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(23.12.7) NHK 21世紀の戦争 サイバー攻撃の恐怖  今そこにある危機

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  NHKが先日放送した「21世紀の戦争 サイバー攻撃の恐怖」は実に衝撃的な内容だった。
すでにサイバー空間において核兵器に相当するサイバー兵器が開発されて実戦に使用されていて、その名前はスタックスネットと呼ばれているという。

 昨年の11月、イランのナタンズにあるウラン濃縮施設がサイバー攻撃を受け、この施設が稼動できなくなった。
ここは核兵器の原料を作るためのウラン濃縮装置が地中深く設置されており、外部との接続を一切遮断されているのだが、そこの遠心分離機を制御する産業用制御装置が突然誤作動を始めたという。
この制御装置はドイツのシーメンス製で、その遠心分離機の制御装置だけを狙って誤作動させるという実に驚くべき能力を持ったウィルスのせいだった。

注)遠心分離機によってウランの濃縮を行う。この濃縮が90%以上になると核兵器に利用できる。 

 
このウィルスは最初マイクロソフトのウィンドウズ4つのゼロ点誰も気がつかないバグでここからウィンドウズにもぐりこむことができる)を利用して密かにもぐりこむのだが、たとえもぐりこんでもステレス戦闘機のように察知されないのだという。
このゼロ点を発見することがハッカーにとって最も名誉ある勲章で、これを密かに販売すれば一つのゼロ点は約10万ドル約760万円)で闇市場で売れるという。
このウィルスはそのゼロ点を4つも発見して、そこから進入していた。

 このスタックスネットを開発してイランの核燃料施設に攻撃を加えたのは状況証拠から見てイスラエルの情報機関モサドとそれを支援しているアメリカのCIAといわれている。
過去2回イスラエルはイスラム圏の核施設を爆撃機により空爆してきた。
1回目はイラクで、2回目はシリア(07年)だった。
特に2回目のシリアの核施設攻撃時には、事前にシリア空軍のレーダー網を麻痺させて、攻撃がまったく分からないうちに核施設を破壊している。

 この事前にレーダー網に誤作動を起こさせるという方法がスタックスネットの最初の応用で、イランと異なるのはシリアのウラン濃縮装置の制御装置の情報がなかったため、次善の策としてレーダー網をマヒさせる戦略をとったものと思われる。

注)ただしこのときはそれがスタックスネットだとは思われていなかった。

 今回のサイバー攻撃が明るみに出たのは、当のマイクロソフト社が秘密裏に世界各国のセキュリティー会社に調査を依頼したからだ。
なにか不思議なウイルスがウィンドウズを攻撃している。その正体を調べてほしい
この結果スタックスネットに感染しているパソコンは約10万台で、そのうちの60%以上イランのパソコンに感染している事実を突き止めた。

注)イランの核施設は外部と遮断され、インターネットからの攻撃を受けないようになっている。そのため攻撃者はイランにあるインターネットに接続されたあらゆるパソコンに進入し、そのパソコン使用者がデータをUSBメモリー等で核関連の制御装置に入力するのを待っていた。

 このウィルスのコード(設計図)はほとんどが暗号化されていたが、一部暗号化していない文字があった。それがシーメンスと言う文字とその制御装置を意味するPLCと言う文字だったという
このことからこれがシーメンス製の制御装置のプログラムを書き換えてしまうウィルスであることが判明した。
さらに調査をするとシーメンスの制御装置の中でウラン濃縮装置の制御装置にだけ反応して、その遠心分離機の回転数を限界を越えて上げてしまい、結果的に遠心分離機を破壊するウィルスであることが分かった。

何と言うことだ!!!産業用制御装置を破壊するまったく新たなウィルスだ!!!!」
世界のセキュリティー担当者が色めきたった。

 今までのウィルスは制御装置を攻撃対象にしたことはなく、もっぱらウィンドウズパソコンにもぐりこんでそこにあるデータを盗むことを目的にし、軍事情報、企業情報、個人のIDやパスワードを盗んでいた。
官庁関連のパソコンや軍事産業をもっぱら標的にしたのは中国軍のサイバーテロ部隊の攻撃であり、IDとパスワードを盗んで他人の預金を引き出そうとしたのは経済犯罪者の仕業である。

 しかしイスラエルのモサドが開発したスタックスネットはすべてのインフラの制御装置に働きかけてその動きを止めたり破壊したり誤作動を起こすことができるものだった。
たとえば日本に対して攻撃を仕掛ければ原子力発電所の原子炉の温度を極端に上げて破壊したり、新幹線の運行システムに誤作動を起こさせて衝突事故を起こさせたり、航空管制システムを乗っ取って航空機の墜落を誘導することができる。

 そして何よりも軍事面での応用が広く、たとえば味方の戦闘機を敵の戦闘機と誤認させて打ち落とさせたり、事前にレーダー網を破壊して防衛能力を無力にしたり、衛星通信を麻痺させて防空システムをずたずたにしてしまうことも可能になる。
もちろん核攻撃の指令を与えて他国を核攻撃させることもできる。
大変だ、ミサイルも航空機も空母も原潜も乗っ取られてしまう・・・・

 このため各国の軍隊が一斉にスタックスネットのコードの解読とその兵器への応用に着手しはじめた。
ついに21世紀のサイバー兵器が現れた。これを研究して我が国もサイバー兵器を整備せよ
すでにスタックスネット改良版と見られるウィルスが再び蔓延しているが、今のところこのウィルスが何を狙って開発されたのは分かっていない。

 21世紀はサイバー戦争の時代だ。現在のところその最先端を走っているのがイスラエルのモサドでこのサイバー空間の覇者になっている。
ややレベルが低いが従来型ウィルスでの攻撃で世界の軍事技術を盗みまくっているのが中国で、中国のサイバーテロ組織も侮れない。
アメリカはその内実は不明だが、IT技術の最先端国だから本気になれば王者になれる。日本の場合は防衛省や三菱重工業などが中国のサイバー攻撃にさらされており、もっぱら防戦一方だ。

 いまや他国が空母やミサイルを持っていても、その運行管理システム制御システムを乗っ取れば、たとえば中国のミサイルを北京に落とすこともできる。
さらに中国が開発している空母に向かって中国軍の総攻撃を仕掛けさせることも可能なのだ。
21世紀はスタックスネットの時代である
1機数百億の戦闘機を購入するよりも、その制御システムを乗っ取るスタックスネットの開発のほうがはるかに安上がりだ。

 時代が一気にそこまで進んでしまった。実に戦慄すべき事態だ。

注)なおNHKのこの番組ではスタックスネットの開発がモサドによるものとは断定していないが、番組を見れば誰でもそれがモサドの仕業であることがわかるようになっている。

なおサイバー戦争についての記事は以下に纏めてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46749968/index.html

 

 

 

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