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(24.4.19) 石原都知事の仰天発言 尖閣諸島を東京都が購入する

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 石原都知事の発言には驚くことが多いが、今回ほど驚いたことはない。
沖縄県石垣市の尖閣諸島を東京都が購入すると言う。
尖閣諸島5つの島からなっており、そのうちの4島個人所有だそうで、現在この4島を国が借り受け海上保安庁が警備し、島には上陸を許さない措置を講じている。

 私はこの4島個人所有者がいたことを知らなかった。陸の孤島で所有者なんかいないと思っていたからだ。
今回問題になっているのは魚釣島3.82平方キロ)、北小島0.31平方キロ)、南小島0.40平方キロ)で国は年間2450万円の賃貸料を払っている。
ここの地権者の母親と石原都知事はかつてこの島の買取交渉をした経緯があり、この土地の賃貸契約が来年4月に切れるにあたって、今回現所有者が都に購入を求めてきたと言う。

注)尖閣諸島は1894年に古賀辰四郎氏が探検し、翌1895年に明治政府が沖縄県に編入するとの標杭を立てている。
かつてはカツオ節の製造工場があり250名が働いていたが現在は無人島。

所有者の話として「年をとりこの島を所有しているのが大変になってきたので都に売却したい」と言っていると報道されているが、この理由はおかしい。
実際は国から賃貸料を得て本人もこの島の上陸を許されていないのだから、島の管理責任はないのも同じで、本心は石原氏の国を憂う情に打たれたからだろう。
石原氏はこのままでは尖閣諸島中国の領土になるのは時間の問題との危機意識を持っている。
特に石原氏が恐れたのはこの島を中国人が購入した場合だ。
すでに北海道のニセコ付近の森林は中国人によって買い占められているが尖閣諸島を買い占められたらここが実質的に中国領になってしまう。
だからその前に東京都が買占めを行ってしまおうと言うことだろう。

 このところ領土問題では日本は押されっぱなしだ。
北方領土についてロシアは実効支配を着々とすすめて、かつて言われていた2島返還も風前の灯になっている。
韓国との間の竹島は韓国軍が駐留し、岸壁には大型船が停泊できるようになって観光地化している。
件の尖閣諸島の海域にはしばしば中国の漁業監視船が領海すれすれに侵入してきて海上保安庁と一触即発の状態だ。
2010年には中国漁船が意図的に海上保安庁の船に当て逃げしているほどだ。

注1)中国の尖閣諸島での漁船当て逃げ事件の記事は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat41333196/index.html
注2)韓国との竹島問題は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/20522_7e99.html

 だが実際に尖閣諸島を購入するとなると問題が多い。
現在の賃貸料が2450万円だから、購入するとなると10億から15億円規模になりそうだ。
都が土地を購入する場合は「2億円以上、2万平方メートル以上」は都議会の了承を必要とする。
当然都議会では「何の目的で購入するのか」と問われるし、まさかここを観光地として開発するとも養護児童施設にするともいえないので了承を得るのは難しそうだ。

 自治体の首長の反応もさまざまで、橋下大阪市長は「石原氏にしか出来ない(すばらしい)行動だ」と手放しの賛辞だし、名古屋の河村市長も「きちんと自分の領土は主張せんとあかん」とエールを送った。
一方神奈川県の黒岩知事は「短兵急に突っ込むと大きな紛争に発展しかねない」と慎重で、一般的には黒岩知事のような反応が多い。

 政府も大弱りで藤村官房長官は「現在国が島を借りているが必要があれば国が買い取る」とコメントした。
実際問題としては領土問題は国の先決権限があるから国が買い取るほうが妥当だが、外務省が中国との関係を考慮して現状を少しでも変えることに反対している。
なら弱腰の外務省に代わって、おれが領土問題を解決してやる」と言うのが石原都知事の本心だ。

 領土問題は実効支配しているほうが勝ちで、もしその実効支配を覆すためには戦争と言う武力行為で相手を追い出すより他に手段がない。
しかし戦争をするほどのメリットがない場合は実効支配は永遠に続く
そうした意味では北方領土はロシアのものだし、竹島は韓国のもので、尖閣諸島は日本のものだ。
石原都知事の行動は実効支配をさらに強固なものにすると言う意志だから応援をしたいが、実際に行動に移すとなると手続き的な問題が山ほどあり、実現は難しいだろう。

注)やはりここは政府が民間人から購入するのが一番適当だろう。

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評論 世界経済 中国経済 社会問題 尖閣諸島」カテゴリの記事

コメント

所有者はこれまでの賃借料で充分でしょうから、寄付にしたら良いのでは?という意見もありますね。
寄付先はむしろ専決事項の国になるのでしょう。
むしろ、ことを荒立てるような石原氏の言動には首をかしげるところです。

森林購入については「財テク」の面もあるようなので、むしろ「売却後」の使途も含めて条例を定めておかないと、
いまだに跋扈する「脱法業者」の餌食になる危険性があります。

投稿: 横田 | 2012年4月19日 (木) 17時10分

twitterで下記の情報を知りました。参考にどうぞ。

尖閣諸島が個人所有となった経緯
http://clio.seesaa.net/article/267293025.html

外国人土地法(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E6%B3%95

(山崎)ありがとう。さっそく読んでみます。

投稿: 横田 | 2012年4月28日 (土) 00時01分

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