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(24.5.27) 日本はアメリカの植民地か? 三菱東京UFJに対するニューヨーク地裁の資産凍結命令

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 いくらなんでもひどすぎる話だった。これでは日本はアメリカの植民地となんら変わりがない。
三菱東京UFJ以下三菱)に存在するイラン政府とイラン中央銀行の口座(アメリカと日本にある口座)を約2000億円を上限に資産凍結するとニューヨーク地裁が三菱に言い渡した件である。

 この措置は1983年に発生したベイルートでの米海兵隊司令部爆破事件の遺族がイラン政府を相手取って起こした民事訴訟の賠償金支払命令に基づくものである。
この判決に対しイラン政府がびた一文支払わないために三菱にあるイラン政府とイラン中央銀行の資金の凍結を命じた。

 
 三菱連邦地裁に異義を申し立てていたが、さすがに日本国内の口座まで凍結するのは日本の主権の侵害になるため、連邦地裁はニューヨーク地裁の凍結命令を無効とした。

注)もしこんな主権侵害が許されるとするといつ何時日本人は日本国内でFBIに逮捕拘束されるか分からないし、理由なく日本国内の口座を閉鎖されるかもしれない。

 今回のニューヨーク地裁の口座凍結命令は7月1日から発効される核疑惑に対するアメリカ政府のイラン制裁措置とは無関係だが、必ずしも無関係だとは言い切れない面がある。
なんとも不思議なのはイランの石油を輸入している先は中国、インド、韓国といくらでもありイラン政府や中央銀行の口座はニューヨークにいくらでもあるのに、なぜ日本の三菱かと言う問題だ。

 これはどう見ても日本が一番組みやすく、中国やインドが相手だと国際問題になってうるさいのですぐに言うことを聞く日本をターゲットにしたとしか考えられない。
日本の政治力は民主党政権になってから低下の一途をたどり、鳩山元首相はアメリカとの関係をつぶすだけつぶした史上最低の総理だったし、菅元総理は東日本大震災の処理だけで手一杯で、中国とロシアと韓国から領土問題でいいように揺さぶられてきた。
野田内閣になってやや持ち直しては来ているが、それにしても日本の政治力は先進国中最低の部類に入る。
ありていに言ってしまえば日本は世界からなめられぱなしなのだ。
脅せば言うことを聞くのが日本よ、政府はおたおたして三菱を助けることはできまい」そうした読みだ。

 三菱としてはいい迷惑だが日本政府のバックアップがなければアメリカとは自身で戦うしか手はない。
さすがに枝野経済産業相が「米国の裁判所の決定の効力が、米国の主権の及ばない地域に結果的に及ぶのはおかしい」とコメントし、ようやく日本政府らしい対応をしたが、だからといって三菱の苦境が和らいだわけでない。
三菱は連邦地裁に異議申し立てをすることで自らの苦境を救った。

 現在イランからの石油輸入量は日本全体の8%程度、年間1兆円規模でその決済はほとんどが三菱で行っている。したがってここの口座が凍結されてしまうとイランからの原油輸入は実質的に不可能になる。
通常はこうした状況になるとパニックになって原油価格が上昇するものだが、幸いに原油価格は低下傾向にある。
ヨーロッパ経済の失速が明確なので石油需要は低下すると見られているからだ。

 日本の場合は原発が一基も稼動していないので石油や液化天然ガスに対する需要が拡大すると見られてはいるが、こちらも幸いに経済が失速しているので実際の需要はそれほど大きくない。
しかも工場レベルではコジェネレーションによる熱エネルギーの再利用が進みつつあるので、実際はエネルギーはこの夏もあまる可能性がある。

 連邦地裁の判決でニューヨーク地裁の凍結命令は無効になったが、今後もこうした日本を植民地としか見ないアメリカの横暴は続くと思われる。
何しろ日本の政治力はほとんど無に近く、野田内閣の閣僚で政治家といえる人は枝野経済産業相しかいない。
政治が立ち直らないと日本は世界の財布として良いように扱われるだけなので、なんとも残念なことだがまだ苦難の道は続きそうだ。

なお、日本の金融機関については以下に記事を纏めてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45467292/index.html

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