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(24.6.9) 薄 熙来失脚の激震はどこまで拡大するか ネットメディアの世論操作

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 中国では汚職が常態化しており権力者と汚職は同義語だが、さすがに重慶市市長薄 熙来(はくきらい)氏失脚後のその後の情勢はなんとも生々しすぎる。
薄 熙来氏の妻の谷開平氏がイギリス人の実業家(実際はマネーロンダリングのコンサルタント)のニール・ヘイウッド氏を殺害した容疑で逮捕されたり、薄 熙来氏夫妻が海外に数十億ドル数千億円)の隠し資産を持っていると報道されたりしていたが、今度は薄 熙来氏暴力団追放運動が、実際はつみもない人を貶める謀略だったと暴かれ始めた。

注)薄 熙来氏の重慶市での暴力団追放運動とその後の逮捕劇についての詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-00cc.html

 李荘氏は弁護士だったが、暴力団追放運動の一環として地元企業家が暴力団との関係を指摘されて逮捕された案件で誤認逮捕だとの論陣を張ったが、おかげで1年半の懲役刑を受けた。
ところがこの弁護士を懲役刑にするために重慶当局が李荘氏を偽証罪で逮捕し、さらに重慶市当局と官営ネットがひそかに秘密会合を開き有罪を偽装していたことがばれた。

 この秘密会議の議事録が外部に漏れたのだが、重慶当局が新華社や人民日報と言った官製サイトの責任者を呼びつけて、李荘氏のネガティブキャンペーンを展開させ、それに協力する政府側識者の名簿を渡してコメントを取るように指示していた

 「なんとしても李荘を有罪にするためにネットを総動員しろ。李荘の悪口を集めて、反対に擁護するコメントはすべて抹消しろ。必要があれば資金も提供しよう

09年の12月の段階の話だが、なぜこのようなキャンペーンが必要かというと、李荘氏自身も権力者の庇護の下にいた人物で海外メディアとも親しかったからと言うのが理由だ。
一筋縄では逮捕できないので世論を誘導して逮捕してしまえと言うことだ。

 通常共産党組織は内部でどんなに熾烈な権力闘争があっても外部には何事もなかったように偽装するものだが、薄 熙来氏関連の情報は外部に漏れっぱなしだ。
どう見てもこれはおかしい。権力闘争が直に大衆の目にさらされている。

 薄 熙来氏失脚事件には薄 熙来氏が指導した毛沢東路線(全員が貧しくとも平等でいようと現政権の鄧小平路線(知恵と能力のある人は先に豊かになろうの対立と、太子党共青団派との対立の二重構造が見て取れる。
何かとても複雑な権力闘争だ。

注)太子党と共青団の闘争は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/22112-ca1f.html

 薄 熙来氏毛沢東路線太子党であり胡錦濤主席温家宝首相鄧小平路線共青団派で、次期主席になると言われている習近平氏鄧小平路線太子党だ。
現在の状況は胡錦濤主席習近平氏がタッグを組んで毛沢東路線薄 熙来氏一派を根こそぎ追い落とそうとしている。
「また昔の文化大革命になって走資派として殺されるのはとんでもない。毛沢東路線は早めにつぶそう

注)薄 熙来氏と親密な仲をうわさされた雲南省の副省長2名が辞任に追い込まれている。


 だが、本当の意味での対立軸は共青団派と太子党の対だ。

もともとこの秋には胡錦濤氏率いる共青団派が退き習近平氏の太子党の天下になるはずだったのに、何か共青団派の巻き返しが発生しているようだ。

 中国の内部ではひどい権力闘争に明け暮れているためとても外部への対応ができそうもない。
石原都知事の尖閣諸島購入発言になぜ中国がかつてのような反日キャンペーンを組織できないかとても不思議だったが、それどころではないと言うことのようだ。

そして今回の騒動で中国におけるネットメディアの締め付け方法がよく分かった。

 私は中国当局のネット締め付け方法はアンチ中国的なサイトを片っ端から閉鎖するのだと思っていたが、必ずしもそれだけではないらしい。
サイトといっても新華社系人民日報系官製サイトもあり、こうした官製サイトを通じて世論操作をするのは当然だが、一般的に政府とは関連していないと思われる人気サイトについては金をつかまして誘導していることが暴露された。
中国のネットの実態がかいま見られたが、なんとも露骨な話だ。

注)ネットの締め付け方法については日経産業新聞が報じている。具体的な内容は以下参照。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD06052_W2A600C1000000/

 
 



 

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