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(24.2.22) 地下水は誰のものか? 北海道の水資源争い

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 地下水は誰のものかがいま真剣に議論されるようになってきた。
元々地下水はその土地の所有者のもので自由にくみ上げても良いことになっており、昔はほとんどの家庭が井戸を掘って飲料水に使用していた。

 ただし基本的には自由だが大量の地下水のくみ上げは周辺の地盤沈下等を誘発するため、工場用水法ビル用水法では特別に規制がある。
一方山林については特に地盤沈下等の問題がないので地下水のくみ上げは自由に行われ、実際に富士山麓やその他の名水と言われている場所では無制限の汲み上げがなされてきている。

 しかし今この山林の下に眠る地下水が中国や香港や台湾の企業から投資対象として狙われており、特に北海道の森林が集中的に狙われている
森林の売買につては水資源機能を持つ場所は1ha以上の売買は事後届出制になっているが、それ以外は自由なので実態はほとんど分からない。

 北海道庁が最近調べてようやく判明したのが、羊蹄山周辺の倶知安町やニセコで中国や香港企業が57haに上る森林を買収したと言うことや、林野庁の調査で日本全体では06年から10年にかけて620ha(ほとんどが北海道)の森林が外資に売却されたようだと言うかなりアバウトな情報だけだ。

注)買収企業は間に何人(何社)ものブローカーを介在させているので最終的にどこが買収したのかさっぱり分からない。

 日本の森林が外資に狙われるのにはいくつかの理由がある。

① 森林価格と木材価格が毎年のように低下しており、日本の森林は相対的に安価であること。
② 森林の地下水は現状では規制がないので自由に汲み上げられ、また日本の水は名水が多いのでミネラル・ウォーターとして販売できること。
③ 世界的に見ると水資源の枯渇は明白なので先行投資としての意味合いがあること。
④ 世界的に資金がだぶついており、少しでも投資機会があれば資金が投下されること。
⑤ 北海道の羊蹄山の周辺は国際的な観光リゾート地としての開発が可能なこと。

 上記の中でいま最も問題になっているのは地下水の問題である。
日本の地下水はタダだから最も投資効果が大きいと思われており、このまま放っておくと日本の名水はほとんどが外国資本に握られてしまう

 中国の平均雨量は日本の6分の1程度であり、また近年は地球温暖化の影響もあり本来は雨量の多い長江流域でさえ旱魃に見舞われている。
中国はメコン川の水をダムでせき止めたり、長江から黄河に水を流そうとしているがうまくいっていない。
それに何より中国の水はどぶ水のようでまともに飲めないので、今後ますますミネラル・ウォーターに対する需要が拡大する。
それならいまのうちに名水の日本の水を買い占めろ」と言うことになった。

 さすがに日本の政治家もこの動きが分かってきて、民主・自民・公明の議員連盟が議員立法で地下水の利用について都道府県知事の許可制にしようと動いている。

 近い将来名水の誉れ高い日本の水は現在の石油のような戦略物質になるだろう。しかしそれにいち早く目を付けているのは主として中国資本だ。
地下水は誰のものか、日本人のものか、中国企業のものか、いまそれが問われている。

なお、水資源問題に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat47878936/index.html

http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/2248-c647.html

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