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(24.10.17) 日本のメガバンクの大復活 金融機関の時代が始まった


(ブログ「バイオマスおやじの日々」に掲載されている「恐怖の猫写真」)

 日本の大銀行の復活が続いている。バブル崩壊から20年、「不良債権の隠蔽体質」と揶揄されて世界中の嘲笑の的だった日本の銀行がここに来て不死鳥のような復活を始めた。

 この10月日本でIMF・世界銀行の総会が開催されたが、こちらは中国の財務相や中央銀行総裁が欠席して散々の会議になった。
しかし同時に開催されたメガバンクとアジアの各国銀行との会議は、相互の提携(債券市場をアジアに作ろう等)を強めるなど日本の金融機関の積極姿勢がひどく目立った。

 リーマンショック後特にヨーロッパの金融機関が域内問題に忙殺されアジアから撤退しているのに対し、その穴を日本の金融機関が埋めるケースが目立ている。
ヨーロッパの金融機関はリーマンショック前に約25兆ドル2000兆円)規模の海外債権を保有してきたが、12年には約18兆ドル1440兆円)規模まで激減している。
一方で日本のメガバンクは、海外投資を08年の2兆ドル160兆円)から3兆ドル240兆円)に拡大している。
最も拡大しているといっても1兆ドル程度だからこれでは到底ヨーロッパの金融機関の穴を十分埋めているとまではいえないが、今後ともこの傾向は続きそうだ。

注)IMFの推定ではヨーロッパの金融機関は13年末までにさらに4.5兆ドル(360兆円)規模の資産圧縮を計ることになり、その穴を日本のメガバンクが埋めることに期待している

 いままで日本の金融機関は国内では大企業からまったく相手にされず、一方海外進出しようにもヨーロッパ勢が強敵だったので(旧植民地の場合はその頃からのつながりがあってなかなか食い込めなかった)、仕方なしに日本国債の購入でお茶を濁していた。
政府にとってはいくらでも国債を購入してくれるのでいくら放漫財政をしても平気と言うありがたい状況だったが、さすがにIMFが苦言を呈した。

現在の金融機関の国債の資産に占める割合が24%、これが今後とも拡大し17年には30%になる可能性がある。(これでは金融機関は政府の財布と変わりないから)共倒れの危険性が高い

注)日本の大企業は社債やCPでの資金調達が可能だったので金融機関からの借り入れを減らしていた。

 しかしここに来てIMFの懸念は杞憂になりつつある。
海外では日本の金融機関の融資を待ち望む声が続出し、一方国内では輸出産業が業績悪化に伴う格付け低下で社債やCPでの資金調達が不可能になってきたからだ。
シャープなどは格付けが投機的になって社債もCPも発行できなくなってしまい、パナソニックも赤字経営が続いて手許資金が急速になくなってピーク時の3分の1程度のかつかつの状況になってきた。

 こうなると今まで無視してきた金融機関だけが最後の頼りになる
まったくご無沙汰して申し訳ありませんでした。これからは二人三脚で融資をお願いいたします
お宅はいくらでも資金は集められるのではなかったですか。いや私どもでは海外から融資の申し込みが引っ切り無しでお宅に回す分はなかなか・・・・」なんて金融機関はいやみの一つも言えるようになり、ようやっと国債依存から脱却できる目処が立つようになった。

注)パナソニックは約5000億、シャープは約1800億のコミットメントライン(この金額を上限にいつでも金を借りられる契約)を設定した。

 こうなると今度は財務省があわてだす番だ。今までは他に運用機会がなかったので黙っていても国債の購入をしてくれたが、これからはそうはいかなくなって押し付け販売が始まるだろう。
メガバンクの資金を海外と国内の輸出産業それに政府が奪い合いになる構図になりそうだ。

注)かつて国債販売はシンジケート団が結成されて、自動的に購入させる体制があった。それを復活させるかも知れない。

 こうして今メガバンクの大復活が図られようとしている。円高の世界では(商品を売るのではなく)円こそが最大の輸出商品になる。
金融が思わぬ形で今日本の成長産業になろうとしている


なお、日本の金融機関の世界進出については以下に纏めてあります
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45467292/index.html

またNHKスペシャルの「灼熱アジア」にも「みずほ」の奮闘振りが出ていた。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/221119-nhk.html

 

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評論 日本の経済 金融機関」カテゴリの記事

コメント

なーるほど。日本の金融機関の好調さには、今後 国債との兼ね合いの問題が出てくるわけですね。
いつもながら勉強になります。
山崎さんのブログを拝見する朝のこの時間は、貴重な経済の勉強時間です。
新聞などより論旨が明確で判り易く、経済オンチの私には助かります。
写真拡散にご協力をいただき、有難うございます。

(山崎)また面白い写真がありましたら使わせてください。

投稿: バイオマスおやじ | 2012年10月17日 (水) 07時51分

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