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(24.10.12) 復活なるか 液晶王国日本 シャープとジャパン・ディスプレイの戦略

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 10月4日に放送されたクローズアップ現代のテーマは「復活なるか 液晶王国日本」だった。ほぼ10年ほど前の液晶の世界シェアは日本が圧倒的で、特にテレビ用液晶の80%をシャープが抑えていた。
シャープ以外に液晶なしと言う状況が様変わりしたのはリーマンショック以降で、日本以外の世界市場では韓国台湾のメーカーが席巻してしまった。

 サムスン(韓国)、LG電子(韓国)、奇美電子(台湾)、友達光電(台湾)と言ったメーカーが上位を占め、シャープの世界シェアは10%に落ちてしまった。凋落と言ってよい。
最大の理由は価格競争に負けたからで、リーマンショック後の円高で韓国ウォンが約45%台湾ドルが約25%値下りしたため、シャープはテレビ用液晶を日本以外で販売することができなくなってしまった。
何しろサムスンシャープ半値なのだ。

 さらにシャープの経営を追い詰めたのは大型液晶パネル(60インチの生産拠点として4300億円の巨費をかけ堺工場を稼動させたことで、これもリーマンショックの景気低迷で大型テレビの販売が極度に不振になり工場建設が裏目に出た。
今年の初めには稼働率は3割程度まで落ち、堺工場は作れば作るほど赤字が膨らむ体質になってしまった。
経営全体で12年3期は3760億円の赤字13年度も同様の赤字が見込まれることから、シャープは1万人規模のリストラと堺工場を台湾のホンハイ共同経営するところまで追い込まれた。

注)シャープが作るテレビは海外で売れないため、ホンハイのテレビで液晶を使用してもらう計画。

 シャープとしては大型テレビについては経営資源を投下するのを諦め、もっぱらホンハイの資金力と販売力に頼ることとし、シャープ本体の経営資源は中小型の液晶部門に特化しようとしている。
この分野はまだシャープが世界シェア2位の位置にいるが、この液晶はテレビ用ではなくスマートフォンタブレット型端末の液晶で、現在アップルサムスンが激烈な競争をしている分野だ。

 日本メーカー(ジャパン・ディスプレイやシャープ)はこの中でアップル陣営の部品の供給を行っており、アイ・フォーンアイ・パッドの液晶として使用されていて、技術力は現在世界一を誇っている。
ただしこの部門でも台湾や韓国の追い上げが激しい。

注)シェアNO1は日立とソニーと東芝が共同で設立したジャパン・ディスプレイであり二番目がシャープになっている(両者で35%程度のシェア)。

 この中小型液晶の生産・研究はシャープの亀山工場でなされており、従来よりはるかに細密で消費電力が5分の1程度の新製品の開発が最終段階に達していた。
この技術があればシャープは必ず復活できる」と担当の技術者は言っていたが、それほどことは簡単でなさそうだ。

 かつては日本の液晶メーカーは自社のテレビ用液晶として生産してきたが、テレビそのものが売れなくなってこの戦略は失敗した。
今は液晶専門の部品メーカーとなって生き残りを図っていくことにしたが、問題は術力が円高をカバーできるかどうかだ。
唯一無二の独占的製品であったらいかようにも生き抜くことができるが、サムスンLG電子もシャープほどは高品質でないが実務上まったく支障のない商品を半分程度の価格で提供できる。

 今回の番組では部品メーカーとして特化すること、技術力で差をつけること、意思決定を迅速に行うことが復活の条件だと話していたが、やはりそれだけでは円高の影響を緩和するのは無理ではなかろうか。
問題はリーマンショック後約半値に下がった韓国商品との戦いで、そのためには日本に製造拠点があるのはなんとしてもつらい。

 シャープはホンハイと堺工場の共同管理までは同意したが、亀山工場は死守しようとしている。
しかしそれでは海外に輸出する場合は円高の影響をもろに受ける。
ホンハイの郭会長当と提携し、技術開発は日本、生産は海外とするようなドラスティックな対応をしないと、シャープジャパン・ディスプレイもこの中小型液晶部門でもサムスンとLG電子にすぐに追い上げられてしまうだろう。

注)国内生産の規模は日本市場向けだけに限るように生産規模を圧縮する必要がある。

 なおシャープ問題は以下のカテゴリーに纏めて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat50580440/index.html

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