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(24.6.7) NHKスペシャル  コンピュータ革命  最強・最速の頭脳誕生  二番じゃだめだ

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 蓮舫(れんほう氏が「二番ではいけないのですか」と言ったコンピュータの世界で、日本が計算能力で再び世界一になった。
理化学研究所富士通が共同で開発した「京(けい)」の誕生である。
この分野では日本はアメリカと中国に追い抜かされていたが、8年ぶりに世界一に輝いた。

 私はなんとなく嬉しくなったが、問題はスーパーコンピュータ「」を何のために開発したかだと思う。ただ早いだけでは蓮舫氏は納得しないだろう。
番組ではこれにより画期的な抗がん剤の開発が可能だと説明していた。
説明ではたんぱく質には一種の鍵穴があり、これにぴったりとはまり込む化合物を見つけ出すことができれば、それが抗がん剤になるという。
ところがたんぱく質は数万種類、化合物は数百万種類あって、従来のコンピュータでは調べるのに3年要したが、「」ならば1日で計算しつくしてしまうという。
なるほどね、早く計算できるということは重要なことなんだ」納得した。

  また予測型防災システムの開発も可能になるという。日本のように常に地震が発生する国では開発が待たれるシステムだ。
たとえば100万人分の個人情報と道路・鉄道・避難場所等の地図情報、それに建物の構造情報等があれば、地震発生時にその人にとって最適な避難路を誘導できるという。
最もそうしたデータをコンピュータに入力できたらという前提つきだから、何らかの自動的に集まるセンサー情報等がないとうまく稼動はしないのではないかと思われる。

 さらに富士通の研究所では東大と共同で病人のバーチャル心臓を画面上に作り出して、画面上で手術をしたり薬の効果を試す実験を行っていた。本番の手術の前にバーチャルに試行錯誤ができるという。
心臓の1拍に約5億の情報が必要とのことだから「」でなければとても計算できないデータ量だ。

 早く計算できるということは先日NHKのクローズアップ現代で取り上げていたビッグデータの処理ができるということだが、問題はいかにして多量のデータを集めるかにかかっている。
手で入力しているようではまったく駄目で、パソコンの通信情報や携帯電話の通話情報、高速道路のセンサーやスイカ等のデータのようにシステム的に集められる情報がターゲットになりそうだ。


 日本では「」のようにより早く計算できるコンピュータの開発が盛んだが、アメリカのIBMでは人工知能を使ったより賢いコンピュータ「ワトソン」の開発に成功していた。
人口知能に学習効果を持たせるのだが、「ワトソン」では機械学習という子供に勉強を教える方法でワトソンを賢くしていた。教育すればするほどだんだんと賢くなる。

 私もかつて30年ほど前に、この人工知能について大変興味を持ったが、その頃の人工知能は幼児並みでとても賢いと言うレベルからは程遠かった。
一体いつになったら人工知能が人間並みになるのだろうか・・・・
そう思っていたがついに人間のレベルを凌駕し始めたらしい。

 ワトソンは金融や法律や医療の分野で活用可能だ。
たとえば医療分野の実験では今までの膨大な患者のデータや診療のデータをワトソンに覚えこませ、医者が患者の症状を言うと、その言葉を理解して可能性の高い病名と治療法を回答していた。

これなら何百人の医者に診断を仰いでいるのと同じだね」ワトソンを操作している医者の言葉だ。

 またワトソンではないが人工知能を使った金融システムはすでに実用化されていて、あるヘッジファンドの取引はすべてこの人工知能が行っていた。
現在の金融取引の約7割は人工知能が担当しており、取引の判断は1000分の1秒だと言う。

注)現在東京証券取引所等では高速のコンピュータを導入しているが、これはヘッジファンドの1000分の1秒の注文を処理できなければその取引所は利用されなくなってしまうため。

 
金融システムは1000分の1秒単位で取引を繰り返すようにプログラムしているため、時に信じられないようなコンピュータの暴走が発生している。
2010年5月6日のフラッシュ・クラッシュ
瞬間暴走)が特に有名で、このときニューヨーク市場で理由不明の暴落で約86兆円の損失が一時的に発生していた。
今でも小さなフラッシュ・クラッシュは起きているとのことで、コンピュータどうしの相場の取引はまだ人間同士の取引を完全に解明したわけではなさそうだ。

 こうして高速のコンピュータでは日本の「」が世界をリードし、賢いコンピュータの分野ではアメリカのワトソンが世界をリードしている。日本は日本的にそしてアメリカはアメリカ的にがんばっている。
しかしなんとも希望に満ちた時代が目の前に出現しそうだ。
今は「」も「ワトソン」も研究所での使用が主体だが、そのうちに私たちも何気なく利用できる時代が目の前に迫っている。

 今はまだお粗末な翻訳システムや外国人との会話システムも実用化の時代に入るだろうし、耳が聞こえなかったり目が見えなくても脳波での会話ができるようになったり、東大入試の数学はコンピュータがたちどころにといてくれる時代がすぐそこに来ている。
もう少し長生きしてそうしたコンピュータ革命を見てみたいものだ。

 なおビッグデータ革命については、「クローズアップ現代 ビッグデータ革命」を参照してください。

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