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(24.2.16) 愚かな共演 日銀の無駄な金融緩和策

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 日銀の白川総裁が政府の強い圧力を受けて金融緩和策に乗り出した。
過去何回も緩和を実施してきており、21世紀に入ってからは緩和のオンパレードだが、当然のことに金融政策の効果は限定的だ。

 今回日銀が打ち出した緩和策は、①ゼロ金利政策の継続と、②金融緩和策として国債と社債の購入枠を55兆円から65兆円に10兆円増枠したことと、③インフレ目標を1%と明確に設定したことである。

 これは先に野田総理が12年度のGDPを実質で2%、名目で3%増加させるすると明言したことに対する日銀の回答である。
白川総裁前原政調会長から呼び出され「政府と日銀間で政策協定を結び、デフレ脱却の目標を共有しろ。FRBがインフレ目標を2%にしたのに日銀は何をやってるんだ」と迫られた。
白川総裁は本心ではデフレ脱却が不可能と思っている。しかし政策協定を結んで政府に日銀政策を縛られるよりはと自主的目標を制定した

 
 なぜデフレが克服できないかと言うと、デフレは金融政策の問題でなく日本国内から需要が減少していく過程で発生している供給と需要のミスマッチに原因があるからだ。
日本は21世紀に入り少子高齢化が一段と進み、衣料も食料品も自動車も住宅も有り余ってしまい、たらないのは医療と看護関連だけになってしまっている。
デパートは閑古鳥が鳴いており、スーパーもコンビニもファミリーレストランも売り上げを減少させている。
一部の専門店は元気がいいが、最近は専門店相互の競争が激しく、ここおゆみ野でもヤマダ電気ケーズ電気が熾烈な顧客獲得競争をしている。

 もはや企業が設備投資をしても国内の需要は逓減していくばかりで、一方輸出にまわそうとしても円高でとても韓国や中国の企業に太刀打ちできない。
したがって資金を海外投資に向けることがあっても、国内投資を行うのは奇特な企業だけになってしまった。

 
 白川総裁とすれば「これだけ金融緩和をしてきたのにデフレなのは、日本に成長産業がなく、人口が逓減しているからです」と居直りたいが、政府は財政政策をしようにも財源が枯渇しているので、「とか日銀が金をジャブジャブにすれば、物価が上がって景気が良くなるはずだ」と迫ってくる。

 日銀券を印刷すれば確かに物価は上がるが景気が良くなることは絶対にない。
なぜなら日銀が金融機関にいくら資金をばら撒いても借り手はヘッジファンドのような投資家以外にほとんどいないからだ。
こうした資金はすぐにドルに代えられて、新興国の株式や不動産、あるいは石油や金や鉄鉱石のような商品市場に流れていく
そして輸入物価の高騰という形で国内物価が上昇する。
これはリーマンショック前にも、つい最近も発生した事象だから覚えておられるだろう。

 もっとも直近では新興国経済も停滞し商品市況も低迷しているため、その場合は誰も借り手がなく金融機関に資金がたまって日銀の当座預金が膨らむだけだ

 いままで何回も指摘してきたのでいささか面映いが、ケインズの言う財政・金融政策が効果を発揮するにはいくつかの前提条件がいる。
① 国内経済が閉じられていて投下された資金は国内で使われる。
② 国内に成長産業が存在し、資金は成長産業に向かう。

 こうした条件は日本にはまったく存在せず、皮肉なことに中国には存在する。中国はリーマンショック後約57兆円規模に上る財政資金を国内に投下したが、資金が海外に逃げなかったために年率8%程度の成長を維持できた。

 日本ではすでに財政政策もまた金融政策も破綻している。いくら金をつぎ込んでも資金は国外に逃げてしまい、国内では成長産業がないのだから生産の増加も消費の増加もない。
残されたのはEU各国が行っているような財政規律の健全化策を実施することで、身の丈にあった経済規模まで縮小することだ。
政府は国民に日本の財政が実質的に倒産状態(GDPの200%の公的債務など考えられないであることを明言して緊縮財政に入るのがもっとも正しい対処方法だ。

注)日本は長く輸出産業が成長産業だったが、円高でそのフレームワークが崩壊してしまった。新たな成長産業を興すことが急務だが、政府にはその力量がなく、ただインフレを起こすことしか能力がない。

なお金融財政政策については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/1/index.html
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat37949013/index.html


 

 

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