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(24.10.11) 中国における日本車の不買運動  トヨタが半減しているが本当に問題か?

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  中国での9月の日本車の販売が激減していると言う。たとえばトヨタは対前年同月比▲49%、ニッサンが▲35%、ホンダが▲40%で、尖閣諸島問題で中国が不買運動をしている結果だと言う。
日本車の購入をやめた顧客はVWフォード現代に流れているらしい。
この不買運動は相当長く続きそうだから日本メーカーの中国戦略の見直しが必要だと言うのが新聞やテレビの論調だ。

注)VW +20%、フォード +35%、現代 +10%。ただし中国全体の9月の出荷台数は▲1.8%の162万台。自動車産業は中国GDPの約1割を占めているから全体としても消費の落ち込みが激しかった。

 確かに日本で生産され輸出された自動車の不買運動であれば日本国内への影響は大きいが、昨今はほとんどが現地生産に切り替わっており、ニッサンなどはグローバル戦略を明確にしている。
日本はすでに輸出拠点としては最悪の環境であり、日本から自動車を輸出すればするほど赤字が累積される構造になっている。

 
 中国人に販売する車は中国で生産できる体制を日本メーカーはすでに整え、中国全体の生産能力の約2割を日本のメーカーが占めている。
だから中国人の日本車不買運動は中国で現地生産されている日本車の不買運動と言うことになるが、これが本当に不買運動なのだろうか。
単に中国のGDPを押し下げるだけではないのか

 グローバルな世界においては企業は国籍を持たない。生産環境が整い、市場に近く、利益を生み出せる場所で生産しているだけで、その車を作っている従業員は中国の場合は中国人だ。
当然税金は中国政府に支払うし地代も同様だし、又企業進出によって周りの関連産業も潤う。最近は部品メーカーとして中国企業も参入しているので、中国に進出した自動車メーカーは中国の会社となんら変わらない。

 日本の過疎地の企業誘致を思い浮かべてほしい。工場が進出してくれると雇用が生まれて人口の減少に歯止めがかけられるし、地方の財政は地方税固定資産税が期待でき潤う。工場の周りにはコンビニや飲食店が集まるし、弁当屋も繁盛する。
だからこそ過疎地の首長は工場誘致に熱心なのだ。

 これと同じことが中国に進出した自動車メーカーにもいえるのだが、せっかく誘致をした企業の生産する商品の不買運動をして企業を追い出してしまったら何のために誘致したのか分からなくなってくる。
グローバルな時代には雇用を提供してくれる企業がいい企業で国籍は関係ない。

 中国人の一般的な教養はマルクス経済学だから、外国企業に対しあいも変らない帝国主義論資本による収奪と言う概念がこびりついているのだろう。
中国人の中でも鄧小平は「黒い猫でも白い猫でもねずみを捕る猫がいい猫だ」というグローバリズムの発想を身に着けていたが、中国指導者の多くはマルクス毛沢東の弟子だ。

 一方日本人でも中国進出企業が暴徒に襲われたり焼き討ちに会うとあたかも日本が焼き討ちにあっているような感覚に襲われる人が多いが、実際は中国人の資産を中国人が壊しまわっているに過ぎない
グローバル企業には国籍がなく、生産している場所が国籍なのだから、トヨタニッサン現地法人は中国の企業であり、そこでの付加価値は中国のGDPにカウントされる。

注)正確に言えば現地法人が稼いだ利益のうち配当や利息分については日本のGDP(所得収支)となるが、それ以外はすべて中国のGDP にカウントされる。

 だから中国人の日本車不買運動は中国人の問題で日本人の問題ではないと私は思っている
そしてグローバル企業はその性格上中国の立地条件が悪化したと思えば他のよりよい条件の場所に移ればよいのであって、焼き討ちにあってまで止まる理由は何も無いのだ。

なお、グローバル企業は国籍がないことについては以下の記事(なぜ中国は自国の財産を破壊するのか)でも言及しました。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-3e0c.html

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