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(24.3.22) アサド政権はなぜ崩壊しないのか 独裁政権の強靭性

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  NHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトがシリアのアサド政権が一向に崩壊しないのに痺れを切らして特集を組んだ。
チュニジアやエジプトやリビアでは独裁政権が崩壊しアラブの春が吹き荒れたのに、なぜシリアはこれほど強靭なのかと言う疑問である。
アラブの春が始まってからすでに1年アサド政権による住民弾圧は一向に収まらず、すでに8000人の犠牲者が出ている。

 シリアの人権団体はアサド政権による住民への無差別攻撃を非難して、世界の軍事介入を要請しているが、アメリカもイギリスもフランスもリップサービス以上の介入を差し控えている。
ロシア中国がアサド政権を支持していることもあるが、ここにはリビアにあったような石油利権がない
単なる貧しい国での内乱だから、NATO軍を派遣してアサド政権を倒しても後には混乱が残るだけだし、それを収めようとすれば更なる資金援助が必要になる。
EU域内の経済は青息吐息だし、ギリシャを救うのに手一杯でとてもシリアまでは救えない」これがEUの本音だ。
またアメリカにとってはイスラエルとイラン問題のほうが焦眉の急で、シリアが独裁政権であるかないかはどちらでもいい問題だ。

 NHKの特派員は「自国民を8000人も殺害したアサド政権に正当性はない」と声を大にして叫んでいたが、残念ながらいくら国民を殺しても生き残っている政権はいくらでもある。
中国は文化大革命でほぼ1000万人を裁判なしに殺害したし、隣の北朝鮮では何人殺したか分からないほど国民を殺しまくっている。
アフリカのコンゴでは500万人規模の殺害があったし、スーダンでは今も南と北で殺し合いをしている。
反対勢力がいなくなれば政権は維持できるのだから、殺せば殺すほどその政権は継続する。
だから正当性という言葉は軍事力の前には無力なのだ。

注)通常正当性という言葉は民主国家においては正当な選挙で選ばれた政権と言う意味だし、王政の場合は正当な後継者と言う意味で使われる。「自国民を殺害した政権に正当性がない」という言葉は(NHKの特派員には気の毒だが)、まだ世界的に信認されているわけでない。

 戦後民主主義教育を受け、日本国憲法を最高の法典と教え込まれた世代から見ると軍事独裁政権は民衆の力ですぐさま打ち倒されるように思ってしまうが、実際の軍事独裁政権はしぶとく生き延びる
たとえば北朝鮮の場合は、日本から若い男女を誘拐し、韓国の高官をラングーンで爆殺し、大韓航空機を爆破し、韓国の警備艇を撃沈させ、さらに韓国領に砲弾を撃ち込むほど勝手し放題だ。
典型的な軍事独裁国家だが、親子3代にわたって悠々生き伸びている。
キム・イルソンが政権をとってから数えるとほぼ65年だ。

 アサド政権は親子二代でほぼ40年だが、なぜ独裁政権が崩壊しないかとの理由を調べるとアサド政権と北朝鮮にはかなり共通点がある。

① 軍事・警察優先主義で何より親衛部隊の強化に努める。
② 反対派は根こそぎ弾圧して生かしておかない(
生かしておくと必ず復讐されるので息の根を止める
③ 西欧の民主主義思想に染まらない(
民主主義思想を身につけるとロシアのゴルバチョフや中国の趙紫陽のように民衆にこびてしまう
④ 中国やロシアのような独裁国家を後ろ盾にする(
リビアのカダフィ政権には後ろ盾がなかった
⑤ 経済状況がいくら悪化しても軍事優先主義を放棄しない(
国民が飢え死にしても親衛部隊の保持を優先する
⑥ 独裁者はどのような状況になっても弱気にならない(
チュニジアのベンアリやエジプトのムバラクは独裁者としては気弱すぎた


 上記のような条件が揃うとちょっとやそっとでは独裁政権が崩壊することはない。
NHKの特派員は、このアサド政権の民衆弾圧を歴史の恥だと思っているようだが、残念ながら歴史は必ずしも民主主義の方向に進むのではないと言うことをアサド政権が実証している。

注)現在はアメリカ型民主主義と中国型覇権主義の相克の時代になっている。もし中国が優位に立てば日本も中国型社会に衣替えすることになる。

なおアラブの春については以下にまとめてあります
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45123956/index.html


(別件
昨日おゆみ野クリーンクラブのカンパを依頼しましたが、そっさく何人かの方が応じてくださり心から感謝いたします。花見までには塗装を終了させておきます。

なお、依頼文は今月いっぱい下記に継続して掲載いたします。


従来おゆみ野四季の道の清掃関係や塗装関係費は自費で調達してきましたが、生活費がかさみ思うに任せなくなってきております。
おゆみ野在住者で、かつ四季の道を日常的に利用されている方で、四季の道を世界でもっとも美しい道にする活動に賛同される方に、ペンキ代のカンパをお願いいたします。


① カンパは一人3000円(ペンキ1.8L 一缶の値段)をお願いできないでしょうか。年間のペンキは約20缶程度です。

② カンパの件数、金額は毎月1回このブログで報告します。また決算報告は年1回行います。

③ 賛同していただける方は以下の口座に送金いただければ幸いです。なお送金していただいた場合は同時にこのブログのメール機能を使ってその旨連絡いただけると幸いです。

・千葉銀行 鎌取支店(092)
・おゆみ野クリーンクラブ 普通預金口座(3743511)

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評論 中東・アフリカ アラブの春 シリア」カテゴリの記事

コメント

今シリアに在住しています。アラビア語しか話せない家族の関係で出られずにとどまっております。いつも(って数日間シリア関連の記事をよんだだけなんですが)わかりやすい記事をありがとうございます。シリアはこれからどれくらい悪くなり、何人くらい追加で死亡すると思いますか?(すいませんなんか書き方がよくないですね、、)泥沼化といったってシリア人全員死ぬわけではないですから、、人口の何%くらい被害にあうのだろう、、とおもって。あと何年で疲弊するでしょうか、、、

(山崎)このような差し迫ったコメントをいただいたのは初めてなので戸惑っております。
こうした問題を明確に予測することは不可能ですが、日本で見ていると紛争はいつまでも続くとしか思われません。
ブログに書いたとおりアメリカも西洋諸国も本気で(軍隊を派遣して)この紛争をとめるつもりはないからです。

ヨーロッパは域内の経済問題で手一杯ですし、アメリカは本音では中東問題から手を引きたがっています。一番の理由はシェール・ガス革命で中東の石油依存が必要なくなり、アメリカそのものが化石燃料の輸出国になろうとしているからです。

現在アサド政権をロシアとイランが支援していて、一方反政府勢力をサウジアラビアとカタールが支援していますが、これはアラブ諸国内部の宗教戦争という感じで、西欧やアメリカから見ればどっちもどっちという感じです。

あらゆる紛争は大国が軍事力で抑えない限り鎮静化しませんが、シリア紛争はそうした仲裁役がいません。
今後どの程度内紛が続くか分からず、両者がつかれきるまで継続するという感じがします。

投稿: 諭吉 | 2012年11月 4日 (日) 14時11分

そうですかぁ~。こっちにいるとみんな偏った考え方になりますねぇ。政府がかつ、とかフリーアーミーがかつ、とかみんな言いたいこといってますが、やっぱりいつまでも続くよ。っていうのが外からみたシリアなんでしょうね。。最近外も出ないし(危ないのもあるけどなんか寒いし)ちまちま山崎さんの記事をよんでますー。私はシリアのことよく知らべたりしますが、自分から現状とか発信したことはないです。たぶん今日本人あんまりすんでないので特定されるのが怖いので。でもいろいろ そんなんじゃないよ実際! っていう記事もみるのでブログやってみたいな~でも勇気ないですw 物価の上がり具合や、断水、停電の程度、爆発現場の写真、アラビア料理のつくり方☆とかを綴ってみたいですがネット検閲されてたらいやだし、ムスリムだとおもわれたくないし、、と変に気になってしまって。ではまた!他の記事にもコメントするかもです~~よろしくです!

投稿: 諭吉 | 2012年11月 5日 (月) 13時16分

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