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(24.3.8) 日本の空の最後の切り札 LCC(格安航空会社)の就航

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 長い間の懸案事項だった日の丸LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションの開業が3月1日に行われた。
すでに世界の空はLCCが席巻しており30%程度のシェアを持っているが、日本では数%のシェアに過ぎない。

注)オーストラリアのジェットスターやマレーシアのエアアジア等が国際線に乗り入れている。

 なぜ日本ではLCCの導入が遅れたかと言うと、旧運輸省とメガ・キャリアがタッグを組んで、LCCメガ・キャリア並の安全基準を強いてきたからである。
たとえば機体番号は飛行機に打刻することを求められていたが、通常LCCの機体はリースなのでリース契約が終わった段階でこの打刻の痕跡を消し去る作業が必要になってくる。
また訓練は実機を使用することを義務づけられており、(世界ではシュミレータでの訓練が認められていた)、LCCはそれでなくても少ない機体を練習機として使用しなければならなかった。

 こうして日本の空をメガ・キャリアのANAJALのために囲い込んできたのだが、国内便の乗客数が06年の9697万人をピークに急激に減少し始め、現在はピーク時から1500万人(▲15%)も減少してしまった。
原因は複合的だが最大の要因はこの頃を境に日本の人口が減少し、さらに老人人口が増えてきたことだろう。

 人が減れば乗客数が減るのは当たり前だが、さらに老人が多いということは旅行などは近場で十分で、遠くまで飛行機に乗って出かけることはなくなることを意味する。
温泉なんかは、遠くに行かなくても、ほれ、おらの町にもあるじゃないか!!、何も疲れるために飛行機に乗ることはあるまい」

注)ボーリング技術が発達して今ではどこでも温泉を掘ることができ、都会でも温泉が沸いている。

 もう一つの要因は企業が経費節減のために不要な出張を止めさせ、テレビ会議等を利用させるようにしたことだ。
私が職場を去ったのは5年以上前だが、その頃には本店と大規模店、および海外店との間にはテレビ会議が通常の会議として導入されていた。

 こうした状況下でJALは倒産,ANAも赤字に悩み、さらに空港会社は飛行機も乗客も予定の半分にも満たないような状況が続出してしまった。
飛行機は飛ばず、乗客はおらず、滑走路にはウサギが遊んでいる、これを飛行場といっていいのだろうか?」
特に地方空港は誰もが疑問に思うような状況になってきた。

 日本では改革は追い詰められないと実施しない。ようやく(実質)赤字に悩んでいる関空ANAが手を組んでピーチ・アビエーションを就航させた。
日の丸LCCとしての最初の就航で関空・福岡間と関空・新千歳間で航路が開設された。
運賃は大雑把に言ってメガ・キャリアの約半分である。

 メガ・キャリアは本来LCCなど導入したくはなかったが老人は飛行機を敬遠し、サラリーマンは出張が減少しているので、後は若者をとりこむことしか需要の拡大は見込めない。
しかし若者は体力があっても金はない。
仕方ない、若者の需要開拓のためにLCCを導入しよう」と言うことになった。

 LCCは安い分色々な制約があり、荷物の重量制限規定は厳しくチェックされ、駐機場にはバスで乗り継ぎアクシデントの補償はない
もちろん食事は有料だし、座席は御世辞にも広いとはいえない
しかしこうした問題は国内線では大きな問題とはいえない。

 乗っても1時間から2時間の間には目的地に着いてしまうのだから、別段何も食べなくてもいいし持ち込んでもかまわない。
荷物も海外旅行と違って大量にはならない。
もしアクシデントが発生すればJRに乗っていけば済むことだ。

 メガ・キャリアは国内路線を何とか死守しようとしていた間に、国内に乗客がいなくなってしまった。
こうなったら若者の需要を掘り起こさない限り航空会社や空港会社は生き残ることはできない。
LCCが最後の切り札になり、この夏には成田空港を発着する国内線LCCも開業することになっている。

注)ジェットスター・ジャパンとエアアジア・ジャパンが開業する。

なお航空行政に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat39217886/index.html

 

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