« (23.12.9) 中国と韓国の黄海決戦 中国漁船の違法操業 | トップページ | (23.12.11) モダンイスラムの行方 トルコの復権 »

(23.12.10) 中国から資本が逃げていく 中国経済のピークアウト

2024_051 
(近くの公園にいた鳥ですが、この鳥の種類を知っている人がいたら教えてください。50cm程度のとても大きな鳥です

 中国から投資資金が逃げ出した。10月の外国為替資金残高が4年ぶりに減少したが、不動産や株式に投資していたホット資金が中国から逃げ出したからだ。おかげで対ドル相場で上昇を続けていた人民元が値下がりしてきた。
特に逃げ足が早いのがアメリカの投資会社で中国不動産を一斉に売り出している。

 おかげで香港・北京・上海・シンセンといった大都市の不動産価格は大暴落をしている。
中国政府の公式発表では全国平均で10月▲0.23%、11月▲0.28%だが誰も信用していない。
大都市圏で高値物件を手に入れて浮かれていたら、不動産会社が値引き販売を始めたからだ。
値引率は20%~30%程度に拡大し、社会問題化しつつある
最初に購入した人たちが怒って値引き相当額の返還を要求しているものの、当然のことに不動産会社は応じない。


 中国人民銀行も警告を発し、「もし不動産価格が20%程度下がれば金融機関に影響が出るだろう」とコメントしたが、今年から来年にかけて30%程度の値下がりがあるとするのがアナリストの一致した見方だ。

 中国にとって不動産価格の値下がりが特に問題なのは、地方政府にとって不動産の使用権の販売が税収の約3分の1程度を占めており、この販売益を使ってインフラの整備(道路、港湾、飛行場、上下水道等)を進めてきたからだ。
今後とも使用権が上昇するとの予測の元に積極的な投資を進めてきたが、その収入が頭打ちから減少に転ずると償還財源がなくなってしまう。

注)中国では土地はすべて国家のものだから、その土地の使用権の販売だけができる。

 日本ではバブル時に第三セクターと称して不動産開発に邁進し、いたるところに工場団地やテーマパークが乱立した。しかしバブル崩壊ですべてが赤字体質になってしまい、その処理に今も苦しんでいる地方自治体が多い。
これと同じことが中国で起こっており、見栄で作りまくった新幹線も飛行場も高層建築も閑古鳥が鳴こうとしている。

 中国経済が変調をきたし始めた最大の理由は先進国経済が低迷し始めたからである。
日本経済は1990年のバブル崩壊から失われた20年に入っており、今さらにヨーロッパ経済がこの失われた20年に突入しようとしている。
アメリカ経済は日本とヨーロッパに比較すると相対的に健全だが、サブプライムローンの重石は重く経済は上昇しない。

注)アメリカ経済が相対的にまともなのは金融業、IT産業といった成長産業をまだ国内に持っているから。

 中国はそうした先進国に対する輸出基地として成長してきたが、ヨーロッパをはじめとして中国製品を受け入れる余力がなくなってきた。
また国際金融が変調をきたしているため、金融機関やヘッジファンドは資金を手元に置く戦略をとっており、中国をはじめとする新興国から資金を引き上げている

注)中国だけでなくブラジルもロシアもインドもGDPの伸び率が予測を下回りつつある。

 日本人は十分すぎるほどバブルの崩壊を経験しているから、「まあ、舞い上がれば落ちるものよ」程度の感覚だが、中国人にとっては大問題で、いわば経済成長も初めてならその崩壊も初めてと言うことになる。
中国の30年余り続いた経済成長も転換点を迎えた

 シンセン大学金融研究所所長の国世平教授が「過去十年に比べ向こう10年間は築き上げた信用と資産が泡と消える10年になる。不動産価格が一旦下がり始めたら5%から10%程度でとどまることはない」とコメントしているがこのあたりが妥当な判断だろう。

 20世紀の後半から始まったGDPの世紀は、ここに来て世界的規模で終末を迎えようとしている。

なお中国経済についての記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 
 

 

|

« (23.12.9) 中国と韓国の黄海決戦 中国漁船の違法操業 | トップページ | (23.12.11) モダンイスラムの行方 トルコの復権 »

評論 世界経済 中国経済」カテゴリの記事

コメント

多分、ゴイサギだろうと思います。

(山崎)ありがとうございます。

投稿: OKAME | 2011年12月10日 (土) 19時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (23.12.9) 中国と韓国の黄海決戦 中国漁船の違法操業 | トップページ | (23.12.11) モダンイスラムの行方 トルコの復権 »