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(24.4.14) アナン特使の孤独な闘い シリア問題では国連を誰も助けない

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 軍隊なき国連はまったく孤独なのだなとしみじみ思ってしまった。
国連とアラブ連盟が派遣した前国連事務総長アナン氏調停案のことである。
調停案がようやく締結され、10日までにシリア軍の都市部からの撤退、12日までに停戦を行うとの案だったが、シリア軍の攻撃は収まる気配がない。

注)正確に言えば11日までは攻撃が行われ、12日は一旦静かになったがいつ攻撃が再開されるか分からない。

 かえって調停期限までに反体制派を徹底的に弾圧しようと中部ホムスでは攻撃が激化する有様で、アナン特使は完全にコケにされてしまった。
国連のパン事務総長は「停戦期限前に攻撃を激化させてよいと認めたわけでない」と悲痛な叫び声を上げていたがアサド政権は聞く耳を持たなかった。

 今回の国連の仲介を見ていると、国連自体はまったく無力で国連安保理加盟国が武力行使をしない限り軍事独裁政権を打ち倒したり、要求を飲ませることができないことが分かる。
イラク戦争のときはアメリカを中心とした多国籍軍が出動したし、リビアのカダフィ政権を打ち倒したのはNATO軍の空爆と軍事援助だった。

注)国連そのものは軍隊を持っていないから軍事行動をするときは傭兵に頼ることになる。アメリカ軍やNATO軍を傭兵というのはおかしい感じもするが、実態は傭兵である。

 一方シリアのアサド政権を打倒することに対してはロシアと中国が反対しており、安保理のお墨付きを得られず、今回は有志連合による軍事攻撃もどこもする気がない。
なぜイラクにはアメリカが、リビアにはNATO軍が軍事攻撃を仕掛けたかと言うと、そこに石油利権があったからだ。
軍事費がかかっても石油代金で最終的には帳消しにできるとの読みがあったから軍事攻撃に踏み切ったが、一方シリアは何もない貧乏国だ。

 もしこのような国を崩壊させたらその後の面倒をどこの国が見たらいいのかと言う問題が発生する。
当然軍事攻撃を行った国や有志連合が行うことになるが、その後の民生安定化のためにどのくらい資金が必要になるか分からない
アメリカもヨーロッパもそして日本も財政状況は極度に逼迫しているからとてもシリア人の生活まで面倒を見られない。

注)アメリカはアフガンという何もない貧乏な国にも軍隊を派遣したが、こちらはニューヨークが攻撃されたことに対する報復措置だったので勘定抜きの進駐だった。
 

 そこで仕方なくアナン氏に調停を依頼してうまくいけばめっけものと思ったが、やはりそうは問屋が卸さなかった。
アサド政権は「反対派が停戦の確約をした文書を提出しないと攻撃は止めない」と言うし、一方反体制派は「そんなことできるわけがない」突っぱねた。

 私などは若い頃は国連崇拝論者で国連こそが世界平和の要だと思っていたが、実際は軍備なき国連は張子の虎に過ぎない。
軍事独裁政権を倒すのはそれ以上の軍事力だから、アメリカやNATOがその気にならない限り軍事独裁政権は倒れない。
北朝鮮などは戦後すぐから独裁政権のままだから私の年齢と同じ程度に独裁政権が継続している。

注)かつて私が国連に憧れ国連職員になろうとして努力した経緯は以下に記してある。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/oyuminoshikinomichi/2011/02/1942-9fc1.html

 アサド政権をロシアが支えており、一方どこも軍事行動をすることがなければアサド政権が崩壊する要因はない
現在アナン特使は国連に監視団の派遣を求めているものの、こうした監視団をシリアが受け入れるか、また受け入れたとして自由行動を許すかは定かでない。

 また一部に反体制派に武器援助をすると言う案があるが、リビアの例で分かるようにこうした武器が過激派組織に渡りアフリカのマリでは軍事クーデタが発生している。
最新鋭の武器供与はアルカイダを喜ばせるだけだ。

 国連の仲介は失敗し、誰も国連を助けないのが実態だ。
結局貧しい国はどこからも相手にされず軍事独裁政権が継続すると言う構図を持つようだ。

なお、シリア問題についての記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat48561052/index.html
 

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