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(24.1.18) 馬英九氏の勝利と台湾経済の行方

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 やはりと言おうか当然と言おうか、台湾の総統選挙は国民党の馬英九氏が民進党の蔡英文氏を破って再選を果たした。
経済は順調に推移し、中国との関係もまったくと言っていいほど問題がないのだから馬英九氏が敗れるほうがおかしいのだが、選挙は接戦だった。

 馬英九氏の得票率は51.6%蔡英文氏の得票率は45.7%だったから、約6%の差をつけて馬英九氏が勝利したことになる。
しかし4年前の選挙では馬英九氏58%の得票率だったし、立法委員日本で言えば衆議院)選挙では国民党が大きく議席を減らしている(前回81議席、今回64議席)。

 馬英九氏としては薄氷を踏む思いの選挙だったようだ。
なぜ馬英九氏がこれほど苦戦を強いられたかの理由は、貧富の差が大きく開いた結果のようだ。
中国に進出した企業関係者や、中国への輸出で富をなした企業家は国民党との関係が深く、一方貧しく取り残された人々は台湾人が多い。

 国民党とはもともとは中国本土から毛沢東に追われて台湾に逃げ込んできた中国人で、元から台湾に住んでいた台湾人と異なる。
国民党員は元々中国人だから中国における商売は心得ているし、はっきり言えばやり手だ。
一方元からの台湾人は国民党員のような世知辛い生き方とは無縁な人々が多く、結果的に経済成長から取り残されてしまった。

 この取り残された人々が蔡英文氏を支持しており、事前の支持率では馬英九氏を上回っていた。
驚いたのは中国で「なんとしても馬英九を当選させろ、手段は問わん」と激を飛ばした。
中国には約100万人の台湾人が仕事で出張していて、ほとんどの人が国民党系なので中国政府は飛行機と航空券を用意して台湾人を一時帰国させた。
なんとしても馬英九に投票しろ、もし投票しなければ二度と中国の土地は踏ませない、いいか!!」

注)今回の得票差は約80万票だったから、中国在住台湾人の帰国政策は馬英九氏の勝利に貢献したと言える。

 なぜ中国は馬英九氏を支持するかと言うと、「中国はひとつ」という原則を表明しているからである。
もっともひとつと言う意味は同床異夢で中国は「共産党支配下の統一」だし、馬英九氏は「国民党支配下の統一」を意味しているが、人口13億の中国と2300万人の台湾では選挙をおこなえば中国の勝利は間違いないから、「中国はひとつ」で中国は満足している。

 一方蔡英文氏は台湾独立派だから、「トンでもないやつ」で中国としては蔡英文氏が勝利した場合はミサイルを台湾海峡にぶっ放し、自慢の海軍を遊弋させることになるからアメリカとの関係が一挙に緊迫してしまう。
中国としてもことさらアメリカを刺激することは避けたいので馬英九氏が勝利したことでほっと胸をなぜ下ろした。

 しかし馬英九氏の支持率は明らかに下降局面に入った。中国に進出した企業の中で中小企業は賃金上昇に悲鳴を上げだしている。今までのような中国一辺倒ではとてもやっていけなく、賃金が5分の1程度のベトナムカンボジアミャンマーに工場を移転しなければならないのは日本と同じだ。

 対中国輸出が40%と圧倒的なシェアだが、このことは中国経済の減速をモロに受けてしまうことを意味している。
中国に行きさえすれば儲かった時代が今急速に終わろうとしているのだから、馬英九氏の支持率もそれに応じて低下していくのは止むおえないと思われる。

なお台湾経済については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44242038/index.html

 

 



 

 

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