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(24.6.2) アメリカ人に生まれると歯の治療もできない  歯科医療の現状

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 日本人に生まれて本当に幸せだと思ってしまった。
先日ワールド・ウェーブ・トゥナイトの特集で報道されたアメリカの歯科医療の現状のレポートを見た感想である。

 アメリカでは現在貧富の差が拡大していて年収150万円以下の貧困層4620万人、率にして約15%にも達しているのだそうだ。
最も貧困層の発生は先進国共通の現象で、今まで中間層といわれていた工場労働者がいなくなり(新興国に工場が誘致されたため)、高所得の医者や弁護士や会計士やトレーダーといった職業と、時給数百円のマクドナルド等の販売員しかいなくなってしまったからだ。

 こうした貧困層は医療保険に入っていないため病院にいくことができず、たとえば歯の治療が必要でも歯医者には10年間も行っていないと言うような人が続出しているという。

 番組では歯医者によるボランティア治療の模様(体育館で行っていた)が映し出されていたが、このときとばかり患者が殺到し2日間で2000名あまりの無料診療が行われていた。
通常の治療をして1500ドル(12万円)もかかる治療はとても無理で、アスピリンで痛みを抑えている患者が多く、無料診療だけがよりどころになっている。

 またメキシコ国境近くに住んでいる人は、国境を越えてメキシコで治療を受けると、アメリカ帰りのメキシコ人医師がアメリカの約3分の1の価格で治療をしてくれるので、メキシコに殺到していた。
3分の1ならば私の医療保険の自己負担率30%とほぼ同じだから、保険に入っているのと同じことになる。

 アメリカではオバマ大統領国民皆保険を公約に当選したが、共和党の大反対にあって法案は骨抜きにされた。
低所得者向けのメディケイドという保険制度の拡充と、メディケイドの対象にならない低所得者への補助金の増大で議会と妥協したが、この妥協もティー・パーティーと呼ばれる保守層の猛反発を受けている。
また実際にメディケイドを実施している州の財政も大赤字でこの連邦政府の決定も州には届かないのが実態だ。

注)アメリカの医療保険制度の改革は以下参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/22324-2b00.html

 それに比べて日本の医療保険制度の手厚さはどうだろう。最近私も歯の治療に近所の氏家歯科に通っているが、保険に入っているので何とか対応できるし電話予約をすれば快く治療をしてくれる。
日本の歯科医療の技術はアメリカの次ぐらいのレベルだから、世界先端の治療を約3割の費用負担でしてもらっているのだから幸せの限りだ。

 日本はアメリカよりセーフティーネットが発達しているので、私のような年金生活者でも貧困層に落ちないで済んでいる。
なんとも幸せなのだが、一方で政府の医療財政は火の車だ。
アメリカの医療保険制度は貧困層に手厳しすぎるし、日本は反対に甘すぎて政府が破産しそうだ。
どうやらアメリカと日本の中間アタリが良さそうだが、こうした改革をするのも一筋縄ではいかないのが実態で野田内閣税と社会保障の一体改革で国会でのた打ち回っている。

なお、アメリカ経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html

 

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