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(24.10.8) BS歴史館 伊能忠敬 日本を知らしめた男

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 今回のBS歴史館伊能忠敬を扱っていた。私は伊能忠敬のファンだから楽しみにしてこの番組を見た。
おそらく日本の歴史上最も魅力のある老人伊能忠敬である。ほとんど年寄りの鏡といってもよい。
伊能忠敬が北海道の測量に出発したのは56歳のときで、その後72歳まで日本全国を測量しまくって当時としては世界的レベルの日本地図を作成した。

 彼が活躍したのは今からおよそ200年前で西洋が最も輝いていた時代だが彼の日本地図を見てイギリスを始め当時の先進国が度肝を抜いた。
こんな正確な地図を作成してしまう日本人はなんと優秀な人種だろう
日本が幕末西洋の植民地にならなかった理由の一つにこの伊能忠敬の作成した地図がある。

 地図とは国民国家を築くための最も大事な手段であり、地図を見ることによって初めて国家意識が芽生える。
しかし幕府はこの正確な地図を国家機密とし、為政者のみが知ればよいとしてトップシークレットにした。
世に言うシーボルト事件はこの忠敬の地図の写しをそっと国外に持ち出した事件だが、現在のイメージで言えば防衛省のトップ機密が中国のサイバー部隊によって盗まれたようなものだ。

 私は伊能忠敬は最初から地図を作るために蝦夷地に向かったと思っていたがこれは誤解だった。地図作りは内職のようなもので、本当は地球の大きさを測量したかったのだと言う。
当時地球が丸いことは知識人の間では常識になっていたが、その大きさを測ることはなかなか難しかった。

 方法論としては2地点の緯度を測り(たとえば1度差のあるニ地点)、さらにその2地点間の距離たとえば111km)を測ればその360倍が地球の大きさになるこの場合は4万km)。
伊能忠敬は幕府天文方のトップ高橋至時よしとき)のサジェスチョンで、蝦夷地までの正確な距離を測り、さらに緯度の測定に成功すれば地球の大きさが分かることを教えられた。

 伊能忠敬の海岸線の正確な測量はこの地球の大きさを確認するために行ったので、副産物として日本地図が出来上がった。
最初の蝦夷地の測量はほとんど伊能忠敬のポケットマネーで行ったが、このあまりの正確さに驚愕した幕府は次に東日本の地図作成を命じさらに西日本の地図作成を命じるほどになった。
当初は伊能忠敬の個人的な知識欲を満足させるための行動が、結果的に幕府直轄の国家事業になってしまったことになる。

なんてすごい男だ」と思うが、人に命じられたわけでなく個人的趣味で始めた測量が日本国最大の国家事業になった訳は、当時の幕府の差し迫った危機意識があったという。
南からはイギリスがそして北からはロシアが通商を求めて日本近海に現れていたが、当時の幕府は日本の領域と言うものを知らなかった
竹島や尖閣諸島や北方領土なんて意識は当時はまったくなく、何しろ日本と言う領土はどこからどこまでかまるで分かっていなかった。

おのおの方、これでは国防もへったくれもないではないか」時の老中松平定信が危機意識を持って正確な日本地図(幕府と藩という狭い領域でない日本全体)の作成を後押しした。
あの有能な男を幕臣にして幕府直轄の国家事業とせよ

 伊能忠敬は当時としてはまったくの老人である。何せ人生50年の時代で平均寿命はもっと短かったはずだ。その老人が隠居仕事として日本全国を歩き回って日本地図を作ってしまった。
私もかつて忠敬を真似て北海道の東海岸を歩いてみたが、波が強く岸壁が海にせり出した危険極まりない場所だった。
今では黄金道路と言う良く整備された道路が開通しているがそこから一歩海側に降りると荒磯と言っていいような場所だった(当時はまったく道路はなく獣道しかなかった)。

 私は伊能忠敬のような先人がいたことに誇りを感じて、北海道の東海岸の海に向かって涙を流したほどだ。
日本の歴史上最高の老人と言っていいと思う。

なお日本史の記事は以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47308511/index.html
 

 

 

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