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(24.5.31) さっぱり分からない日本円と中国人民元の直接取引  中国の狙いは何か?

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(ちはら台走友会のメンバーの作品、山崎編集

  どうもいまいちよく分からないと言うのが正直な感想だ。
この6月1日から始まる円と中国人民元との直接取引のことである。
上海東京に直接取引をする市場を開設することになるのだが、市場といっても東京証券取引所のような具体的な場所があるのではない。
システムが整備されてそこに日本や各国の金融機関が参加して円と人民元の取引を行う仕組みである。
個人でも株や投資信託や外為のネット取引を行っているが、そのイメージで銀行間で取引を行うと思えばいい。

 安住財務大臣が、「これによってコスト(手数料)の削減と日中間の貿易量の拡大、およびドルを介在することの為替リスクの軽減につながる」とコメントを述べていたが、確かに日本から見たらその通りだろうが中国の意図がいまいちよく分からない。

注)現在日中間の取引を行う場合は必ずドルを介して取引を行っている。たとえば商社が元での支払いが必要なときは円をドルに換え、このドルを香港市場で元に換えている。このとき交換手収料を商社は2回払うことになっている。

 ドルは世界通貨であるがこのところ変動幅が大きく、傾向的には減価円高、元高)しているので、一時的にせよドルを持っているとその間の減価が怖い。
それならば世界的に見て最強で安定している円と人民元を直接交換するほうが為替リスクを避けられると判断するのもその通りだろう。

 それでも私が不思議に思うのは人民元は中国人民銀行が基準値を示してそれを中心に一定幅でしか値動きができないひどい管理通貨だからだ。
そんな管理通貨を相手に自由な市場が形成されるのだろうか」という疑問だ。

 管理通貨自由市場というこれほど水と油の関係の組み合わせは珍しいので、本当に東京と上海で市場が機能するかと言う疑問である。
確かに貿易量を見れば日中間の貿易量は約30兆円規模で日本の最大の貿易相手国だし、中国から見れば日本はEU,アメリカに次ぐ3位の貿易相手国である。
相互に貿易に伴う通貨の需要はあるが、現在は実需(貿易)の時代ではなく仮儒投機)の時代で、そうした投機資金の受け皿になれるのは自由市場だけだ。。

 中国からすれば人民元の自由化はかつての円が1ドル360円から現在の80円になったように、急激な元高に見舞われて輸出の大失速と物価の急上昇につながることは間違いない。
そうならないように管理通貨制度を採用しているのに、なぜここで円と元の自由市場を作ろうとしているのだろうか。

 考えられる理由は自由市場の東京市場はダミーで上海市場を元と円との交換市場にしようとしているのではないかということだ。
ドルと元の交換市場を香港に作ったように、上海に管理された元・円市場を作ろうとする案である。

 東京市場には日本の金融機関が参加するとしても中国の銀行が参加しなければ取引は成立しない。もちろんご祝儀相場のような形で中国の銀行が参加するとしても、時間が経過するにしたがって元・円取引は上海市場が中心になりそうだ。
中国の金融機関が元の出し手にならない限り市場は成立しないのだから、中国とすればもっぱら上海市場だけに元を供給すればいい。
そうなると元・円交換市場は上海だけになる。

 結局中国人民銀行はドルを管理しているように円を管理したいのではなかろうか。
中国からすれば上海市場では、元の出し手は所詮中国の金融機関だから中国人民銀行の基準値を守るので、相変わらず人民元は管理できる(東京市場はそうはいかない)。

 こうしてドルの退潮と人民元の隆盛と言う世界的な流れの中で、元・円相場を中国が管理しようと言うのがこの円と元の直接取引の本意だろう。
私にはそう見えるのだ。

注)中国の意図は管理型外為市場を中国国内に作ってドルと円、そしてユーロを元と結びつけ、元本位制度を作ろうとしているのだと私は思っている。

なお中国経済については以下に纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html



別件)四季の道およびその周辺の公園のベンチのペンキ塗りは一部を除いて、終了しました。今は主として夏の道のケヤキの剪定を行っています。

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