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(24.10.14) 中国元の不思議な値下がり 何が中国に起きていたのだろうか?

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タムさん撮影 サンチャゴ巡礼の途中

 中国元の推移についてとても不可思議な動きが起こっていた。
今年に入り中国元の為替相場が対ドルで元安に振れたのだ。実際は5・6月ごろから始まって8月ごろまで元安で推移し、その後再び元高に戻ってきた

 数ヶ月の間ではあったが私には信じられない思いだった。なぜなら中国政府はアメリカとの間で段階的に元高を是正していくことを約束していたし、実際それまでは約束どおりの推移をたどっていたからだ。
一体どうしたんだ。中国の為替管理は政府の思いのままだったのではなかろうか・・・・・それなのになぜ元安になるんだ????

 正確に言うと中国の為替管理は「管理された変動相場制」と言う内容で、中国銀行が指定したレートを中心に上下に変動幅の上限と下限を設け、それを超える場合は中国銀行が為替に介入して変動幅の範囲内に抑えると言う制度である。
いわば当局の強い意思が働き、間違っても当局の意図に反して元高になったり元安になったりはしない。
ところがこの5・6月から8月ごろまでは糸の切れた凧のように元安に振れていた

 とても不思議に思っていたら最近読んだ「2013年の中国を予測する」という宮崎正弘氏石平氏の対談の中にとても興味深い指摘があった。
両氏の指摘では「中国経済は不動産バブルの後始末のために倒産しそうなディベロッパーに多額の資金を融資し、その資金は単に輪転機を回しただけの通貨膨張だった」と言うのである。
その通貨膨張の結果元の価値が下がりそれが元安に振れたという。

 中国では世界的規模の開発ラッシュが10年近く続いてきたが、開発先行で需要が追いつかずそれでも開発をやめないため死屍累々の開発業者が全国規模で発生し、それを放置できない状況にあるという。

注)毎年の固定資産投資の伸び率が25%30%だった。なお開発業者とは地方の共産党の幹部が経営している。

 中国の不動産は日本と異なりすべて国家所有だからまず使用権の譲渡が必要で50年とか75年とかの使用権が売買される(実際は地方政府の土地の切り売り)。
この使用権の譲渡は地方政府の権限で、その土地を開発公社に譲渡し、さらにその土地がディベロッパーに譲渡される。
なぜそうなるかというと地方政府は法的に金融機関から融資を受けることができないため、地方政府がダミーで作った開発公社に融資を金融機関から受け地方政府はそこから譲渡金を回収する。

 一方デベロッパーは開発公社から使用権を購入しアパートやビルを建設してその販売資金で購入した使用権の返済を行うが、実際はアパートもビルも日本のバブル崩壊時と同じようにまったく売れないため開発公社に返済ができない。
何しろ人民日報に載った数字で約5兆元約60兆円)もの不動産が販売できず塩ずけになっていると言う。

 日本ではバブル崩壊に伴い地方自治体の第3セクターが次々に倒産したが、その中国版がこの開発公社である。
返済が滞っているため約99%の開発公社が赤字に苦しみだした。
問題は本来なら死屍累々の開発公社がなぜ倒産もせずに存続し続けているかと言うことだが、ここに中国政府の金融緩和策が実施され大規模の資金供給が行われたという。

開発公社がつぶれれば地方自治体がつぶれる。そうなると中国経済が崩壊する。何でもいいから開発公社を救え

 実際は金融機関がディベロッパーに融資し、その金で開発公社への返済にまわしているのだが、問題はこの資金供給が中国銀行が輪転機を回しただけだと宮崎氏は指摘する。

 本当だろうか? 経済が崩壊過程に入るとどこの政府も輪転機を回していた。最近ではロシアのエリツィン大統領が 地方遊説するときは刷ったばかりのルーブルを飛行機に乗せてそれをばら撒いていたことは有名だ。

 だが中国は世界最大の外貨準備を誇る金持ち国だ。そこが地方政府を救うために輪転機経済に走るだろうか。
宮崎氏の指摘に疑問の余地がないわけでないが、一方でこの夏場の元安についての適切な説明がつかない。
国家管理が行き届き値上がりを公言してきた元が突然値下がりしたのは確かに中国経済の闇を垣間見た気がした。

なお中国経済についての記事は以下のカテゴリーに纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

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