(24.10.10) おめでとう山中教授 日本人の誇りだ
思わず手をたたいてしまった。山中伸弥京都大学教授のiPS細胞の研究でノーベル医学生理学賞を受賞したテロップがテレビに流れたからである。
山中教授のiPS細胞の発見は世界的な業績であることはすでに広く知られていたので、後はいつノーベル賞を受賞するかにかかっていた。
06年のマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作成してから6年間でノーベル賞を受賞したのだがとても早い受賞になった。
従来の受賞者がどちらかと言うと第一線から引退して歩くのにもおぼつかなくなった頃受賞するのとえらい違いだ。
何しろ山中教授は50歳で現役のパリパリの研究者で京都大学iPS細胞研究所長でもある。
世界にある賞のうち最も伝統があり権威があるのがこのノーベル賞だから、この賞を受賞することは世界の第一人者と認められたことになる。
受賞したのは山中教授だが、「日本人て頭がいいんだな・・・・・・」なんて自分もそうであるような錯覚にしたれるのがこの賞のいいところだ。
新聞もはしゃいでいて過去のノーベル賞の国別ランキングを掲載していた。それによると圧倒的に受賞者が多いのはアメリカで次がイギリス、そして日本はロシアに次いで8位だった。
「ほれ見ろ、日本は人類に多大な貢献をしているじゃないか。近くで威張ってばかりいるニイ・ハオおじさんとえらい違いだ」つい言ってみたくなる。
今回の受賞理由は「成熟した細胞を多様性を持つ状態に初期化できることの発見」と説明されている。
この中でキーなる言葉は「初期化」である。従来成熟した受精卵は一方通行で心臓になるものは心臓、腎臓になるものは腎臓と決められ、途中から心臓が腎臓になるようなことは絶対にないとされていた。
それはそうだろう。目玉ができつつあるときに急に心臓になんかに変ったら、心臓のある目玉になってしまう。だからこの分裂は一方通行しかないと思われていた。
だがそれは「通常の状態であれば」と言う限定つきで、山中教授はマウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を組み込むことで初期化に成功してしまった。
皮膚から心臓でも腎臓でも骨格でも筋肉でもできるのだからすごい。
細胞が初期化するのだが、私たちはコンピュータを使用し始めてからこの「初期化」に慣れている。
最近でこそ少なくなったが従来コンピュータは理由が分からないが何かの原因でウンともスンとも言わなくなる。
こうなるとテコでも動かないから仕方なしにOSの再インストールをしたものだ。
「なんて壊れやすいコンピュータだ。しっかりしてくれよ」ブツブツ・・・・
あれが初期化だが人間の細胞もコンピュータと同じだとは知らなかった。
山中教授が発見したiPS細胞は自分の細胞を使用しているので拒絶反応が少なく、又実際に難病の細胞を作り出して治療法を研究するのに役立つ。
そして受精卵を使用しているわけでないから倫理的な問題もクリアーされた。
「何はともあれ実に立派な研究だ・・・・」細部は良く分からないが、私は嬉しくてはしゃいでいる。
これからも日本人の受賞者が増えていくことを期待したい。何しろオリンピックではニイ・ハオ組とアニョン・ハセヨ組に負けっぱなしだから、頭で勝たないことには東アジア地域の級長にもなれない。
なお山中伸弥教授がクローズアップ現在に出場して国谷裕子キャスターと対談したときの模様は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-54bc.html
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