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(24.1.15) 2012年世界はどう動く 中国とインドのノックアウト症候群

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 経済のノックアウト症候群と言う言葉をご存知だろうか。今まで快調に推移してこのまま行けば世界経済の覇権を握るのは(握り続けるのは)絶対だと思われていたときに、不意打ちを食らったように経済が失速する現象を言う。

 日本では1990年前後バブル崩壊までは、アメリカ経済を凌駕してGDPで世界一になることは確実で、もう世界から学ぶものは何もないと思われていた。
ポール・ケネディ氏の「大国の興亡」がベストセラーになり、その表紙はイギリスの衰退、アメリカのピークアウト、そして日本の隆盛をあらわす挿絵になっていた。
それから20年、バブル崩壊後の日本は世界経済のプレーヤーから脱落している。

 アメリカがこのノックアウト症候群に襲われたのは2008年のリーマン・ショックだが、それまではアメリカの消費者は不動産を担保に消費財を無制限に購入し続け、金融機関はそれを証券化しサブプライムローンディリバティブ商品を売りまくっていた。
証券会社の職員の給与は億単位でニューヨークは不夜城だった。

 その中でグリーンスパンFRB議長がアメリカ経済隆盛の立役者とたたえられ、その一挙手一動を世界が注目していたものだ。
だがグリーンスパン議長が行ったことは2000年はじめにIT バブルが崩壊した後、不動産バブル・証券バブルを演出して経済の底上げを図ったと言うのが客観的な見方だろう。
アメリカもリーマン・ショック以来長期低迷に陥り、失業率は高止まりしたまま回復の手がかりをつかめない。

 EUについてはギリシャ危機が突然襲い掛かり(ギリシャ政府が唐突に今までの財政赤字の数値は粉飾だったと発表した)、それがイタリア、スペイン、ポルトガル,フランスにまで影響が及びそうになって、ついにドイツ経済までマイナス成長になってしまった。
EUの場合はリーマン・ショックを各国が国債発行でしのいできたが弱い国家の国債に赤信号がともったことによる。
こうしてEU(ユーロ)もノックアウト症候群にかかってしまった。

 そして今中国とインドにこのノックアウト症候群が襲い掛かっている。
中国の場合は長らく10%以上の経済成長をしていたが、最大の輸出先のEUが急失速したため倒産が増大し、輸出産業のメッカ広東省の東カン市では450社あまりの企業が倒産している。
不動産バブルも崩壊し、北京や上海の高層住宅は投売りの状態になっており、株式も上海総合は3割がた低下し、日本のバブル崩壊時と瓜二つだ。

 成長率は11年7~9月期9.1%でこの数字は傾向的に低下している。中国のGDPはまだ十分高いが、統計の絶対値はいつも胡散臭いのでよくわからないものの、傾向は明らかに減速している。
ほぼ正確と見られている貿易統計でも伸び率はこの夏以来急激に低下し始めた。

注)中国の対前年比貿易額の伸び率。
・11年8月 24.5%、9月 17.1%、 10月 15.9%、11月 13.8%、 12月 13.5%

 中国の政策担当者はなお強気で今後とも内需拡大により8%程度の成長は可能と言っているが、日本の高度成長(10%前後)が石油ショックで成長率が半減(5%前後)したような影響をこのEU危機は中国に与え、中成長の時代に入っていくものと思われる。

 またインドの経済失速も急激に訪れた。インドは中国ほどではないが急成長をしてきており9%台の成長だったが、11年7月~9月のGDP伸び率は6.9%と6%台にまで低下している。
インドの場合は輸出産業が育っておらず、貿易収支は常に赤字でこの不足分を外国からの借入金投資資金)とサービス収支ソフトウェア産業の下請け)でファイナンスする構造になっている。

 通貨ルピーは常に弱含みでここ1年間の間に20%程度低下してしまった。
原油価格やその他鉱物資源や食料品の高騰と通貨安でインフレ(10%前後)が激しく、これを抑えるために高金利政策8%)をとったために経済が急失速してノックアウト症候群になってしまった。

 さらにインド経済の問題を複雑にしているのはインド政府が自由化路線を採っているが、小売業者を中心とする一般住民の反発でインド政府は約束した海外の大手小売業のインド進出許可を急に取り消した。
インドは海外からの投資がなくては経済成長ができず、一方海外投資は住民の反対にあって、インドの成長にも明らかな限界が見え始めている。

 こうして世界中の経済がノックアウト症候群にかかり、日本・アメリカ・EU経済成長がストップし、中国・インド中成長の時代に入ってきた。

なおEUの経済状況については以下にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43160490/index.html

また中国経済についての記事は以下のとおりです。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html 

インド経済やアメリカ経済についてもカテゴリーでまとめてあります。

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