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(24.3.4) AIJの粉飾と年金基金の対応 投資顧問会社への委託内容をチェックせよ!!

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 企業年金で私がいつも不思議に思っていたのは期待利回り5%前後に設定されていることだ。
私が勤めていた企業年金も5.5%程度の期待利回りだったが、実際はこの数字に到達していなかった(不足分は親会社が補填していた)。
私の職場は金融機関だったので、投資顧問会社を子会社として設立していたが年金基金のかなりの部分をこの投資顧問会社に一任していた。
この投資顧問会社の運用実績が極端に悪いのだ。

 私は検査担当だったときにこの投資顧問会社の検査をしたが、社長が「お前たちは無能か、なぜわが社の運用実績がこれほど低いか検討をしろ」と訓示をたれているのを聞いて思わず笑ってしまった。

 
 実際は21世紀に入ってから政府・日銀が実施した低金利政策によって日本国内ではほとんど高利回りの運用が不可能になっている。
国債利回りは1%程度で、他の預貯金でも同じ程度だし、株式は長期低迷している。
海外のヘッジファンド等に投資をすればそれなりの見返りはあったのだが、子会社の投資顧問会社は海外運用を差し控えていたためどのように努力をしても低利回りの状況から抜け出すことはできなかった。

 一方AIJは反対にITバブルが崩壊しようがリーマンショックが来ようが年間10%~20%の運用利回りを誇ったのだから、ひたすら高利回り商品を求めた企業年金担当者には魅力的だったのだろう。
最近まで専門誌の年金情報で最も人気が高かった投資顧問会社がAIJだったのだから、他の投資顧問会社の担当者はよく言われたものだ。
あんたのところもAIJさんのような高利回りの運用をしてくれれば年金をまわしてもいいですよ

 しかし冷静に考えてみると何があってもプラスの収益が継続するなんてことはありえない。
たとえばリーマンショック前に高利回りだった商品は当然のことにショック後に散々な成績になる。
一方リーマンショックを予期して(この予想ができた投資顧問会社はすごい)、空売りを仕掛けたとすればショック前の成績は相当悪化していなければおかしい。

 だから投資顧問会社がリーマンショックの前後で常に高収益を上げていれば、それは粉飾の可能性が非常に高いのだ。
今回AIJの顧客となったのは中小企業の総合型という年金基金が多いが、こうした中小企業の年金基金は赤字に悩まされていた。

 期待利回りを5%程度に設定していると、どのように努力しても国内にはそのような投資機会はない。
それまで国債や国内株式に投資をしてきた年金基金が国外に目を向けた。
確かにそこには高利回り商品があるが商品構成が難しく、中小の年金基金の担当者はディリバティブなんて言葉を聞けば頭が痛くなる人たちばかりだ。
何でもいいからハイリターンであればいい、AIJさんお任せします」

 AIJから見ればこうした顧客は鴨だ。
たった一つの問題は投資顧問会社は投資した資産の保管を信託銀行に任せなければならないので、信託銀行の目が光っている。
この問題をクリアするには海外の信託銀行を使用すればいい。海外の信託銀行は日本の金融庁の管轄外だから文句など一切言わない。

注)元々投資顧問会社ができた頃は運用は日本国内だけでするものと思われており、信託銀行も日本国内の信託銀行が利用されると思われていた。

 いま年金担当者は枕を高くして眠ることができないだろう。
もしかしたらわが基金の年金もAIJのように中身がすかすかになっているのではなかろうか・・・・・・・・・・
金融庁は260余りの投資顧問会社を一斉に調査するといっているが、その人員規模からみて調査票を配布して回答を分析することぐらいがせいぜいだろう。

 海外での運用が多い投資顧問会社や運用利回りが常に高利回りの会社がより詳細な調査の対象になるはずだが、調査完了までには時間がかかりまた投資顧問会社が虚偽の回答をすることも考えられる。

 基金担当者の一般的な常識としては過度に海外取引のウェイトが高く、かつリーマンショックの前後でまったく高収益の運用実績が変わらない投資運用会社からは資金を引き上げておくのが賢明だろう。

注)3日の毎日新聞の夕刊を読んでいたら「社会保険庁のOBがAIJへの勧誘」をしていた事実がすっぱ抜かれていた。
このOBはAIJから年間600万円のコンサル料をもらって年金基金にAIJを紹介していたのだが、社会保険庁の職員が金融センスがあるとは思われないからコンサルでなくエージェントとして働いていたのだろう。


なお、AIJ関連の他の記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-656c.html

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