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(24.1.3) NHKスペシャル めざせ日本復活

 

  昨今の日本の閉塞感から脱出しようとNHKが元旦に「めざせ日本復活」という番組を企画した。
がんばれ、なにしろがんばれ日本」という番組だ。
ゲスト出場者は立教大学教授で中小企業の救世主山口義行氏、日本政策投資銀行参事役で地域振興の伝道師藻谷浩介氏、デザインディレクターでデザインの魔術師奥山清行氏だったが、いづれも元気印のおじさんで肩書きを見ると何か平安時代の陰陽師安部晴明のようなイメージだ。

 3人の特色はいわゆる現場主義者で大学の研究室に閉じこもっているような人ではない。それだけに話は面白かったが「そうはいっても」という感じはぬぐえない。

 3人は「常識を打破して閉塞感を打ち破るのはこれじゃ」と以下の提言をしてくれた。

 たとえば山口氏が最初に示したグラフでは「中小企業の中で海外進出した企業は日本国内での雇用を伸ばし、一方で日本に止まっている会社は雇用を減らした」ことを示していた。
海外生産が上向くと特殊な技術の需要は日本に頼るようになるので国内工場の生産も上がるという事例である。

 確かにその通りで私もそのように思うが、一方いまだに圧倒的な中小企業が国内に止まっているのだから、全体としては20年前に比較して製造業の従業員数は3分の2に減ってしまっている。
海外に打って出るだけの気概技術力のある中小企業は海外と国内の生産を伸ばせるという事例だろう。

 また海外進出の形態として昨今は圧倒的にM&Aが多く、過去のような工場建設は減っているという。
具体的な事例として事務用品製造業のコクヨがインドに進出していた例を紹介していた。
昨今の円高局面でしかもすぐさま経営効果が上がるのはM&Aに勝るものはない。.
すでに販売網従業員工場もあるのだから、そこに日本の優れたノウハウを投入すれば、インドでそれまではなかったような高品質の事務用品(事例では帳面)ができて、生活向上著しい中産階級の需要にマッチしそうだという。

 このM&Aは外国企業では常套手段だったが日本では嫌われていた。
他人が作り上げた企業を掻っさらうというイメージ強かったからで、はげたかファンドなんて言葉で忌み嫌っていた。
しかしようやく日本人の精神構造も欧米並みになってきたようだ。
背に腹は変えられない。円高を利用して企業を買収しろ!!」

 もっとも完全に支配するのではなく日本の優れた技術と現地の人材や販売網、そして設備(タイや中国などの新興国の設備は日本の工場より最新型になっている)を結合していわば日本とインドのハーフのような会社を作るのが成功の秘訣だと説明していた。
日本的M&Aというわけである。

 日本国内の事例では藻谷氏岡山県の真庭市という中国山脈の山間の過疎の町の事例を紹介していた。
真庭市といっても2005年の市町村合併でできた市で周辺の町や村を統合し人口は5万弱の毎年人口が減少している街である。

 この地区にある製材所がバブル崩壊後赤字経営に陥りその解決策として材木のくずで発電を開始したことから復活の足がかりができたという。

① この製材所では毎年1億円相当の電力を使用していたが木屑を利用した発電でこの費用が不要になったこと。
② 木屑そのものの処理費用に毎年2億円が必要だったがその費用も要らなくなったこと。
③ あまった木屑はぺレットに加工して真庭市での燃料の11%を占めるほどの産業に育ったこと。
④ ペレット生産が本格化してそれまで捨てられていた間伐材の活用が発生したこと。


 この事例はエネルギーを海外の原油に依存することなく地区に存在している木材資源を利用することで経費の節減と新産業の立ち上げに寄与した事例だという。
海外でもオーストリアでこのような取り組みが大々的に行われており、石油文明に対するアンチテーゼとして新たな生活様式を確立しつつあるのだそうだ。

 確かにすべてのエネルギーを木材資源で代替するのは無理があるとしても、その地区に豊富にあって見捨てられている森林を活用するというのはひとつの卓見だ。
日本には真庭市のような過疎の町がいたるところにあるのだから、この取り組みはトレースしていく価値がありそうだ。

 またデザインディレクターの 奥山氏ホンダが開発したビジネスジェットの事例を紹介していた。
ホンダは日本では進取の気質を持った会社で、不可能といわれていた自動車生産に乗り出して成功した過去がある。
日本のデザイン設計力は相当なレベルで、エンジンを翼の上につけることによって室内の空間を30%程度アップして居住性をよくしたのだという。
トイレにドアーをつけることができるようになったと説明していたが、今までのビジネスジェットのトイレはカーテンで仕切られていただけであったらしい(これでは女性経営者が客を招待してビジネスジェットを利用するわけにはいかない)。

 このビジネスジェットの事例については前にNHKで放送されていたので知ってはいたが「見ろ、日本もがんばっている」という事例である。
ビジネスショウで喝采を浴びてすでに100機の注文があるというからたいしたものだ。
ホンダには大いにがんばってもらいたいと心から思う。
ただし生産はアメリカで行っているので直接日本の雇用が増えるわけでない。

 3人の陰陽師安部晴明がそれぞれの事例を紹介してくれてとても面白かったが、それだけで日本が復活するというのはまだ揚力が足りなそうだ。
あらゆる日本人がそれぞれの立場で日本復活の処方箋を考え実行するようなことが必要で、日本人全体が安部晴明になる必要がありそうだ。

なおホンダのジェットの開発については以下の記事を参照してください。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/2381-nhk-cdc5.html

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評論 日本の経済 経済成長」カテゴリの記事

コメント

あけましておめでとうございます。
山崎さんのブログを朝イチで見る事を日課にしております。
一つの指標として、今年も楽しみに読ませていただきます。

ところで、ランニングの際の持久力の話ですが、もし機会があればBCAAを試してみたらいかがでしょう。
コメントし損ねたのですが、ご紹介したいと思っていました。
各社から製品が出ています。
BCAAでググると、いろいろあると思います。理にかなったサプリメントです。ご参考まで。

(山崎)あけましておめでとうございます。

私が普段使用しているのはアミノバイタルでこれも相当効果があり、フルマラソン以上では必ず使用します。
しかし最近はこのアミノバイタル以上のサプリメントが出ているらしく、走友会では鳥の筋肉パワー(サプリメント名は忘れました)が評判になっていました。
BCAAというのは聞いたことがないのですが一度調べて見ます。
この年になるとサプリメントなしに走るのは不可能なので効した知識は必須になっています。

投稿: バイオマスおやじ | 2012年1月 3日 (火) 12時03分

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