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(24.10.26) 経済は相互依存 中国人には分かるだろうか? 中国レアアース企業の惨状

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(北海道 トムラウシの近く 当時はいくら荷物を背負っても平気だった

 当たり前のことだが経済は相互依存の関係にあり一方的に一国が敵対する他国を追い込めるものではない。
経済制裁はするほうもされるほうも痛手をこうむるのだが、その影響は長い眼で見るとほぼイーブンと言える。

 2年前中国は尖閣諸島問題(漁船当逃げ事件で対日制裁を発動すると言ってレアアースの輸出を禁止したが、今中国ではレアアース関連企業が倒産したり赤字経営に陥っている。
温家宝首相の輸出停止の公式な発言は「環境問題を解決すること」だったから今懸命に環境改善をしていることになっているようだ。

注)日経によると現在最大手の内蒙古包鋼集団が1ヶ月の操業停止をしたり、300社と言われるレアアース関連企業の約25%が操業を停止しており、動いている企業も操業率が3割から4割で赤字を垂れ流している。

 制裁後一時レアアースは高騰しジスプロシウムなどはそれまでの10倍の価格まで上昇したので日本メーカーは大騒ぎになった。
しかしその後日本メーカー各社が他国からの輸入拡大やレアアースをできるだけ使用しない技術開発に成功して、中国からの輸入量をピーク時の半分まで減らし、さらに現在レアアースそのものを使用しない技術開発に取り組んできた。

 こうなるといくら中国がいきまいても需要がないのだから価格は暴落し、ピーク時の3割程度まで落ちてきており、さらに低下して制裁前の水準になるのも時間の問題になっている。

注1)中国の希土類の生産量は06年のピーク時の約半分に落ち込んでいる。日本が輸入をしなければ売る相手はいない。

注2)第二次尖閣諸島紛争では中国はレアアースの制裁に出られなくなった。その事情については以下の記事に詳述してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-f658.html


 
 経済は相手あってこそ成り立つのに、一方的に自分だけで経済が成り立っていると勘違いするところがいかにも中国的だ。
最も経済人はそのことに気がついていて、レアアース生産会社の幹部が「市場の実勢を無視したレアアース政策が無用の混乱を招いている」と述懐しているが政治家や頭に血が上った若者にそのことを教えるのは至難の技だろう。

注)レアアースの生産はもともと民間で行っていたのだが、尖閣諸島問題を契機に国有化を計った。国有化とは北京の要人集団の利権になることで、このレアアース産業は胡 錦濤氏や温家宝氏が所属する共青団派の利権に組み込まれた。

 もう一つ経済が相互依存にあることを教えてくれているのは、今回再び発生した尖閣諸島問題で日本製品、わけても日本製ブランドの自動車の不買運動が中国経済に及ぼしている影響である。
頭に血が登った若者は知らないだろうが、日本ブランド車と言ってもその9割は中国国内で生産しており、部品の供給率もほぼ9割が中国製だ。

 中国では東風汽車や広州汽車が日本メーカーとの合弁で日本ブランド車を生産しているのだから、日本車の不買運動はほとんど中国生産車の不買運動と同義語だ。
自動車生産は中国のGDPのほぼ10%相当(そのうち日本車のウェイトは約2割だからまったく売れなければGDPを2%引き下げるだから、中国経済に急ブレーキがかかるのは当然だ。

注1)中国の自動車メーカーは第一汽車、東風汽車、上海汽車がビッグスリーだが、いづれもアメリカ、ドイツ、日本、フランス等の自動車メーカーと合弁会社を設立して海外ブランド名で車を販売している。
自社ブランドも在るがコピー製品で外国ブランド車に比べると品質が劣る。

注2)中国産の日本ブランド車をいくら打ち壊してもそれは中国製品を壊していることは以下に詳述した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-3e0c.html

 中国では「愛国無罪」と言って日本の中国進出企業を放火したり、日本車に乗っている中国人に暴行を加えたりしているが、そうすることで中国の経済力を弱体化させている。
経済では一方的に相手を追い詰めることなど所詮できない。
そのことをレアアースの輸出規制と日本ブランド車の不買運動で中国人は身にしむだろう。

なお第二次尖閣諸島紛争の記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat51088450/index.html

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