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(24.6.28) 知られざる大英博物館 第1集 古代エジプト 民が支えた3000年の繁栄

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  注目すべき番組が始まった。NHKの「知られざる大英博物館」と言う番組で第1集は古代エジプトがテーマだった。

 古代エジプトは実に魅力が溢れているが、驚くべきことはなぜ古代エジプト文明が3000年の永きにわたって繁栄したかである。
中国は4000年の歴史と言うが、元や清は異民族の王朝だし、古代ローマだって西ローマが滅びるまでなら約1000年、東ローマが滅びるまでなら約2000年の歴史である。

 なぜこんなにも長く古代エジプト文明が繁栄を続けたのかの謎を解くため、大英博物館パピルスの解読を進めている。
私はまったく知らなかったが、古代エジプトには2種類の文字があった。
一つは神聖文字と言ってファラオの言葉をつづった文字だが、もう一つ庶民が使っていた民衆文字があった。
日本で言えば漢文ひらがなのような関係で、庶民はこの民衆文字を使いこなしていた。

 神聖文字の解読は1822年にシャンポリオンによってなされていたが、現在この民衆文字の解読が進みエジプト庶民の生活が明らかになってきた
今回紹介されたケンヘル・ケプシャフ氏は今から3200年前のエジプト文明中期に生活していた人で、多くの手紙や会計簿や教科書や日記を残した人だ。

 ケプチャフ氏は幼児期から父親から生きるための極意を教えられ、それを忠実に守ってきた。
いいか、ぼうず。勉強をするんだ。そうしたら書記になれる。俺たち庶民がいい生活をするためには書記になるのが一番だ

 私は今まで書記とは会議の書記係かと思っていたが、古代エジプトでの書記とは公務員のことである。
トップにはファラオ、そして次の階層は貴族だったが、その下に古代エジプト政府を支える公務員の集団がいた。
そして実際に古代エジプト政府の実務を支えていたのはこの公務員だったが、この公務員は公募されていたらしい。

注)放送ではすべての公務員が公募だったか否かは分からなかったが、少なくとも一定数の募集はあったようだ。

 なにか現在の国家公務員試験みたいだが、神聖文字民衆文字、それに数学を受験者は熟知していたようだ塾のようなところで学んでいた
ケプシャフ氏はまじめに勉強をして晴れて書記になったのだが、この前途有望な青年は当時の女性の憧れの的だったらしい。
女性からのラブレターが残っている。
ああ、神様、願いをもしかなえてくださるなら私はあの人(ケプシャフ)の元に駆けつけ、誰はばかることなくキスをしたい

 ケプシャフ氏の職場はルクソールにあった王家の谷の陵墓の建設主任だったようだ。上司は口うるさく部下はちっとも言うことを聞かず、ケプチャフ氏は不眠症になるほどストレスをためていたことがパピルスに記載してある。

上司の命令には逆らうまい。時にはためになることも言っているのだから・・・(すごい皮肉だ)」

コンスのやつ、誕生日だとか言って2日間も欠勤するとは、なんてやつだ。陵墓の建設がはかどらないじゃないか。それにさそりに刺されたとか、二日酔いだとかで欠勤するやつもいて、俺はどうしたらいいんだ・・・・」

 ケプチャフ氏はこうして中間管理職の苦悩を背負いながら、最後はかなりの地位まで上り詰めて60歳代後半に他界した。
今から3200年前の公務員の悩みと人生がこんなに明確に分かるのは驚きだ。

 このケプチャフ氏の人生行路を見てみると、当時のエジプトはかなり高度に洗練された社会であったことが分かる。
勉強をすれば公務員になって中産階級になれるし、そうならなかった庶民は労働者だが適当に理由を付けて仕事をサボることができた。
恋愛し結婚し子供を作るのが人生よ」そんな生活を謳歌していたみたいだ。

注)中産階級になると王や貴族と同様にワインを飲むこともできたし、品質を少し落としたミイラを作ることもできた。

 かつて私が見た十戒のような映画では民衆はファラオの奴隷で鞭を打たれながらピラミッドの建設をしていたが、実際はファラオは庶民に給与を払っていたし、庶民は適当に仕事をサボりながら人生を楽しんでいたようだ。

注)前に見たドキュメンタリー番組ではピラミッドの建設は冬季に仕事がない庶民のための公共工事だと説明していた。

 エジプトではファラオといえども庶民を痛めつけたりはせず、を公開して農業生産の後押しをしたり、医療情報を公開して社会保障政策を行ったり、数学の教科書を広く学ばせ学問のレベル維持に努めていた。
ファラオはみなのために多くの有益な情報を与える。だからお前たちも王のために働いてくれ。賃金も奮発するぞ」なんて関係だったようだ。

 このエジプトのイメージはかつて高校でならった世界史のそれとはまったく異なる。そこでは古代奴隷制社会と言う概念で説明され、民衆はすべて奴隷だったように描かれていたが、考えてみればそんな社会が3000年も続くはずがない。
庶民の再生産(結婚し子供ができて)があって初めて社会が安定するので、奴隷として片っ端から重労働で殺してしまってはロシアのラーゲリ北朝鮮の収容所のようなもので、今いる人間が死に絶えたらおしまいだ。

なるほどね、古代エジプトの生活もなかなかのものじゃないか」今回この番組を見て感心してしまった。

注)私が文明の進歩史観(歴史は常に進歩する)に疑問を持つのはこうした過去に途轍もなくすばらしい文明があるからだ。文明は生まれ、成長し、そして衰退すると言ったトインビーの歴史観のほうが正しいのではないかと思っている。

なお、古代ローマ史については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44866001/index.html

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