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(24.7.10) NHK知られざる大英博物館 第3集 日本巨大古墳消滅の謎

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 まさか日本の古墳時代の謎をとく鍵が大英博物館にあるとは知らなかった。
なぜ日本に巨大な前方後円墳ができそれが消滅して行ったかと言う謎である。
三世紀半ばの卑弥呼の時代から6世紀後半の聖徳太子の時代まで約350年間にわたって日本には4700もの古墳が建造されたが、6世紀に入り最後の巨大古墳と言われた丸山古墳を最後に前方後円墳の時代が終っている。

 この謎を解く鍵は大英博物館に所蔵されているガウランド・コレクションにあると言うので驚いた。
ガウランドといわれてもまったく知らないが、明治5年に大阪造幣局に招聘されたイギリスのお抱え金属技師で、同時に考古学者としての深い素養を備えていた人物である。
ガウランド氏は日本にいた16年間400以上の古墳を調査し、当時の貴重な写真や測量結果を残しており、さらに未盗掘だった柴山古墳の調査発掘まで行っている。
この柴山古墳から出土した出土品を中心に大英博物館に約1000点の出土品を寄贈した。それがガウランド・コレクションである。

注)当時の古墳の状況は墳墓に畑があったりして、まだ自由に古墳の調査ができた。その後宮内庁が天皇陵の立ち入りを禁じたためガウランド氏の調査発掘はとても貴重な資料となった。

 今回問題になっている最後の巨大古墳といわれる丸山古墳については、ガウランド氏が明治15年に測量機械を持って実測しており、詳細な図面を残している。
この図面では不思議なことに石室が後円墳の中心に存在しなかった
通常前方後円墳では後円の真ん中に穴を掘りそこに墓室を設置する。
これはガウランドが間違った測量をしたのではないか。他の墓と違って石室が真ん中にないじゃないか」長い間そう思われていた。

 しかし1991年に丸山古墳の墳丘が崩れ石室の入り口がぽっかりと開いたことから宮内庁が調査した結果、間違いなく石室は墳丘の中央から外れており、さらに2011年に丸山古墳の実測をレーザー光線を使用して行った結果約22mはずれた位置にあったことが判明した。
ガウランド氏の測量は正しかったのだが、このことが考古学界では大騒ぎになった。

 私たちは日本史の授業で古墳は当初竪穴式だったがその後横穴式に変わったと説明されており、それをただ暗記しただけだが竪穴式と横穴式の決定的な違いは、再利用(合葬)が可能かどうかにある。
竪穴式の場合は後円の真ん中に棺を埋めてしまうのだが、横穴式の場合は石室まで通路を作って一旦塞ぎ、近親者が死亡した場合は再び入り口を空けて一緒に葬る方式をとっている。

 なぜそのような再利用をしたかというと古墳を一つ作るのにも大変な費用と労力がかかるからだ。
たとえば日本最大の仁徳天皇陵は全長486mと言う途方もなく巨大な陵で、延べ人数680万人、15年の歳月をかけて建造されたと言われている。
単純計算で毎日休まずに作ったとしても1000人強の人が毎日動員されていたことになる。

 当時の日本は東夷の貧しい島国で大国中国から見たら、現在の中国と北朝鮮位の経済力格差があったはずだ。
そんな貧しい日本で世界最大級の陵墓を次々に作っていては経済的に限界が来る。
古墳は大王一人だけではなく近親者も合葬しよう。そのためには横穴式にして石室までの通路を作っておかなければならないな

 こうして後期の古墳は横穴式になったのだが、問題はこの横穴の通路を自然石で作ったことにあったのだそうだ。
同時代の朝鮮では石室はレンガでできており、エジプトでは正確に切り出した石でできている。

 日本では自然石を積み上げる方式で、番組の説明では日本人の自然信仰が自然石の石室を作った理由だと説明されていた。
確かにそうした理由もあったろうが私は単純な経済格差で、石を正確に切り出す技術もレンガで石室を造る技術もなかったので結果的に自然石の石室になったのだと思っている。

 ただし自然石と言っても最初は小粒の石だったのだだんだんと大型の石になり、結果的に長い通路の石室を作れなくなったと言う。
大王(おおきみ)、どのように設計しても巨大な後円の真ん中まで通路を作るのには石が足りません。どうか途中まででご了承ください

注)石だけは奮発して大きいのを利用するようになった。番組では巨石信仰があったためだと説明されていた。

 こうして作られたのがガウランドが実測した丸山古墳だが、その後の大王はのこの古墳を見て決心したようだ。
前方後円墳を作るのには資金がいくらあってもたらない。財政が破綻してしまう。どうせ後円の真ん中に埋葬されないなら、もう巨大な前方後円墳なんて作るのをやめて、大きな石の石室とちっちゃな円墳があれば良いじゃないか

 こうして巨大な前方後円墳の時代は終ったと言う。なんとも面白い説明で結局大和政権は墳墓と言う公共事業をしすぎて財政が破綻したと言うことだろう。

なお第1集古代エジプト、第2集古代ギリシャについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat49743035/index.html

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