TPP交渉への参加については野田総理が1年前に表明しようとして、党内の反対勢力によって葬り去られた経緯がある。
山田元農相を中心とする反対勢力「TPPを慎重に考える会」はTPP参加に絶対に反対で、もし野田総理が協議に参加すれば離党すると脅している。

注)1年前のTPP参加(協議)についての記事は以下に纏めてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/2311.html

 背後には農水省がいて、もしTPPに参加して農産物の自由化が行われれば、米の4割が外国産になり、乳製品や牛乳は壊滅的な影響を受け、農業従事者の約200万人が失職すると試算した。
平成22年現在の農業従事者数は約260万人だから、これは「日本から農業が消える」と言っているのに等しい。

もし日本に農業従事者がいなくなれば農水省は食料輸入省になり、農協や農業団体は消えてなくなる。こんなことは絶対に許せない」農業団体もいきまいている。
最もいきまいているのはアメリカも同じで、「TPPで関税がなくなれば日本メーカーの車がアメリカ中で販売され、GMもフォードもクライスラーも消えてなくなる。TPP参加には絶対反対だ
アメリカの自動車業界は弱者集団だ。

 
 TPPはもともとシンガポール、ニュージランド、ブルネイ、チリと言ったローカルな自由貿易圏の創設を目的としたものだったが、09年にアメリカが参加を表明してから俄然戦略的なものに変質した。
アメリカの狙いは最終的には中国で中国封じ込めのフレームワークがTPPだ。、

 そのためには中国を除いた自由貿易圏をアジアに作って自由貿易のルールを定め、もし中国がこの協定に参加を希望すればそのルールを中国に適用して中国を丸裸にさせようと言うものだ。
中国を封じ込めるには中国以上の経済圏をアジアに造らなくてはならない

注)一方で中国、韓国、日本との間でFTA(自由貿易協定)を締結しようと言う動きがあるが、これは日本が中国組に入ることを意味する。それがどんなことかは尖閣諸島問題や竹島問題で日本がどのように取り扱われるかが分かったはずだ。

 TPPにはオーストラリアカナダも参加表明したので、残された経済大国は日本だけになってしまった。
実際に自由貿易圏が出来上がればその域内での経済活動はどの国の企業にとっても原則自由だから、最も強い企業が勝利を収める公算が強い

 日本が競争力があるのは自動車や家電と言った伝統的な産業や、最近復活した金融、そしてiPS細胞に代表される医療分野である。
一方競争力がまったくないのは補助金行政でかろうじて命脈を保っている農業分野で、アメリカやオーストラリアやカナダの農業には太刀打ちできない。

注)もし農業分野にハイテクを駆使した企業が進出すれば競争力のある農業を作り出せるが、こうした取り組みには農協や農業団体、それに農水省が陰に陽に反対しているので日の目を見ることはない。

 アメリカには農業、シェールガス、IT、航空機産業、ソフト、宇宙産業、金融、医療等競争力のある分野が目白押しだから、オバマ政権がTPPに積極的なのはうなずける。
しかし本当の狙いはアジアで中国に先立っていわばアジア版EUともいえる自由貿易圏を作って中国を封じ込めるのが狙いだ。

 中国と言う国は無断で他国の特許を侵害し、コピー製品を作りまくっているので、中国を世界のルールの下にひれ伏させなければ21世紀は中国の世紀になってしまうと言う危惧がアメリカにはある。
だから日本も農業といった国内問題でぐずぐず言わずに、中国封じ込めの経済戦略に参加してくれ」と言うのがオバマ政権の本音だ。

 だが日本には戦略と言う思想はない。せいぜい戦術レベルの発想しかないから、このアメリカの中国封じ込めより、目先の農業団体の陳情のほうを重視する。
野田総理はさすがにTPPの本質を分かっているから積極的だが、山田元農相のようなローカルな政治家を説得するのは並大抵のことではない。

 それに日本は既得権益者の利益を守ることにおいては実に熱心な国だ。
農業や農業団体を守っても日本の再生にはならないが、それでもこうした既得権益者の利益に配慮し、まだ見ぬ成長分野を育てようとする政治家は少ない。

 戦略的にはアメリカの中国封じ込めに積極的に参加すべきなのだが、戦術重視の日本はTPP参加を先延ばしをして静かな衰退を選択する可能性が高そうだ。


なお野田内閣に関する記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.htm

 
 
 
 

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