(24.3.5) コズミックフロント 太陽系の歩き方 惑星の王 木星
私のように天体音痴の者にとって、「木星は惑星の王」と言われてもまったくぴんと来なかった。
「惑星の王は地球じゃないのかい」
木星が「惑星の王」と言われる理由はなによりその大きさにあって、太陽系の惑星をすべて飲み込んでもまだあまりがあるほど巨大で、地球の1000個分の大きさなのだそうだ。
表面には大赤班と言う赤い巨大なハリケーンの渦巻きがあるが、この大きさは地球とほぼ同じ大きさだという。
注)天文学者のイメージは太陽系の中に、それを一回り小さくした木星系(衛星が60あまり木星の周りを回っている)があるというイメージのようだ。
もっとも木星は水素とヘリウムの星で地球のような地面はないという。
この木星を始めて詳細に観察したのはガリレオ・ガリレイで1610年のことだった。
そのときガリレオは望遠鏡で木星をのぞいていたのだが、木星の周りに4個の衛星を確認した。
衛星が木星の周りを回っていたのだが、この事実によって当時キリスト教会で言われていた「すべての天体は地球を中心に回っている」のは間違いだと気づいた。
私はまったく記憶になかったがNASAは早くからこの木星の重要性に気づいており、1973年にパイオニア、1979年にボイジャー、1989年にガリレオという探査機を打ち上げている。
この中で最も活躍した探査機はガリレオで1995年から2003年まで木星とその周りの衛星の探査をし続けた。
その結果、木星のジェット気流は秒速150メートルという途轍もない早さであることや、大気中には稲妻が光り輝いていることや、サッカーボール大のヒョウが降り注いでいることが分かってきた。
そして木星の最大の特徴は猛烈な重力と磁気だという。何でも引き寄せてしまい、また強烈な放射線を発していて通常の宇宙服レベルでは5分間も持たないほどの致死量の放射線なのだそうだ。
重力が途轍もなく大きいのでそばを通る彗星をほとんど捕まえて飲み込むので、おかげで地球は彗星の脅威から守られている。
「もし木星がなかったら地球は50年に1回程度の割合で彗星の激突があるはずだ。木星は太陽系の掃除屋といえる」と研究者が説明していた。
探査機ガリレオは降下器を持っていてこれを木星に向けて発射した。
木星の重力がとてつもなく大きいので降下器は加速されて弾道ミサイルのようになって木星に突っ込んでいったと言う。
最初は薄いすじ雲が見え、突然雲が切れると水が高温高圧で蒸発している状態になり、さらに奥には水素ガスが液状になり、さらに奥には水素が金属のような働きをしているという。
「そういわれても、さっぱりわからん」と言うのが私の本音だ。
特に水素が金属のように振舞ってそれが強烈な磁場を形成していると言われてもまったくイメージがわかない。
また天体学者が興奮していた理由に木星を回る衛星の存在があり、特にエウロパと言う衛星は氷と水の衛星なのだそうだ。
表面は数kmに及ぶ氷だが、内部には地球と同じような水が100km程度の深さで存在し、地底からは熱い熱湯が吹き出ていると言う。
何か北極や南極のようなイメージの地形で、地球でも深海の熱湯の噴出口に生命がいるように、エウロパにもその可能性があるという。
注)地球以外に生命がいるかどうかが天文学者の最大のテーマになっている。
天体学者はこのエウロパに無人ロボットを送り込もうとしているが、このロボットは氷を溶かしながら海に到着して、そこに生命の存在があるかないかを確認するのだと言う。
NASAは2011年にガリレオの後継機ジュノーを送り出したが、この探査機では木星の誕生の秘密をとくのが目的だそうだ。
実に熱心にアメリカは木星探査を続けているが、日本もソーラーセイルで動力を補給する探査機イカルスを2020年代に打ち上げると言う。
木星の衛星には生命の可能性があるので、アメリカも日本も本気だ。
天文学者は木星を語るときは興奮してわれを忘れるらしい。
しかし天体音痴の私としては大いに探査をがんばってもらいたいと声援を送ることしかできない
なおコズミックフロントに関する記事は以下にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk_5/index.html
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