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(24.1.29) 北京がゴミに包囲されている NHKワールド・ウェーブ・トゥナイトの報告

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 先日NHKのワールド・ウェーブ・トゥナイトで注目すべき特集を放送した。
中国の北京市がごみに包囲されていると言う内容である。
北京はここ10年間人口が2倍になったのだが、それにつれてゴミの量も2倍になったそうだ。

注)この推定は過小だと思われる。生活水準の上昇分が含まれていないのでさらにゴミの量は増えているはずだ。

 北京には正式なゴミ処理場は11箇所で、ゴミの4割が不正に投棄(私はこの推定も少なすぎると思っている)されていると言われているが、誰もその実態を把握していなかった。
それを王久良さんという方が北京郊外の不法ゴミ処理場を自分の足で調査しゴミ地図を作った。それを見ると驚くべきことに北京をドーナツ状にちょうど土星の輪のように500箇所以上の不法投棄場所が取り巻いていた。

注)東京都の場合は焼却場が基本は区ごと市町村ごとにある(一部で共同焼却場もある)。また最終処分場は約3000箇所。
なお東京都の人口は1300万人、北京市は都市戸籍人口と流動人口(出稼ぎ者)を含めると2000万人をゆうに越えている。


 もちろんゴミは分別されていないから建設資材生活ゴミ医療ゴミが一緒になって、悪臭を発している。
中国より貧しいフィリピンのような場所ではゴミから紙などを集めて業者に売って生活をしている人々がいるが、中国はより生活が豊かになってそのような回収をする人はいない。
ただひたすらゴミがつみあがっていくと言う状況のようだ。

 日本でも高度成長期の頃ゴミ問題がかまびすしかった。
たまたま東京は海があったのでそこにゴミを捨てて埋め立てていた。今はとても美しい公園がある夢の島も昔は悪臭とゴミが舞い散る埋め立て地で、無数のハエが飛び回っていたものだ。

 都市にとってもっとも重要な問題がこのゴミ処理問題だ。中国は毎年のようにゴミの量は増えるので緊急の課題だが処理が追いつかない。
かといって北京市内においておくと観光客の目にとまってしまうので、郊外の捨てられるところにはすべて捨てていると言う状況のようだ。
北京市当局もゴミの不法投棄があることは知っているが、解決策がないため見てみぬふりをしている。

注)ゴミ処理には焼却場と中間処理場、最終処分場が必要だが、中国ではこうした区分はない。

 だがこうした状況が続くと、ハエの大発生や、メタンガスの発生水質汚染、食中毒、ゴミ山が崩れたり火災が発生する等、不測の自体がいつ発生してもおかしくないようになってくる。
発展の影には負の遺産がつみあがっていくのだが、あるときから負の遺産のほうが発展の果実より大きくなって都市の発展が止まる。

 中国の都市人口が有史以来はじめて農村人口を上回り、それにつれて都市の周りにはゴミが積みあがっている。
北京だけでなく南京・広州・山西・西安・重慶といった主要都市もすべて同じ状況のようだ。
中国の都市がこのゴミ問題に積極的に取り組まない限り、都市がゴミに包囲され衰退するのは時間の問題になってきた。

 中国はゴミを無料でいくらでも捨ててもいい時代が終わり、有料で処理をしなければいけない時代に入ってきた。そうした負の遺産を処理する費用が今後増大して行き、高度成長にブレーキがかかることは確かだ。

注)不法投棄をして環境を破壊する行為を経済学では「外部不経済」と呼ぶ。ある一定期間こうした行為は見てみぬ振りをしていられが、水俣病のような奇病が発生し、そうした段階から公害問題が一般市民の意識に上るようになる。

なお中国経済については以下にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

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