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(24.7.1)  クローズアップ現代 サイバー攻撃でインフラが乗っ取られている。

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 サイバー戦争
はとうとうインフラ(発電所、ダム、橋梁、石油精製施設、鉄道、航空機等)の制御システムを狙いだした。
従来のハッキングはシステムに侵入してそこにある情報を盗み出すことを主目的にしていたが、現在はインフラの制御システムを破壊してインフラそのものが誤作動したり動かなくしたりするのを主目的にし始めたとクローズアップ現代が報じた。

 従来制御システムは安全でハッキングされないものと思われてきたが、その理由は、① 制御システムのOSは独自なもので、当該企業以外には知られていないこと、② ネットワークに接続されておらず、スタンドアロンなため外部からの進入が不可能、だからと言われてきた。

 今この前提条件が崩れていとも容易にハッキングされる状況に変わっている。
①の独自のOSから、現在はWindowsやUNIXのような世界中で使用されているOSに変わり、②インターネットに接続してリモートでメンテナンスができるように変わった、からだ。

 それなのに制御システムの作成者はかつての安全だった時代の精神のままにシステム開発を行っているので、簡単にパスワードが破られたり、制御プログラムが書き換えられている。
特に有名なのがイランの核関連施設の制御システムを狙ったサイバー攻撃で、仕掛けたイスラエルのモサドはイランのウラン濃縮装置の稼動を一時ストップさせることができた。

注)モサドによるイランの核濃縮装置の破壊活動の詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/23127-nhk.html

 それ以外でもオーストラリアの下水道処理施設の制御システムがのっとられて、下水道を詰まらせたり汚水を溢れさせている(下水道の水門を閉じたのだろう)。
アメリカでは原子力発電所の監視システムがのっとられて稼働状況が一時分からなくなってしまった。
日本の事例はある工場の生産システムがのっとられてほぼ一日生産ラインを止められた。

 こうしたハッキングはすべて制御システムといわれるシステムに侵入して、そこのプログラムを改ざんして工場の稼動を止めたり、ウラン濃縮施設を動かなくしていることに特色がある。
いわばインフラそのものの破壊工作だ。

 アメリカには制御システム専門のセキュリティー会社があり、何度もその脆弱性を指摘したが(そして当社と契約を結ぶように説得したが)、企業がまったく無視したので、ついに最後の手段として制御システムの攻撃プログラムを公表してしまった。
会社名はデジタル・ボンド社という会社で従業員は6名だが、いずれも名だたるハッカー集団である。
俺の会社と契約しろ。そうしないとハックさせるぞ」すごい脅しだ。

 今回このデジタル・ボンド社に標的にされた日本企業は光洋電子工業で(他に世界中の制御システム関連会社が脅された)日本有数の(自動車や半導体製造のための)制御システムの開発メーカーである。
大変だ、わが社の制御システムの弱点が世界中に知れ渡ってしまう。自動車産業や半導体産業の操業が止ったり、誤作動を起こしたら賠償問題になってしまう」上を下への大騒ぎになってしまった。

 一旦インターネット経由でパスワードを破られてしまうと、後はいかようにもプログラムを改ざんされてしまうから、当面の措置としてインターネットから切り離しを行ったこうすると外からの進入は防げるが、一方光洋電子工業はリモートでの監視やメンテナンスができなくなるから、問題が起こるたびに担当者を世界中に派遣しなくてはならなくなる)。

 デジタル・ボンド社の脅しは相当なものだが、これで世界中の制御システム製作メーカーがいっぺんに目が覚めた。
なおこの会社のSECはアメリカの情報部門の出身だから、これはどうやらアメリカ政府公認の脅しで、このままでは世界中の制御システムが中国のサイバー攻撃の餌食になることを恐れたのだろう。

注)中国は人民解放軍の中にハッキング専門部署があり、世界中のシステムから情報を盗んでいるが、それが次の段階のインフラ攻撃に移ることをアメリカ政府は恐れたのだと思う。
なおアメリカと中国のサイバー戦争は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/2397-0263.html

 
 
また制御システムではないが日本の主要企業に対する中国のハッキングは常時行われており、特に防衛関連企業の情報が盗まれている。
いまやセキュリティーは企業にとって必須の防御システムになっているが、制御システムまでが乗っ取られて、インフラが誤作動したり破壊されたりする時代になったわけだ。

サイバー戦争が新時代に突入したと言える。

注)防衛産業に対するハッキングの実態は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23923.html

また
公共インフラをハッカーから守る方法は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/231120.html

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