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2012年7月

(24.7.31) ちはら台走友会の白馬岳登山 今年はお花畑を満喫した

 

  ちはら台走友会の夏の登山も7回目ですっかり定着した。今回の山は北アルプス白馬岳で参加人員は16名だった。
走友会では年2回程度のペースで登山を行っており、夏場はアルプスに行くことが多い。
過去に南アルプス甲斐駒ケ岳北岳、北アルプス槍ヶ岳剣岳穂高岳等に登っている。
走友会の登山としては立派なもので、昨今は山岳トレッキングレースとマラソンが融合しているので一部のモサは稜線伝いに駆けたり、また下山道を駆け下りたりしている。

 走友会メンバーは現役のサラリーマンが多いため、通常2泊3日要する行程を、金曜日の夜に出発して1拍2日の登山に短縮している。
最初の頃は(私は余裕のある日程の登山をしていたので)この真夜中に出発して車中1泊し早朝から登山開始になるスタイルがなかなかなじめなかった。
今でも車中で眠ることはできないが、何度も夜間走を経験したことから夜眠らないで身体を動かすことについては抵抗がなくなった。

 1泊2日が可能なのは、現在は色々と問題にはなっているものの高速バスをチャーターすることが非常に容易になっているからだ。
夜中にちはら台を出発すると早朝には白馬岳の登山口の猿倉に到着していた。

 猿蔵からは大雪渓を登って一気に6時間程度で白馬山荘にたどり着ける最短ルートがある。
雪渓を登ることに慣れていない人は「岩石が落下してきたらどうしよう・・・滑って落ちたら死んでしまうのではなかろうか・・・」との恐怖感を持つが、夏場の雪渓はほとんどの場合安全である。

 

  雪渓のところどころに大石が落ちているものの、これは両側の壁から落ちてきたもので、視界が明瞭である限り石が落ちる軌跡を予想することは可能だ。
ほれ転がってきたからうまくよけろ」と言う感じだ。

 また夏場の雪渓はザラメ状になっているので足のつま先でキックすれば容易に雪の階段が掘れるのですべるようなことはほとんどない。
それでも多くの登山者は簡易アイゼンを装備していた。
念には念を入れると言うことだが、ちはら台走友会でも登山に慣れている人を除いて全員アイゼンを持っていった。

 この雪渓の登山は夏場は本当に気持ちがいい。雪渓から吹き降りてくる風が何か涼しさを通り越してやや肌寒いぐらいであり、そうしたコンディッションのときが登山には最適だ。
16名の中には登山初体験者もいたが疲労を覚えず山荘にたどり着くことができたのはこの涼風のせいだ。

 昨年の奥穂高登山では途中で高山病になる人が続出したがそれと比較すると信じられないような快適な登山になった。
翌日は白馬岳を経由して蓮華温泉まで降りたが、稜線上の途中のお花畑がことのほか美しい。
今回女性は6名が参加していたが、花の写真を撮るために何度も立ち止まり写真に収めていた。

 

  通常の登山では黙々と歩き続けるのだが、今回はキャーキャーはしゃいだり歌を歌いながらの登山になり、白馬岳が楽しむための登山ルートであることがよく分かる。
もっとも大池山荘から下はゴツゴツした岩が続く下山道になり、それまで快適に歩いてきたのが嘘のように歩きづらくなる。
こんなことなら雪渓を降りるほうがどんなに楽か・・・・」ついグチが出た。

注)今から30年ほど前に家族で白馬岳登山をしており、そのときは大雪渓を下山したが座ったスタイルで片足を浮かしすべるようにして下山した(片足スキーという)。

 メンバーの一人で高度恐怖症だと公言しているモッチャンが「山は白馬のような安全で楽しい山がいい。穂高や剣の岩場はもういい」と言ったのには笑ってしまった。
昨年は高山病で悩んだMさんも今回は症状が出なかった。
また登山道は駆けるもんだと思っているイエティさんは稜線を歩く速度の4倍の速さで走るトレーニングをしていた。
穂高岳周辺の稜線は山岳トレッキングの練習コースとしては最高だ。

 今回走友会の登山には3名、走友会のメンバー以外の人が参加したがこの走友会の登山をメンバーから聞き知った人たちで、だんだんとこの登山が地域の人々に知られるようになってきた。
全員無事なのは当然として元気に余裕を十分残した登山になり帰りのバスでは宴会が最高潮に達したものだ。

なお昨年の穂高登山の記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/23726-27c9.html

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(24.7.30) ためしてガッテン ゲップとおならの撃退法 たった一つの癖を直せ

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 ためしてガッテンは最後まで見ないと結論が分からないので、何かミステリー映画を見ているようだ。
今回はゲップおなら腰痛肩こり膝の痛み等がすべてある一つの癖によって発生していると言うので驚いた。

本当かい、その癖って一体何なんだろう」とても気になった。
私は常時腰痛に悩んでいるしパソコンなど根をつめているとひどい肩こりになる。
最近は草刈機を3時間程度使用しているが最後の頃になると、ひどく気持ちが悪くなっているのが分かる。
それにおならも常時出ていると言って良いほどだ。

 今回ためしてガッテンでは原因究明のためにとても面白い実験をしていた。たとえば前屈をする場合何もしないで実施した後、ティッシュを口で噛んで実施すると平均で7cm程度前屈が伸びると言う実験だ
私もやってみたが確かに前屈ができるようになっていた。
なぜだ、なぜティッシュを噛んだだけで身体が柔らかくなるんだ」不思議な感じがした。

 この実験のポイントは、噛むのは一瞬に行うのがポイントでいつまでも噛んでいると反対に前屈ができなくなると言う。
噛むと言うことは集中力を増加させいわば火事場の馬鹿力を出すのに役立つが、長時間そうした力を出すのは不可能で30秒以上経つと集中力が途切れてしまうのだそうだ。

 前に巨人の大打者だった王選手が、バットを振るときに奥歯をかみ締めるので歯がぼろぼろになっていると言う話をしていたのを思い出した。
一瞬噛むときに集中力が増加し、これを継続すると集中力が衰えるだけでなくあらゆる筋肉が疲れてしまう
信じられないことに視力なんかも低下していた。

 専門家の先生の説明では、人間は四六時中歯をかみ合わせており起きている時間の約半分は歯が接触しているという。
ところが歯が接触するとつばが出やすくなって、それを飲み込むので体内につばと一緒に空気が取り込まれ、それが口から出るとゲップでおしりから出るとおならになるのだそうだ(体内で発生するガスは20%程度で、残りは空気として取り込まれているという)。

 だからゲップやおならや肩こりの予防には、気がついたときに歯を離せばいいというのには笑ってしまった。
歯をかんでいるということは緊張していると言うことだから、単純に言えば緊張感をほぐせばいい
ただしいつも歯を離して口をあけていると、知能程度を疑われるから一瞬離すだけでいい

 
 
なるほどね、緊張しなければおならも出ないのか」実に単純明快な説明だが、こんなことでおならが出なくなるとは知らなかった。

なおためしてガッテンのシリーズは以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

 

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(24.7.29) 遊歩道の芝を再生させよう。誰もが芝の感触を楽しむために!!

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(私が積極的に芝刈りをしている場所。芝が再生している

 やはり無理は禁物だと思った。このところの草刈ですっかり疲れてしまったからだ。
ここおゆみ野には約6kmの遊歩道があり、真ん中に5m程度の舗装路、その両側に5m程度の芝生ゾーンがある。

 この芝生は市の緑土木事務所年に3回(5月、7月、9月)ほど草刈を実施しているが、何しろ夏場の雑草の生長は早い。
たちまちのうちに20~30cmの雑草で覆われてほとんどの芝が窒息状態になってしまう。
実際緑土木事務所が草刈を実施した後は土がそのまま露出しほとんど芝はなきに等しい状況になっていた。

何とか美しい芝を再生して、誰もが芝の上を歩く感触を楽しむような遊歩道にできないものだろうか・・・・・・」ここ数年そう思ってきた。
なかなか決心がつかなかったが、ようやくこの6月から草刈機を購入し念願の草刈を実施することにした。
よっしゃ、俺の力で世界一美しい芝を再生してみせる」肩に力が入った。

 草刈の対象は緑土木事務所が草刈を実施してから2~3週間たって、草の背丈が30cm程度に伸びた遊歩道である。
芝を庭に植えている人はよく知っているが、一旦芝が一面に生えてくると今度は芝が雑草を抑制するので管理が非常に楽になる。
反対に言えばこの状態にするまでは雑草が生えるたびに草刈をしなければならない。

 また芝の栽培をしたことのない人は雑草は手作業で抜かなければならないと思っているが、実際は抜く必要性はまったくない
雑草であろうが芝であろうが短く刈っておくと、最終的には短くても成長できる植物の勝利になり、それがだ。

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緑土木事務所が草刈をして1ヵ月後。この状態では芝は枯れる

 ここ1ヶ月の間暇があれば芝刈りをしている。当初は2日に1回程度の割合だったが、だんだんと熱中してしまいここ数日は毎日草刈を行ってきた。
何しろ遊歩道は周囲6km、この両側に芝生が植えられているので往復で12kmわたって芝生が植えられている。

 一日の作業はせいぜい3時間が限界でこれ以上行うと目まいがしたり肩こりが始まり気持ちが悪くなる。
特に晴れて気温が高く湿度の高い日は最悪だ。滝のような汗が流れ出て脱水症状に近くなる。
こんなにまでして努力しても3時間で草が刈れる範囲は幅5m、長さ100m、面積で500㎡程度だ。

なんということだ。一日の作業が長さ100m程度だと四季の道往復12kmを1回草刈するのに120日もかかってしまう・・・・・」
夏場は毎日のように草刈をしていないと追いつかない勘定だ。

 業者の方の作業を見ていると10人程度がチームを組んで草刈を実施しており、一日の作業量は500m程度往復で1000m)の遊歩道の草刈を行っていた。
そうか、業者の作業効率は私の10倍か・・・・・・」納得した。

 また業者の方は手押し式か自走式の式のガソリンエンジンの草刈機を装備していて、これを使用すると肩掛け草刈機のほぼ5倍程度のスピードで草刈ができる。
私が今一番ほしいのはこのエンジン付きの手押し式草刈機だが、値段が高く10万円から20万円の価格帯になっていた。
いくら何でも10万以上の投資はご法度だな・・・・」家計が持ちそうにないので諦めている。

 しかし本当に草刈は疲れる。夏場は太陽にジリジリ照らされてかつ湿度が高いので消耗はまことに激しい。
よく作業員の方が昼休みに木陰で寝ているが、そうでもしないと体力は持たない。
65歳の老人の身体を鞭打って草刈をしているものの、終って帰ってくると3時間程度寝転がっている。
いやはや、大変な決心をしてしまった。芝生の再生なんて取り掛かるんじゃなかった」グチが出てくる。
しかし乗りかかった舟だ。たとえ息絶え絶えに疲れても芝生の上をランナーが走っていたり散歩をする人を見かけると嬉しくなる。
芝は人間に優しい。身体が崩壊しない程度の努力で何とか雑草でなく芝のゾーンに回復させたいものだ。

なお芝刈りを始めた経緯については以下の時事を読んでください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-ed28.html



 

 

 

 

 
 
 

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(24.7.28) ネパールの高校生に日本経済を講義することになった。がんばれ勉強だ!!

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 今年の夏休みにはヒョンなことからネパールを訪問することになった。
私のブログの読者でこのおゆみ野に隣接する千葉明徳学園理事長さんからネパールに一緒に行かないかとの誘いがあったからだ。

 千葉明徳学園はネパールの西部の山奥にあるディリチョール村の学校と姉妹関係にあり、毎年理事長を中心とする数人がこの姉妹校を訪問している。
理事長さんや明徳の先生はここで講義をするのだが、私も一緒に行ってここで高校生に経済の講義をすることにした。

 さしずめ「日本経済とネパール経済」と言った内容になるが、残念なことに私はネパールについての知識はほとんどない。
私が知っていることと言えばヒマラヤ山脈の麓でシェルパという山岳ガイドがいることや、マオイストという反政府勢力(マオイストの主流派は議会に進出しているが反主流派は武装闘争を放棄していない)がいて政治が常に不安定なことぐらいだ。

 先日理事長さんの呼びかけで今回の参加者8名の顔合わせと、事前説明会、そしてその後幕張にあるネパール料理専門店での会食があった。
参加者は理事長さんと高校の国語の教員一人、そして後6人は理事長さんの知り合いだった。

 何度もネパールの姉妹校を訪問している人も多かったので聞いてみた。
ネパールはマオイストという共産党武装集団がいるようですが安全でしょうか?
山崎さん、ネパールは中国なんかと違って主義主張なんかはかなりいい加減で、ちっとも怖くはありませんよ

人柄なんかはどうですか?」
ちょうど明治の時代の日本人のようでとても純朴でほとんどの人が人をだますようなことはありません。特に田舎に行けば行くほど純朴さが際立ちます

スケジュールどうりの行動はできますか
それはまったく駄目ですね。日本人の感覚で時間厳守だなんて言ってたらとても精神が持ちません。何が起ころうと遅れようと平然としているのがネパール流です

 ネパールの人口は約2900万人で台湾より少し多い程度で、合計特殊出生率3.3人(日本は1.39)と人口増加国だ。
一人当たり国民所得は350ドルと日本の100分の1程度だからGDPで比較すると裕福とはいえないが、国民所得と生活の質は別物だからそれほど貧しいと言う雰囲気はなくかえってのびのびと生活しているかも知れない。

 もっともディリチョール村には電気も水道もないというから、ちょうど登山をして山小屋に泊まるのと同じだろう。
登山と言えば理事長さんから登山を誘われている。
村の後方に約4000mの山がありますから一緒にのぼってみませんか
もしのぼれれば私が登った最高峰になる。

 まだネパール行きの準備はしていないが、8月に入ったら旅行モード一色にしてネパールの政治経済についての研鑽を励むことにしよう。

なお、ネパールの政治情勢の詳細は以下に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/2464-b9c7.html

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(24.7.27) シリーズ 消費社会はどこへ 食品廃棄物は減らせるか 生産した食料の半分が捨てられている 

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 シリーズの4作目は2010年に製作されたドイツのドキュメンタリーで、「食品廃棄物は減らせるか」と言うテーマを扱っていた。とても生真面目なドイツ人らしいドキュメンタリーだ。

 最初にとりあげていたのは賞味期限で、これはメーカーが一定の品質を保障している期限で、食べたからといって食中毒にはならない期限である。
しかしスーパーやコンビニでは賞味期限(消費期限)が近づくとこうした食料品を廃棄処分にしており、その理由は「顧客が買わなくなるから」だという。

注)賞味期限(おいしく食べられる期限)と消費期限(これ以上経った食品で中毒を起こしてもメーカーの責任でない)は異なるが実際はほとんど同じ意味に使用されている。
なお消費期限問題については以下の記事に詳述してある

http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/20514.html

 
 私は近くのジャスコで食料品を購入しているが、今まで賞味期限(消費期限をチェックしたことはない。
食べてみておかしい味がすれば確かに賞味期限なのだろうが、特別に腐っていない限りは何でも食べてしまう。
しかし一般の先進国の人は違うらしい。
賞味期限が近づくと顧客が購入しないし、もし購入しても期限がきたら捨てるので私どもが捨てるほうが面倒がないのです」と番組に登場した店員が述べていた。

 食料は常に捨てられており、実際はこうしたスーパーやコンビニで捨てられる前に、農場でも大量に廃棄処分されるという。
レポートに出てきたドイツのジャガイモ農家では小さすぎるジャガイモと大きすぎるジャガイモは直ちに畑に捨てられていた。
小売店からの注文で大きさが決められており、それ以外のジャガイモは受け取ってくれないから」と農場主が寂しそうに述べていた。
こうして遺棄されるジャガイモは収穫量の半分に達し、それは掘り起こして霜に当てて発芽させないようにしなければならないのだそうだ。

注)近所の住民が捨てられたジャガイモをかごに拾って入れていた。農業主にとってジャガイモが少しでも役立つことは嬉しいので黙認している。

 フランス最大の卸売市場ランジスの事例も興味深かった。ここでは当日せりで落とされなかった野菜や魚介類はすべて廃棄処分されていた。
もちろんほとんどのものは食べれるので、この廃棄物をフード・バンク貧しい人に無料で食料を配る組織)のメンバーが回収していたが、ホンの一部の回収に留まりほとんどの食料品が廃棄されていた。

注)私は今まで卸売市場に出された食品はすべて競り落とされるものと思っていた。

 このフード・バンクのメンバーに出身がカメルーンの女性がいたが、「カメルーンでは世界中から輸送されてきたバナナの一房も買えない人がいるのに、ここではいとも簡単に捨ててしまう」と嘆いていた。

 国連食料農業機関の推計では収穫された農産物の約半分が何らかの形で廃棄されていると言う。
貧しく飢えている人々を救うのに十分すぎる量だが、実際はそうした貧しい人々の口に入ることなく処分場に廃棄されている。

 どうしたらいいのだろうか。
食料を無駄にしないいくつかの方法が紹介されていた。

① 廃棄物を計量してその情報を調理場にバックアップするアメリカの病院の事例。

② 冷蔵庫のようなしまいこんでしまう器具を使わずに、目に見える形で食料品を保存している韓国人のアーチストの事例。

③ 上記に記載したフード・バンクに食料を回収してもらうか、信念を持ってスーパーのゴミ箱をあさってそれを食料にする事例。

④ 廃棄されたパン(20%相当は廃棄される)を燃料に使って再びパンを焼く事例。

⑤ 食料品から出るバイオガスを使って発電をする事例


 この番組ではこうした事例を紹介していたが、いづれも「いまひとつだなあ。これでは食料の半分が廃棄されているのをカバーする訳にはいかないだろう」と言うのが番組を見ての印象だった。

 番組のまとめで、「消費者は賢く食べ、小売業者は責任を持って売り、行政は廃棄物に罰金を科せ」といっていたが、このうちでもっとも効果がありそうなのは罰金を科すことだろう。

 スーパーやコンビニや卸売業者に対して、一定の重さの食料品の廃棄物に罰金を科せば確かに廃棄物は減りそうだ。
家庭ごみについては千葉市で検討している有料化が有効だろう。

 ただこうした無駄のサイクルはわざわざこの市場経済で多くの人の生活を支えるために行っている無駄だから、実際に実施されると農家やメーカーは生産縮小に追い込まれることは確かだろう。

なお、この消費社会シリーズのNO1は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-2667.html

 
 

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(24.7,26) 極東ロシアが中国に侵食されている。 NHK 大地はだれのものか ロシアを耕す中国人

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 これではロシア極東地帯の農地が中国人のものになるのは時間の問題かとつくづく思ってしまった。
NHKが放送したドキュメンタリーWAVE「大地は誰のものか ロシアを耕す中国人」を見た感想である。

 ロシア極東部はソビエト時代には多くのコルホーズがあって農地の耕作をしていたが、ロシアになってから耕作する農民がどんどん少なくなっている。
直接の原因は個人に分配された農地を耕す農耕機械がなくもてあましてしまったからだが、より根本的には極東地区から人々が都会に逃げ出しているからだ
僻地で貧しい農民でいるよりモスクワで一旗あげよう」と言うことで、石油や天然ガスやその他資源の採掘労働者になるほうがはるかに実入りがいい。

 そのため極東の耕作面積はソビエト時代の約半分になり多くの農地が耕作放棄されている。
この地帯で多く収穫されていた大豆もソビエト時代の半分になり、危機感を持ったロシア政府は中国農民による土地のレンタルを認め大豆や野菜の生産を中国農民の労働力に期待することにした

 中国ではこのロシア政府の決定を好機と捉えた中国人が輩出しているらしく、番組に登場した王さんはロシアで6000haの土地をレンタルし、そこに70人弱の中国農民を送り込んで大豆や野菜の生産を行っていた。
私はこうした農産物は中国に輸出されるのかと思っていたが、実際はすべてロシア国内で販売されていた。
輸送費や関税が高くとても中国に持ち込んでは採算が合わないのだという。

 中国農民が大量に大豆の生産を行い現在はソビエト時代の約3倍の生産量になりロシア国内での価格は低下している。
そのため王さんの悲願はロシアがWTOに加盟して関税を引き下げることで、この秋のWTO加盟をにらんで食用油の工場をロシアに建設し中国に販売する計画を立てていた。

 中国の農民は実に働き者だ。番組に出てきた張さんは兄弟二人でおんぼろのトレーラーハウス(電気も水道も便所もない)に5ヶ月間住み込みそこで100haの農地の耕作をしていた。
中国での平均的な耕地面積は2ha程度だから50倍の広さだ。
そこで耕作すると収入は中国の約15倍程度になり、一気に金持ちになれるという。

 中国人は中国から持ち込んだ多収量の大豆の種を使い、農地にロシア人の約3倍の肥料を投下して、見栄えよく多収穫の農産物の生産を行っていた。
これは農地の再生能力を無視した収奪農法でロシア式農法とは異なる。
中国人は寸暇を惜しんで働き続けのでロシア農民は劣勢に立たされている。

 番組にはラリクさんという元ソホーズのリーダーだった農民が、6000haの農地を耕作して中国人に負けまいと孤軍奮闘している様が写し出されていた。
ラリクさんの下で60人のロシア人が働いていたが、どのロシア人も労働意欲が低くラリクさんが少しでも目を離すと日陰で休んでいたりウォッカをがぶ飲みしてトラクターを壊していた。

 ラリクさんは一日中怒鳴りまくっていたが、ロシア人の労働者は馬耳東風と言った具合でかつてのソホーズの労働風景とまったく同じだ。
これには笑ってしまったが、ラリクさんにとっては死活問題だ。

 さらに問題を複雑にしているのが役所の対応で、役所は中国人にレンタルを認める許可を出す代わりに多くのリベートを要求しているらしい。
ロシアの役人の給与は低いのでこのリベートで生活しているらしく、ロシア人に農地を耕させるより中国人のレンタルを好むようだ。

 番組に出たラリクさんは2000haの農地を自己所有にするため登記を求めていたが、裁判所が認めても地方の役所はそれを固くなに拒んでいた。
ロシア人のものになったらリベートは入らないが中国人にレンタルすればピンハネできるからだ」とラリクさんの怒りは収まらない。
どうやら役所は中国人に完全に買収されていた。

 客観的に見てこの勝負は中国の勝ちだ。ロシア人は農業を嫌がり(ラリクさんもあきらめてロシア人労働者の代わりに中国人労働者を雇っていた)、極東の地を離れていく。

注)ロシアは日本と同様に人口が逓減しており、さらに極東地区のような田舎に住むことを好まない
ロシアの人口問題は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-2928.html

 近い将来ロシア極東の地は実質的に中国人が農業生産を行う土地に変わってしまうだろう。
農産物は中国に輸出されるのでロシアの貿易量は増えるが実際の収入は(リベート分を除いて)すべて中国人のものになりそうだ。
こうした状態をプーチンは黙って放って措くのか、それともナショナリズムを鼓舞するために中国人を追い出す政策をとるのか分からないが、中国人なしにロシアの農業が成り立たなくなりつつあることは確かだ。

なおロシア経済については以下のカテゴリーに纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44368795/index.html

 

 

 

 

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(24.7.25) ユーロが売られ再び円高が始まった。日本の金融政策は世界でもっとも健全だ。

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 ヨーロッパ経済はもぐらたたきだ。ようやくギリシャで緊縮財政派が勝利し、やれやれと思っていたら次はスペインになっている。
スペインでは金融機関が不動産融資に特化して資金が回収できなくなり、見かねたEUは10兆円の資金援助をすることにしたのに、今度は地方政府が倒産しそうになった。

 近々ムルシア州が中央政府に支援要請を行うとの観測が出されて、スペイン国債の利回りが7.5%まで上昇した。
すでにバレンシア州は支援要請を出しており次々に地方政府が中央政府になきついている。
しかしスペイン政府は財政が枯渇しているので地方政府の支援は国債発行になるとの読みで、一気に国債利回りが上昇した。

 
 さらに市場ではユーロが一気に売られて94円台のユーロ安に突入した。
日本ではトヨタが1円のユーロ安で年間50億円ソニー60億円キャノン48億円の営業利益が減少すると悲鳴を上げているが、一方で海外生産を強化したニッサンなどは平然としている。
日本に生産基盤を残している企業の12年度のユーロの想定レートは105円程度で、このまま推移すればトヨタ500億円の営業利益を失うことになる。

 想定レートが105円とは驚いた。ヨーロッパ情勢がどのように転んでも改善する兆しはないのだから、私だったら想定レートを100円以下に設定するがトヨタやソニーやキャノンの財務担当者はよほど金融センスがないのだろう。

注)上記は皮肉だが、日本の経営者は日本での生産継続を行うために想定レートを意図的に円安に設定し利益が出せる計画を立てさせる(財務担当者の責任ではない)。
しかし実際は大幅な円高に振れて結局は海外生産の拡大に追い込まれる。

 現在の円高が「経済実態を反映していない」とさかんに安住財務相は口先介入をしているが、円高と経済実態とは無関係で、関係するのは中央銀行の金融政策である。
現状はちょうど大恐慌後の世界の為替切下戦争と同じで、各国の中央銀行が紙幣を印刷して資金を市場にばら撒き通貨安競争をしている。

 今回のユーロ安はECBヨーロッパ中央銀行)がスペインの支援のために大量のスペイン国債を購入することになるとの読み(その分紙幣が印刷される)からユーロ安に向かっているので日本の経済実態などはまったく関係ない。

注)日本でも日銀が日本国債を直接購入すれば円安が進む。
一方で物価が急騰するので低所得者の生活を脅かし社会が不安定化する。


 従来から円高が進むと輸出産業を中心に為替介入の要請があったが、最近はそうした声も大きくなくなってきた。
一番の理由は輸出産業が日本の生産拠点を海外に移してしまったことと、昨年来貿易収支が赤字で日本全体としたら円高になればなるほど利益が増大するからである。
もし円高にならなければ原発停止に伴う火力発電所の燃料代が8%程度東京電力の消費者に対する値上げ分)で収まるはずがなかった。

注)11年度の貿易収支は2.6兆円の赤字で12年度上期は2,9兆円の赤字。完全に赤字体質が定着している。

 (輸入)商社などはこの円高で輸出産業が悲鳴を上げている分をはるかに凌駕する利益を上げており、ホクホクの状態だ。
また金融機関は再び世界の金融機関として再生しており、最近はイタリアの首相が「なんとかイタリア国債の購入をしてほしい」と懇願している。

 ヨーロッパの再生が覚束かず、アメリカは相変わらずサブプライムローンの足かせを引きずっているのだから、円高は日本再生のチャンスだ。
企業はM&Aを仕掛け、金融機関は世界の金融機関として地盤を固めるべきで、いつまでも「円高だから大変だ」なんて泣き言を言っている場合ではないだろう。
円高とは日本の金融政策が世界でもっとも健全だと言うことなのだから、こんなすばらしいことはないのだ。

なお、為替相場の推移に関する記事は以下のカテゴリーに纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45690596/index.html


 

 

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(24.7.24)緑の空間を守るおゆみ野の地域円卓会議 ついにおゆみ野で始まった

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 ここおゆみ野地区で21日(土)に実に革新的な試みが開始された。
緑の空間を守る地域円卓会議」という。円卓会議とはあのアーサー王伝説の円卓の騎士団からの連想で、出席者はすべて平等なので上下の区別を付けないために円卓で会議を実施する(国連などもこの形式が多い)。

 出席者はこの地区で活動している団体と個人でこれが円卓会議の正式メンバーだが約20団体個人)になっている。
それ以外に住民の参加は自由なので約20名程度の住民参加があった。
さらに緑区役所と市が全面的にバックアップする体制をとっており、住民と行政の合同会議になっていた。

 会議の目的は「おゆみ野地区の良好な緑の空間をたもつための情報交換の場にしよう」と言うことだった。
ここおゆみ野は隣接したちはら台とともにUR都市機構がそれまでのノウハウをすべて結集して開発した住宅地で、遊歩道や植栽が実に美しい。
遊歩道は四季の道を中心に22kmにわたって整備され、公園・緑地は32箇所で46haもある。
おゆみ野の人口は5万名弱だが、日本ではまれな人口増加地帯で若者が多く小学校や中学校が新設されている。

 ハード面ではまったく申し分のない環境だが、ことソフト面に関しては問題が多い。
遊歩道上にゴミが散乱していたり、いたるところに落書きがあったり、1m程度の低い街路灯が次々に壊されたり、街の自慢だったケヤキ並木が無残に剪定されてサボテン通りになっていたりしていた。
また遊歩道は両側が芝生なのだが年に3回程度の草刈のため雑草が伸び放題になっており、景観がひどく損なわれていた。

 こうした状況をいかに改善していったらよいかと言うのがこの円卓会議の趣旨である。
実は私も定年退職をした6年前から同じ危機感を持っており、おゆみ野クリーンクラブを立ち上げて対応をしてきた。
おゆみ野クリーンクラブの活動は以下の通りだ。

① 四季の道とその周辺の公園の清掃作業。

メンバーは12名で各人がそれぞれの持ち場で清掃作業を行っている。私は四季の道6kmが担当で、雨が降らなければ毎日清掃活動を行っている。

② 四季の道とその周辺の落書き消しとベンチの保全のためのペンキ塗り。

私たちが活動を開始した6年前はいたるところに落書きがあったが、それを消去した後はあまりひどい落書きはなくなった。
一方設置してあるベンチは年月がたって木部が腐りつつあり、これを防ぐためにほぼすべてのベンチに防腐剤の入ったペンキ正確にはステイン)を塗っている。

③ 夏の道のケヤキの選定について行政と打ち合わせ。

約4年前に筒切りという選定方法を実施したために、それまであった夏の道のケヤキの景観は一気に失われ、巨大サボテンの並木になってしまった。
行政に対し申し入れをして向こう3年間は剪定をせず木の養生をして、4年目以降剪定を行うことにした。
今年はその4年目であるが、また4年前と同様な筒切りをすると一気に景観が悪化する。
この打ち合わせはまだ実施されていないので行政緑の協会)との打ち合わせが必要になっている。

④ 遊歩道と公園の芝の再生のための草刈

遊歩道は緑土木事務所、公園は緑公園事務所が年間3回程度5月、7月、9月)に草刈を行っているが雑草の生長は早い。
特に夏場は1週間に10cm程度の速度で雑草が伸びるため、たちどころに草ぼうぼうの状態になってしまう。
こうなると芝生は成長ができなくなり実際に業者が草刈をした後は芝がなく土面が露出している。
これを防ぐためには雑草が生えるたびに草刈を実施することで、何回かの草刈の後に美しい芝生が再生する。
そのために積極的に草刈を実施して芝の再生に努めている。

 おゆみ野クリーンクラブは上記の活動をしてきたが、しかしクリーンクラブだけではおゆみ野の緑の景観を守ることに限界を感じてきた。
またここには水辺の環境を守る活動おゆみ野の森を育てる会、それに遊歩道に花を植える活動がなされており、こうした活動団体と一緒になって「おゆみ野の緑を守る活動」を有機的に結び付けていく時期に来ている。

 今回は第一回目の会議で出席者者の中には会の目的に戸惑っている人もいたが、今までのおゆみ野地区での活動内容を情報共有して更なる前進を協議する場にしたいものだとつくづく思った。

なお円卓会議を立ち上げるための前準備として開催された「おゆみ野の美しいまちづくり懇談会」については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231113-bbc1.html

またこの地域円卓会議の模様は市会議員の福谷さんのブログにも掲載されています
http://fukutani.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/07/1_ffba.html

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(24.7.23) 東アフリカマラソン軍団 世界最高の持久力の秘密はつま先走法と高地トレーニング  走法の革命が始まった

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(これは東京マラソンの写真

 オリンピックが始まるのに合わせてNHKが放送する番組に、世界のアスリートの強さを科学的に分析する番組がある。
通常この種の番組にアスリートは登場することを(強さの秘密が分かってしまうから)嫌がるので、とても貴重な情報提供になる。

 その中の一つに「東アフリカ マラソン最強軍団 持久力の限界に挑む」という番組があった。
東アフリカとはケニアエチオピアのことで、実際にフルマラソンの上位百番までの記録はこの2カ国によってほぼ占められている。

 今回登場してくれたアスリートは世界記録保持者のパトリック・マカウケニア 2時間3分38秒)、2位のキプサングケニア 2時間3分42秒)、それと人類最初の3分ランナーのゲブラシラシエエチオピア 2時間3分59秒)の3名だった。

 このうち日本の研究者が実際に調査分析したのはマカウで、マカウとの対比のためにフルマラソン日本代表の山本亮選手が同じく調査分析されていた。
研究者の最大の関心事は「なぜマカウは30kmを越えてもそれまでとほぼ同じ速度で走りきれるのか?」と言うことだった。

 マラソンをしたことがある人なら誰でも知っているがいわゆる30kmの壁と言うものがあって、このあたりから速度が急速に低下し場合によってはJOG並みのスピードに落ちてしまう。
原因は体内に疲労物質の乳酸がたまり、特に大腿部ふくろ脛にこれがたまると筋肉の伸び縮みができなくなるからだ。

 調査をしてみると驚いたことにマカウ選手はどんなにペースを変えても乳酸値は3.2ミリモル程度で、日本人のマラソン選手6人の平均4.8ミリモルよりはるかに低かった。
乳酸値が4ミリモルを越えると乳酸の分解ができずに筋肉にたまると言われているから、マカウ選手はまったく乳酸を筋肉にためることなく走っていることになる。

 なぜそれが可能かの説明にびっくりした。原因はマカウ選手がつま先走法をしているからというのだが、山本選手を含めて世界のほとんどのランナーかかと走法をしている。
私もマラソンの教科書で着地はかかとから行って重心を徐々に足の前方に移し、最後は親指で大地をけると教わった。

 しかしこのかかと走法は大地との接触角度に無理があり特に大腿部の筋肉に大きな負荷をかけていることが今回の実証実験で分かった。
山本選手との比較実験でマカウ選手は体重の1.6倍の衝撃、山本選手は体重の2.2倍の衝撃を筋肉にかけていた。
つま先走法かかと走法に比べて非常に楽に走っていることになる。
山本選手が画像データを見て「これでマラソンを行かれたら強いよな」とため息をついていたが、走法に革命的な変化がおこりそうだ。

 なぜマカウ選手がつま先走法になったのかの理由はケニアの大地に原因があった。
ケニアでは今も道路が舗装されておらず砂利道を子供もランナーも走っているが、この砂利道で足に衝撃を与えない唯一の方法はつま先走法だ。
特に子供は靴もはかずにはだしで走り回っているので、足全体、特に土踏まずを大地につけると皮が薄い分ひどく足が痛む。
そこで大地との接触部分をできるだけ少なくする走りになり、それがつま先走法だ。

注)これは私も経験している。私はよく北海道の農道を走ったのだが、舗装されてない砂利道に入ると知らず知らずのうちにつま先走法になっていた。そうしないと足の裏に激痛が走るからだ。

 さらにマカウ選手の心臓の左心室は通常の大人の1.6倍と非常に大きく、また筋肉量も1.3倍と発達していた。さらに信じられないことにマラソンを開始すると心臓の大きさが通常時の1.6倍通常の人は1.2倍)に膨らむのだそうだ。
1.6×1.6=2.56だから通常の大人の心臓の2.5倍程度の大きさで血液を送り出していることになる。
高出力のエンジンのようなもので、これだけ血液が身体全体に運ばれれば乳酸は発生しないだろう。

 これだけかと思ったら赤血球そのものが小さくなり、数が多くなると聞いて驚いた。大きさは山本選手よりはほぼ1割小さい(キプサングもゲブラシラシエも同じく小さい)。
これだと毛細血管の中を容易に通過していき、さらさらで十分に酸素と結合した赤血球が身体の隅々までいきわたることになる。

 こうした心臓と血液の変化はマカウ選手がほぼ毎日2400mの高地で20km、さらに3000mの高地で20kmのトレーニングをしていることが原因という。
3000mの高さでは平地より空気が30%も少ないので、毎日高地トレーニングを繰り返していることになる。
この結果心臓は拡大し赤血球が小さくなるのだそうだ。

 そして平地で競争すればいつもの30%アップの空気を吸えるのだから、重さのない酸素ボンベをくわえて走っているようなものだ
そうなのか、つま先走法こそ身体に衝撃をくわえない走法で、さらに高地トレーニングをすれば完璧か・・・・・」納得した。

 先日来私はもっぱらつま先走法をしているが、信じられないことに5kmをこす頃から非常に疲れを感じる。
これはつま先走法をするためには深部底屈筋群というつま先を支える筋肉が必要なのだが、それがまったく備わっていないためらしい。
つま先走法をするためにはそのための特殊な筋肉を鍛えておく必要があるようだ。

 だがしかしそれでも日本の多くの一流選手がこのつま先走法に変えていくだろう。マカウ選手やキプサング選手がこのつま先走法をして3分台で走っている以上、それに対抗するにはつま先走法高地トレーニングしかないからだ。
今世界中で走法に劇的な変化が起ころうとしていることをNHKのこの番組が教えてくれた。

注)なおマカウ選手は今顔のロンドンオリンピックには出場しない。予選を兼ねた大会で途中棄権をして代表からもれた。世界最速のランナーがオリンピックに出られないほどケニアの選手のレベルは高い。

またロンドンオリンピックのケニア有力候補だったサムエル・ワンジル選手は不慮の死を遂げているが、その件については以下に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/23518-9033.html

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(24.7.22) 老人になったらボランティア教師をしよう。 ボランティア奮闘記

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箱根の関所 復元

 老人としての最後のご奉公としてある中学3年の少年に英語や数学や国語のボランティア教師をしている。
私が中学生だったのは今から50年以上も前だから中学で学んだことなどすっかり忘れていたが、最近少年に教えるようになってその内容の変化に驚いた。

 当初は「俺は人生経験豊富だし、大学も卒業したのだから中学レベルの勉強はなんてことはあるまい」と思っていたがひどい勘違いだった。
一番驚いているのは国語のレベルが私が中学生だった頃に比較すると格段にあがっている。

 試験問題の古文などは芭蕉の奥の細道の最初の章が全文出てきたり、古今著聞集が出ている。これなどは私が高校生の時に学んだ内容だ。
現代文も相当な長文が出て、私などは読むのが精一杯でとても制限時間までに回答ができそうにない。

 数学にも驚いた。自然数の取り扱いや確率の問題が平気で出てくるのだが、これも私が高校生の時に学んだ内容で、当時理解できずうんうんうなった問題だ。
先日少年が受けた実力テストの問題を持ってきて二人で答え合わせをしたのだが、そのうちの平方四辺形の面積を求める問題は未だに解けない。
ちょっと時間を頂戴」なんて言って今問題を目の前においてあれやこれやと悩んでいる。
よかった、これがボランティア教師でなかったらすぐに親御さんからクレームがついて首になるところだった・・・・・・・しかし平方四辺形の問題が解けないなんて信じられん・・・・・・」ヒア汗ものだ。

 英語は文法をすっかり忘れてしまっているので、仕方なしに英文法の本を懸命に読んでいる。こちらは昔とさして変わっているわけではないが試験に必ずヒアリングが出ているのが違った点だ。

 考えてみれば中学では専門の教師が大学卒業後毎日その教科を教えており、一方私は長いサラリーマン生活で学業をすっかり忘れてしまったのだから、中学の学業が分からないのも無理はない。

 この年になって懸命に中学の勉強をする羽目になってしまった。
毎日1時間程度数学や英語を復習しているのだから、私も高校受験生並みだ。
少年はまじめに学びにくるし、私も何とかボランティア教師が務まるようにがんばっている。

 一般に退職して老人になると時間があまって致し方なくなる。私は四季の道の清掃作業や草刈をしたり、ブログを書いているがこのボランティア教師も老人がするボランティアとしたらなかなか奥深い。
今回教師をしてみて「老人は身体の衰えは顕著でも頭の衰えはない」と思っていたのが間違いだと気付かされた。
ひどく頭がさび付いていて回転が遅くすぐに問題が解けないことが多い。
年甲斐もなく頭がパニックになったが、時間をかければ何とかなることが多いものの直感的にすらすら解くということができなくなっている。

注)試験ではすらすら解けないと時間オーバーになってしまう。回転の速さが必要だと言うことを忘れていた。

 この老人の頭脳再生の切り札はボランティア教師だ。かつて学校の成績に自信のあった老人にはぜひお勧めのボランティアだ。

注)ただしすでに塾通いをしていたり、自分で勉強ができる人はボランティア教師の対象としては不適です。
塾には行っておらず、ある特定の科目が分からなくて困っている生徒が最適です。


なお、私がしているおゆみ野クリーンクラブのボランティアの内容については以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45485858/index.html

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(24.7.21) サクラサイトの詐欺方法 出会系サイトに登録させ、法外な通信料の請求が来る

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 最近頻繁に私のメールアドレスに「あなたと是非お会いしたい。あっていただければ50万円渡します。私は女実業家だからお金はいくらでもあります」と言った内容のメールが入ってくる。
なんて馬鹿げたメールだ。どこの世界に男女の仲で女が金を出す世界がある」あきれ返っていた。

 ところが今回国民生活センターが「サクラサイト商法撲滅キャンペーン」を始めたので内容を確認したら、この種の詐欺行為がサクラサイト商法と言い、実際に被害にあっている人が激増していることを知った。
信じられないことに被害者は女性が多く、その被害金額は一人当たりで数百万円から最大で数千万円になっていた。

 勧誘の手口は色々で男に対してはもっぱら色仕掛けと金銭でつるのだが、女性の場合は金銭でつる場合と同情心を利用する場合が多いと言う。
たとえば「弟が癌でもう長く生きられないので慰めてくれないか」「慰めてくれれば1000万円お支払いしていい」なんて内容だ。

 これらはすべてまきえであって食いつくと金をむしりとられる。
手口は専用のWebサイトに登録させてそこで高額な通信料を荒稼ぎする方法で、すべての通信をこのWebサイト(出会い系サイト)を通じてさせることにミソがある。
当然メールを送ってくる相手(サクラ)と出会系サイトはぐるだ。

 日経パソコン
が独自に調べた出会系サイトの通信料は、一回で送信が300円前後(最も高いのは980円)、受信が250円前後だった。
この高額の通信料を支払わせるために、サクラが何回も被害者と通信を交わし、知らないうちに通信料は100万円を越えてしまうのだそうだ(支払いがカードの場合はカード会社から請求が来て初めてことの重要さに気付く)。

サクラからは頻繁に「あなたのこともっと知りたいわ、趣味は、お生まれは・・・
今度会う場所は渋谷が良いかしら、それとも他がいいかしら・・・・
駄目、今日はとても重要な用事があるのであえないの、あしたにして
あなたにお金を送ろうとしたのだけれど口座番号がないというの、もう一度教えて
なんてメッセージ交換を何十回もさせられた挙句に、当然金は送られてこず通信料の請求だけが膨大な金額になると言う仕組みだ

 なんと巧妙な詐欺だと驚いてしまった。
詐欺にあっても詐欺師は見も知らぬサクラで、Webの出会系サイトの業者は「サクラなど知らぬ存ぜぬ」とシラを切るので、被害者は泣き寝入りをすることが多いと国民生活センターが警告を発していた。

 それにしても日本は詐欺の天国のような国になってしまった。オレオレ詐欺では老人が主としてだまされて来たが、この理由は老人が金持ちなのと人を疑うことが少ない国民性だからだ。
人を疑わないことは通常は美点なのだが、この日本人のこの美点を悪用する日本人が徘徊するのはなんとも嘆かわしい。

 今回の「サクラサイト詐欺」はこれも日本女性のもつ優しさを悪用しており、日本の美意識はどこに消えてしまったのかと天を仰いでしまった。

 またアメリカの振り込め詐欺は日本のコピーで、日本は詐欺の先進国としては(まったく名誉ではないが)最も進んでいる。以下はアメリカの事例。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/23312.html

ビズインターナショナル、円天商法、ワールド・オーシャン・ファームの詐欺事件は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat40090319/index.html

 

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(24.2.20) ためしてガッテン 謎の心臓病 エイリアンが心臓の血管を食いちぎる

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(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載されている利根川の夜明け

 最近のためしてガッテンは人を脅かすことを趣味にしているらしい。
今謎の心臓病が沖縄を中心に激増しており、それはエイリアンの仕業だと言う。
あのシガニー・ウィーバーさん主演のエイリアンのことである。

 このエイリアンはそっと心臓の血管に入り込みそこで血管を食いちぎって心筋梗塞を起こし、場合によっては死にいたる病になると言う。
沖縄ではこれが原因と思われる(正確に言うと原因の一部心臓病が10年で40%も増えたと言う。
映画エイリアンでは孵化したエイリアンが宿主である人間の腹を食い破って突然飛び出してくるのだが、この心臓エイリアンも心臓の血管を食いちぎる。

 「一体エイリアンて何なのだ」身体が前のめりになった。
実はこのエイリアンの正体は心臓にまつわりついた脂肪に攻撃をかけているマクロファージの酵素(毒素である。

 マクロファージは異物と認識すればその異物を分解する酵素(毒素)をだして攻撃を仕掛けている体内の保安官だ。
だが体内を守るためには相手が凶暴な場合は銃器()の使用をしなければならない。
この撃ち合いを心臓の周りで行うので、その銃弾)が毛細血管を通して冠動脈に入り込みこの動脈の内側を傷つけてしまう。
そして血管が切れたり修復するための血栓ができたりして心筋梗塞を起こすのだそうだ。
何かシリアの内戦のような様相で、本来安全と思われていた首都ダマスカスの銃撃戦で多くの市民が死傷しているが、そんなイメージだ。

 もともとの原因は脂肪が心臓にまとわりついていることで、心臓に脂肪をためるようになっては人間もおしまいだ。
年がら年中動いている心臓が脂肪まみれになるほど脂肪の摂取量が多いか、または運動不足が原因である。

 太ると言うことはこの脂肪細胞が膨れるのだが(脂肪細胞の数は若いときに決まっていて中年以降は数はほとんど変わらない)、腹や腰周りに脂肪をためた後はこれ以上ためようがないので、いたし方なく心臓の周りにも脂肪をためるのだと言う。
腹の周りのタンクがいっぱいになったので心臓の周りのタンクにも脂肪をためると言う構造だ。

 この心臓病を予防することはいたって簡単で身体に余分な脂肪をためなければいい。運動食事療法やその他やせる対策を行えばたちどころに心臓の周りの脂肪は消える。
なんとも最初のオープニングの脅かしとは裏腹に、「太らなければいい」というのだから「エイリアンなんていう脅かしはなしよ」と言いたいぐらいだ。

 ただ心臓が脂肪に取り囲まれるとは知らなかった。人間ためられるところがあればどこにでも脂肪はたまると言うことだが、マクロファージにとってはありえない場所の脂肪は異物にしか見えないと言うのがミソのようだ。

なお「ためしてガッテン」のシリーズは以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html


別件)「おゆみ野四季の道」のカウンター10000を「おゆみ野四季の道 新」に加えました。

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(24.7.19) 自転車騒動記 草刈り用の自転車とリックがない どうしょう!!

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 世の中なんて何が起こるか分からないものだ。
昨日(17日)NASのトレーニングセンター近くの四季の道草刈りをしていたときの出来事である。
私は最近2日に1回の割りで草刈りを行っており、大体昼間の3時間程度の作業になっている。

 四季の道は周囲6km余りあり、緑土木管理事務所年3回程度の草刈りを行っているのだが、夏場の草の生長は早い。2週間程度でたちまちのうちに20cm程度は雑草が伸びるので、この間の草刈を私がすることにしている。
当初は草刈機燃料や予備のビニール紐私は旋盤型の歯でなく、ビニールの紐で草を刈っている)を入れたリックを担いで作業場所まで行っていたが、なんとしても草刈機は重い。

 最近はママチャリ用の自転車に乗って作業場所まで出向くようにしている。草刈機は肩に担いでいるのでちょうど佐々木小次郎の長刀のような雰囲気だ。これだと走りはじめにバランスをとるのが大変だが走り出せばいたって楽に作業場所まで行ける。

 作業場所で自転車とリックを措いて草刈作業をしているのだが、私は自転車に鍵をかけていない。
すぐそばで草刈作業をしているし、自転車はペンキだらけだし(ベンチのペンキ塗りにも使用しているので塗料がこぼれて付着している)、リックの中は草刈機の燃料と草刈の備品だけだから、誰も持っていく人はいまい」安心していた。

 ところが昨日は信じられないことに100m程度幅約6m、長さ約100mで2時間程度かかる)作業をして戻ってみると自転車もリックも跡形なくなくなっていた。
たまたま四季の道ランナーズAさんKさんに会って立ち話をしていたので、3人で探してみたが見当たらない。

変だな、自転車はともかく草刈用の道具など持って行っても何にも役に立たないのだが・・・・・草刈が趣味なのだろうか・・・・・」不思議に思った。
当日は6時を過ぎていたので翌日探すことにしたがなんとも不可解だ。
翌日朝7時からマウンティンバイクに乗って四季の道とその周辺の公園や住宅地を探し回った。

注)自転車がなくてもまた歩いて作業現場に行けばいいのだが夏場はつらいし、リックや燃料や作業用の紐をまた購入しなければならないのがつらい。

 途中の四季の道で散歩おじさんチャイ姉さんや、ジャスミン姉さんに会ったので「もし見つけたら教えてほしい」旨依頼してまわった。
小谷小学校の近くではいつものように知り合いのセーフィティーウオッチャーのお母さん方に会ったので同じ依頼をしたら、トモ姉さんが「それは山崎さんのファンで、山崎さんの持ち物がほしかったのとチャウかしら」と言ったのには笑ってしまった。

 しかし自転車とリックは思わぬところから出てくるものだ。
8時半ごろ私が自転車で探し回っているときに、おゆみ野南警察から電話が入った。
あなたの自転車を署で預かっている」と言う。
南署に行って経緯を聞くと、小学生の児童から「四季の道に鍵がかかってなく、そばに燃料が置いてある変な自転車がある」と通報があったのだそうだ。
警察官が出向いていって「放置するわけに行かないから署まで回収した」と言う。

注)なお私の自転車には名前と電話番号が記載してある。

 私は自転車から100m以内の場所で草刈作業をしており作業音も聞こえるし、いたって見通しのいい場所だからちょっと気をつければ作業用の道具だと分かりそうなものだが、きっとまじめな警察官だったのだろう。
自転車が見つかるまでの昨日から今日にかけて私は精神的に不安定だったが、ようやく心を落ち着けてブログもかけるようになった。
次回からは作用中のカンバンを用意し、自転車には必ず鍵をかけ、常に見える場所に自転車と作業道具を置くように気をつけることにした。

なお草刈作業をしている経緯については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-ed28.html

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(24.7.18) シリーズ 消費社会はどこへ 電球をめぐる陰謀 商品は意図的に老朽化されている

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 海外のドキュメンタリー番組は当たり外れが大きいが、現在NHKが放送している「シリーズ消費社会はどこへ」はなかなかの番組だ。
第一回は「電球をめぐる陰謀」でフランス・スペインの2010年の作品だが、20世紀を通じて最も重要な商品だった電球1925年から国際的なカルテルが結ばれて寿命を1000時間に制限してきたと言うのには驚いた。

 私は裸電球はそもそもフィラメントの関連から寿命は長く保てないのだと思っていたがそれはまったくの間違いで、1895年に製作された裸電球が、アメリカのリバモアにある消防署で今も使用され続けていると聞いて再度びっくりした。この電球は100年以上も寿命を保っている。

 1925年以前は電気メーカーは電球の寿命を長くすることに懸命に取り組み、平均寿命が2500時間になっていた。
このあまりに丈夫な電球の出現によって電球が売れなくなり、当惑した世界の電機メーカーがスイスに集まって秘密会議を開き、今後電球の寿命を1000時間にするように国際カルテルを結んだ。それをボイホス・カルテルと言う。

 このボイホス・カルテルの伝統がその後の世界の資本主義の根底を支えるようになり、電球以外の商品もメーカーは意図的に製品が一定時間で壊れるように設計していると言う。
これを「意図的な老朽化政策」と言うのだが、現在の資本主義はこの隠れた思想の上に成り立っている。

 番組の冒頭に出てきた事例ではプリンターの寿命を印刷枚数で決定し、その枚数に達するとプリンターが動かなくなるように設計されていた。
お客さん、買い替えのときが来ました。修理部品がないので買い換えてください」と言うわけだ。

 実は私も経験的にとても不思議に思っていることがある。それは電気製品クーラー、テレビ、パソコン、プリンター、電話機等)が平均して10年経つと壊れることだった。もちろん修理部品はもうないから買い換えることになるのだが、これはすべて物理的な磨耗のせいだとばかり思っていた。

 だが、最近の電気製品は電子部品の塊の様なものであり、パソコンでも磨耗と言えるのはディスクぐらいなものなので、「なぜ電気製品の寿命は10年か?」とても不思議に思っていたものだ。

 番組ではメーカーの技術者が盛んにより壊れやすいものを作るために研究している有様が出ていた。
たとえばデュポン社は当初絶対に破れないナイロンストッキングを開発し、それで自動車を引っ張ることもできたのに、「これでは消費者が一生に一回だけナイロンストッキングを購入すればよい」ことに気付き、急遽破れやすいナイロンストッキングの開発を行っていた。

 アメリカの大恐慌時代バーナード・ロンドンと言う実業家が「商品にはすべて寿命を設定して、使用できるか否かにかかわらず寿命が来たらすべて商品を廃棄処理することを法律で定めよう」と提案していた。
こうすれば企業の生産も労働者の職場も維持できると言う訳だ。
この提案は受け入れられなかったが、現在のコンビニスーパー賞味期限を設け、食べられるか否かに関係なく廃棄処分をしていることと何か深いところで思想が似ている。

 思わず笑ってしまったのは旧共産圏諸国では「意図的な老朽化」と言う思想がまったくなく、ひたすら長持ちする製品が作られていたことだ。
たとえば東ドイツの冷蔵庫は25年の寿命を保証していて、実際に使ってみるといくらでも使用が可能になっている。
旧東ドイツでは冷蔵庫を作るための資源が常に足りなかったため、長寿命型の開発が好まれいつまでも使える商品に人気があったのだそうだ。

 一方アメリカや西欧や日本では戦後は常に大量消費がもてはやされ、機能的には従来の商品でまったく支障もないのにテレビ広告等でダサイと思わせる消費の誘導がなされている。
携帯電話でまったく支障がないのにスマートフォンを持っていないと片身が狭いと言う感じだし、古い車をいつまでも乗っていると「山崎さんの家計はやっぱり厳しいのね」なんて思われてしまう。

 フランスの経済哲学者のセルジュ・ラトーシュが「限りある地球で限りない成長が可能だと考えるのはエセエコノミストか愚か者だが、現実はエセエコノミストと愚か者ばかりの世界になっている」と嘆いていた。

 私もこのブログで日本がもはや経済成長をすることなく、新しい中世といった静かでものを大事に使う文明に入っていくと主張しているが、なかなか賛同を得ることはない。
成長なくして財政再建なし」などと常に政治家が言っているので一般の人が惑わされるのは無理からぬところもあるが、実際は日本の経済成長は1990年を境に止まっている。

注)日本が新しい中世に入っていくと言う私の主張については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

 いつまでも「意図的な老朽化」の企業戦略に惑わされることなく、地球資源の限界を考慮して足るを知る生活を営むことが私たちに今求められている。倉本 聰氏が描く「北の国から」の五郎のような生活だと言ったらイメージがわくだろうか。

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(24.7.17) JPモルガン・チェースのディリバティブ取引の大失敗と金融規制問題

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 やはりボルガー・ルールは必要なのだなとしみじみ思ってしまった。
ボルガー・ルールとは元FRB議長のポール・ボルガー氏が提案しているルールで「なんでもありのアメリカ金融界を規制するルール」のことである。

 ボルガー氏は「多くの人々から預金を集めて商業銀行業務を行っている金融機関は自己勘定取引やヘッジファンドへの投資をすべきでない」と主張した。
自己勘定取引とは金融機関が集めた預金をもとでに自身で証券市場でディーリング業務を行うことであり、ヘッジファンドへの投資は自分のダミー会社を作って好き勝手な金融取引を行う行為である。

 いづれもアメリカの大手金融機関が長年にわたって行ってきた商業慣行で、これがリーマン・ショックを引き起こしたと言うのがボルガー氏の認識だった。
しかしこの主張はアメリカ共和党とそれを支持するウォール街の大反対にあって未だに日の目を見ていない。
だがウォール街の急先鋒だったJPモルガン・チェースディリバティブ取引で大失敗をしたので風向きが変わるかも知れない。

 JPモルガン・チェースはリーマン・ショック時にほとんど唯一と言って良いほどの軽微な損失で切り抜け「さすがJPモルガン・チェースのリスク管理は完璧だ」と賞賛されてきた金融機関である。
そのためJPモルガン・チェースはますます自信を深め「自由市場と自主管理こそが金融市場の発展に寄与し、ボルガー・ルールはこの金融市場を窒息させるだけだ」と舞い上がっていた。

 そのJPモルガン・チェースが信じられないような大失敗をしでかした。
CIO(最高投資戦略室)と言われる部門で2期にわたり損失が発生しさらに損失が膨らみそうになっている。

注)12年1~3期 ▲17億ドル  12年4~6期 ▲44億ドル、NYタイムズは全体で90億ドル(7200億円)の損失になると予測している。

 CIOとは聞きなれない言葉だが、ボルガー氏が反対している自己勘定取引部門の一部だと思えばいい。
CIOロンドンに本拠を置いて「合成クレジット・ポートフォリオ」と言う取引を行っていた。
名前を聞いても何の取引かさっぱり分からないがCDS(クレディット・デフォルト・スワップ)の取引を大々的に行っていたようだ。
CDSとは保障契約の一種で、融資者の返済が危ぶまれると判断したとき、より信用がある企業に保障をしてもらう契約である。

注)たとえばA銀行がB社に5%の利回りで融資をしていて、この会社からの返済を危ぶんだとする。その場合C銀行に2%の利回りで保障をしてもらう契約をするとA銀行はB社が倒産してもC銀行から元金の回収ができる。

 CDSは本来このような保障契約だが(JPモルガン・チェースの融資金に対する保障契約であれば何の問題もないが)、CIOでは融資金とはまったく関係なくCDSの大々的な取引を行ってきた。
この取引でJPモルガン・チェースは2009年 43億ドル、2010年 36億ドル、2011年 13億ドルと荒稼ぎを行ってきた
いわばJPモルガン・チェースの稼ぎ頭で、そのあまりのすさまじい市場支配力によりロンドンではCIOを「ロンドンの鯨」(CDSをがぶ飲みすると言う意味)と言って恐れていたものだ。

 取引の詳細は不明だが(JPモルガン・チェースの最高経営責任者でもよく分からないらしい)、「ロンドンの鯨」はもっぱらCDSの先物取引で利益を上げていたらしい。CDSは保障だから保障先の業績が悪化すれば値が上がり、反対に業績がよくなれば値がさがる。
前にNHKで放送していたギリシャ国債のCDSを扱うヘッジファンドは、CDSが安いときに大量に仕込んでギリシャ危機が発生するとそのCDSを売り抜けていた。

注)ヘッジファンドの事例は「NHKスペシャル ユーロ危機とヘッジファンドのCDS戦略 日本も狙われている」を参照

 2011年末まではこうして「ロンドンの鯨」はわが世の春を謳歌していたが、11年末にJPモルガン・チェースの方針が変わった
どうも当局の金融規制の方針は強固だ。ボルガー・ルールも導入されるかもしれない。ここいらで将来を見越して自己勘定取引を縮小しよう

 ロンドンにCDS取引の縮小を指示したが、「ロンドンの鯨」はこれをまったく無視した。
本社のお偉方は気が小さい。良いからどんどん取引を行
信じられないことに本社の通達が出てから3ヵ月後にはCDSの持高は3倍に膨れ上がってしまった

注)正確に言うと将来価格が上がると予想されるCDSと価格が下がると予想されるCDSをバランスして購入してリスクを軽減しようとした。このためCDSの持高が急激に上昇した。

 しかし所詮は予測に過ぎない。この予測がはずれると持高が多い分損失は一気に膨らむ。
ここにきて欧州金融危機の予測に失敗し実際にそうなってしまった。
今回の損失は最大でも7000億円程度だからJPモルガン・チェースの経営に支障が出るほどのものではない。
しかしこの銀行が従来から言っていた自慢のリスク管理は実際は張子の虎だったことが判明し「自由市場と自主管理こそが金融市場の発展に必ずしも寄与しないこと」が明らかになった。

なお、世界の金融機関の問題は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat50073508/index.html

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(24.7.16) NHKスペシャル 日本の新たな中長期エネルギー政策 原子力といかに付き合うか

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マッスルさんが撮った夕焼け)

 日本の中長期のエネルギー政策の見直し作業が大詰めを迎えているが実際は上を下への大騒ぎになっている。
この場合の中長期とは2030年までのエネルギー政策のことで、3.11の福島原発事故が起こる前までは、原子力45%、再生可能エネルギー20%、火力35%とただひたすら火力発電を止めて二酸化炭素の排出量を抑えるのが基本戦略になっていた。

 しかし3.11の後はまったく様相が一変している。
原子力は二酸化炭素は出さないが危険すぎる。それなら火力の方がよっぽどましでせいぜい地球の温度が数度上がるだけじゃないか」と言う状況になってきた。
政府としては従来の中長期エネルギー政策は破綻したとの認識で、それならば新たな基本政策をどのようにするかで国民的議論を起こすと言っている。
国民的議論と言ってもその内容は、ここ1ヶ月間で専門家が提示した3つの代替案について10箇所で公聴会を開くと言う計画だ。
その結果を受けて8月には基本計画を策定すると言うのだから、はっきり言えば国民の意見も聞いたと言うセレモニーに過ぎない。

 最も今までの原子力政策推進派が一方的に議論をリードし、それを政府が追認してきたのだから確かに今までに比較すれば国民的議論であることは間違いない。

 今回NHKスペシャルで放送された専門家が提示した3案とは以下の通りである

① 原子力  0%  再生可能エネ 35%  火力 65%
② 原子力 15%  再生可能エネ 30%  火力 55%
③ 原子力 20~25% 再生可能エネ 25~30% 火力 50%

①は原子力発電を一切止めると言う案で、②は原発の中で古い原発だけ廃棄する案、そして③は現状のまま原発を使い続けると言う案である。


 ①から③までの提案をしていた専門家が出席してこの案を提案した趣旨をそれぞれ説明していた。

①案 富士通総研主任研究員 高橋洋氏

 従来原子力のコストが最も安価だと言われてきていたが、3.11を経て見直してみると実際はどのくらいコストがかさむかわからないような発電だ。
廃炉・除染費用、安全対策の強化、使用済核燃料の処理費、賠償金等、現状では確定していないが今後増加することはあっても減少することはない。
原子力はコスト面ですでに行き詰っており、早急に廃炉処理するのがよい。

②案 一橋大学大学院教授 橘川武朗氏

 原子力については危険性と必要性のジレンマにさらされており、危険だからすぐに止めろとか、電力供給の安定のためには必要だから今後も使い続けると言ったような一方的な議論をしてはならない。
取りあえずは2030年までに耐用年数がくる原子炉は廃棄し、それ以外の原子炉は使用し続けて2030年の段階でもう一度判断するのが良いだろう。

③案 東京工業大学特命教授 柏木孝夫氏

 電力供給の選択肢を残しておくことが大事で、世界の資源価格の推移に適切に対応できる弾力性を日本経済に持たせなければならない。
たとえば日本が原子力を一方的に止めるとウラン価格は低下し、一方LNGや石炭や石油の価格が上昇する可能性が高い。
日本は常に最も高価な資源を使用することになり日本の経済力は急速に低下する。
だから現状を維持しながら資源価格にあわせた対応を取る必要がある。

 この専門家の提言に対して4人のコメンテーターが意見を述べていたが、私もコメンテーターとして参加させてもらえば、私は②の意見に基本的に賛成だ。
①の廃炉処理をするとしても古く危険な原発から廃炉処理をするのが現実的だし、一方電力不足が想定される場合は新たに火力発電所を建設するよりは安全性が確認されている原発で電力供給をするのがコスト面では優位性がある。

 また③の今の原発の水準をこのまま維持すると言うことは、廃炉分に相当する新たな原発を作り続けることで、これは3.11の教訓を何も考えていないのと同じだ。
実際に建設を行おうとしても受け入れる自治体はないだろうし、かつてのように補助金等でつる政策も(それを今までのように電力料金に反映させることが難しいから)できそうもない。

 結局は廃炉の期限がきたら廃炉し、新たな原子炉の建設はできないのだから原子力のシェアは徐々に低下していくことになる。
その間で電力不足が予想されれば日本経済を省エネ型に変えていくより他に選択肢はない。
蛍光灯はLEDに変えられ、自動車はHVになり、無駄なネオンや照明は消され、輸出産業は日本から出て行き、家庭でも電力を細かく管理するようになるのだろう。

 電力需要はエネルギー政策の見直しの前提では全体で1割削減だが、実際はそれをはるかに上回る削減がされて、(2030年以降)原子力がすべてなくなっても問題がないというのが私の見立てだ。

注)エネルギー政策立案の前提条件の一つに経済成長率の予測がある。
政府は名目で3%、実質2%の経済成長をするとの前提でエネルギー政策を策定しているが、実際は日本は経済成長はしないだろうと私は判断している。


なお日本の原子力行政についての記事は以下のカテゴリーに纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46318075/index.html

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(24.7.15) LCC(格安航空会社)就航と空港会社の本気度  ウエルカムの関空と締め出しの成田

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 私は懸命にLCC(格安航空会社)に声援を送っているのだが、いまのところ問題続きだ。
なかなか予定通りに飛行機が飛ばないのだが、原因の一つに空港会社の本気度の相違がある。
関空はLCCにかけているが成田はまったく乗り気でない。それが明確になってきた。

 7月3日成田に就航したジェットスター・ジャパン成田・千歳間が、札幌から成田に帰れず欠航した。これで2回目の欠航だ。
原因は成田からの出発が遅れて,札幌からの帰りの便が成田の飛行制限時間の11時を過ぎそうになったためだ。

 一方今年の3月に関空で就航しているピーチ・アビエーションも計器異常等ですでに5件目のトラブルを繰り返しており、30便が欠航している。
欠航と言う意味では成田も関空もおなじだが、成田は主として空港の使用時間の問題、関空は飛行機自体の整備問題であるところが違う。

 ジェットスター・ジャパンは今回の欠航による乗客の宿泊代をたてかえていたがひどい出費だ(本来は欠航しても宿泊代は出ない)。
LCCの弱点は一旦遅れが出ると次々に遅れが出てしまい最終便が欠航になってしまうことにある。
何しろ予備機などなく、飛んでいる飛行機がすべてなのだから遅れは致命的だ。

 関空の場合は遅れの原因はLCCの責任だが、成田については飛行制限の夜11時~翌朝6時が決定的なネックになっている。
世界の主要空港で夜間離発着ができない飛行場は成田ぐらいで、ちょっとでも遅れが発生すればもう最終便は飛べない。
私はLCCが遅れた場合は特例として成田の離発着を認めるべきだと思っているが、官僚体質の塊のような成田国際空港会社がそれを認めることはなさそうだ。

注)成田ではLCCは遠くの滑走路を使用させたり、乗客が飛行機に乗り込むまでの時間がかかったりして常に遅れる傾向がある。
成田にとってLCCはいわば来てほしくないお客さんのような立場だ。


 一方成田に比べると関空は懸命に努力しているといえる。
関空にはLCCがこないとそもそも経営そのものがなりたたない理由がある。
関空は1兆2000億規模の借金を抱えて青息吐息で借金返済のため着陸料も成田より20%高く設定していた。
このため世界の主要航空会社からは敬遠されており、関空に乗り入れるメリットはないとそっぽを向かれている。
かくして関空に乗り入れを希望するのは日本進出に熱心なLCCだけになってしまった。

注)関空の経営問題については以下の記事を参照してください。http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/22912.html

このままでは関空の未来はない。LCCに未来をかけたいがしかし着陸料を下げないとLCCすらきてくれない
7月1日から関空と伊丹の経営統合をしたのは関空の経営だけではとても着陸料を下げられないので、減価償却が基本的に終って収益が出ている伊丹の利益で関空の着陸料を下げようとの苦肉の策だ。
もともと関空ができれば伊丹は閉鎖するはずだったのに、地元からの反対で伊丹が存続し、そのため関空は国内線の誘致が十分にできない。
関空が赤字なのは伊丹が存続しているからだから責任を取ってもらおう」と言うことだ。

 実は関西の航空需要は2001年から2010年にかけて30万人も減少しており、今後もますます先細りになっている(首都圏はその間880万人の増加)。
関西圏は日本経済停滞が最も顕著にあらわれている場所のひとつだ。
関空一つで十分なのに伊丹は存続し、さらに06年には神戸空港まで開港した。
乗客は減っているため3空港が少ない顧客を奪い合っている構図になり、特に最近できた神戸空港などは閑古鳥が鳴いている

 ここまで追い詰められればさすがに目が覚める。
関空はLCCに多様な割引条件を提示して誘致し、10社のLCCが乗り入れており国内最大のLCC誘致空港になった。
これで何とかハブ空港らしくなってきた。

 幸い関空は成田と比較してアジアに1時間程度近い
LCCが飛行機を効率的に運用できる限界は4時間程度何往復できるかがポイント)だから、中国や台湾やフィリピンや韓国はこのエリアに入る。
関西圏は日本有数の観光地の京都や奈良がある。
LCCをさらに誘致し海外からの観光客の増大を図って、大いに顧客獲得に邁進してもらいたいものだ。

なお日本がLCC元年になっていることは以下の記事を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/24614-lcc-5116.html





 

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(24.7.14) いじめはなぜ起こるのか。 大津市中学2年生男子生徒の自殺について

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  大津市の中学2年生が自殺をした件について連日のようにマスコミが取り上げている。
この男子生徒は同級生の3名から体育大会のときに鉢巻で両手を縛られ、口に粘着テープを張られていたというもので、少年はこれを苦に自殺したのではないかと言うものだ。

 マスコミの論調は、なぜこのような事実を学校や市教育委員会が把握せず、また自殺した生徒の父親が警察に3回も被害届を出しているのに、警察が受理しなかったのはおかしいと指弾している。
連日マスコミで取り上げられたからだろうか、滋賀県警は急に捜査員を25人体制にして学校市教育委員会強制捜査に乗り出したが、いままで被害届さえ受け付けなかった県警がなんともすさまじい変わり身だ。

 今一番問題になっているのは学校が2回にわたって実施したアンケート調査で、いじめの現場を目撃したと言うアンケートがあったのにその実態把握をほとんど行わなかったことにある(面接をして具体的な把握をしようとしていなかった)。
おそらく学校の立場から言うと、「調査を本格的に行えばどこまで加害者が拡大するかわからない」ことを恐れたのだろう。
体育大会での加害者は3名だが、こうしたいじめは日常的に行われていた可能性が高く、その場合他の多くの生徒がかかわっていた可能性がある。

注)ことを穏便に済ませたい他の理由は、いじめが原因の自殺となると学校では責任問題になる。

 私も小学校時代常にいじめにあっていたから分かるのだが、いじめの主要メンバーは数人でも、何かクラス全員の男子からいじめられているような状況になっていた。
もしこのいじめに参加しないと今度はその児童がいじめの対象になるから、一緒になっていじめに参加する。
こうした児童と1対1で遊んでいる限りは仲がいいのだが、ガキ大将が現れたとたんにいじめる側に回るのにはいつも不思議な気がした。

 文部科学省は「いじめはどの子、どの学校にも起こりうるものでその認定はあくまで被害者側に立つこと」という通達を出しているが、「どの子、どの学校でも」と言う認識はまったく正しい。

 私は65年間の人生を生きてきて、「いじめは人間の本性」ではないかと思っている。
それは人間は群れで生きていかなければならないと言うDNAにインプットされた習性からくるもので、群れで生きる以上群れの生存を脅かすものを排除する行為が「いじめ」だと思っている。

 私の場合は人との付き合いを極端に嫌う性質がクラスから浮き出ていたからであり、その他に運動能力が低いとか知的能力が低いとか、あまりに美人過ぎるとかその反対であった場合にいじめの対象になる。
いわばその群れの規範から外れた人間がいじめにあいやすく、規範を守る処世術を身に着けたものはいじめの対象にならない

 個人的にこうしたいじめから免れる方法は上述したように処世術を身につけてボスに媚を売るか(群れの動物はみなそうして順位付けをしている)、ボスと対抗してボスを打ち負かすか(こうすると順位が変わる)、こうした順位付けから身を遠ざけて孤独に生きるか(群れから離れる)しか方法はない。

 私の場合はボスと取っ組み合いをしてそれを打ち負かしたことで、いじめられっこの立場から逃れることができたが、それ以来私をいつもいじめる側に立っていた児童が「山ちゃんは強いからな」といって言い寄ってきた。
いじめは人間の本性によるものだから根が深く、いくら「いじめをしないようにしよう」といっても本能(感情)が理性に勝っている小学校や中学校ではいじめの撲滅は難しいだろう。

 教師としたらいじめられっ子予備軍はすぐに分かるのだから、常時そうした子供とコミュニケーションをとって実態把握をおこなうことと、親御さんが子供がいじめにあっていることを把握したら学校や教育委員会とすぐに相談をすることだろう。

 それに私の経験からいえることは、いじめにあった場合は黙って甘受すればエスカレートするだけだから自衛のための戦いが必要だと思っている。
ボスに戦いを挑むことで勝てないまでもイーブンに持ち込むことだろう。
弱いと思われた人間はいつまでたってもいじめから逃れられない。

 私は人間も所詮動物としての本能を持っているのだと認識しているから、この地獄のような状況から這い上がるためには本能丸出しの戦いがやはり必要だと思っている。

 なお、私自身がいじめにあった経験を基にシナリオを作成しています。
私の場合はクラスの生徒からのいじめと母親からの虐待でしたからダブルパンチでしたが、戦うことでどうにか生き延びました。
以下にシナリオを掲載いたします。

http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat31652294/index.html

 

 

 

 

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(24.7.13) さあアフガンから撤退しよう。後は日本の財布が頼りだ。アフガン復興会議の実態

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  日本はいつまでたってもアメリカの財布かとため息が出た。
先日東京で主催されたアフガン復興会議ISAF軍国際治安支援部隊と言うが実際はアメリカ軍が主体)が完全撤退する2014年末以降、総額で160億ドルの資金援助をカルザイ政権に行い、日本はそのうち30億ドルの支援をすると言う。

注)この会議を日本で開催するのはアメリカの強い意思があるから。「こんどは日本が金を出す番だ」という意味。

 日本は民主党政権が発足した09年に海上自衛隊のインド洋での給油活動を停止し、その見返りにアフガニスタンに50億ドルの資金援助をしてきたから、都合80億ドル6400億円)の支援をすることになる。

 なぜカルザイ政権に資金援助が必要かというと、公務員主として治安部隊)に対する給与をカルザイ政権が支払えないためで、ISAF軍(国際治安支援部隊)が撤退した後のアフガン治安部隊に対する給与を保障してくれと言う要請だ。

 毎年40億ドル相当の給与が必要とカルザイ政権は試算しており、今回のアフガン支援会議ではこの要請に対し満額回答を出したことになる(今回は4年間分の給与の約束)。
だが本当の問題はこうした公務員給与も途中にいる権力者が次々にピンはねするので、末端にいる兵士にはすずめの涙のような金額しかいきわたらない。

注)日本のように銀行振り込みの制度もなく現金を権力者から手渡す方法だから、いくらでもピンはねができる。

 このため末端の兵士は自前で資金調達をするようになり、さらに弱い民衆に賄賂を要求する。
なぜ兵士がこのようなことができるかというと兵士が公務員を兼ねているからで、日本のような地方自治体などはないのでいわば軍事政権の末端として兵士が公的事務を行っている。

 かくしていくら資金援助をしても肥えるのは権力者ばかりになり、さっぱり一般大衆の生活の向上には役立たない。
アメリカはビンラディン容疑者は殺害したし、これ以上アフガンにいても戦費が増えるだけだからなるべく早く撤退したい。

 しかし撤退した後にタリバンが復活し、さらにビンラディンのような国際的なテロリストが跋扈するのだけは避けたいので、格好の財布である日本にアフガン兵士の給与を保障させようとしている。
日本でアフガン復興会議が開催されるのもすべて日本の財布が当てにされているからだ。

 しかし日本とても無尽蔵にお金があるわけでない。特に財政の逼迫は顕著で一般会計の約半分が国債発行でまかなわれている。
また日本から輸出産業は消滅してしまって貿易収支は慢性的に赤字になっており、今までの投資の収益である所得収支の黒字でかろうじて経常収支を黒字にしているのが実情だ。

注)日本は退職して給与がなくなったが、今までの蓄えと年金で暮らしている老人と同じだ。いつまでも金を当てにされると家計が持たない。

アメリカの代わりにアフガンの財布になるのはヤダ」と言いたいが、日本の防衛はアメリカなしには不可能であり、アメリカが手を引いたとたんに中国の植民地のような立場に追い込まれるから、なけなしの資金援助をすることになった。

 カルザイ政権は今後も弱者の恫喝を繰り返して、「それならテロの温床になっても良いのか」と居直り続けるだろう。日本政府の本音は「アフガンで何が起こってもそんなことは知ったことではない」というところだが、アメリカとの付き合い上そう居直れないのがなんともつらいところだ。

なおアフガニスタンの実態については以下の文章により詳細に記述してあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/24524-0fe3.html

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(24.7.12) これからの学校経営はボランティアの力をどれだけ引き出せるかだ

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  私はほぼ毎日四季の道と言う長さ約6kmの遊歩道の清掃活動をしているので、おなじく四季の道で毎日セーフティー・ウオッチャーをしているお母さん方とすっかり顔なじみになってしまった。
この遊歩道沿いには4校の小学校と2校の中学校がある。

 お母さん方が井戸端会議をしていると私もその仲間になって四方山話に花を咲かせるのだが、最近中学で武道柔道・剣道・相撲)が必修科目になり、ここおゆみ野の中学では柔道が必修になっていると知った。
でもねえ、山崎さん、柔道の先生がいないの、誰か柔道を知っている人が教えたら良いのに」とお母さんの一人が言っていた。
どうやら柔道を知らない教師が無理して教えているらしい。

 私は高校時代に柔道をしており有段者だからボランティアで教えてあげてもいいのだが、すでに65歳で身体がまったく言うことを聞かない。
何しろ腰痛持ちだから背負いなどしようものなら悲鳴を上げそうだ。
受身だってかつてのような華麗な受身は無理で相当どたばたするだろうし、場合によったら目まいもしそうだ。
いくらボランティア好きの私でも中学に出向いていって「私がボランティアで教えましょう」とまでは言えない。

 だが最近の中学の先生は忙しさで悲鳴を上げているようだ。かつては教員は暇な職業の一つで私の大学時代は「でもしか先生」と言って、(「先生でもするか」とか「先生しかなれない」と言う意味)どちらかと言うと覇気よりも人生をのんびり生きることを選択する学生の職業だった。

 しかし時代が変わったのだろう。私が毎日読んでいる「ちば公園のベンチから」と言うブログのブロガーの息子さん夫婦は教員(高校の教員のようだ)なのだが、土日にも学校に出かけて行ってはいわゆる問題児対策等にへとへとになって帰宅する様子がしばしば記載されている。

 思えば私が子供の頃はまだ教師が絶対的な力を持っていて、私などは小学生の頃音楽の女の先生かからよくチョークを投げつけられていた。
何があっても教師に文句を言うのはご法度で、そうした意味では教員が精神的に追い詰められることは少なかった。

 だが昨今は教師の権威より保護者のクレームが多いらしく、そのためだけではないだろうが10年度の公立学校の教員の精神疾患を理由とした病欠者が5402人休業中の教員の約6割)だと言う。
なにしろゆとり教育で大失敗をした文部科学省はすっかり反省し、教えなければならない科目の内容はますます増加させており、一方で保護者対策にも翻弄され、昨今は教員は柔道まで教えなくてはならなくなった。
だから心も身体も病んでしまう教職員が多いのだろう。

 教師の対応能力に限界が来た場合は、外部の専門家を招いてその部分は専門家に任せるのが妥当なのだが、 この現象はかつての日本企業がおかれた状況とまったく同じだ。

 私は現役のときにシステム部門にいたのだが、当初は職員をプログラマーとして養成しようとして大失敗した。
職員の適正もあるが何より銀行員は専門職でなく総合職でないと出世しない
システム部門に配属されようものなら「ああ、俺の未来はなくなったのか」なんて思う職員が増加したり、人事部が精神的疾患がある人をていよく専門職部門に配属するものだから士気が低下することこの上なかった。

 一方でシステム開発は熾烈を極めたので仕方なしに外部の専門業者に開発を依頼して、職員はその専門業者の管理に専念させるようになった。
外部の力で危機を乗り切らざる得なかったのだが、それでも当初はこうした外部の人を使う措置は一時的なもので、本来は職員が自ら開発するものといわれたものだ(金融機関は秘密情報が多いので外部職員の採用を嫌がった)。

 学校がおかれている状況はこの日本企業がたどった道に似ていて、教員がすべてを教える時代は終っているが、それでも仕方なしに教師が教えている。
だが第一柔道をしたこともない人は柔道を教えることはできないし、水泳で泳げなければ水泳指導など無理だ。
コンピュータの授業などは子供のほうがよく知っている場合が多い。
また小学校で英語を学ばせているが、下手な発音の教師に教わると幼児期に音痴の母親から教わった歌のようになってしまう。

 かくして現在の学校は結局は外部の専門家の力を借りて運営をしていかなければならない方向に進んでいるものの、学校にはかつての日本企業と同様な自前主義を最善とする意識が残っている。
無理に無理を重ねて柔道をしたこともない教師が柔道指導をしており、これなどは生徒にとって不幸以外の何者でもない。
地域の力をいくら引き出せるかが学校経営の成功のポイントになってきた。

なお私が過去に行った小谷小学校でのパソコンボランティア活動等は以下のカテゴリーに含まれています。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat8164627/index.html

 

 

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(24.7.11) ためしてガッテン オリンピック特番の腰痛対策 これは実に効果がある

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 私はためしてガッテンのファンだが、今回ほどその効果が明白に現れた番組はなかった。
オリンピック特番として放送された番組だが、オリンピック選手が実際に行っているトレーニングのなかで一般の人も実施をすると健康に資するというトレーニングである。

 水泳の北島選手やハンマー投げの室伏選手のトレーニングを参考にしており、中でも腰痛対策に効果がある北島選手のトレーニングにはびっくりした。

 実は私はここ10年程度ひどい腰痛に悩まされている。
毎日約6kmの四季の道の清掃をしているが1km程度歩いたあたりから腰が痛くなり、ベンチで休むことが多い。1~2分程度休むと痛みが消えるので再び歩くのだが、数百メートルで再び腰の痛みが再発する。
いわゆる脊椎管狭窄症といわれている病気で、椎間菅が普通の人より狭くなってそこから出ている坐骨神経を圧迫するためにヒア汗が出るほど痛む。

 私がこうなったのは超長距離走をしすぎたためで、特に100kmをこす競技では腰の負担が大きすぎて椎間板が磨り減ってしまった。
しかしその後も私はこの病気を無視して超長距離走に出ていたのでさらに症状が悪化してしまった。
まあ、自業自得だから文句は言えないのだがそれにしても何とかならないものかと思っている。

 過去に整体の先生に見てもらったり、整形外科に行ったりしたがまったく症状は改善しなかった。
この病気は走り始めはとても痛いのだがしばらくすると神経が麻痺して痛みが分からなくなる。
そのため麻痺状態になればいくらでも走れるのでマラソンは続けられる。
しばらく走っていれば痛くなくなるからいいや」と言う感じだ。

 今回のためしてガッテンで水泳選手が水の抵抗が最も少ない一定の姿勢を維持するためのトレーニングとして紹介していたのがンナー・マッスルを鍛えることだった。
私はまったく勘違いしていたが、インナー・マッスル腹筋のことではない。
腹筋は正式には腹直筋といい、その下に腹横筋と言う筋肉が存在している。
腹直筋はたての筋肉なのに対し、腹横筋は横の筋肉でちょうどコルセットのように左右から腰を支えており、これがインナー・マッスルと言われている筋肉だ。

 このインナー・マッスルを鍛えると姿勢を一定に保つことができると言うことで、鍛え方はおへそを30秒間引っ込める体操を行うことだと言う。
私はさっそく取り掛かってみた。
今日で3日目だが確かに腹横筋を鍛えると今まで体重がすべて骨にかかっていたのが筋肉にも分散されて痛みが弱まってきた。

 番組に出ていた腰痛持ち40年の人も腰痛が弱くなって、今までのモンキーウォークが通常の姿勢で歩けるようになっていた。
これだ!!!!!!」すっかり嬉しくなって私は毎日暇があればおへそを引っ込めている。
ようやく四季の道を歩いていてもヒア汗が出るような痛みはなくなった。
3日でこんなに効果があるなら、これから毎日行っていれば腰痛は全快するかもしれない」なんとも希望に満ちた気持ちになった。

 この方法は本当に効果がありそうだ。完全に腰痛が治るということはないが痛さが軽減されたのは確かだ。
腰痛で悩んでいる人にはぜひ勧めたいトレーニング方法だ。

注)たとえどんなに効果的といわれている方法でも簡単に実行できなければ継続できない。そうした意味で単におへそを引っ込める体操は継続が可能な効果的な方法だと思う。

なお、私が今まで悩んできた腰痛(坐骨神経痛)については以下に纏めてあります。
私の坐骨神経痛は一時的に治ってはまた再び再発しております。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44129039/index.html

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(24.7.10) NHK知られざる大英博物館 第3集 日本巨大古墳消滅の謎

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 まさか日本の古墳時代の謎をとく鍵が大英博物館にあるとは知らなかった。
なぜ日本に巨大な前方後円墳ができそれが消滅して行ったかと言う謎である。
三世紀半ばの卑弥呼の時代から6世紀後半の聖徳太子の時代まで約350年間にわたって日本には4700もの古墳が建造されたが、6世紀に入り最後の巨大古墳と言われた丸山古墳を最後に前方後円墳の時代が終っている。

 この謎を解く鍵は大英博物館に所蔵されているガウランド・コレクションにあると言うので驚いた。
ガウランドといわれてもまったく知らないが、明治5年に大阪造幣局に招聘されたイギリスのお抱え金属技師で、同時に考古学者としての深い素養を備えていた人物である。
ガウランド氏は日本にいた16年間400以上の古墳を調査し、当時の貴重な写真や測量結果を残しており、さらに未盗掘だった柴山古墳の調査発掘まで行っている。
この柴山古墳から出土した出土品を中心に大英博物館に約1000点の出土品を寄贈した。それがガウランド・コレクションである。

注)当時の古墳の状況は墳墓に畑があったりして、まだ自由に古墳の調査ができた。その後宮内庁が天皇陵の立ち入りを禁じたためガウランド氏の調査発掘はとても貴重な資料となった。

 今回問題になっている最後の巨大古墳といわれる丸山古墳については、ガウランド氏が明治15年に測量機械を持って実測しており、詳細な図面を残している。
この図面では不思議なことに石室が後円墳の中心に存在しなかった
通常前方後円墳では後円の真ん中に穴を掘りそこに墓室を設置する。
これはガウランドが間違った測量をしたのではないか。他の墓と違って石室が真ん中にないじゃないか」長い間そう思われていた。

 しかし1991年に丸山古墳の墳丘が崩れ石室の入り口がぽっかりと開いたことから宮内庁が調査した結果、間違いなく石室は墳丘の中央から外れており、さらに2011年に丸山古墳の実測をレーザー光線を使用して行った結果約22mはずれた位置にあったことが判明した。
ガウランド氏の測量は正しかったのだが、このことが考古学界では大騒ぎになった。

 私たちは日本史の授業で古墳は当初竪穴式だったがその後横穴式に変わったと説明されており、それをただ暗記しただけだが竪穴式と横穴式の決定的な違いは、再利用(合葬)が可能かどうかにある。
竪穴式の場合は後円の真ん中に棺を埋めてしまうのだが、横穴式の場合は石室まで通路を作って一旦塞ぎ、近親者が死亡した場合は再び入り口を空けて一緒に葬る方式をとっている。

 なぜそのような再利用をしたかというと古墳を一つ作るのにも大変な費用と労力がかかるからだ。
たとえば日本最大の仁徳天皇陵は全長486mと言う途方もなく巨大な陵で、延べ人数680万人、15年の歳月をかけて建造されたと言われている。
単純計算で毎日休まずに作ったとしても1000人強の人が毎日動員されていたことになる。

 当時の日本は東夷の貧しい島国で大国中国から見たら、現在の中国と北朝鮮位の経済力格差があったはずだ。
そんな貧しい日本で世界最大級の陵墓を次々に作っていては経済的に限界が来る。
古墳は大王一人だけではなく近親者も合葬しよう。そのためには横穴式にして石室までの通路を作っておかなければならないな

 こうして後期の古墳は横穴式になったのだが、問題はこの横穴の通路を自然石で作ったことにあったのだそうだ。
同時代の朝鮮では石室はレンガでできており、エジプトでは正確に切り出した石でできている。

 日本では自然石を積み上げる方式で、番組の説明では日本人の自然信仰が自然石の石室を作った理由だと説明されていた。
確かにそうした理由もあったろうが私は単純な経済格差で、石を正確に切り出す技術もレンガで石室を造る技術もなかったので結果的に自然石の石室になったのだと思っている。

 ただし自然石と言っても最初は小粒の石だったのだだんだんと大型の石になり、結果的に長い通路の石室を作れなくなったと言う。
大王(おおきみ)、どのように設計しても巨大な後円の真ん中まで通路を作るのには石が足りません。どうか途中まででご了承ください

注)石だけは奮発して大きいのを利用するようになった。番組では巨石信仰があったためだと説明されていた。

 こうして作られたのがガウランドが実測した丸山古墳だが、その後の大王はのこの古墳を見て決心したようだ。
前方後円墳を作るのには資金がいくらあってもたらない。財政が破綻してしまう。どうせ後円の真ん中に埋葬されないなら、もう巨大な前方後円墳なんて作るのをやめて、大きな石の石室とちっちゃな円墳があれば良いじゃないか

 こうして巨大な前方後円墳の時代は終ったと言う。なんとも面白い説明で結局大和政権は墳墓と言う公共事業をしすぎて財政が破綻したと言うことだろう。

なお第1集古代エジプト、第2集古代ギリシャについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat49743035/index.html

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(24.7.9) NHK特報首都圏が報じた高額医療費問題は解決できるのか?

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 今回のNHKの特報首都圏高額医療費の問題を取り上げていた。

 私のように普段重篤な病気にかかったことのないものにとっては医療費は健康保険の3割負担で支払っており、時に「高いな」と思うことがあってもその程度で済んでいる。

 しかし今回映像で紹介された慢性骨髄性白血病の患者の場合は抗がん剤としてスプリセルという薬を投与されていたが、一錠9000円でこの薬を毎日飲まなければならないと言う。
単純計算で月に27万円だ。
これは通常の家族の月収に等しい金額でとても支払うことが不可能だろう。

 日本にはこうした高額医療費を補填する高額医療費制度(ただし正式名称は高額医療費という仕組みが国にあって、年齢別・所得別に1ヶ月間に支払う医療費の上限が決められており、それを越える分については国の補助がある。
たとえば年間所得210万円以下の70歳以下の人の場合は、限度額が35,400円を越える金額の支援があり、この患者が実際に支払っている金額は44,400円だった(金額が合わないのは他の費用がかかっているのだろう)。

 この高額医療費制度の支援を受けている人は毎年増加して、今では金額が10年前の約2倍、1兆8千億円の規模に膨らんでいて、財政硬直化の一因になっている。
もともとこの高額医療制度ができた理由は、入院して手術を受けた場合など一時的に高額の医療費を支払わなければならなくなる患者を想定していたのだが、実際はこのように慢性的な疾患を持った患者の医療費補助に変わっている。

 なぜ患者が高額医療費を支払うようになったのはがん患者が増え、手術後も長い間最近開発された副作用の少ない抗がん剤の投与が必要になったからだ。

 従来の抗がん剤は非常に副作用が強くがん細胞以外の正常細胞にまで攻撃をかけて、がんで身体が弱まっているのか抗がん剤の副作用で弱まっているのか分からないような状態になっていた。

 私もガンの治療だけは受けたくないと思ったのは会社の後輩ががんにかかり、約半年の入院治療の後死去したからだ。
その人はインターフェロンの注射を受けていたものの、注射後はほとんど意識が朦朧として投与を受けるたびに身体が弱まっていった。
がんよりインターフェロンの副作用のほうがきつそうに見えた。
こんな症状になるのなら治療を受けないほうがましだな」そう思ったものだ。

 しかし昨今は副作用の非常に少ない抗がん剤が開発されておりこうした医薬品を分子標的薬といい、遺伝子工学の成果としてがん細胞だけを標的にする抗がん剤だと言う。
とてもすばらしい抗がん剤だが、問題はほとんどの分子標的薬が高価で、患者の経済負担を超えてしまうことだ

 番組に出ていた乳がんの患者の場合はその他費用が膨らみ毎月10万円の負担をしていた。
この人はハーセプチンという標準的な抗がん剤を使用していたが、それでもこのように医療費が高額になる。

 この個人負担の増額に対処するために民間の支援機関もあるが十分な支援にはなっていないと言う。
一方国庫負担もその増額に悲鳴を上げており、早晩限界に達しそうでこの高額医療費の問題は社会問題化しそうだ(現実にしている)と番組で紹介していた。

 どうしたらいいのだろうか。ゲスト出演していた評論家の鳥越俊太郎氏は「社会全体で支える仕組みが必要で、民間の支援団体に対する寄付は税額控除すべきだ」と言っていた。
政府にこれ以上負担はかけられないので民間でサポートしようと言う案だ。
また東北大学の教授は「医薬品のうち通常の医薬品の個人負担割合を上げて、一方高額医薬品の個人の負担割合を減少さす必要がある」と述べていた。
簡単な病気の患者負担を重くして重篤な病気の患者負担を減らそうと言う案だ。

 いづれも一定の効果はあるがそれだけではこの医療費問題を解決するのは不可能だろう。
私の案は世界には日本の医療を受けたがっている外国人はいくらでもいるのだから、外国人からは十分な医療費を負担してもらい、その分日本人の医療費を低く抑える方法を検討すべきだというものだ。
いわば医療による国家の再生で、輸出産業が崩壊した後の日本の基幹産業を医療・介護部門にすえると言う案だ。


 どれが良いかはともかくあらゆる選択肢を試行してこの難問を解決しなければならないだろう。

なお、医療・介護分野を成長産業の要にする案については以下の記事に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48360072/index.html

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(24.7.8) LIBORをめぐる世界の金融機関の談合が暴かれようとしている。 世紀のスキャンダルになるか?

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 大変だ。世界の金融機関に激震が走っている。
ことの起こりは英の大手金融機関バークレーズ銀行が不正にLIBOR(ライボー)を操作したとして米英の監視機関から摘発を受け、総額360億円の罰金を支払わされたことに始まる。

 金融関連の仕事をしたことのない人はLIBORといっても何のことか分からないだろうが、世界の主要な金融機関で使用されている融資をする場合の指標金利のことである。
この金利はロンドン市場で取引している主要な金融機関の銀行間取引レートで、毎日16行の金融機関が英国銀行協会に届出をし、その平均金利として公表される。

注)正確には上位4行と下位4行を除いて、中間の8行の平均金利。金融機関は通常現金を十分に持っていないため金融機関同士で短期の資金の貸し借りをして資金繰りを付けている。その銀行間でやり取りされる金利。

 このLIBORがなぜ重要かというと、たとえば企業融資はその会社の格付にしたがってLIBOR+X%と言うように決められ、世界市場の金利設定メカニズムの根幹にあるからだ。
LIBORを基礎に決められる融資額は世界で残高が360兆ドルと言われるほど途方もなく多い。

注)日本国内では日銀の指標金利に対しX%上乗せと言うような決め方が多いが、世界ではLIBORこそが指標金利になっており、ロンドン市場やニューヨーク市場での基準金利になっている。いわば世界標準の金利。

 そのLIBORが不正に操作され、しかもそれはどうやらバークレーズだけでなく、一種の金融闇カルテルと言うようなLIBOR参加金融機関全体による不正操作の疑いが濃厚になっている。
米英当局は不正を疑われるすべての金融機関を調査しており、日本のメガバンク等もその対象だ。

 なぜこのような不正操作が始まったかというと、当初は(2005年ごろからトレーダーが利益を生み出しやすいようにLIBORを高めに報告していたからだ。
たとえばバークレーズの本当の銀行間取引レートが1%のときに、当局に2%と報告しそれが基準金利になれば、「お客さん、あなたのところLIBOR+1%ですから3%の金利になります」なんて言って実際は2%の鞘を抜くことができる。

注)トレーダーは個人ごとに収益管理をされているが、コストは実際にバークレーズが調達する銀行間取引レートが使用される。

 こうして暴利を貪っていたのだが、2008年のリーマンショックで環境が逆転した。
この時期銀行間金利が高いと言うことは信用力がないということで、たちまち市場で倒産がうわさされてしまう。
このため信用力を疑われていたバークレーズ銀行はLIBORを意図的に低く報告するようにした。
お客さん、わが行は安全です。その証拠は他行からの調達金利がこのように低いのです。金融機関相互間での信用力は抜群です

 さて問題はこうした金利操作がバークレーズ一行かと言うことだが、そのようなことはありえない。何しろLIBORは上下の8行の金利は切り捨てになるのだから、16行全体で操作しなければ何の意味もない
日本でおなじみの談合だが世界の金融機関も同じ穴のむじなだ。

 さらに2008年以降の金利操作は英国のイングランド銀行の副総裁が主導した疑惑が上がっている。
このままでは英国の金融機関の信用力は市場から見放される。いいから報告金利は低くしろ。他行にもそのようにサジェスチョンする
これで英国政府公認の談合になってしまった。

 このような世界の大手金融機関の談合体質が今暴かれようとしているが、しかし私が不思議なのはなぜバークレーズ銀行に今捜査の手がはいったかだ。
このような金利操作は昔から行われており、金融機関の裏社会では常識となっていた。
それなのにユーロが混乱を極めていて、国家も金融機関も青息吐息のときにさらに世界の金融機関を巻き込んだスキャンダルが表面化した理由はなぜなのだろうか。

 単に米英の監視当局が急に生真面目に仕事をしはじめたというのでは影響が大きすぎる。決定的な証拠のあるたれ込みが監視当局にされたのだろうか。
何か大きな深い理由がありそうだが、現状ではそれは不明だ。

注)監視当局は08年のリーマンショック時にはLIBORの問題点を把握していた。それを4年間にわたって知らないことにしていた理由が何かが分からない

なお過去のバークレーズに関する記事は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/21123-1e19.html

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(24.7.7) ヒッグス粒子が発見されたと世界中で大騒ぎだ。 物質に質量を与えるもの

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マッスルさん撮影 山崎編集

 ついに「神の粒子」と言われていたヒッグス粒子を実験で確認できたらしい。
ジュネーブにあるCERN研究所が「ヒッグス粒子と見られる新しい粒子を発見した」と発表したからだ。
各国のメディアはトップニュースとして取り上げており、上を下への大騒ぎだ。

 私のように物理学音痴にとっては、このヒッグス粒子と言われても本当はぴんとこない。
何しろ私の知識は「原子は原子核と電子からできており、さらに原子核は陽子と中性子からできている」と言う水準でとまっている。
さらに陽子中性子も分解可能で、分解された物質を素粒子というと言うことだが、「なら素粒子もさらに分解可能ではなかろうか」と思ってしまう。

 しかしどうやらこの素粒子が限界でこれ以上の分解はないらしい。
その最大の理由はこの素粒子が質量を持っておらず、光の速さで飛び回っているからで、質量がなければ物質とはいえそうもないので分解不可能ということのようだ。
素粒子は標準理論17種類存在していることになっているものの、そのうち16種類までは確認されたが、最後の一種類ヒッグス粒子だけがどうしても確認できなかった。

 「ヒッグス粒子は絶対に存在する。それを何とかして実験で確認しよう
世界中の科学者約6000名SERN研究所に集まった。

 素粒子は陽子をほぼ光の速度まで加速して衝突させると分解して出てくる。
CERN研究所では地下100m、長さ27kmの加速器を使って、本年だけで600兆回の衝突実験を繰り返し、ようやくヒッグス粒子らしき新素粒子を発見したと発表した。

 標準理論での素粒子の数は17種類で、今まで16種類の素粒子が発見され残りの一つはヒッグス粒子なのだから、発見された素粒子はヒッグス粒子のはずだ。
しかしCERN研究所は非常に慎重で、統計的確かさは99.9999%だと言う。

 実はCERN研究所は昨年ダイチョンボをやっている。「ニュートリノが光より早い」と発表したことで、本当に光より速ければアインシュタインの物理学が根底から覆されるところだった。
だがこれは実験装置の誤りだったことが分かり大恥をかいたので、今回は慎重の上にも慎重な発表になった。

注)「ニュートリノが光より早い」との発表に関する記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23928-d8f7.html

 しかしそれにしてもヒッグス粒子とは不思議な粒子だ。宇宙が誕生したビッグバン直後にはさまざまな素粒子(標準理論では16種類の素粒子)が光速で飛び回っているのだが、直後に17番目のヒッグス粒子で満たされた海ができて(抵抗が大きくなって)、光速で動けなくなって素粒子相互が結びついたという。
質量とはこの動きにくさの度合いで、反対に言えば光速で動いている素粒子には質量はない。

 
 私には分かったような分からないような話で、校庭で光速で走り回っている生徒を校長先生が「少し静かにしろ」とどやしつけて飛び回らないようにさせているような感じだ。
この校長先生をヒッグス粒子と呼ぶ」なんて小学生に説明したら理解してもらえるだろうか。

注)ヒッグス粒子の説明については前に記載した以下の記事のほうがわかりやすい。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-2015.html

 さらに今回始めて知ったのだがCERN研究所では約6000名の科学者が二つのグループに分かれてヒッグス粒子の確認にしのぎを削っていた。一つはアメリカ中心のCMFと言うグループでシミュレーションを主要な武器にしており、一方アトラスと言うグループは実験装置による実験を重視していた。

 日本の科学者も110名参加しており、上記のグループのうちのアトラスに参加して、ひたすら愚直に実験を繰り返していた。
今回の成果はもっぱらアトラスチームから得られたもので、コンピュータシュミレーションより実際の実験のほうに軍パイが上がったわけだ。
さらに言うと実験装置のうち陽子を加速する超伝導磁石とヒッグス粒子の軌跡を探るセンサー日本の先端技術が使用されていた。
イヤー、日本の技術も研究者もなかなかのものだ」感心してしまった。

 ヒッグス粒子が発見されたからと言って、私たちの毎日の生活に何も影響はしないが、何しろなぜ物質に質量があるかが実証されたのだから知識が一つ増えたことだけは確かだ。

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(24.7.6) NHKクローズアップ現代 iPS細胞による夢の医療が実用段階に入ってきた

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 国谷裕子
キャスターもよほど嬉しかったのだろう。いつもは非常に冷静な国谷氏がiPS細胞の生みの親、京都大学の山中伸弥教授を前に笑みを浮かべていた。
それもそうだろう、5年iPS細胞が山中教授によって作り出されたが、それが実際の医療現場で実用化されるまでには長い年月がかかると言われていた。
あれから5年、ついにiPS細胞で作った網膜の実用化臨床試験の段階までこぎつけたのだからたいしたものだ。

注)iPS細胞とはあらゆる臓器に変わることができる萌芽的な細胞で、これから心臓や腎臓や角膜や赤血球等人体のあらゆる細胞が人体外の研究室の中で培養できる。

 実は山中教授の作り出したiPS細胞は画期的なものだが、一つ問題があってガン化しやすいということだった。
山中教授は皮膚から採集した細胞の中に4つの遺伝子を組み込むことでiPS細胞を作り出したのだが、このとき元になるDNAの螺旋構造をいじってしまうため組み込まれた遺伝子が異物としてガン化するのだという。
この問題を解決するために山中教授のiPS細胞研究所では4つの遺伝子をDNAに組み込まず、細胞内のDNAの周辺に配置したところiPS細胞ができてなおかつガン化しないことを確認できた。

 これにより開発から5年でこんどは先端医療研究所高橋医師が実際にiPS細胞から目の網膜の細胞を作ることに成功した。
これを加齢黄班変性症という網膜の機能が喪失しほとんど目の見えない患者に埋め込んで視力の回復を図る世界初の臨床試験が来年から始まると言う。
失明まじかの80歳代の男性に施術するのだが、こうすれば現在0.06の視力が0.15程度に回復するはずだそうだ。
0.15と言えば私の視力とほとんど同じだから生活するのになんら支障のないレベルだ。

 iPS細胞はこのように再生医療に大きな飛躍をもたらしているが、そればかりではなく病気のメカニズムの解明や新薬の開発にも役立つのだとは今回始めて知った。
たとえばFOPという筋肉が骨に変わってしまう200万人に1人の割合で発生する奇病がある。
この病気の解明には変性した細胞を採取して研究をする必要があるが、患者の患部から採取すると病気が瞬く間に悪化するので、研究のための細胞が十分に入手できなかった。

 それを病気になっていない皮膚細胞から採取してiPS細胞を作ると、元のDNAに骨に変わってしまう遺伝子が含まれているため、患者から病気になっている細胞を採取しなくても十分な実験素材が入手できるのだそうだ。
iPS細胞のおかげでFOPの研究が飛躍的に進むようになり新薬の開発も可能だろう」とこの研究をしている戸口田教授が言っていた。

 またもう一つの事例は抗がん剤の研究にも応用できるそうで、ガン幹細胞をこのiPS細胞から作ることができるようになった。
このガン幹細胞とは通常のガン細胞とは異なりガンの源のようなタフな細胞で、通常の抗がん剤の投与ではしぶとく生き残り、数年後のガンの再発はこのガン幹細胞が残っているからだと言う。

 しかしこのガン肝細胞を人体から採取することは非常に困難でその結果抗がん剤の研究にも支障をきたしていたそうだ。
それがiPS細胞から自由に作れるようになって研究が一気に進んでいる。

 なんともこのiPS細胞は希望に満ちた細胞だ。
それを山中教授と言うエースを得てiPS細胞研究所で世界の最先端の研究を行っており、すでに治験段階に入っていると聞いて嬉しくなってしまった。
がんばれ、日本!!がんばれ山中教授!!」何かワールドカップやオリンピックの応援の雰囲気になってきた。
やはり研究は「二番じゃ駄目」で世界のトップを走らなければならない。このiPS細胞の研究は間違いなく人類の遺産でありそれを日本人が開発していることに誇りに思う。

注1)なお日本が医療・介護の分野で世界のトップに立たなければならない理由は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-87eb.html

注2)なお他の先端医療の事例の拡張型心筋症の再生医療については以下を参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/23112-nhk.html

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(24.7.5) 野田首相のがんばりと小沢元代表の黄昏  ようやくまともな首相を得た

P7240110_2(マッスルさん撮影 山崎編集

  3代続いた民主党政権で日本国民はようやくまともな首相にたどり着いたようだ。
鳩山氏は幼稚園児の首相のようだったし、菅氏は東日本大震災でヒステリーを爆発させただけだったので、私は民主党のあまりの人材のなさに愕然としていたが、野田首相の政権運営には感心した。

注1)鳩山氏の幼児性については以下参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/23218-9a65.html
注2)菅氏のヒステリー体質については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-c0f8.html

 民主党内部の消費増税反対勢力を抑えこみ、自民党と公明党との3党合意にこぎつけ消費税関連3法案を衆議院で通過させたのだからたいしたものだ。
この法案を通過させるには民主党と自民党、そして公明党の大連立しか方策がないことは最初から分かっていたが、今までは自民党政権も民主党政権もそれをなしえなかった。

 野田首相党内反対勢力小沢元代表を追い出す決心をすることでこの難局を乗り切った。
小沢氏らの勢力は衆議院で関連法案に反対し、その後輿石氏との茶番の会談(輿石氏は小沢氏の腰ぎんちゃくだった)を重ねた後離党したが、小沢氏に同調した離党者は衆議院37名、参議院12名の49名であり、これは当初小沢氏が予定していた人数をはるかに下回っている。

 何しろ小沢派衆参両議院で約100名の勢力を誇ってきたのに、いざ離党となってそれに同調した議員は半分だったことになる。
しかも離党した衆議院議員37名のうち一年生議員は24名で、この24名は先の民主党バブル選挙の結果のバブル議員だから、次回は落選確実だ。

 昨今の衆議院選挙ではどこがバブルの人気を得るかで勝敗が決まっている。小泉郵政選挙では自民党が圧勝し、先の鳩山アンチ自民党選挙では民主党が大勝したが、次回の選挙で小沢新党が台風の目になることはない。
日経が行ったネットでの世論調査で「小沢新党に期待しない」とこたえた割合が80%にのぼったが、次回選挙が行われればバブルの風は橋下新党もし候補者を立てれば)に吹くことは確実だ。

 その結果選挙がおこなわれれば小沢派は現在の37名から13名程度に激減して、社民党程度の政党になり国会内での勢力としては消滅してしまう。
小沢氏は離党したことで民主党内の基盤を失い、次の選挙では単なる弱小政党となり消滅する運命にある。
そうした意味で今回の野田首相の3党合意の決断は、ようやく日本の政治の中にリアルポリティックスが芽生えたと私は歓迎している。
決めるべきときに決められないのでは政治ではない。

 実際日本の財政は危機的でこれを国債発行でしのいできたのも限界に近づいている。なぜこれほどまでに財政が悪化したかの理由は税制が高度成長を前提にしているからで、法人税も所得税も増大するとの前提に予算が組まれている
しかし実際は両税とも年を追って減少しているのだから、低成長型の租税体系にならなければ財政が持たない。
そうした意味で消費税増税は必然で、長らく低成長を経験してきたヨーロッパでは租税の中心が消費税(20%前後)になっているのはそのためだ。

注)なぜ消費税増税が必要かは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/24516-b54b.html

 小沢氏は選挙で勝つことだけを目標にすえた政治家であることは確かで、細川内閣のときに大蔵省と諮って消費税増税を打ち上げている張本人だ。
だから消費税増税に反対しているのは選挙で勝つための方便で、本心で消費税増税に反対しているわけでない。

注)細川内閣のときの小沢氏の対応については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/22221110-nhk862.html

 
 野田首相をアメリカのオバマ大統領が「地味な方だがやることはやる」と評価したのは正しかった。
政権政党であれば財政改革は避けて通れない。しかもそれを実行するのは民主党・自民党・公明党との3党合意しかなく、今後の政権安定のためには大連立しかない。
野田総理はなかなかのやり手だ。小沢氏の懐刀だった輿石氏に小沢氏を説得をさせて、当然に決裂することを見越して参議院のドン輿石氏を政権内に留めた。

 これで参議院での法案通過は確実になり、さらに実質的にはこの三党で政権を運営していく基礎が固まったのだから野田首相を私は高く評価している。

なお野田内閣の事績については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45463769/index.html

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(24.7.4) NHK 「知られざる大英博物館」 第2集 古代ギリシャ 白い文明は嘘だった

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 やはりこの「知られざる大英博物館」のシリーズは出色のできばえだ。
第2集は「古代ギリシャ 白い文明の真実」だったが、古代ギリシャは白い文明とはまったく異なった色鮮やかな極彩色の文明であったことが大英博物館等の研究で明らかになってきている。

 私たちが見ているパルテノン宮殿ミロのビーナスも元は大理石の純白ではなく、色鮮やかに着色されていた。
ギリシャが白い文明だと言うのはまったくの間違いで単に時間がたって色が剥げ落ちただけだと言うのが真実のようだ。

 考古学の分野では最近科学的分析方法が格段に進歩しており、大英博物館では古代彫刻等に強いライトを当て、それを特殊なカメラで撮影すると青の色彩が浮き出てくる装置を開発していた。
トロイヘッドといわれている頭部の古代ギリシャ彫刻に光を当て装置で見ると、目の玉の部分が青く塗られていたことが分かった。
そしてアクロポリスの丘にあるエレクティオン神殿の天井も同じ方法で調べると青く塗られていた。

 さらに進んだ分析方法はドイツのリービッヒハウス美術館色彩研究で、あらかじめ色の波長のグラフを用意しておき、彫刻の表面のわずかな痕跡の顔料と波長と照合することで、色彩を再現していた。
この番組を直に見た人はいづれも度肝を抜いたのに違いない。
そこに現れた色彩は古代エジプトのピラミッドの内部を飾っていた絵画の色彩とそっくりだったからだ。

 ギリシャ文明は紀元前7世紀に突如花開きそれから約500年の間アテネを中心に繁栄したのだが、なぜこのBC7世紀にギリシャに神殿や彫刻群が現れたかの理由はギリシャ傭兵の存在による。
BC7世紀の文明地帯はエジプトメソポタミヤリビアヌビアであって、ギリシャは文明の端の野蛮人の住む地域だったと言う。
野蛮人の最大の特色は若者がやたらと戦闘的で強いと言うことで、これと同じ例はローマに対するガリアや、漢王朝に対する北方民族や、日本に対する北朝鮮と言ったようにいくらでも例がある。

 当時先進国エジプト軍隊が弱小化してまったく当てにできなかったが、一方ギリシャの若者は勇猛果敢な傭兵として知られており、エジプトのファラオは「青銅の男たちを集めよ」と命じていた。
青銅の男」とは青銅器の仮面の鎧で武装したギリシャ兵のことで、エジプトにはBC7世紀ナウクラティスという傭兵の町まで出現しており、当時のギリシャ傭兵の数は3万人を超したというから半端な数ではない。

 このギリシャ人傭兵は南方のヌビヤ、西方のリビア、東方のメソポタミアの戦闘に借り出されたが、そこでギリシャには存在しない見たこともない先進文明に兵士は触れた。
特にエジプトには3000年に及ぶ文明の蓄積があり、ピラミッドや大神殿や大彫刻に目を見張ったし、特にその鮮やかな色彩に心を奪われた。
何とか、おらがギリシャの古里にもエジプトのような神殿や大彫刻がほしいもんだ。それに思いっきり美しい色を塗たらどんなに美しいだろう・・・・

 傭兵の任期は数年だったようで任期を終えた若者はギリシャに帰ってからエジプトをまねた神殿や大彫刻を作り始めた。
またナウクラティスのようなエジプトのギリシャ人租界から多くの物資を輸入することができたのでギリシャのエジプト化は一気に進んだと言う。

 こうしてギリシャ文明はエジプト文明の賜物として発展したのだが、この事実を快く思わないヨーロッパ人が約250年前ごろから出てきた。
今から250年前と言うとヨーロッパで産業革命が起こり、西洋が東洋やオリエントやアフリカを圧倒し始めた頃だ。
なぜ産業革命がヨーロッパで始まったのか。なぜ西洋は東洋を圧倒したのか。これはもともとヨーロッパ人が世界で最も優れた人種だったからではなかろうか」と思うようになった。

 このヨーロッパ中心主義を強力に推し進めた一人がドイツの美術史家ヨハン・ヴィンケルマンで、彼はギリシャ文明がエジプト文明の模倣だと知っており、さらにギリシャ文明が極彩色溢れる文明だったことを知りながら、あえてそれを無視して言い放った。
「(ギリシャ芸術は)ギリシャ人しかなし得なかった偉業で、人類が到達した最高の芸術である

 この言葉にヨーロッパ人は舞い上がってしまった。ドイツでは19世紀からギムナジウムで古代ギリシャ語を学ぶことが義務付けられ(ヘルマン・ヘッセの車輪の下に詳しい)、あげてギリシャ熱に浮かされた。
俺たちはあの偉大なギリシャ人の子孫でエジプトやメソポタミアの野蛮人とは違

 さらにギリシャ彫刻の大理石が(色が落ちてしまったことから)純白だったので、それを見たヨーロッパ人は白こそが最も高貴で穢れない理想の色とみなすようになった。
こうしてあらゆるギリシャ彫刻やその模造品は白く磨き上げられ(色の痕跡が落とされ)、大英博物館においてさえギリシャ・ローマの集納品を真っ白にしてしまった。

注)この指示は大英博物館のスポンサーだったある貴族が職人に命じてひそかに(実際はスタッフは知っていたはずだ)実施したことになっている。

 こうして極彩色豊かなエジプト文明の模倣だったギリシャ文明は「白の文明」として、ヨーロッパ文明の基礎に据え置かれ、250年間にわたってヨーロッパ人の誇りの源になっていったという。

イヤー、実に興味深い話だ」私はうなってしまった。この大英博物館シリーズは見るたびに瞠目が開かれる実にすばらしい番組だ。

なお第一集のエジプト「民が支えた3000年の繁栄」は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-9da8.html

 

 
 

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(24.7.3) NHK  「日本のがん医療を問う」 世界最先端の医療大国になるために

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 私は常日頃から日本が21世紀に生き残る戦略は医療大国になって世界中の患者を引き受けることだと主張してきたが、今回NHKスペシャル「日本のがん医療を問う」を見て、まだまだ道半ばだなと言う感を強く持った。

 日本では今から5年前に「がん対策基本法」が制定され、日本全体にがんの拠点病院を整備して「日本のどこにおいても世界で標準とされているがん治療をできる」ことを目標とした。
そして5年後の現在397箇所の拠点病院は設定されたものの中身はまだまだと言う状況のようだ。

注)5年前には拠点病院がない県が3県あった。

 日本は世界にまれに見る高齢化社会で老人が圧倒的に多く、その分がん患者が多い。年間70万人が発病し、死亡原因の二人に一人ががんだという。
いわば世界に冠たるがん大国なのでその対策が問われてきて、がん対策基本法もその対策の一環であるが、せっかく設定された拠点病院ごとの格差が大きいのが問題だと言う。

 拠点病院では内科・外科・放射線技師・抗がん剤担当医等のチーム医療がなされることになっているが、特に抗がん剤担当医が不足していて多くの地方にある拠点病院がチーム医療ができていない。
たとえば和歌山県には6つの拠点病院があるが、抗がん剤の専門医がいるのは1箇所だけで、他の病院には専門医がいない。

 実は専門医の育成は時間がかかり年間200人程度しか育成できないので、現在まで1000名程度の育成が終ったが、本当に必要な人数は約2000名だという。
現状では目標までは5年程度の時間がかかると番組に出ていた国立がん研究センター堀田教授が言っていた。

 また新潟県の事例では拠点病院といってもレベル差がおおきく、国立がんセンター新潟に難しいがん患者が殺到していた。
他の拠点病院では満足できる説明や治療を受けられなかったのがその理由だが、医師のレベル差が大きく、標準的な高度の治療と言うわけには行かないようだ。

 しかしこのあたりになると、私でも通常近くの病院を選ぶ場合に、知人から知識を得たりインターネットで検索して病院の評判を確認してからかかっている。
ただしこれは手間隙かかる方法で、自らチェックをしなくて済む様に「がん対策基本法」では医療登録制度を設けすべての拠点病院の治療結果国立がん研究センターに集めて分析し公表するようにしていた。
この病院の○○がんの治癒率は高く優秀な病院だ」とか「この病院では標準的な治療をしていない」等の情報を与えるためだが、残念ながら登録情報に不足があって治癒率については正確な情報が得られていないのだそうだ。

 なぜ正確な治癒率が分からないかと言うと、拠点病院の治療結果は分かるのだが、患者が病院を変えてしまった場合は(抗がん剤の治療は近くの病院で行う等)データが得られなくなり、また最も重要な術後生存率の情報が死亡時期が不明のために分からないのだと言う。
この死亡を確認するためには住民票の確認が必要になるが個人情報保護の観点から情報を地方自治体が出してくれないのだそうだ。
通常手術後5年間生存すればその手術は成功とみなされるが、せっかく手術や抗がん剤治療をしてもそれが成功したのか失敗したのか分からないと言う。

注)あまりに個人情報保護法の取り扱いが硬直的なため、厚生労働省では法律を改正して術後死亡率を自治体から教えてもらう変更を検討していた。

 また一般的な胃がんや大腸がんはともかく、小児がんのような年間発生件数が2500人程度の症例が少ないがんについては、すべての拠点病院で対応するのではなく10箇所程度に集約してそこで集中的に小児がん患者を見るように今回見直しをすると言う。
そうしないと執刀医がまったく小児がんを知らずに専門書を確認しながら手術をすることになり、生き残る命も生きながらえることができなくなるからだと言う。

 私がこの番組を見て最も残念に思ったのは、滑膜肉腫と言う特殊ながんに対する抗がん剤の開発が日本では不可能でアメリカで臨床試験をしているとだった。
この抗がん剤を開発したのは東大の中村教授だが、厚生労働省に臨床試験の申請と補助を求めたところ、臨床例が少ないからとの理由で却下されてしまった。

 中村教授は仕方なしにアメリカのシカゴ大学に移り、そこでアメリカの国立がん研究所の支援で臨床試験を行っていた。
私はまったく知らなかったが日本では臨床試験を行うことが非常に難しいらしい。
新薬の研究については文部科学省と経済産業省が後押しをしてくれるのだが、臨床試験とその結果の審査・承認は厚生労働省が行い、研究から開発にいたる流れが途切れていて厚生労働省が待ったをかけていることが多いようだ。

注)臨床試験には多額の費用がかかるため、厚生労働省は多くの患者が見込まれる新薬にしか臨床試験を認めない。せっかく文部科学省が後押しして実施した画期的な研究も日の目を見ることがない。

 厚生労働省主体の開発でないため、他の省の成果になる新薬承認には積極性がなく、それよりも副作用等で訴えられないように承認には消極的になっている。
それでも「がん対策基本法」ができたおかげでかつては10年かかっていた新薬承認が今では1年2ヶ月に短縮したのだから相応の成果はあがっている。

 それにしても残念なことだ。日本人が開発し、また日本国内にその臨床試験に応じたい患者がいるのに厚生労働省は予算措置との関連で待ったをかける。
アメリカでは国立がん研究所が研究から承認まで一貫して権限を持っており、臨床試験の予算規模は800億円だと言う。
これはアメリカが医療産業を戦略的に支援しているからに他ならない。

 何度も言うが日本の21世紀の成長産業は医療・介護以外には考えられない。何しろ老人大国で患者数は世界最高にいてしかも次々に病気になるのだからこれこそが最高の成長産業だ。
それなのに日本には医療産業を国家戦略として育成する意思が弱く、各省庁が縄張り争いをして臨床試験一つをとってもアメリカに遅れているのはなんとも残念なことだとため息が出た。

なお私が常日頃から言っている医療・介護産業を成長産業の中心にすげるべきだとの主張は以下の記事を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-03c8.html

 

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(24.7.1) NHK「首都圏ネットワーク」の老人対策のミスリード 最も貧しく孤独なのは老人か?

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 私はNHKの愛好者でNHK以外のチャネルはスポーツか映画以外は見ないのだが、そんなNHKフリークの私でも時に違和感を感ずる番組がある。
今回「首都圏ネットワーク」で放映された「あたらしい老後と死は? 無縁社会の中で」は明らかにNHKのミスリードではないかと思われた。

 日本全体が世界最速の高齢化社会に突入し、一人暮らしの65歳以上の老人がこの20年間で3倍、約500万人に達し、その介護のあり方が問われていると言う。
日本の介護保険制度は家族の介護を基本としてそれを補助する仕組みだが、そもそも家族が存在しない年寄りが増大してそのケアを家族でなくNPO法人が担うようになって来ていた。

 コメンテイターで出演していた経済評論家の内橋克人氏は「家族介護が崩壊した以上、北欧型のデイセンター、ケアセンター、介護センターの仕組みを早急に整備しなければならない」と強く主張していた。
だが、日本にそのように更なる老人対策を強化する余裕があるのだろうか。

 日本の財政は世界最悪で国家予算の半分は国債でまかなっており、ようやく野田内閣が消費税の増税に取り組んでいる状態だ。
EUではギリシャ、キプロス、アイルランド、ポルトガルと言った国が実質倒産し今スペインイタリアが倒産しようとしている。
アメリカでは地方公共団体の倒産が相次いでいるが、このように次々に国や自治体の倒産している時に、世界最悪の財政状況の日本で一層の老人保護対策に取り組むことが緊急の政治目標だろうか。

 さらに言うと日本の老人は層としては世界で最も裕福で、約1500兆円の個人資産のほとんどは老人が保有している。
内橋克人氏も言っていたが「世界の中で資産1億円以上の金持ちの6分の1は日本人である」のが実態で、なぜそうなったのかは現在の老人が高度成長期の恩恵を一身に受けているからだ。

 当時は株式や土地を持っていればそれだけで裕福になれた時代で、また企業も終身雇用を守っていたので引退した後は厚生年金企業年金で十分生活できている。
もちろんどの時代にも落ちこぼれはいるから、番組で紹介されていたように生活保護費をかてに山谷の通称どや街で暮らしている人はいる。
しかしそうした人も14万円相当生活保護費を得ているのであって、これはコンビニ等で働いている若者の給与とほぼ同じだ。

 私がこの番組に対し最も違和感を持つのは、老人はすべて貧しく不幸で孤独だとの前提に立って老人問題を扱おうとするからで、実際は裕福で海外旅行や登山を楽しみ多くの友達と食事会をしている老人のほうが多い。
私の周りの老人を見てもそうした老人のほうが多く、なぜか貧しいのは私だけではないかと思うほどだ。

 考えても見てほしい。なぜこれほどおれおれ詐欺が蔓延し、いとも簡単に老人が大金を盗まれるのか。なぜ山で遭難する人の割合は老人が圧倒的なのか。
金がなければそもそもおれおれ詐欺の餌食になることはないし、登山者が老人ばかりになっているから遭難が多発しているに過ぎない。

 一方この番組を見て私が感心したのはNPO法人のがんばりだ。
病院から追い出され(現在は医療行為が完了すれば退院を迫られ、かつてのような養護老人ホーム的な扱いをしてもらえない)、一方養護老人ホームに入れない年寄りを対象に、あるNPO法人が首都圏で130箇所の施設を運営し、4000名あまりの老人の面倒を見ていた。
なんとすばらしい取り組みだ」私は感心したが、番組を見たコメンテーターの一人の宮本さんは、「食事が老人向きでない(いわゆるコンビニ弁当)」と疑問を呈していた。

 確かにそうした手の届くような対応ではなかったが、一方で養護老人ホームに入れない老人をNPO法人が支えているその努力のほうがすばらしく、食事が老人向きでないことぐらいは我慢の範囲と私には思われる。
またNPO法人が身寄りのない老人の身元引受までして病院から退院させていたが、親兄弟や親戚のない老人は退院するにも身元引受が必要らしい。

 行政と崩壊した家族の谷間をNPO法人が埋めているわけで、日本的な取り組みとして(行政の対応は費用がかかって実質的に不可能だから)こうしたNPO法人を育成し支えていくことが、日本の老人対策ではないかと私には思われた。

 繰り返すが現在の日本の最重要課題は豊かな老人の更なる老人対策ではない。最も貧しいのは老人ではなく若者であり、若者が就職にもつけずコンビニ等でバイトをしながら細々と暮らし、子供を作ることもできない現状のほうがもっと緊急の課題だ。
貧しく孤独な老人がいることも確かだが、そうした老人はNPO法人の力を借りてささえ、一方国や地方自治体の資源は若者対策に投入すべきだと言うのが、私がこの番組を見た率直な感想だ。
そうした意味でこの「首都圏ネットワーク」の番組はミスリードだと思われた。

注)なお日本の生活保護政策についてもかなりな問題があるがその問題点については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231214.html

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(24.7.1)  クローズアップ現代 サイバー攻撃でインフラが乗っ取られている。

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 サイバー戦争
はとうとうインフラ(発電所、ダム、橋梁、石油精製施設、鉄道、航空機等)の制御システムを狙いだした。
従来のハッキングはシステムに侵入してそこにある情報を盗み出すことを主目的にしていたが、現在はインフラの制御システムを破壊してインフラそのものが誤作動したり動かなくしたりするのを主目的にし始めたとクローズアップ現代が報じた。

 従来制御システムは安全でハッキングされないものと思われてきたが、その理由は、① 制御システムのOSは独自なもので、当該企業以外には知られていないこと、② ネットワークに接続されておらず、スタンドアロンなため外部からの進入が不可能、だからと言われてきた。

 今この前提条件が崩れていとも容易にハッキングされる状況に変わっている。
①の独自のOSから、現在はWindowsやUNIXのような世界中で使用されているOSに変わり、②インターネットに接続してリモートでメンテナンスができるように変わった、からだ。

 それなのに制御システムの作成者はかつての安全だった時代の精神のままにシステム開発を行っているので、簡単にパスワードが破られたり、制御プログラムが書き換えられている。
特に有名なのがイランの核関連施設の制御システムを狙ったサイバー攻撃で、仕掛けたイスラエルのモサドはイランのウラン濃縮装置の稼動を一時ストップさせることができた。

注)モサドによるイランの核濃縮装置の破壊活動の詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/23127-nhk.html

 それ以外でもオーストラリアの下水道処理施設の制御システムがのっとられて、下水道を詰まらせたり汚水を溢れさせている(下水道の水門を閉じたのだろう)。
アメリカでは原子力発電所の監視システムがのっとられて稼働状況が一時分からなくなってしまった。
日本の事例はある工場の生産システムがのっとられてほぼ一日生産ラインを止められた。

 こうしたハッキングはすべて制御システムといわれるシステムに侵入して、そこのプログラムを改ざんして工場の稼動を止めたり、ウラン濃縮施設を動かなくしていることに特色がある。
いわばインフラそのものの破壊工作だ。

 アメリカには制御システム専門のセキュリティー会社があり、何度もその脆弱性を指摘したが(そして当社と契約を結ぶように説得したが)、企業がまったく無視したので、ついに最後の手段として制御システムの攻撃プログラムを公表してしまった。
会社名はデジタル・ボンド社という会社で従業員は6名だが、いずれも名だたるハッカー集団である。
俺の会社と契約しろ。そうしないとハックさせるぞ」すごい脅しだ。

 今回このデジタル・ボンド社に標的にされた日本企業は光洋電子工業で(他に世界中の制御システム関連会社が脅された)日本有数の(自動車や半導体製造のための)制御システムの開発メーカーである。
大変だ、わが社の制御システムの弱点が世界中に知れ渡ってしまう。自動車産業や半導体産業の操業が止ったり、誤作動を起こしたら賠償問題になってしまう」上を下への大騒ぎになってしまった。

 一旦インターネット経由でパスワードを破られてしまうと、後はいかようにもプログラムを改ざんされてしまうから、当面の措置としてインターネットから切り離しを行ったこうすると外からの進入は防げるが、一方光洋電子工業はリモートでの監視やメンテナンスができなくなるから、問題が起こるたびに担当者を世界中に派遣しなくてはならなくなる)。

 デジタル・ボンド社の脅しは相当なものだが、これで世界中の制御システム製作メーカーがいっぺんに目が覚めた。
なおこの会社のSECはアメリカの情報部門の出身だから、これはどうやらアメリカ政府公認の脅しで、このままでは世界中の制御システムが中国のサイバー攻撃の餌食になることを恐れたのだろう。

注)中国は人民解放軍の中にハッキング専門部署があり、世界中のシステムから情報を盗んでいるが、それが次の段階のインフラ攻撃に移ることをアメリカ政府は恐れたのだと思う。
なおアメリカと中国のサイバー戦争は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/2397-0263.html

 
 
また制御システムではないが日本の主要企業に対する中国のハッキングは常時行われており、特に防衛関連企業の情報が盗まれている。
いまやセキュリティーは企業にとって必須の防御システムになっているが、制御システムまでが乗っ取られて、インフラが誤作動したり破壊されたりする時代になったわけだ。

サイバー戦争が新時代に突入したと言える。

注)防衛産業に対するハッキングの実態は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23923.html

また
公共インフラをハッカーから守る方法は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231120.html

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