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(24.7.15) LCC(格安航空会社)就航と空港会社の本気度  ウエルカムの関空と締め出しの成田

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 私は懸命にLCC(格安航空会社)に声援を送っているのだが、いまのところ問題続きだ。
なかなか予定通りに飛行機が飛ばないのだが、原因の一つに空港会社の本気度の相違がある。
関空はLCCにかけているが成田はまったく乗り気でない。それが明確になってきた。

 7月3日成田に就航したジェットスター・ジャパン成田・千歳間が、札幌から成田に帰れず欠航した。これで2回目の欠航だ。
原因は成田からの出発が遅れて,札幌からの帰りの便が成田の飛行制限時間の11時を過ぎそうになったためだ。

 一方今年の3月に関空で就航しているピーチ・アビエーションも計器異常等ですでに5件目のトラブルを繰り返しており、30便が欠航している。
欠航と言う意味では成田も関空もおなじだが、成田は主として空港の使用時間の問題、関空は飛行機自体の整備問題であるところが違う。

 ジェットスター・ジャパンは今回の欠航による乗客の宿泊代をたてかえていたがひどい出費だ(本来は欠航しても宿泊代は出ない)。
LCCの弱点は一旦遅れが出ると次々に遅れが出てしまい最終便が欠航になってしまうことにある。
何しろ予備機などなく、飛んでいる飛行機がすべてなのだから遅れは致命的だ。

 関空の場合は遅れの原因はLCCの責任だが、成田については飛行制限の夜11時~翌朝6時が決定的なネックになっている。
世界の主要空港で夜間離発着ができない飛行場は成田ぐらいで、ちょっとでも遅れが発生すればもう最終便は飛べない。
私はLCCが遅れた場合は特例として成田の離発着を認めるべきだと思っているが、官僚体質の塊のような成田国際空港会社がそれを認めることはなさそうだ。

注)成田ではLCCは遠くの滑走路を使用させたり、乗客が飛行機に乗り込むまでの時間がかかったりして常に遅れる傾向がある。
成田にとってLCCはいわば来てほしくないお客さんのような立場だ。


 一方成田に比べると関空は懸命に努力しているといえる。
関空にはLCCがこないとそもそも経営そのものがなりたたない理由がある。
関空は1兆2000億規模の借金を抱えて青息吐息で借金返済のため着陸料も成田より20%高く設定していた。
このため世界の主要航空会社からは敬遠されており、関空に乗り入れるメリットはないとそっぽを向かれている。
かくして関空に乗り入れを希望するのは日本進出に熱心なLCCだけになってしまった。

注)関空の経営問題については以下の記事を参照してください。http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/22912.html

このままでは関空の未来はない。LCCに未来をかけたいがしかし着陸料を下げないとLCCすらきてくれない
7月1日から関空と伊丹の経営統合をしたのは関空の経営だけではとても着陸料を下げられないので、減価償却が基本的に終って収益が出ている伊丹の利益で関空の着陸料を下げようとの苦肉の策だ。
もともと関空ができれば伊丹は閉鎖するはずだったのに、地元からの反対で伊丹が存続し、そのため関空は国内線の誘致が十分にできない。
関空が赤字なのは伊丹が存続しているからだから責任を取ってもらおう」と言うことだ。

 実は関西の航空需要は2001年から2010年にかけて30万人も減少しており、今後もますます先細りになっている(首都圏はその間880万人の増加)。
関西圏は日本経済停滞が最も顕著にあらわれている場所のひとつだ。
関空一つで十分なのに伊丹は存続し、さらに06年には神戸空港まで開港した。
乗客は減っているため3空港が少ない顧客を奪い合っている構図になり、特に最近できた神戸空港などは閑古鳥が鳴いている

 ここまで追い詰められればさすがに目が覚める。
関空はLCCに多様な割引条件を提示して誘致し、10社のLCCが乗り入れており国内最大のLCC誘致空港になった。
これで何とかハブ空港らしくなってきた。

 幸い関空は成田と比較してアジアに1時間程度近い
LCCが飛行機を効率的に運用できる限界は4時間程度何往復できるかがポイント)だから、中国や台湾やフィリピンや韓国はこのエリアに入る。
関西圏は日本有数の観光地の京都や奈良がある。
LCCをさらに誘致し海外からの観光客の増大を図って、大いに顧客獲得に邁進してもらいたいものだ。

なお日本がLCC元年になっていることは以下の記事を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/24614-lcc-5116.html





 

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