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(23.11.28) 大王製紙井川意高(もとたか)元会長と人間の業(ごう)

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 大王製紙井川意高もとたか)元会長を見ていると、人間と言うものはつくづくにとらわれた生き物だということが分かる。
井川氏は自身が会長を務める子会社7社から合計107億円の資金を引き出し、そのほとんどをカジノの賭博ですってしまい、自身の株券等で弁済をしたものの、86億円規模の資金を焦げ付かせたままであるという。

 井川氏本人の話では「株式の先物取引で多額の損失を出した時に、たまたま訪れたカジノでバカ勝ちをしたため、その後ギャンブルにのめりこんだ」のだという。
いわゆるビギナーズラックと言われるものだが、実際は仕組まれたビギナーズラックだった可能性のほうが高い。

注)この世界では上客の確保のためのエージェントがいて、金余りのお坊ちゃんをリクルートしている。その場合は最初はその上客にバカ勝ちさせて、その後資金を回収するのが普通

 大王製紙といえば愛媛県の代表的な企業で、製紙業界では国内第4位、世界的にも20位といった堂々たる企業だ。
このような社会的企業の会長がカジノで子会社の資金を湯水のように使っていたのだから、今までそのことが表面化しなかったことのほうが不思議だ。

 実際は2年前頃から借入の実態は知られており、父親の高雄前顧問から非常に厳しく叱責を受け、本人が弁済できない分は高雄前顧問が会社に対し弁済までしている。
お前の尻拭いはこれだけだ。二度と会社の金は使うな、これ以上迷惑かけたら許さんぞ!!!」

 しかし「親の心子知らず」とはこのことで、意高氏はその後も親の目を盗んでは子会社から借入を繰り返していたという。
おやじには内緒でようだててくれ。金はすぐに返すからラスベガスのこの口座に送金してほしい

 意高氏の資金繰りは火の車になっていたらしい。元々はカジノでの損失が膨らんだからだが、子会社の金を何時までも借りているわけにはいかない。
通常子会社が用立てた資金は資金繰り資金だから、支払時期が来れば回収する必要がある。
会長、あの資金がなくては手形が落とせません。返済をお願いします
意高氏は自ら会長を務める子会社の資金を次々に回すことによって発覚を防ごうとしたがうまく行かず、資金繰りに窮した子会社の内部告発があって、ついに表ざたになってしまった。

 心理学の世界では人間の約1%はギャンブル依存症になるといわれているが、意高氏はその1%だったのだろう。
実際に人間を見ていると何か業にとらわれているのではないかと思うことがある。
人のことは言えず私自身はマラソン依存症で、1000kmマラソン24時間走といった、通常の感覚では異状と思われるようなマラソンをしている。
それでも問題が表面化しないのはマラソンにかかる費用は、レースの参加料やマラソンシューズの購入費程度だから、幸いにも生活に支障が出ないからだ。

 意高氏の場合は日本を代表する企業の会長で、100億円単位の資金を個人的に使用できる立場にいたことが問題を大きくしてしまった。
元々人間は放っておけば怠惰に流れる性癖があるのだから、そうならないためにチェック機能が用意されている。
取締役会監査役制度、それに外部の会計監査等だが、今回の場合はいづれも知っていて知らぬふりをしていた。

 また父親も強く叱責はしたものの、子供可愛さのために意高氏を会長から罷免することはしていなかった。
父親の高雄氏は事件後「父親として深く道義的責任は感ずるが、本件はあくまで個人的問題だ」とコメントしたが、ギャンブル依存症の息子の実情を知っていながら、会長職を罷免しなかったのは経営者として不覚だったといわれても致し方ない。

 権力者は怠惰に流れてもチェック機能が働かない。クリントン元大統領は近くにいる女性すべてに手を出し、ベルルスコーニ前首相は政府専用機に売春婦を招き入れては大人の遊びに興じていた。
エリツィン元大統領は浴びるほどウォッカを飲んでは、酔っ払って外国とのまともな交渉ができなかった。
 
 権力者は人間の業と言うものをかみ締めて自重すべきなのだが、実際はなかなか困難なようだ。

 

 

 


 

 

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