« (24.3.24) ボランティア教師奮闘記 受験モードに入ってきた | トップページ | (24.9.26) 領土問題は意地と面子のぶつかり合い だから解決不能 »

(24.9.25) これはひどい  東日本大震災の復興予算が食い物にされている

Dscf5230_2

 信じられないようなことが起こっていた。復興予算と称して黒い頭のねずみが徘徊し、一方実際に必要な予算が確保されていないと言う実情をNHKがすっぱ抜いた。

 先日(9月9日)放送されたNHKスペシャル「東日本大震災 追跡 復興予算 19兆円」と言う番組である。
この復興予算19兆円はその半分を増税でまかなうことになっており、来年度から25年間にわたって所得税、住民税、法人税数%上乗せすることになっている。
私を含め多くの方々は「復興予算なら痛みを分かち合おう」と思ってこの措置に賛成したはずだ。

 しかし復興予算19兆円最終的には23兆円)は復興とはとても関係しない予算に振り向けられていたり、反対に必要とされる場所には振り向けられなかったり、あるいは瓦礫処理費用を業者が過大請求をしてぼろもうけの手段にされている。

 NHKで報道された驚くべき内容は以下のようなものだった。

① 東日本大震災の復興とは関係ないもの

・ 調査捕鯨と反捕鯨団体対策費用(将来東北地区の漁業者の捕鯨が再開されたときの準備

・東京国立競技場の補修費用(
地震が発生したとき崩壊の危険がある

・北海道と川越の刑務所での職業訓練費(瓦
礫処理等の訓練をさせて出所後に役立たせる

・岐阜県にあるコンタクトメーカーの工場建設費用(
将来仙台市で事業を拡大して従業員を増やせる可能性がある

・治安対策のための警備自動車の配備(
過激派が東北各地に潜入して騒動を起こす可能性がある

・燃料電池研究の補助金(
原子力に変わる新たな技術の研究

・沖縄国頭村の海岸道路の工事(
津波対策

・海外青少年との交流事業(
10日間のうち2日間被災地の見学に当てている


 いってみれば何でもいいから復興と関連付けて各省庁が予算の分捕り合戦をしているだけに過ぎない。
特に経済産業省関連では「成長分野の産業の育成と被災地への波及効果」があればいくらでも補助金を出すようにしており、認可した510件のうち9割は被災地以外の企業等への補助金になっていた(上記のコンタクトメーカーの例が相当する
こうした東日本大震災復興とは無関係な予算が、NHKが今回分析した第3次補正予算9.2兆円のうち2.45兆円にのぼり、4分の1は無関係な予算となっていた(23兆円の4分の1と仮定すると約6兆円は震災復興とは関係ない予算になる)。

② 本来復興のために支出されないとおかしいが支出されないもの

・岩手県大槌町の商店主が共同でグループ再建資金の申請をしたが却下された(岩手県の予算枠が150億円で、水産業や建設業と言った雇用にすぐに結びつく案件が優先されて、個人商店は後回しにされている

・気仙沼市の開業医への支援の遅延(
公立病院を優先的に復興させるため、開業医の支援はほとんど行われていない。気仙沼市の村岡医師は病院の再建に9千万円、医療器具に5千万円の費用を投下したが、支援金は建物の復旧費1470万円だけだった。

村岡医師は約2億の借財を抱えて気仙沼市で懸命な医療活動をしているが、多くの開業医は自己資金での復旧ができず、他県の勤務医に転出していた


 特に村岡医師の孤軍奮闘振りには思わず目頭が熱くなった。震災前35あった医療機関のうち21が震災にあい、そのうち復旧したのは7機関で、半分は医療活動をやめたか縮小している。

 そうした中で地域医療のために踏ん張っている村岡医師に対する支援が必要費用の1割程度だと言うのはどうしたことだろう(関係ない企業への補助金が2.45兆円もあるのに)。
震災復興とは関連しない予算はいくらでもあっても、本当に必要な人に対しては支払われないのには憤りを感じる。

③ 復興予算の支出の管理がずさんで業者の鴨になっている事例。

・各自治体間で瓦礫処理1トンあたりの費用が最高と最低では7倍の差がある。最高は石巻市で最低は東松山市だが、瓦礫の量はほとんど同じなのに費用は石巻市は40億、東松山市が5億強になっている。
なぜ瓦礫処理に約7倍の差が出たのかの理由は以下の二つ

a. 東松山市では瓦礫を回収するときに現地で分別してから処分場に持ってきたが、石巻市ではすべて持ち込んでから処分場で分別していた。この分別作業に多くの資金が費やされている。

b. 東松山市では業者の見積もりのチェックを厳格に行ったが、石巻市ではまったく行われなかった。このため業者が過大請求をしてきたが、「どうせ国の予算だから」と言う理由ですべて支払った。

 特に石巻市のずさん管理が目立っているため、現在石巻市では業者の請求書の再チェックを行っている(まったく行政が機能していなかったのだから当然だ)。東松山市と同様にコストを抑えている釜石市は入札制度を導入していた。

 上記は自治体が業者の鴨にされている例であり、過大請求をまったくチェックをせず見逃していた例である。
国の予算だからいくらでも使え」と言う態度は相当問題があるといわざるを得ない。

 こうして復興予算は各省庁と事業者に食い物にされ、その反対に必要な人にはいきわたらない実態が明らかになってきている。
こんなひどいべらぼうな話があっていいものだろうか。

なお東日本大震災関連の記事は以下にまとめて入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43206851/index.html

|

« (24.3.24) ボランティア教師奮闘記 受験モードに入ってきた | トップページ | (24.9.26) 領土問題は意地と面子のぶつかり合い だから解決不能 »

災害 東日本大震災」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (24.3.24) ボランティア教師奮闘記 受験モードに入ってきた | トップページ | (24.9.26) 領土問題は意地と面子のぶつかり合い だから解決不能 »