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(24.9.10) 電力余剰時代に入った日本 電力不足はありえない

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 笑ってしまった。あれほど大騒ぎをして夏場電力不足に備えたのに実際は一度も電力不足にはならず、特に問題と言われていた関西電力管内でも10%以上の余裕があって計画停電は実施されなかった。

 事前の説明では「もし大飯原発が再稼動されないと最大で15%の電力不足になる」と言われていたのに実際は再稼動がなくても3%の余裕があった。
通常の安定供給の目安は「余裕率を8~10%と見る」いわれているから、確かに安定供給の見地からはぎりぎりいっぱいと言うことになるが、事前説明とは18%の差がある。
政府も関西電力も大いにさばを読んで無理やり原発を再稼動させたわけだ。

 しかし客観的に考えてみると日本は今後電力不足に陥ることはありえず、かえって電力の余剰が生じて仕方のない状況になりそうだ。
その最大の理由は日本から電気や自動車等の輸出産業が消えて、さらに中小の部品工場までも中国やタイやインドネシアやさらに隣の韓国やロシアに逃げ出しているからである。

 日本は世界的に見て最も輸出産業にとって不適な場所でリーマン・ショック後120円台だったドルは80円前後3割~4割前後も円高になり、ユーロは170円前後から100円前後4割前後も円高になっている。
こんな円高で輸出ができると考えるほうがどうかしている。

 たとえばシャープは日本に最新鋭の液晶工場液晶テレビ工場を建設したばかりに在庫が膨れ上がり、ほとんど倒産の瀬戸際まで追い込まれてしまった。
トヨタは日本国内での生産300万台の維持をうたってがんばっているが、収益構造はどんどん悪化し、ニッサンに追い抜かれるのは時間の問題となっている。

注)製造業の隆盛で貿易収支が常に黒字の国家はどのようにあがいても通貨高になり、貿易収支は赤字に転落する。そうすると今度は強くなった通貨を売ることになって所得収支が黒字化する。こうしてイギリスもアメリカも製造業から金融業に転換したが、日本は製造業にしがみつこうとして失敗してきた。

 今回の関西電力の節電目標は10%だったが、大口だけに限れば13%の節電実績であり、この心は「日本での生産を縮小しているから」である。
政府はまだ「この冬場を乗り切るのは難しい」とのキャンペーンをしているが、難しいと言われる北海道電力でも冬場を悠々のり切ると予測しておく。

 北海道電力管内に限れば大口需要者の節電効果と言うよりは人口減少に伴う家庭用電力の減少が大きいだろう。
日本は数年前から人口減少社会に入っているが、特に北海道の人口減少は著しい。
私自身は北海道フリークと言ってよいほどの北海道好きで毎年のように北海道の僻地を走ったり歩いたりしているが、年々街がさびしくなっていく様を見るのはかなりつらいことだ。

 
 このように工場は日本から海外に移り、人口は減少していく社会で電力需要だけが増加するわけがない
かつて日本はすべてが増加するとの仮定の上に道路や新幹線やダムや港湾を整備し、原子力発電もそうした不足を前提に建設された。

 しかし21世紀の日本社会は増加ではなく減少社会だ。発電所も建設するのではなくいかに速やかに閉鎖するのが必要になってくる。
この夏、電力は大げさなキャンペーとは裏腹に有り余ってしまった。
そして今後とも(海外にでも売らない限り)電力は有り余り続けるだろう。
今日本に問われているのは不足ではなく余剰社会をいかに効率よく乗り切るかの知恵だ。
最後にもう一度いうが日本で電力が不足することは(東日本大震災のような大災害時を除いて)ありえない。

なお、21世紀を新しい中世と呼ぶがそれがどのような社会かは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

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評論 日本の政治 原子力行政」カテゴリの記事

コメント

ネパールの人々は地に足をつけて生きているのですね。物があふれている日本考えさせられました。 あれほど電力が足りない足りないと公言しておきながら原発がすべて止まっても電力は足りているのですよね。日本全国至るところにある活断層海岸沿いにある多くの旧い原発維持廃棄しても何十万年と人間が考えられない月日を要するのですよね。今まで何も知らずにいた私 原発を作り続けた政府 知らないということは知らぬが仏ですね。

投稿: みさき | 2012年9月10日 (月) 07時53分

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