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(24.1.27) 輸出立国の終焉と日本の将来 The end of export nation and Japan's future

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 長い間日本の国是であった輸出立国が終焉した。11年度の貿易統計速報が通関ベースで約2兆5千億円貿易赤字になったと報じたからだ。
日本の貿易収支が赤字になったのは石油危機1980年以来だから、約31年ぶりの赤字である。
原因は歴史的円高東日本大震災が重なって輸出産業のサプライチェーンが崩壊したからだと説明されている。

 そしていまだ「大震災の影響がなくなれば再び日本は貿易立国に戻る」との予測をする人もいるが、私はそれはありえないと思っている。
1980年との最大の相違があり、それは日本から輸出産業がタイや中国等に逃げ出しているからだ。
鶏がいないのだから卵を生めるはずがない。

注)タイの工場団地の水害の被害に驚いた方は多いと思うが、そこに進出していた企業が日本を代表する企業群だったことにさらに驚いたはずだ。日本の輸出産業はこのようにすでに海外に逃げ出している。

 過去日本が輸出立国を目指したのは、国内に資源が乏しく石油LNG鉄鉱石食料を大量に輸入しなければならなかったからである。
この政策は高度成長期を通じて大成功を収め、日本は輸入するよりもはるかに多くの製品を輸出して、毎年10兆円から15兆円規模の貿易黒字を稼ぎ出していた。

 こうした貿易黒字はさらに海外に投資され、その収益金利子や配当で所得収支と言う)がこれも10兆円規模になったため、リーマンショック以前には経常収支貿易収支+所得収支+サービス収支)は25兆円規模に膨れ上がっていた。
日本が世界の富を収奪していたようなものだったが、リーマンショック以降歯車が逆回転してしまった。

 日本がリーマンショック以前に輸出立国でいられた最大の理由は、アメリカのドル高政策にある。その間日本は失われた10年を挽回しようと低金利政策をとり続けたため、円安ドル高の基調が続き1ドル120円程度の輸出産業にとってはこの世の春のような状況だった。
今は世界3位に落ちてしまったトヨタが毎年1兆円規模の営業収益を上げていたあの時代のことである。

 今日本で輸出産業が崩壊したのはリーマンショック後1ドル76円程度の円高になってしまい、約4割程度円が上昇したからだ。
特に日本の最大のライバル韓国ウォンはドル以上に減価して、対円相場で5割程度の水準になっている。
サムスンLG電子ヒュンダイが世界市場で日本メーカーを駆逐しているのも、日本の約半分の価格で製品輸出ができるからと言っていい。

注)最新の生産設備を装備すれば韓国であろうと中国であろうと台湾であろうと同じような品質の製品が作れる。したがって後は価格競争になる。

 日本の輸出産業はそれでもトヨタのように国内での生産を死守しようと海外からの部品調達や合理化を進めたが、いくらがんばっても日本の半値になった韓国製品にはかなわない。
今は海外の現地生産に比重を移し国内の工場は閑古鳥が鳴いている。

 こうした中で日本はどのようにしたら世界経済の中で生き抜いていくことができるのだろうか。
私がこのブログの中で再三に渡り言及しているのは、貿易立国終焉のあとは医療大国を目指すことと金融立国を目指し金融機関の収益性を上げることだと思っている。

 医療大国を目指すと言うのは日本で期待できる最大の成長産業だからで、日本のような人口停滞国で老人比率が世界最高の国では医療費以外の支出が増えることはないからだ。
これは老人になってみるとわかるが、食欲などほとんどなくなり、衣類を着飾ることは恋の季節が終わっているので必要なく、家の手当ては済んでいて、旅行するにも遠くに行くのは億劫だから近辺を散歩するぐらいで済ませてしまう。
おかげでデパートもスーパーもコンビニも毎年売り上げが減少し、ファミリーレストランも倒産が相次いでいる。

 金を支出することが少なくなって唯一増大するのは医療費だけだ。
身体だけは毎年衰えていくので、あれやこれやと信じられない病気になって、この費用だけは毎年増加の一途をたどっている。

 日本は医療を必要とする老人が世界で最高の比率でいるのだからこれほどの成長産業はない。
私は若者にぜひ医者になれと勧めているが、医者だけは日本の社会で絶対に食いっぱぐれがない職業で、特にインプラントのような自由診療を取り入れれば収益は思いのままだ。
さらに世界から金持ちの患者を受け入れれば、日本は世界の老人医療の大国に絶対なれる

注)一般に医者になるには進学校で優秀な成績をとらないと不可能と思われているが、試験勉強の方法論を工夫すれば通常の能力と熱意で医者になれる。その方法論は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-8747.html

 また私が金融機関の収益力向上を常に主張するのは、日本の金融機関が衰退産業になって久しいからだ。
かつて私が職員だった頃は大蔵省の護送船団方式が功を奏して非常な収益力を挙げていたが、今は政府の発行する国債購入機関になってしまい利ざや1%程度の低収益産業になっている。

注)かつては日本の金融機関の職員の給与は非常に高かったが、現在は平均レベルになってしまった。

 それでも政府が集めた国債で日本の産業育成等がなされているのならまだ我慢ができるが、実際はこの資金はヤンバダムのような不要なダムや茨城空港のような飛行機が飛ばない飛行場や、漁師がいなくなった漁港等を作るために使用されている。
確かに作るときは建設業者に工事費が支払われ雇用が生まれるが、その後こうした施設は何の役にも立たないまま維持管理を行うことになり、将来にわたって無駄な経費を支出し続けることで日本そのものの体力を弱めてきた

注)いかにこうした支出が無駄かは以下に記した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/231231-201b.html

 アメリカやイギリスがなぜヘッジファンドを中心とする金融業を保護するかと言えば、それが10%から20%程度の収益を上げ続ける成長産業だからだ。
ヘッジファンドもアメリカやイギリスの企業であり、そこが繁栄すれば雇用も税収入も上がる。
だからフランスやドイツがどんなにヘッジファンドの規制を叫んでもアメリカとイギリスは応じようとしない。

 輸出で収益が上げられなくなった国家はサービス業医療産業や観光産業)を振興するか金融業で国家の再生を図るのが常套手段だ。
2011年、日本は貿易立国から滑り落ちた。
円高は当面収まることはなく、輸出産業は日本から逃げ出してしまった。
今後は医療立国金融立国が日本の国是になることを切に願っている。

なお経済成長に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43696146/index.html

今回もGoogle Translationは一部にとどめました

Japan has ended the export nation. It was Japan's national policy.
Preliminary trade figures in 2011 have reported that the trade deficit was approximately 2.5 trillion yen.
Japan's trade deficit is since the 1980's oil crisis. It is a deficit of about 31 years.
Eastern Earthquake causes overlapped from other historical the strong yen .

And if it stops the effects of earthquake, Japan has been predicted to return to a trading nation. But I think it is impossible.
The biggest difference between 1980 and now
is that export industries  run away to Thailand and China from Japan.

Japan's export nation aimed at the past, had to import large amounts of food and scarce oil and LNG and iron .
This policy is a huge success throughout the period of high growth. Japan has been exported, making money was a trade surplus of 10 trillion yen to 15 trillion yen annually.

These surpluses will be invested in foreign trade. Its proceeds (interest and dividend income balance and say) was 10 trillion yen. Before the collapse of Lehman Brothers, the current account (trade balance + service + income balance) was 25 trillion yen.
Japanwas Plundering the wealth of the world . But since the collapse of Lehman Brothers, the reverse gear.

Before the collapse of Lehman Brothers Japan was exporting nation. The reason is that in the U.S. strong dollar policy. Meanwhile Japan has tried to make up for lost decade. And Japan continued to take a low interest rate policy. As a result, the yen continued trend of depreciation of the yen against the dollar. Export industry for about 120 yen to 1 dollar was the best conditions.
Toyota has fallen to third placeis now in the world . But at that time, Toyota had sales revenues of 1 trillion yen annually.

Japanese export industry collapsed today. The reason is the collapse of Lehman Brothers. Then yen appreciation of the yen was about ¥ 76 a dollar. The yen rose about 40% approximately.
Japan's biggest rival, especially the Korean currency is Won. It was more than $ depreciation. Wong has been a level of about 50% against the yen at the market.
Samsung and LG Electronics and Hyundai have been expelling the Japanese manufacturers in the global market. Korean products can be exported to about half the price of Japanese products.

 

 

 

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