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(24.3.19) BS世界のドキュメンタリー 旧ソ連原子力潜水艦の末路

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 原子炉を解体することがこんなにも困難だとは知らなかった。福島第一原発の原子炉のことではない。
旧ソ連が冷戦時代の40年間に建造した原子力潜水艦約200隻の原子炉の解体のことである。
BS世界のドキュメンタリーで2010年にドイツが製作した「旧ソ連原子力潜水艦の末路」が放送されたが、驚くべき内容だった。

 ロシアはソビエト崩壊後の約10年間まったく資金的に余裕がなくなり、世界最高レベルだった原潜の管理を放棄してしまった
200隻放置された原潜は北極のバレンツ海に面したムルマンスク近くのフィヨルドやウラジオストックの岸壁に鉄の塊として浮いているだけだった。
ロシアには原潜を動かすだけの燃料や将兵や、また訓練を怠ったために技術すらなくなり、海軍そのものが実質的に崩壊していた。

注)2000年になってプーチンの努力でようやく経済状況が改善したロシアはクルスクという世界第2位の大型原潜を就航させたが、訓練で魚雷が爆発してバレンツ海に沈んでしまった。ロシア海軍は魚雷をまともに操作できないほど将兵の訓練がなされていなかった。

 この放棄されたロシアの原潜を解体し原子炉を安全な保管場所まで移動する作業を旧東ドイツの技術者がロシア政府から委託されていた。
ロシアには原子炉を安全に解体する技術がなく、一方東ドイツでは古くなったソビエト型原子炉の解体が進められてノウハウの蓄積があったからだ。

 ソビエトの原潜はやたらと大きい。
タイフーン型と呼ばれる原潜は全長170m2基の原子炉を積み、核ミサイルを12基以上搭載して半年以上海にもぐったままでいられ、最高速度は80kmと言うから驚いてしまう。
なぜこれほど大きくしたかというとロシア人の癖で核ミサイルをアメリカより多く積載したかったからだ(数が少ないとロシア人は不安感に駆られる)。

 冷戦時代は互いに核の恐怖に駆られていたが、特に原潜は自国が核攻撃を受けたときの反撃の戦力として最も信頼されていた。
何しろ海の深くに静かにもぐっているから探知されず、自国がすべて崩壊しても原潜は無事だから反撃してアメリカを地上から消し去ることができる。
こうして原潜は戦争の抑止力として働いたが冷戦が終わり、原潜の必要性がなくなるときわめて厄介な荷物になってしまった。

 ロシアには原潜を解体する資金も技術もなかったからだ
仕方ないしにバレンツ海のフィヨルドの間に放置していたものの、たちまちのうちに鋼鉄が腐ってきていつ原潜が沈没して放射能を撒き散らしてもおかしくない状態になってしまった。
この状態を世界中が危惧し、バレンツ海ではドイツが、そしてウラジオストックでは日本がこの原潜解体処理の資金と技術を提供することになった(なぜか日本が行った原潜の解体作業についてのドキュメンタリーはない。私が見過ごしたのだろうか?)。

 解体作業はムルマルスクのネルパ造船所で行っていたが、作業方法は船体を真ん中の原子炉部分と前半分、後半分に3等分して前と後ろからは鉄くず等を回収していた。
一方原子炉は密閉してムルマルスクから約30kmはなれた最終処分場に運んでいた
原潜内にはパイプやケーブルが張り巡らされてここに運転中の放射性物質がたまるので、ケーブルなど安易に切断すると放射能が一斉に放出してしまう。
作業は非常に慎重に手作業で進められ原潜1基解体するのに1年かかるという(原潜は作るときより解体するときのほうが、いたるところが放射能で汚染されている分時間がかかる)。

 こうしてネルパ造船所で解体され密封された原子炉は、バレンツ海が穏やかの夏の数週間の間に浮きドックで最終処分場にゆっくりと運ばれていた。
映像では7基の原子炉が浮きドックに積まれて時速4kmで9時間かけて最終処分場に到着していたが、そこにはすでに40基の密閉された原子炉が保管されていた。

 廃棄された原潜は200隻だから、まだ150隻あまりが解体されずに海上に浮かんでいることになる。
ドイツ人の作業責任者の話ではドイツ技術者が行う作業はここまで、原子炉そのものの解体は放射能レベルが低くなる70年後になると言う。その間原子炉は、この保管場所においていくのだと言う。

 実に厄介な話だ。その70年間密閉容器に穴が開いたり、火災が発生したり、アルカイダに急襲されたり、戦乱が起こったりしたらどうなるのだろうか
原子力は使っているときだけが花で、それを廃棄処理する時になったら地獄だ。
日本においても福島第一原発のように廃棄処理が決まっているものがあるが、実際は70年程度原子炉を冷却した後でないと解体は不可能だから、それまで原発周辺に近寄ることはできそうもない。

 このロシアの原潜の原子炉の廃棄処理を見ると原子力と言う技術は廃棄技術と一体で、それがないとなんとも厄介な代物だと言うことが分かった。
コスト計算も廃棄後の保管から解体作業まで含めれば実に高価なエネルギーだ。
従来言われていた原発が安価だと言うのは、そのままいつまでも使い続けらればと言う条件下の計算で、実際は20年から40年の間に廃棄される。
原発はコスト無視の軍備としてはともかく、商業的にはまったくあわない技術だということを認識した

なおロシア経済については以下にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44368795/index.html

(別件
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