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2011年11月

(23.11.30) 大阪維新の会の大勝と既成政党の沈没 「衰退」か「変革」か!!

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 27日に行われた大阪府知事市長のダブル選挙は大阪維新の会が大勝し、知事は松井一郎氏、市長は橋下徹氏が当選した。
既成政党の民主党自民党、そして共産党までが大阪維新の会に対抗して特に市長選では現市長の平松氏を応援したが、大阪府民の反応は「NO」だった。

 大阪府民がなぜ既往政党を嫌い、大阪維新の会が掲げる大阪都構想教育改革を支持するかの気持ちは分かる。
日本の大都市の中で大阪ほど地盤沈下の激しい都市はなく、それに対し既成政党はその再生のプログラムをまったく示していないからだ。

 江戸・明治・大正・昭和のはじめにかけて大阪は東京と並んだ日本の二大都市だった。
人口も経済力も東京に匹敵し大阪人は自信と誇りを持って生活していた。
東京何するものぞ」という気概もあり、東京と関西と言う二大文明が日本にあったといっていい。
その大阪が地盤沈下を始めたのが高度成長期の頃で、それまで大阪を引っ張ってきた繊維産業が日本の中で衰退産業になったからである。

 私はいまから35年ほど前に大阪で金融機関の仕事をしていたが、その頃から大阪の衰退が常に論議の的となっていた。
大阪の大手企業の本社機能が東京に一極集中し、地場の繊維産業が衰退する中で大阪を金融機関としてどのようにして支えればよいか」という問題意識である。

 だが大阪はその後も衰退を続け、人口は神奈川県に抜かれて第3位になり、さらに愛知県に追い上げられている。
大阪府の人口伸び率は大都市圏の中では際立って低くく、そのうち減少するのではないかと思われるほどだ。
また経済力についても東京の45%程度の規模しかなく、愛知県とどっこいどっこいであり、ほぼ成長は止まり愛知県に抜かれ第3位に滑り落ちるのは時間の問題になった。

 このように大阪はすでに日本の第2の都市でなくなっており、第3位のローカル都市になろうとしていたときに橋下氏が大阪都構想を掲げて大阪の再生を訴えたのだから選挙民が橋下氏に投票したくなるのも当然だ。
このままでは、あきまへんわ。大阪復活は橋下さんにたのんますわ」

 橋本氏に対抗した平松氏は、ただ現状を維持して大阪を老衰させようと言う案だから、支持する人は既得権益者だけになる。
平松氏はプライドは高いが店じまいま近かの大店の旦那と同じだから、やはり負けるべくして負けたのだが、これを支持したのは民主党自民党、そして共産党だから既成政党が大阪で赤っ恥をかいた(公明党は賢明にも自主投票にした)。
こうした既成政党は変革を嫌い、ただ現状維持だけを願っていることは明らかだ。

注)地方レベルから既成政党の沈没が始まっている。従来の枠組み(保守と革新)が崩れ「衰退」か「変革」かが対立軸になってきている。

 大阪は日本で最も衰退が顕在化している大都市の一つだが、今までは市と府とがけんかばかりして展望が持てなかった。
そもそも人口も伸びず、経済がジリ貧なのに府と市が互いに権益合戦をしてきた。

 教育問題では府立高校の進学校が健闘しており問題はないのではないかと思っていたが、橋下氏は「府立高校から著名大学に1000人は入学させる」という。どうやら橋下氏は大阪を日本で一番の教育県にしたいらしい。しかし教育委員会は現状で満足しているので橋下氏の怒りが爆発した。
教育委員会と教員がいかん、真面目に教育に取り組む教員とそうでないものを区別しよう
これに教育委員会が真っ向から反対した。
そんなことをしたら、せっかくの和気あいあいとした教員間の環境が崩壊してしまう。競争は教育環境になじまない

 橋下氏が主導している大阪都構想教育現場の活性化や大阪に新産業を起こす話はとても魅力的だが、既得権益者にとって見たら「トンでもない話」になる。
第一府と市を統一されて合理化されたらかなりの職員の職が失われるし、今までのように仕事をしたふりをして月給を得ることもできない。
市と深いつながりのあった納入業者は競争下に置かれるので甘い汁はすえない。
教員は学生の学力向上に努力しなければならないのでエネルギーが倍以上要るだろう。
だから既得権者平松氏を支持して、ゆっくりとした衰退を選ぶのも当然なのだ。
ただ壊せばいいというものではない。大阪のよき伝統を守れ

 現在日本全体が衰退しており、その中でも大阪の衰退が際立っている。私のような老人は無常観を漂わせていればそれで済むが、現役のサラリーマンや学生にとっては職場が失われて失業が日常化するのは大問題だ。
橋下氏がイメージしている新産業がどのようなものかはまだ分からないが、新産業がなければ大阪の衰退を止められないのも事実だ。

 大阪の有権者は橋下氏に大阪再生の希望を託した。私も橋下氏の辣腕に期待しよう。

なお本件と関連する記事は以下の通り。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/231017-d70e.html




 

 

 

 

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(23.11.29) 第31回つくばマラソン完走記 究極のスロウジョガーになってしまった

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 この27日につくば学園都市で第31回目つくばマラソンが開催された。
この大会は関東地区ではとても人気があって、エントリーもその日のうちに一杯になるというような盛況だ。
私もランナーズのネット登録をようやっとのことでできてほっとしたものだ。

 このつくばマラソンが人気のある理由の一つに記録を出しやすいことがあり、ほぼ平坦な道をひた走ることになる。昔はこの時期になるとつくばおろしの空っ風が吹いていたが、昨今は暖かで微風の日が多くなってきており、この日も快晴でとても快適なマラソン日和だった。
そのせいだろうか、トップ選手は快調に飛ばしていた。

 私が所属しているちはら台走友会もこのマラソンをクラブの推奨マラソンの一つにしており、今回は14名が参加した。
従来は会場まで自家用車に分乗して行っていたが人数が多い場合はバスをチャーターして行くのが便利だ。
かつてはチャーター料はかなり高かったが昨今は4万円ちょっとでチャーターできるので今回も走友会ではバスをチャーターした。
チャーターバスだと帰りは大宴会になるので酒飲みランナーの最大の楽しみになる

 私はこのマラソンで3時間45分を目指し、ランナーズの年齢別日本人ランキング100番をめざしたが、残念ながら今回もかなわぬ夢になってしまった。
時間は4時間3分53秒、全体で4903位エントリー数は13000人程度)だった。
老人なのだからまあまあの成績」とはいえるがランキング入りを逃してしまったのは無念だ。

 一番の原因はスピード走法がまったくできなくなっていることだろう。
このところウルトラマラソンばかりをしてきたためにゆっくりしたスピードで何時までも走りきることはできても、フルマラソンで必要なスピードがまったくでない。
1ヶ月前のハーフマラソンでそのことに気づいてスピード練習を始めたとたん、坂道の木道で真後ろに転んでしまった。
霜が降りていてつるつるだったせいだが、頭を打つのを防ぐために後ろに手をついて頭を防いだのはいいが、そのかわりおを木道に思いっきり打ち付けてしまった。
イテー、尻が割れる

 尻から火が出るとはこのことだ。あまりの痛さにしばらくその場に寝ていたが直らない。
その日以来歩くことにも往生してしまったのだからスピード練習など夢のまた夢だ。
つくばマラソンに備えてようやく直前に練習を再開したものの、またいつものスローJOGになってしまった。早く走るとお尻に激痛が走る。
マラソン当日は歯痛の時に歯医者で処方してもらった鎮痛剤が残っていたのでこれを飲んで出場するという最悪のコンディションだった。
何とか走っている間だけでも痛さを抑えてください・・・・

 尻の骨にヒビが入っている可能性はあり家族からは医者に行くのを勧められているが、医者から「しばらくマラソンは控えてください」なんていわれるのが怖いので避けている。
それでも前半は1時間55分で入っていたので、後半も速度が落ちなければ3時間50分は可能かと予測したが、実際は30kmをすぎる頃からまったくスピードが出なくなった。
走っているランナーに次々に抜かれ私が抜くランナーは歩いているランナーだけだ。
何と言うことだ歩いている人しか抜けないのか」もっとも30kmをすぎるとかなりの人が歩いている。

 いつものスロージョグで何とかゴールはできるのだが、どうしても年齢別ランキングの目標は達成できない。
ゴールをして走友会の集合所に行くと3時間そこそこでゴールしていた快速ランナーのメンバーがコーヒーを沸かして待っていてくれた。
身体が冷えているとき暖かいコーヒーはおいしい。

 今日(28日)はまだお尻に激痛が走っているので清掃活動にもいけない。
来週は長柄駅伝があるのだが、また鎮痛剤を飲んで走ることになりそうだ。

なおちはら台走友会の記事は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44088639/index.html



 

 

 

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(23.11.28) 大王製紙井川意高(もとたか)元会長と人間の業(ごう)

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 大王製紙井川意高もとたか)元会長を見ていると、人間と言うものはつくづくにとらわれた生き物だということが分かる。
井川氏は自身が会長を務める子会社7社から合計107億円の資金を引き出し、そのほとんどをカジノの賭博ですってしまい、自身の株券等で弁済をしたものの、86億円規模の資金を焦げ付かせたままであるという。

 井川氏本人の話では「株式の先物取引で多額の損失を出した時に、たまたま訪れたカジノでバカ勝ちをしたため、その後ギャンブルにのめりこんだ」のだという。
いわゆるビギナーズラックと言われるものだが、実際は仕組まれたビギナーズラックだった可能性のほうが高い。

注)この世界では上客の確保のためのエージェントがいて、金余りのお坊ちゃんをリクルートしている。その場合は最初はその上客にバカ勝ちさせて、その後資金を回収するのが普通

 大王製紙といえば愛媛県の代表的な企業で、製紙業界では国内第4位、世界的にも20位といった堂々たる企業だ。
このような社会的企業の会長がカジノで子会社の資金を湯水のように使っていたのだから、今までそのことが表面化しなかったことのほうが不思議だ。

 実際は2年前頃から借入の実態は知られており、父親の高雄前顧問から非常に厳しく叱責を受け、本人が弁済できない分は高雄前顧問が会社に対し弁済までしている。
お前の尻拭いはこれだけだ。二度と会社の金は使うな、これ以上迷惑かけたら許さんぞ!!!」

 しかし「親の心子知らず」とはこのことで、意高氏はその後も親の目を盗んでは子会社から借入を繰り返していたという。
おやじには内緒でようだててくれ。金はすぐに返すからラスベガスのこの口座に送金してほしい

 意高氏の資金繰りは火の車になっていたらしい。元々はカジノでの損失が膨らんだからだが、子会社の金を何時までも借りているわけにはいかない。
通常子会社が用立てた資金は資金繰り資金だから、支払時期が来れば回収する必要がある。
会長、あの資金がなくては手形が落とせません。返済をお願いします
意高氏は自ら会長を務める子会社の資金を次々に回すことによって発覚を防ごうとしたがうまく行かず、資金繰りに窮した子会社の内部告発があって、ついに表ざたになってしまった。

 心理学の世界では人間の約1%はギャンブル依存症になるといわれているが、意高氏はその1%だったのだろう。
実際に人間を見ていると何か業にとらわれているのではないかと思うことがある。
人のことは言えず私自身はマラソン依存症で、1000kmマラソン24時間走といった、通常の感覚では異状と思われるようなマラソンをしている。
それでも問題が表面化しないのはマラソンにかかる費用は、レースの参加料やマラソンシューズの購入費程度だから、幸いにも生活に支障が出ないからだ。

 意高氏の場合は日本を代表する企業の会長で、100億円単位の資金を個人的に使用できる立場にいたことが問題を大きくしてしまった。
元々人間は放っておけば怠惰に流れる性癖があるのだから、そうならないためにチェック機能が用意されている。
取締役会監査役制度、それに外部の会計監査等だが、今回の場合はいづれも知っていて知らぬふりをしていた。

 また父親も強く叱責はしたものの、子供可愛さのために意高氏を会長から罷免することはしていなかった。
父親の高雄氏は事件後「父親として深く道義的責任は感ずるが、本件はあくまで個人的問題だ」とコメントしたが、ギャンブル依存症の息子の実情を知っていながら、会長職を罷免しなかったのは経営者として不覚だったといわれても致し方ない。

 権力者は怠惰に流れてもチェック機能が働かない。クリントン元大統領は近くにいる女性すべてに手を出し、ベルルスコーニ前首相は政府専用機に売春婦を招き入れては大人の遊びに興じていた。
エリツィン元大統領は浴びるほどウォッカを飲んでは、酔っ払って外国とのまともな交渉ができなかった。
 
 権力者は人間の業と言うものをかみ締めて自重すべきなのだが、実際はなかなか困難なようだ。

 

 

 


 

 

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(23.11.27) 来年度から年金引下げ 事業仕分けの結論

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 とうとう年金についても事業仕分けのメスが入った。来年度から3ヵ年かけて特例水準もらいすぎ)になっている年金を引き下げるという。
元々年金については物価スライド制と言う制度があって、物価動向にあわせて年金を変動させるようになっている。
当初の目的はインフレに対する高齢者の救済策だったが、2000年ごろを境に日本の消費者物価は低下するようになった

 当時の自民党政権はこの物価下落デフレ)時に特例措置として引下げを見送り、その後の政権の見送り分を含めると、率にして約2.5%程度公的年金はもらいすぎになっているという。
個人一人当たりで換算すると23万円の年金受給者は約5700円のもらいすぎで、国家全体では約7兆円になるのだそうだ。
このもらいすぎになっている年金を向こう3年間で解消するというのが厚労省の原案になる。

注)時の政府は有権者の顔色を身ながら引き下げたり、引下げを止めたりしている。この引下げを止めた分の合計が2.5%。

 政府が今までなぜ年金の引下げに躊躇してきたかの最大の要因は、高齢者は良く投票に行く真面目な選挙人で、この高齢者の気持ちを逆なでするようなことがあると選挙に勝てないからである。
高齢者いじめ」と言う言葉に高齢者は敏感に反応し野党に投票が集まると与党は大敗してしまう。
しかしこのままでは年金制度そのものが成り立たなくなりそうになって、ようやく政権与党もこの問題に手をつけることにした。

 正直ベースの話をすると、昨今のデフレで最も利益を得ているのは年金受給者生活保護者である。物価は毎年のように下がるのに受給額がほぼ一定なのだから生活は毎年改善されてきた。
私の街の周りにも低価格商品が溢れており、ケーオーD2ビバフォームといった郊外型量販店には人が溢れかえっている。

 ダイソーのような100円ショップは小物を買う時にとても便利で、どうでも良いような品は私ももっぱらダイソーだ。
現役だった頃は背広はダーバンを着ていたが、今では1万円台のリクルートルックを平気で着ているし、その他の衣類はもっぱらユニクロで済ましている。
私の元の会社の同僚は「俺はユニクロを着るほど落ちぶれたくない」と言っていたが、私は落ちぶれてもユニクロを着ることにしている。

 デフレ時代は定年退職者にとっては天国のような時代だ。私が購入する商品の物価は統計数字よりも劇的に下がっているのだが、それは購入場所をデパートからスーパーに、そしてスーパーから郊外型量販店に移しているからだ。

 年金生活者にとって唯一の減額不可能な支出は医療費になっている。会社の健康保険に加入していた頃よりは約倍の保険料の支払をしており、また実際に医者にかかると3割負担になっているので馬鹿にできない。
健康で医者にかからないことが一番なのだが、年を取るとどこかかしこに不調が発生して医者だけは避けることができなくなった。

 最も医療費の支払にも裏があって、生活保護の受給を受けると医療費が無料になる。
先日NHKの生活保護3兆円の衝撃」(リンクが張ってあります)と言う番組を見ていたら、大阪の生活保護受給者の一部が病気でもなく医者にかかって薬を大量に処方してもらい、その薬を転売することで生活保護費以外の収入を得ていた。
そうか、俺も最後は生活保護を受ければ、医療はタダだし薬を売れば楽に人生を暮らせるんだ

 こうしてデフレ下では年金受給者生活保護者はおもわぬボーナスを得てきたのだが、さすがにそれでは国の財政が持たなくなった。
元々年金は物価スライド制なのだから、インフレ時には上げて、デフレ時には下げるのが普通だ。
しかし引下げをすると年金生活者は政府の「弱者いじめ」に憤って野党に投票するだろうから民主党政権としては政権維持が困難になる。

 ギリシャやイタリアやスペインの例を見ても分かるように、一旦国民に与えた特権を剥奪することは政権崩壊につながる。
放っておけば財政が破綻し、年金を引き下げれば政権与党が政権を追われる。
経済成長が終わり増えたパイを分けるのではなく、反対に減ったパイを誰に負担させるのかの厳しい選択の時代に突入しているのだが、意識は高度成長期のままだから国民と政府が納得できる結論を得るのは容易ではない。


 

 

 

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(23.11.26) 中国の不動産バブルの崩壊 価格がピークアウトした

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 中国の不動産価格の推移がバブル崩壊時の日本とそっくりになってきた。
中国国家統計局による公式数字では11年10月70都市の新築商品住宅の価格が前月比▲0.14%になったと報じており、公式数字不動産価格がピークアウトしたことが裏付けられた格好だ。

 この推移を見てJPモルガンゴールドマン・サックスの中国担当のアナリストが、「不動産価格は今後半年の間に10%~15%程度の下落の余地がある」と分析したが、日本の不動産価格の崩壊を知っているものからすれば、ずいぶんと甘い分析に見える。

 日本の不動産価格崩壊時とまったく似ている現象は、大都市郊外の高級住宅で30%~40%の値下げが横行していることで、すでに住宅を購入した住民から支払った購入費の返済を求められている。
日本でも住宅公団や住宅公社がバブル崩壊後に値引き販売を行って、既往の住民から購入費の返還訴訟が出されていたのを思い出す。

注)北京市の環状線周辺(郊外に当たる)のアパートの価格がここ1年で1㎡当たり24万円から17万円に引き下げられて販売されていた。

 最も現段階の価格崩壊は高級物件の価格崩壊で、こうした物件はもっぱら投資対象であり中国政府の引締め政策の影響を受けやすい。
一方低価格物件に対する需要は旺盛で、一般の中国人の最大の関心は安く手に入るアパートの入手だ(高級物件は一般の庶民には高値の花になっている)。

注)中国政府は不動産価格の上昇を抑えるために不動産資金の貸し出しを抑制している。日本でも日銀が不動産融資の窓口規制を行ってバブルを崩壊させた。

 中国政府も手ごろな価格の住宅供給に熱心で、NHKのワールド・ウェーブを見ていたら市価の5分の1程度の住宅70㎡で350万円程度)を北京市郊外に10万戸建設しようとして、一部は完成していた。
入居した住民は「こんな幸せなことはない」と喜んでいたが、実は喜んでばかりもいられないとNHKのキャスターが報じていた。

 本来こうした住宅は所得が低い人のために建設したのだが、実際は所得証明書を誤魔化して高所得者が投資物件として購入している人が多いのだそうだ、
なにしろ市価の5分の1だから転売すれば投資額の4倍の利益を上げることができる。
せっかくの中国政府の住宅政策が投資物件に早代わりして、抽選にもれた人々の怒りを買っているという。

 中国の現状は高級物件は価格が上がりすぎてバブルがはじけている。
それでも庶民レベルでは住宅需要が強く中国政府も低価格住宅の供給に熱心だが、せっかくの善政も黒い頭のネズミに食い荒らされているというのが実態のようだ。

注)日本でもバブル最盛期の頃住宅公団のアパートを抽選であたった人が、すぐにそれを転売して多額の利益を得ていた。

 中国の成長がピークアウトしたと思える指標は、上記の不動産価格の推移だけでなくGDPの伸び率の低下や、輸出ウェイトの低下や、消費者物価の高騰等いたるところに見られる。
中国経済の減速が明らかになるにつれて、今まで高騰の一途をたどっていた資源価格鉄鉱石、銅、原油等)が値下がりし始めているし、食料価格も安定してきた。

 中国発世界的インフレの波はどうやらこのあたりが限界で、国内的には不動産価格の低下、国外的には資源価格の低下として中国経済をソフトランディングさせていくようだ。

注1)GDPの推移:11年第一四半期 9.7%、第二四半期 9.5%、第三四半期 9.1%
注2)輸出ウエイト: 2006年~9年平均 34%、現在25%
注3)消費者物価: 11年11月 5.5% うち食料品価格11.9%


なお中国経済の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

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(23.11.25) NHKスペシャル ユーロ危機とヘッジファンドのCDS戦略 日本も狙われている

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   私は好んでNHKのユーロ危機関連の番組を見るが、その理由はヘッジファンドの動きが分かるからだ。ヘッジファンドとは表に出ることのない私的な投資集団で、通常のニュースソースではその実態をつかむことができない。

 今回NHKスペシャルに登場したのはロンドンに本拠地を置く運用資産約1億ドル約76億円)規模のどちらかと言うと中規模のヘッジファンドを取材していた。
ここの社長であるルイ・ギャルゴア氏がギリシャ危機とイタリア危機に乗じてCDSクレジット・デフォルト・スワップ)という一種の保険商品で多額の利益を上げている様を見せてくれた。

 ギャルゴア氏は1年前からギリシャ国債のCDSが値上がりすることを見越してまだ安値だったCDSを購入し、実際にギリシャ危機が起こるとそれを4倍の利益を上げて売り抜けていた。
また続いて発生したイタリア危機では10日間でCDSを購入して売りぬけ約4%の利益(年間では約144%の利益)をあげるという手際のよさを見せ付けていた。

 しばらく前まではヘッジファンドといえば主として空売り(値下がり局面で利益を上げる方法によって多額の利益を得ていたが、昨今の各国が導入した空売り規制により、今はCDSが主力の商品になっているようだ。
CDSと言っても一般の人にはなじみがないが、取引所で売買されているような株式と異なり、金融機関、保険会社、ヘッジファンド等の限られたプレイヤー相互間で相対で取引されている保険商品である。

 元々は企業の社債が信用がない場合、社債の購入者が保険会社に保証を求めたのが始まりで、引き受け手はアメリカの大手保険会社だった。
それが段々と拡大して、現在では国債の保証(保険にまで広がり保証するものとされる者は資金さえあれば市場に参入できるようになっている。

注)たとえば5%利回りの社債を持っている所有者が何らかの理由でその社債の償還に疑問を持つとすると、その段階でたとえば3%程度のCDSを購入する。こうすると社債保有者は実質5%-3% = 2%の利回りしか得られないが、一方社債発行会社が倒産してもCDS発行者(通常は保険会社)から全額弁済を受けられる。

 ヘッジファンドは今国債のCDSにターゲットを絞っているが、それは今が国家倒産の危機の最中だからだ。
倒産しそうな国家のCDSは急上昇するので、最高値で売る抜けば多額の利益を上げることになる。
国家経営が悪化すればするほど儲かるというヘッジファンドにとって最もおいしい商品だ。

注)ヘッジファンドが一般的に胡散臭い存在と見られるのは、相手が弱れば弱るほど儲かる商品取引を得意とするからで、国家倒産が起これば多額のCDS収入が得られるのが典型

 今回の番組を見てびっくりしたのはヘッジファンド同士が共同戦線を張ってイタリア国債のCDSの上昇を図り、これがイタリア国債の利回り上昇に影響が及んでいたことだ。
一般的な常識では利回りが上昇国債価格は低下)すると国債保有者は不安になってCDSを購入し、そのためにCDSが上昇すると思っていたが、実際の仕掛けはまったく反対だった。
そうか、こうしてヘッジファンドは国家を追いつめるのか・・・・
国債価格が7%になり、市場ではイタリア国債の購入者がいなくなり、ベルルスコーニ政権は崩壊している。

市場とは狼の群れだ。弱いと思われた国家が集中的に襲われる。ベルルスコーニ政権はどうやっても財政再建ができないと思われて襲われた。市場から罰が与えられたのだギャルゴア氏の言葉である。

 今世界の市場では日本国債のCDSがじりじりと上昇している。ヨーロッパ危機がアメリカにおよび、最後は日本に及ぶものと見て今のうちに日本国債のCDSを大量に購入しておこうと言うひそかな動きだ。
まだCDSは1%台だから買い頃であり、一方危機が発生したらすぐさまイタリア並みの上昇が予想されて5%程度にはすぐになってしまう。

注)日本国債のCDSの推移は以下参照
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=CJGB1U5%3AIND

 世界の中で最も財政規律が甘い国が日本だ。その最大の理由は政府・日銀が日本の金融機関を脅し挙げ国債購入を強いることができるからで、おかげで国内金融機関の保有率は約95%と圧倒的に高い。
だからヘッジファンドがいくらCDSで仕掛けてきたって、国債価格の下落はない」と言うのが政府・日銀の判断だ。

 だがそれは本当だろうか?
今はイタリアだが、次はスペインそしてフランスまでもがヘッジファンドの餌食になって、国債の半額切捨てを行うようになると、アメリカと日本の金融機関の経営が持たない。
政府・日銀は倒産しそうな金融機関を助けなければならず、そうした金融機関に国債を押し込むことができないから、国債の借り換えすら危うくなってくる。

注)私の判断ではこのような状況になると、政府は国債を日銀に引受させると思っている。(ユーロ加盟国はそれができない)。
そのために急激なインフレーションが発生し、国債価格はインフレで目減りをして実質的な半額切捨てになる。


 日本国債も完全にヘッジファンドの狙いの中に取り込まれた。各国は市場から狙われないように財政再建に大わらわだ。
アメリカすら向こう10年間で1兆2000億ドル約91兆円)の財政規模の削減を行おうとしている。
こうしたなかで日本だけがまったく無防備に(消費税を10%にアップすると野田総理は言っているが具体的な道筋は未定放漫財政を続けている。

 ヘッジファンドが一斉に日本に襲い掛かってきたときは逃れるすべがない。しかし政府も日銀もまた多くの日本人もこうした危機があるとは思っていないし、相変わらず放漫財政でその日暮らしをしている。
しかしフランスまで倒産すれば次はアメリカと日本だということは市場の一致した見方だ。

なお、ユーロ危機については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43160490/index.html


また日本国債の危機については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat38137154/index.html
 

 

 

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(23.11.24) アラブの第二革命 イスラム政権か軍事政権か?

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 チュニジア、エジプト、リビアと続いたアラブの春はここに来て様相が変わってきた。
長年にわたる軍事独裁政権を崩壊させたまではいいが、今度はイスラム原理主義勢力と、前政権を見限った軍部との間で権力の争奪戦が始まっている。

 エジプトではここ数日イスラム原理主義の若者と軍部が対立し、ふたたびタハリール広場で惨劇が繰り返された。
軍の治安部隊はゴム弾や催涙弾を使用してデモ隊の鎮圧を図って、すでに30名の死者が出ている。

 ムバラク政権を倒したものの、その後は多数派のイスラム教徒と少数派のコプト教徒エジプトのキリスト教)が対立し、そこに軍事政権が介入して三つ巴の権力闘争の様相だ。
本命はイスラム原理主義者と軍部の権力争いで、前者はイラン並みの宗教国家を目指し、後者はトルコのような軍事民主主義国家を目指している。

 軍事民主主義国家とは聞きなれない言葉だと思うが、第一次世界大戦後のトルコ革命で革命を指導したケマル・パシャが、イスラム反動勢力に政権を奪取されないため、軍隊を西欧式の近代軍隊にして民主主義の砦にした(信じられないかもしれないが軍隊で民主主義教育をしていた)。
実際その後イスラム色が強くなったり、政権に統治能力がなくなると何回もクーデタを起こして、イスラム色を排除してきている。
日本人にはなじみがないがイスラム圏の民主主義の一つの典型ではある。

 革命はその性格上どうしても極端に振れ易い。それは当然で革命勢力は徹底的な理想主義を掲げそれで民衆を引っ張っていくのだが、革命が成就するとその理想主義が足かせになる。
イスラム原理主義による国づくりはイランに例があるが、あまりの教条主義に周りの国家からは疎まれて国際的な孤立に陥りやすい。
そうなると被害者意識が昂じて自国防衛のために核兵器の開発に走るのだが、こうした行為がますます国際的な不審を呼ぶという悪循環に陥る。

 エジプトの実質的な最高権力である軍最高評議会は、エジプトのイスラム原理主義勢力がイランのようにならないための方策を懸命に考えている。
当初は2月の革命から半年後には議会大統領選挙を行い、軍最高評議会の権限を議会と大統領に移すといっていたが、今はその気がないようだ。

 かろうじて議会選挙をこの28日から行うことになっているが、ここでイスラム原理主義政党が躍進するようだと、その後の国政を過つと軍部は考えている。
そのための対策として新憲法に軍部の政治への関与条項拒否権のようなもの)や軍事予算の別枠制を入れようと画策しているが、そのことにイスラム原理勢力、特にその急進派である若者が反発し、第二の革命を標榜させる原因になっている。

 エジプトの実質的な権力は革命前はムバラク大統領、現在は軍最高評議会にあり、政府は軍評議会の傀儡であり、また議会については日本のような権限があるわけでない。
軍最高評議会は大統領選挙を来年の末まで延期し、それまでに憲法を改正して軍部の政治関与を明確にした後、大統領選挙を行うつもりだ(最近デモ隊に対する妥協案として来年6月の大統領選を提案した)。

 やはりアラブの春は一筋縄ではいかない。アラブにおいて大衆政党とはイスラム原理主義政党(近代的な自由主義政党は少数派のことだから、アメリカや西欧にとってこうした大衆政党が権力を握るということは、イラン同盟がアラブにできるのと同じだ。
だがアメリカも西欧も今は自分のことで精一杯でこうした地域に軍事介入をするつもりはまったくない。

 今後ともイスラム原理主義政党軍部との間の摩擦は続くが、兵士はほとんどがイスラム教信者で、原理主義にシンパシーを持っているので、どちらかと言うとイスラム原理主義政党が権力を握る可能性が高い。
やはりアラブはアラブ的に問題を解決するのだろう。アメリカや西欧がアラブに関与しようとした時代は終わろうとしている。

注)リビアにはNATOが関与したが、ここは西欧が石油利権を持っていたため。そうした利権のないシリアには関与をNATOは否定している。エジプトは観光が唯一の産業のような国だからさらに関与の可能性は少ない。



なお、アラブの春に関する記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45123956/index.html

 

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(23.11.23) 国債ドミノ暴落 週間エコノミストの警告

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  週間エコノミスト国債ドミノ暴落の特集を組んで警告している。
現在の欧州発ソブリン(国家)危機が次はアメリカと日本を襲い、世界的な国家倒産になるという趣旨で、週間エコノミストが第二のリーマンショックになることを明確に意識したのが感慨深かった。

 リーマンショック時はアメリカを中心に金融機関の倒産が次々に発生したが、今度はそれが国家倒産に波及し始めている。
金融機関をようやくのことで救ったつもりの国家が今度はその負債の重圧に耐えきれず、その最も弱い輪から倒産が始まった。

 ギリシャが倒産し、今その倒産の危機がイタリア、スペイン、フランスへと拡大しつつある。
各国は市場の餌食になるまいと懸命に財政再建に取り組んでいるが、実際の財政再建の道のりは遠い。
ギリシャが典型的にそうであるように国民は年金や給与の引下げ、消費税の増税に大反対だからだ。

 結局ギリシャは国債の半額の踏み倒しを行うことになったが、この国債の半額踏み倒し方法はイタリアやスペインや最後はフランスにも及ぶだろう。
いままで世界の金融機関はフランスのような最上級の格付を持っている国債を喜んで購入してきた。日本の金融機関も例外でないが、その最上級の信頼されていた国債が半額まで踏み倒されたら、国家倒産のドミノが始まる。

 この影響は世界中に波及し、日本やアメリカも例外でないが不思議なことに日本人の危機意識は薄い。
日本では従来から日本国債の保有者が日本人(正確には日本の金融機関)だから、たとえ国債の残高がGDP対比200%と、世界のどの国よりも飛びぬけて高くても支障ないといわれてきた。
日本はどんなに借金地獄になっても国債の半額踏み倒しをするようなことはないと信じているのだ。

 だがそのときは突然やってくる。
なぜなら他国の国債(イタリア国債やフランス国債やアメリカ国債)を多く保有している金融機関は、あぶない金融機関とみなされてインターバンク市場で資金調達が突然できなくなるからだ。
このインターバンク市場が凍りつく速さはおそらくジェット機並だ。

 そうなると金融機関は日銀に泣きついて資金の供給を受けることになるが、日銀とて担保なしには資金は貸し出せない。
日本国債を担保にするか買取をすることになり、これは金融機関がもうそれ以上日本国債を持つことが不可能と言うことを意味する

 従来政府・日銀は金融機関に暗黙の力で日本国債を押し付けてきた。金融機関は致し方なく1%前後の低利回りの国債を購入して保有していたが、金融機関の経営が悪化して日本国債の購入ができなくなったら、一体誰が日本国債を購入するのだろうか?
外国人が購入することは考えられないから、その場合は日銀引受が一番ありそうなシナリオとなる。

 国債の日銀引受とはありていに言えば日銀券の増刷であり、これが容易にインフレに結びつくことは歴史が教えている。
戦後日本の超インフレや第一次世界大戦後のドイツのインフレが有名だが、つい最近でもロシアやアルゼンチンやブラジルでこの通貨を増刷することに伴う超インフレが発生していた。

 日本は東日本大震災の復興費用をまかなうためにもさらに国債発行を行っているので、財政は悪化の一途をたどっている(正確に言うと復興費用は埋蔵金を当てるが、他の費用は埋蔵金をあてにできないので国債を増発する)。
ヨーロッパはどこの国も財政再建に取り組み、アメリカさえも財政再建の方向に舵を切ったが、日本だけは更なる放漫財政の道を突き進んでいる。
消費税のアップはままならず、社会保障費を削ることもできない。意味もない 八ツ場ダム建設に役所と地方自治体は建設賛成の大合唱だ。

 世界がドミノ倒産すれば日本だけが無傷でいられるはずがない。アメリカ国債が半額切捨てになったら日本は持たない。
景気対策費用として日本では誰も買わなくなった国債を日銀に引き受けてもらうことになるが、国債の日銀引受とインフレーションは同義語だ。

 外国人の保有が少ないから通貨切り下げによる海外保有者の影響は軽微だが、約95%を保有している国内金融機関の国債の価値は瞬く間に半減するだろう。
ギリシャのように国債の半額切捨てではないが、インフレによって同じ切捨てが発生する。

注)国債の保有者に外国の金融機関が多い場合は、はっきりと半額切捨てをおこなうが、国内保有者がほとんどの場合はインフレーションで実質的に半減できる。

 今世界経済は大きく財政再建に舵を切った。放漫財政と金融緩和策は国家と金融機関を倒産させることが明確になってきているからだ。
国民はかつてのユーフォリアの時代から、自分の所得に応じた堅実な生活を余儀なくされる時代に入ってきた。

誰もが稼ぐ以上の生活はできないのだ
日本だけが例外だと思うのは幻想に過ぎない。
私が何度も言っている新しい中世の時代が目の前にせまっている。

注)現在でもケインズ政策の有効性を信じている人がいるが、ケインズ政策はまだ発展の余地がある上昇期の経済にしか適用できない。
日本のように社会資本が十二分の整備した国では、更なる公共工事は飛行機の飛ばない飛行場を作るしかなく、かえって運営費用がかかって経済を失速させる。
作った公共設備が有意義な間だけケインズ政策は有効といえる。

)新しい中世については以下の記事を参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

 


 

 

 

 

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(23.11.22) 介護保険料の納付方法 何がなんだかわからない!!

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 なんとも不思議な書類が千葉市から送られてきた。
23年度 介護保険料決定通知書」と言い、毎月介護保険料を支払えという。
介護保険は今までも払ってきていたじゃないか。健康保険料と一緒に天引きされていたはずだ。なぜまた介護保険料を払わなくてはならないんだ??????」不思議な気がした。

 送られてきたパンフレットを読んでみると、65歳になると今までとは徴求方式が異なり、健康保険料とは別個に介護保険料を支払うことなり、そのための手続きだという。
しかも所得によって介護保険料の支払い方法は異なり、年間18万以上の年金受給者は年金から天引きになるという。
それなら年金から自動天引きすればいいじゃないか、なぜ金融機関に納付に行かなくてはならないのだろうか?????」ますます分からなくなってきた。

 書類の中には金融機関の口座振替の書類まで入っているのだが、書類をよく読んでみると「年金を受給している方(年間18万円以上)は、約半年後~1年後に年金からの天引きに自動的に替わります」と書いてある。

なぜこんな馬鹿げた処理をするのだろうか? 年金から引き落とすことにするなら65歳になった段階でそうすればいいじゃないか。たった半年や1年のために金融機関に行って口座振替の手続きをする人がいるのだろうか?????」

 単なる事務的な話なのか、そうでないのかさっぱり見当がつかない。
かすかな記憶では「年金から介護保険料を自動天引きするのは弱者イジメだ」という議論が国会でされていた。
そうか、今まで懸命に保険料を払っていた人をイジメようと言う話か・・・・・
毎月金融機関に行って支払をさせて足腰の弱い弱者をいじめようと言う話らしい。

 あまりに馬鹿馬鹿しいので支払をしないでいたら、督促状が舞い込んだ。

私は保険料を納める気持ちはあって、今までも納めてきていたのに急に手続きを難しくして毎月金融機関に支払いにいかなくてはならなくなった。なぜこんな無駄な作業を強いるのだ・・・・・」不満が爆発しそうになった。

 考えてみれば私と同年齢の人口は約200万人だが、この200万人が自動引き落としができなくなって金融機関に介護保険料を納めに行っている。
何と言う無駄だ。事業仕分けの対象だ
 
 パンフレットには「もしも保険料を支払わないでいると」と言う項目があり。そこには以下のように書いてあった。

① 1年以上経過した場合
介護費用の全額を一旦利用者が支払い、申請により後から保険給付額の9割が支払われる。

② 1年6ヶ月を経過した場合
介護費用の全額を利用者が負担し、保険給付から滞納保険料を控除する。

③ 2年以上経過した場合
利用者負担が3割に引き上げられる。


 ひどい脅しだ。私のような保険料の納入をまじめにしてきた者に対し、急に納入方法を複雑にして、納入しなければ介護保険を差し止めることがあると言う。
支払わないのではなく、支払いたいのに支払い方法を複雑怪奇にしておいて、督促状を送ってきた。
こんな理不尽な事が許されていいのだろうか・・・・・・・

 致し方なく金融機関に支払いに出向いていったが怒りが収まらない。

 




 

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(23.11.21) 就職戦線の超氷河期と日本の衰退

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  先日文部科学・厚生労働省が発表した来春卒業予定の大学生の就職内定率10月1日現在)は59.9%で昨年同時期の57.6%を上回ったものの、過去2番目の低さで、就職戦線の超氷河期が続いていると伝えていた。

 超氷河期が続いている原因を、卒業後3年は新卒扱いにするように政府が指導していることと、東日本大震災で企業が被災して採用活動が遅れていることを理由にしていたが、これは本当の意味での超氷河期の原因ではない。

 一番の原因は日本から輸出産業が消えていることで、昨今のタイの洪水被害を見て誰しもその現実を把握したはずだ。
アユタヤやその他の工業団地に進出している企業群は、日本を代表する輸出産業ばかりでタイの工業団地が日本国内の工業団地と思えるほどの進出ラッシュになっていた。

注)日本国内にあるはずの工場がタイに一斉に移動してしまったような光景だった。

 しかも大企業ばかりでなく中小企業も日本での生き残りを諦め、通貨が安く自由貿易を標榜している韓国等に進出し始めている。
こうして輸出産業は日本から消え去ろうとしており、当然のことにそこの就職先が日本から失われている。

 日本に残っているのはスーパーやコンビニや医療のような国内産業輸入産業、それと公務員といったところで、こうした就職先も熾烈な競争が行われており、有名校の卒業者かコネのあるもの以外は就職戦線から落ちこぼれている。

 私が大学を卒業したのは今から40年も前の高度成長期で、就職先は溢れんばかりにあった。私自身も4社の就職が内定していたが、それ以上内定をもらうと断るのが大変なので就職活動を止めた経験がある。
それから40年以上経ち日本を取り巻く状況は激変してしまった。高度成長は夢のまた夢になり、ここ20年にわたって日本経済は成長していない。

注)私が内定していた職場は今の大学生だったら一も二もなくいきたいような職場だった。

 本来はこうした状況下では新産業を育てて若者の就職場所を提供するのが政治と言うものだが、実態は今までの産業構造を維持するだけでただ衰退を待っているだけだ。
とくに今回のTPPの参加問題では農業団体が大反対をしているが、農業で日本の再生ができない以上TPPに参加せざるを得ないのに野田総理の対応は要領を得ない。

注)日本の農業はオーストラリアのように耕地が広いわけでなく、またアメリカのような遺伝子組替作物で収穫量の増大を図るような農業でない。農業をいくら保護しても農業人口は傾向的に減少し、若者は農村から出て行く。

 こうした状況下で若者の対処する方法は限られている。

① 勉強をして優秀な成績をとり有名大学を卒業して、大企業や役所に採用される。
② 親のコネを最大限に利用して何とか大企業や役所にもぐりこむ。
③ 日本を諦めて海外に活路を求める。この場合は語学の才能がいる。


 これ以外の対処方法はなく、それ以外の就職先はファーストフードの販売員のように時給800円月収10万円程度)で生きるか、生活保護を受けて生活するより方法はない。

 私は何回もこのブログに書いているのでいささか恐縮なのだが、就職先を確保するには日本に新産業を育成する以外に方法はない。
新産業の育成のためには規制をできるだけ排除する必要があるが日本は規制だらけだ。
そして旧産業の保護は単に衰退の時間を遅らせるだけの効果しかない。

 私が新産業として期待しているのは、金融業と、世界最先端にある医療産業だが金融業は実質的規制(形式的には規制が排除されているが実際は財務省と日銀が金融機関を牛耳っているでがんじがらめに縛られ衰退産業になっている。
そして医療産業ではTPPの参加について医師会が「世界に誇れる皆保険制度が崩壊する」といって反対している。

 医師会の反対は意味不明で、実際は日本では最も優秀な学生が医者になっており、日本の人的資源をほとんど医療につぎ込んできた。
その結果として日本の医療水準は世界的にトップ水準で、最も競争力のある産業になっている。

注)友達の歯科医に聞いたところ、歯科医療で世界のトップはアメリカで、次が日本と北欧と韓国だと話してくれた。


 この医療機関を世界にオープンにして日本で医療行為をするのが最も世界の人にとって幸せだという状況を作れば、世界各国から人々が押し寄せ、日本は世界最高の医療王国になることができる。
そうすれば医者や看護師だけでなく、製薬会社や仲介エージェントといった周辺産業を含めた就職先が激増することが期待できる。
しかし実際は医師会は保険診療と自由診療の混合診療に反対し、日本を世界の医療機関にすることなど考えが及ばず現状維持を望むだけだ。

 日本は輸出産業にとっては最悪の環境だが、一方金融業や医療産業にとっては最高の環境だ。
輸出産業が日本から出て行ってしまい就職先の確保がままならない今、医療産業を世界の医療産業にすることが急務だが、実際は政治が停滞してただ衰退だけが進んでいる。
大学生にとって口惜しいことだろう。

本件と関連するブログ「若者は荒野をめざせ」は以下の通り。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/22831-937f.html

 

 

 

 

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(23.11.20) 公共インフラをハッカーから守れ サイバー戦争の最前線

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  2007年に放映されたダイハード4サイバーテロを扱ったものだが、「まあ、なんて大げさな話だ」と思ってみていた。
この映画を見ていない人のために説明すると、元国防総省の公共機関保安担当チーフ(アメリカでは国防総省が公共機関のセキュリティーを担当しているようだ)が、自分が指摘した危機管理システムの脆弱性について上司から無視されたことをうらみ、仲間を集めて国防総省や公共機関にサイバー攻撃を仕掛ける。
最も映画だからサイバー攻撃の最終目標は金融機関にハッキングしてそこの資金を盗み出すのが目的で、いつものようにブルース・ウィルス演じるマクレーン刑事が人間とは思われない活躍で事件を解決するという筋立てだ。

 この映画を見ると2007年の段階でアメリカでは公共機関電力網、通信網、水道網、交通網)に対するサイバー攻撃が存在することを十分認識されていたことが分かるが、一方日本では公共機関に対するサイバー攻撃はありえないものと思われていた。
その理由はこうした公共機関のネットは専用回線を使用しており、アメリカのようなインターネット回線を使用していなかったからである。
専用回線にハッキングするにはインターネットからでは無理で、物理的に専用回線に進入しなければならないが、まあ無理だろう」というのが一般的な見方だった。

 この常識に衝撃を与えたのが2010年に発生したイランの原子力発電施設に対するサイバー攻撃である。
イランはドイツのシーメンス社ウラン濃縮装置を採用しているが、アメリカとイスラエルがこれに対するウイルススタックス・ネット)の開発に成功し、実際に濃縮装置の稼動を停止させることに成功した。

注)この装置はインターネットに接続されていないため、シーメンス社の技術者を装ったエージェントが物理的にウイルスを挿入させたといわれている。

 このイラン原子力発電所のサイバー攻撃を見て、日本のインフラ設備も安全とはいえなくなってきたことが分かった。特に原子力発電所の制御システムに侵入されて放射性物質を意図的に外部に放出させられてしまうと、福島第一原発の二の舞になってしまう。

 こうした状況に対処するため現在世界中でハッカーの争奪合戦が繰り広げられている。かつてはハッカーとは胡散臭いアウトローとみなされてきたが、今ではハッカーも二つに分類され善玉ハッカー悪玉ハッカーに分けられている。
この善玉ハッカーをホワイトハットと言うのだが、毎年ラスベガスでこのホワイトハットの大会が開催されており、世界中のリクルータがホワイトハットのリクルートにしのぎを削っている。

 アメリカではハッカーに勝てる人間はハッカーだけだという認識を政府も企業も持っており、Googleインターネット閲覧ソフトの弱点をホワイトハットに検証してもらい、実際に弱点が見つかると報奨金を支給していた。
このようにかつては後ろ暗い存在でしかなかったハッカーがビジネスの全面に出てくるようになって、最近は国防総省のステレス技術潜水艦技術、そして先端企業のノウハウがハッカーから狙われるようになっている。
理由はこうした情報を高い金で買い上げる国家や機関や企業があるからで、防衛産業に関する情報は主として中国が、また企業情報は対抗している企業が買い上げているといわれている。

注)雇ったホワイトハットは防御だけでなく攻撃にも使用しているので、情報の争奪合戦になってしまう

 ハッカーが狙うシステムで最も脆弱なのはインターネット・メールシステムである。メール網はインターネットに接続されていていとも簡単に進入できるのと、今まではセキュリティーに関して高度な防御体制をとっていなかった。
企業が守るのは金融機関であれば預金や為替のオンラインシステムや、その他業務系の証券システムや国際システムであり、専用回線や、専用の厳重なセキュリティーに守られているのが普通だった。

 それに対してメール網はインターネットに接続されており、しかも通常のセキュリティー以上の防護がされていることはほとんどなく、個人パソコンのメールとさして変わらないIDとパスワードでの防御がほとんどだったからである。

注)企業では職員が仕事中にH サイトを見ないようなサイト制限はされている。

 日本ではメールシステムに侵入されてそこの情報が盗まれ、世界に公表されて赤面している企業が多いが、元々メールでは最重要情報のやり取りはなく、そうした情報は物理的に(用紙に印刷されて)渡されるものと日本では意識されていたこともセキュリティーが甘い原因になっている。

 今やハッカーはマスコミ以上の影響力を持つようになっている。なにしろ盗まれた情報が世界にたちどころに拡散されてしまうのだから、政府機関や企業にとってもうかうかできない。
日本ではまだホワイトハットを雇って防衛することに躊躇しているが、現実はそんなことを行っていられないほど厳しく、現にソニーは顧客情報をハッキングされて約140億円の被害が出ている。
あまりの被害の甚大さは企業活動を脅かしており、ホワイトハットを雇って防御を固めるほうが安上がりなのは誰にでも分かるようになった。
今時代はそうした段階に達しているのだ。

なおサイバー戦争に関する記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46749968/index.html

 

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(23.11.19) ユーロ崩壊前夜 次はスペインとフランス

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 ギリシャに始まった欧州債務危機はイタリアのベルルスコーニ政権を崩壊させ、次はスペインフランスにターゲットが絞られてきた。
ドイツとフランスが懸命にギリシャ危機の封じ込めを行い、一時的に小康状態になったとたんイタリア経済が火を噴き、この対応が決まらないうちに今スペイン経済が火を吹き始めている。
そしてその先にはフランスがあり、ほとんどドミノ現象といってよい。

 スペインの国債の利回りはイタリアとおなじ7%前後に上昇し、市場ではスペイン国債の買い手がいなくなっている。
ただ一人ECBヨーロッパ中央銀)がスペイン国債の買い支えを行っており、今までのギリシャ国債イタリア国債に続いてECBのバランスシートには不良債権が積みあがっている。

 ギリシャ支援の枠組みとしてEFSF(欧州金融安定化基金)を今までの40兆円規模から100兆円規模に増額することは決まったものの、この60兆円を拠出してくれる先が見つからない。
当初は中国ブラジルが「ヨーロッパを救う」と大言壮語していたが、危機が深刻化してくるにつれ「EFSFもつぶれたらどうしょう・・・」と言う状態になってきた。

 EFSFの発行債券はドイツやフランスやオランダといったトップクラスの財務格付を持つ国が保証することによって資金調達ができていたが、フランスさえも危なくなれば保証に疑問符がつく。
こりゃ駄目だ、フランスもEFSFの支援対象国になれば後はドイツしかない。だがドイツはユーロ各国の債務危機を一人で救えるだろうか???」
誰もが感じる不安を市場は共有している。

 フランスはユーロ圏第2位の大国だが、この国の経済状況は実に把握しずらい。ドイツのような輸出立国であれば輸出入の動向を把握していれば経済状況は確実に抑えられる。
一方フランスはここ数年貿易収支も経常収支も大幅赤字が続いている。
この赤字分を埋めるために海外から資金を取り入れて経済運営を行っているのだが、ちょうどアメリカの経済運営にそっくりだ。

 いわばアメリカと日本の関係がヨーロッパではフランスとドイツの関係に相似形をなして存在していると思えばいい。
EFSFに対する拠出も何かといえばドイツに頼るのだが、フランスには元々拠出する金などはないからだ。

 これが明確に分かるのがGDP対比の財政赤字イタリアが4.6%なのに対し、フランスは7.1%とイタリアより高い(日本は12%程度)。
この高い財政比率を見て市場がフランス国債の売却を始めた。国債利回りは瞬く間に上昇して3.8%になってしまい、またCDSフランス国債の保険料率)は2.36%に上昇している。

注)通常国債の償還が危ぶまれる場合は国債購入者は保険をかけようとする。その保険料率が2.36%と言うことは、国債購入者の実質利回りは3.8% - 2.36% =1.44%となってドイツ国債の利回りとほぼ同レベルになる。

 ヨーロッパの金融機関の財務状況は意外なほど分からない。かつての日本の金融機関のようなもので含み損含み益がいたるところに隠れているので、ストレステストを行ってもまったく意味がない。
その証拠が最近倒産したデクシアで、ほぼ3ヶ月前にストレステストでデクシアの経営状況は良好と宣言したばかりだから世界中でヨーロッパの信用が失墜した。
やはりヨーロッパの金融機関は魑魅魍魎の世界だ・・・・・・

 実際はフランスにしろスペインにしろ、金融機関はリーマンショック時の不良資産の償却が済んでおらず、今回さらにギリシャ国債の5割が返済不能となった。
ギリシャにはフランスの金融機関が最も多くの貸し込みを行っている。
まずいじゃないか、このままでは金融機関はドミノ倒産だ。今のうちに危ない国債は売却しろ
こうして今、イタリア、スペイン、フランス国債のたたき売りが始まった。

 ユーロは崩壊前夜に差し掛かっている。EFSF60兆円の資金調達先はなく、結局は各国の国債はギリシャ国債がそうであったように棒引きをするしか方法はない。
ヨーロッパの金融機関はフランスを中心に大量の国債を持っているから、自己資本比率が急激に悪化する
金融機関は政府からの資本投入がなければ、自己資本比率を上げるために資産である融資や投資資金を引き上げて支払に備えることになる。
そうすれば新興国から資金がヨーロッパに回帰し、世界的な不況が始まる。

注)自己資本比率は資産を分母とし自己資本を分子にするから、資産が小さくなれば自己資本比率は上がる。

 何回も同じことを言って恐縮だが、日本で1990年から始まった長期不況が、今ヨーロッパに確実に広がろうとしている。
日本がそうであるようにヨーロッパも成長の時代が終わった。今年から来年にかけて成長はほとんどせず、マイナス成長も予測される。
ユーロと言う枠組みが成長でなく衰退の枠組みに変わってしまったからだ。

 こうしてユーロは崩壊過程に入りユーロ発足時の1ユーロ80円レベルに急速に落ち込もうとしている。
かつて来た道に戻っているのだ。

なお欧州債務危機についての記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43160490/index.html

 

 

 

 

 

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(23.11.18) ためしてガッテン 腰痛は精神力で直る ストレス学説

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 最近のためしてガッテン最新医学の伝道師になったようだ。
今回の話は、長く腰痛の原因とされたヘルニアが腰痛の原因であることはほとんどなく、実際はストレスに耐え切れなくなった脳が痛みを制御することができなくなったのが原因だという
心頭滅却すれば火もまた涼し」の腰痛版みたいな話だ。

 慶応大学の松本教授によると「腰痛の原因にヘルニアをあげているのは国民的大誤解」で、ヘルニアは体内のマクロファージ白血球の一種で異物の掃除屋)が、飛び出したヘルニアを分解してしまい自然治癒するという。
したがって手術で摘出しなくても時間がたてばなくなるのだから、「痛みさえ強くなければそのまま放っておいてもいい」という。

注)手術をしたほうがいいものは、生活に支障が出るほど痛みが強くまた転びやすい場合

 実際腰痛の原因を調査して見ると、椎間板ヘルニアが原因の腰痛は5%程度で、約85%が原因不明だ。
最近の研究ではこの原因不明の腰痛の約3分の1全体の約3割)は原因が脳にあって、痛みを制御している側座核と言われる部分の働きが落ちてしまい痛みの制御ができなくなっているのが原因だという。
MRIでチェックしてみると、腰痛持の人のほとんどの脳が活性化しておらず、特に側座核の働きが弱り、痛みが直接に脳本体に達してしまっている

 実は私も長年坐骨神経痛の痛みに悩んでいるが、この痛みの出方に一種の特色があることに驚いている。
一番痛みが強く出るのは静かに立っているときと、ゆっくり歩いている時で、一方早足で歩いたり走ったりした場合は痛みが出ない。
通常ならばこの反対の症状になると思われるがそうならないのだ。

 私は早足JOGの場合は身体が前傾姿勢になるので腰の負担が軽減されるからだろうと思っていたが、どうもそれだけではないようだ。
動きが激しい時は、そちらに神経が集中していて普段の痛みのことを忘れてしまう。

 腰痛の痛みを抑える方法の一種にブロック注射と言うものがあり、神経の働きを抑えてしまうと痛さも伝わらなくなるが、人間には自然に痛みを抑えるメカニズムが存在していて、それが側座核から出ているオピナイトという鎮痛物質だという。
なるほど、鎮痛物質が出ている間は痛みを感じないのか・・・・・」なにか麻酔のような物質だ。

 最近私は坐骨神経痛の痛みに耐えられず、「そろそろ手術の時が迫ってきたのかな・・・・」と覚悟を決めていたが、ヘルニアは自然に治ってしまうなら手術をすることは止めることにした。
また脳はストレスに弱く、ストレスが過重になると脳の働きが低下し、同時に側座核の働きも弱り、結果的にオピナイトが出なくなって腰痛が起こるのだとすれば、なにしろストレスをためないことが最も大事だ。

注)坐骨神経痛は通常脊柱管が狭窄した場合に起こるのだが、この原因もヘルニアによって脊柱管が圧迫されているものと思っている。

 はたして今回の腰痛原因が精神的なものがほとんどと言う学説は正しいのだろうか。
経験では整形外科に行っても腰痛はほとんど治ることがなく、医学の中で最も遅れている分野だと思っていた。
また整形外科を諦めて整体やその他の指圧療法を試してみてもほとんど効果は同じだった。

 この病気は治りようがないと諦めていたが、元々精神的なものであれば整形外科の処方箋で腰痛が直るはずがなく、心療内科に行ったほうが良いくらいだ。
とても興味ある学説なので、このストレス学説を信じてストレスをためず痛みの制御物質で坐骨神経痛を抑えて見ることにした。

なお、ためしてガッテンのシリーズは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

 

 

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(23.11.17) 文学入門 上橋菜穂子 「精霊の守(も)り人」

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 読書会に参加していると思わぬ本を読まされることになる。
今回は上橋菜穂子さんの「精霊の守(も)り人」と言うファンタジーだった。
私はいつものことでこの著者も本も知らなかったが、児童文学の分野ではとても有名な人で、かつ文化人類学の研究者で大学の先生だと言う。

 この「精霊の守(も)り人」はとても人気が高くシリーズ物になっていた。
読書会のメンバーのメイコ姉さんが「ファンタジーってとても素敵で、私もこの本を選べばよかった」といったので「そうかそんなに著名な作品なのか」と初めて知った。

 この物語は新ヨゴ皇国の第二王子が「水の守り手」のたまごを産み付けられ、そのために卵食いのラルンガに狙われ、それを短槍使いの達人の女用心棒バルサが守ると言う話である。
何のことかさっぱり分からないだろうが、ファンタジーなので内容を詳細に記すよりも読んでしまったほうが早い。
ほとんど1日か2日で読んでしまえる。

 文章は元々が児童文学の範疇として記載されているので難しい表現や、持って回った言い回しなどはないから素直に読める。
イメージは「風の谷のナウシカ」にかなり似ているが、戦闘場面などは白戸三平氏のカムイ伝だ。

 読んでみた素直な印象は誠に不思議な奇想天外な話で、「とても面白い」ということだが、挿絵がまったくないのには閉口した。
こうしたファンタジーで特に動きのある戦闘場面などは文字で読んでもイメージがなかなかわかない。
宮崎駿氏のアニメだったらすぐにわかるのに・・・・」と思ったものだ。

 元々文字は心理描写のような心の奥を描くときはとても有効で、これを映像で表現するとなると相当程度レベルの高い役者の演技が必要になる。
一方動きは目で見るのが一番でアニメにしろ、ロード・オブ・ザ・リングCGコンピュータ・グラフィック)にしろ、見ただけで手に汗握れるのだからこれは映像の勝ちだ。

 もっともロード・オブ・ザ・リングナルニア国物語は、元々は本として出版されたものが、その後映画化され始めて私のようなファンタジーに縁のないものにも目にとまるという経過をたどっている。
そうした意味でこの「精霊の守(も)り人」もアニメかCGを多用した映画を作ってくれたらきっとヒットは間違いなしと思うのだが・・・・。

注の追加)私はまったく知らなかったが、すでにアニメやコミックになっているという

 この本の解説で恩田陸というSF作家が「あなたはラッキーだ。私たちは、母国語で読める、しかも私たちが読むべきファンタジーにようやく巡りあったのだ」と記載していたのには驚いた。
そうか、日本には母国語で読むに足るファンタジーが今までになかったのか・・・」と言う驚きだ。

 とこれでこの種のファンタジーは一体誰が読むのだろうか。
私も面白く読めたので大人が読んでもいいのは確かだが、子供なら中学生以上の読解力は必要だろう。
挿絵がまったくないので小学生ではちょっと無理のような気がする。
やはりこのレベルの子供はアニメ化して見せるほうがよさそうだとの感想を持った。

なお文学入門に関する記事は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html


別件)「おゆみ野四季の道」「おゆみ野四季の道 その2」のカウンター10000を加算しました。 


 

 

 

 

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(23.11.16) NHK よみがえる黄金都市 奥州のグローバルシティ 平泉

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 NHKが放送した番組の、この表題を見たとき「また大げさな表題をつけたものだ」と思った。
特にグローバルシティとは番組を見るまで何を言っているのか皆目検討がつかなかった。
泉って、あの芭蕉が『夏草やつわものどもが夢の跡』と歌ったあの場所だろう、一体あそこに何があったのだろうか?」
すでに芭蕉が平泉を訪ねた頃には、夏草が生い茂る荒蕪地にすぎなかったのだから、ここがグローバル都市だなんて誰も思うはずがない。

 しかしこの番組を見て認識を新たにしてしまった。
当時(12世紀平泉人口10万の大都市で、京都でさえ10万から20万の間と言われていた時期に堂々たる東の都といえる。
ここを支配していたのは奥州藤原氏である。
奥州にいながら藤原氏とは不思議だが、平泉に大都市を建設しここを本拠地としたのは11世紀半ば陸奥の守として派遣されてきた藤原常清の息子、藤原清衡(きよひらである。

注)当時中央の上級遺族以外は、地方の国司になりその後土着するものが多かった。中央に戻ってもうだつが上がらない中級貴族でも、地方では絶対の名門貴族で、自身で荘園開発を行って地盤を強化することが多かった。常清もそうした土着した中級貴族

 私は東北の歴史をほとんど知らない。前にNHKの大河ドラマ「炎(ほむろ)立つ」を見たが、京都中心の信長や秀吉や家康のドラマがほとんど見る前から筋書きが分かるのに対し、東北の歴史はローカルでわかりづらい。
まあ、東北の歴史なんて日本史の傍流にすぎず、特に知らなくても支障あるまい」そう思っていた。

 しかしこれは非常な間違いで、確かにその後の歴史は鎌倉頼朝政権による奥州藤原氏の滅亡と言う形で決着したが、当時のイメージでは平家、源氏、奥州藤原氏が鼎立し、どこが覇権を握ってもおかしくないような状態だった。
場合によったら、奥州藤原氏が日本国を統一していたかも分からないのだ。

 そしてなぜこれほどまでに平泉が栄えたかの理由はすべてにあったという。当時東北は日本の一大金生産の土地で、この金を使用した外国貿易で巨万の富を蓄えていた。
外国貿易とは当時ので藤原氏は博多のチャイナタウンの貿易商と取引があり、遠くアフリカの象牙や東南アジアのシタン(硬い木材)を宋経由で入手し、その支払は金をあてたという。

 マルコポーロが東方見聞録で記載した「黄金の国ジパング」とはこの何でも砂金で決済した平泉政権のことを言っていたのだそうだ。
その証拠は平泉中尊寺の金色堂で、ここには中国からもたらされた象牙シタン、それからフィリピンからもたらされた夜光貝螺鈿細工に使用)が惜しげもなく使用されている。

 ところが平泉は宋との貿易だけでなく、北方貿易さえしていたのだという。北方とは今の北海道、サハリン、アムール川流域に住むアイヌやシュクシンやユウロウと称された部族との交易で、その証拠が矢羽だというから驚いた。
平安時代の武官はどちらかと言うと貴族化していて、いわば格好づけのためにのみあったが(クレムリンの衛兵のようなもの)、その武官が背中にしょっていた矢羽大鷲の尾羽だった。知床の流氷の上で魚を捕らえているあの大鷲である。

 こうした大鷲の尾羽は特に珍重され、またアザラシの毛皮は武士が馬に乗るときの鞍の敷物になっていた。
この交易路を確保するため、藤原清衡白河の関から平泉を通って青森の外が浜までの幹線道奥大道)整備していたというのだから、なにかローマの道路建設とセンスが似ている。

 こうして奥州藤原氏は貿易により巨万の富を蓄え、東北に一大拠点を設立し、主として外国貿易正確には宋と北方貿易)による通商国家を目指していたというのだから、イメージは清盛の平家とそっくりだ。
もう一つ似ているところはどちらも鎌倉の農業政権に打ち倒されてしまったところで、「昔から日本は通商団体が農業団体に敗れるのが常なのか」と思わず笑ってしまった。

 しかし正直に言って奥州藤原氏の規模とその広がりには心底驚いてしまった。
これは日本史の中で奥州藤原氏の果たした役割を正当に評価する必要がありそうだ
深く反省させられる内容だったといえる。

 

 

 

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(23.11.15) 日本版マネー・ボール 巨人清武GMの反乱

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  先日(11日ブラッド・ピット主演の野球映画マネーボールを見て、アメリカで2001年頃に大リーグ、アスレチックスで採用されたマネーボール理論選手の能力を数値化して評価する方法、日本ではポイント制と呼ばれることが多い)の存在をはじめて知った。

 映画を見ていない人のために説明すると、当時アスレチックスは資金量を持たない貧乏な弱小球団でせっかく育てたジオンビーのような選手をヤンキースに引き抜かれてしまっていた。
アスレチックスGMジェネラル・マネージャー)のビリー・ビーン(実在の人物)はアスレチックスを立て直すため今までの選手評価の方法をあらため、統計数学を駆使した選手の評価をイェール大学卒の天才青年ピーターを参謀として開発した。

 そしてこのマネーボール理論によって高く評価され、一方で各球団では干されていた選手を低年俸で集めることに成功した。
しかしこの方法は従来スカウトが行ってきた評価方法と真っ向から対立したため、スカウトからは大反対にあい、さらにチームの監督はマネーボール理論で獲得した選手を試合で使用することはなかった。

 このためアスレチックスは開幕当初は散々な成績になったが、ビリーが強引とも言える方法で(監督が使用している選手をトレードに出してしまう)マネーボール理論の評価の高い選手を使用させると、アスレチックスは20連勝をして、地区優勝をしてしまった。
この映画のメッセージは古い考え方に固執していると改革はできず、改革しようとすると古い勢力からの強烈な反発にあうが、それを乗り越えなくてはいけないというものだった。

なるほど、野球でも新理論による選手評価の方法は大変な反発があったんだな・・・」なんて感心してみてきたが、12日の毎日新聞の朝刊を見てびっくりしてしまった。
巨人軍のGM清武氏が、読売新聞グループの実質的なドンで会長の渡辺恒雄氏の巨人軍への人事介入に対して「チーム人事に不当に介入してプロ野球を私物化している」と内部告発していたからだ。

 清武氏によれば事前に渡辺氏に、巨人軍のオーナーである桃井氏と共に来期のコーチ陣の編成について「岡崎氏をヘッドコーチにする」との説明をし内定を渡辺氏からを得ていたのに、渡辺氏が急遽ヘッドコーチは江川卓氏にして岡崎氏は降格するという人事を発表したという。
また桃井オーナーは首で、清武氏GMからはずされコンプライアンス担当と言う閑職に追いやられてしまったという。

注)実際は内定の段階で対外的な発表がされたわけではない。

 巨人軍のオーナーでもない渡辺氏(巨人軍の会長ではあるが一取締役にすぎず権限はない)が「このような人事を発表して巨人軍を私物化するのは許されない」というのが、怒った清武氏の言い分だ。
これに対し桃井氏は「渡辺氏に了解を得に行ったがクライマックスシリーズで敗れるようでは岡崎ヘッドコーチの線はないとの感触だった」と述べており「自分が首になったのは2年連続して優勝から遠ざかったのだから已むおえない」のコメントを述べている。

 清武氏の告発に対し渡辺氏が12日に反論しているが、その趣旨は「桃井氏も清武氏も無能だったから解任したので、また江川ヘッドコーチの話は原監督から持ち出されたもので、まだ構想段階の丸秘情報で、これを公開したのは守秘義務違反になる」と言うものだった。

 私がやはり不思議に思うのは巨人軍の人事は渡辺会長の一存で決められていることで、この内部告発を見てみると実質的なドンである渡辺氏の了解がなければ、巨人軍のオーナーもGMも何も決められない実態があることが分かる。
そのため事前に相談に行ったのだが、相談して一旦決まった人事もすぐに渡辺氏の一存で覆ってしまうところに清武氏の怒りがあったのだろう。
これじゃ、巨人軍は渡辺商店ではないか・・・・・・・

注)実際は巨人軍のオーナーもGMも渡辺氏が決めているので、渡辺氏はオールマイティーな権力を持っていることが分かる

 特に清武氏は選手の巨人軍内部での選手育成にこだわっており、従来の渡辺恒雄氏金で大物を引っ張ってくるという方法に反発している。
今回の江川卓氏のヘッドコーチ就任要請も札びらで大物を引っ張ってくる方式に見えたはずだ。
いわば旧勢力渡辺氏と新勢力清武氏の確執と言う意味ではマネーボールそっくりな展開であって、さしずめ清武氏がビリー・ビーンだ。

 はたしてこの勝負どうなるだろうか。渡辺氏が反省をして巨人軍にドンとして介入するのを止めるのだろうか、それとも清武氏がGMを首になってしまうのだろうか。
とても気になる闘いだ。

 

 

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(23.11.14) TPPには参加か協議か? なんともさえない野田総理の決断

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  なんともさえない決断になってしまった。TPP環太平洋パートナーシップ)に参加表明するか否かでおお揉めにもめていた案件は11日「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」という表明で決着した。

 反対派によると「協議」は参加」を意味しないということで、一方賛成派は「協議」して「参加」することだという。
同床異夢とはこのことで日本の政治には実にこの種のあいまいな表現で全員を納得させる手法をとることが多い。

 韓国のイ・ミョンバク大統領などはアメリカとのFTA交渉ではっきりと前向きな発言をするのと好対照だが、これが「和の国」日本の合意形成方法だといわれれば「まあ、そうだろう」と言う気持ちにはなる。

 今回のTPP交渉野田総理は「貿易立国で繁栄を築いた我が国の発展にはアジア太平洋地域の成長力を取り入れる必要がある」と説明したが、日本と言う20年間にわたって成長が止まった国を何とか救うのはアジア太平洋地域の成長力だとの強い思いがあるからだろう。

 TPP交渉の眼目は関税の例外なき撤廃だから、競争力のある輸出産業にとってはメリットだが、高関税に守られてきた日本農業にとって大変な問題であることは事実だ。
なにしろ米は約800%、小麦は約250%牛肉は38.5%の関税によって守られている。

注)牛肉については関税の引下げが行われた1991年以降、日本の小規模畜産農家は実質的に淘汰されてしまった。

 農業団体は日本の美しい国土と農業を守るためにTPP参加に大反対だが、実際は都市近郊の米作農業は壊滅している。
私の住んでいるおゆみ野の周辺にはまだ農地が残っているが、実際は耕作者が高齢化しており、耕作を放棄した農地が点在している。

注)皮肉なことに大都市近郊の元農家が農協組織を金融と共済の面で支えている

 私の知り合いはそうした農家の一人だが、私はその農家から「山崎さん、あんたそんなに毎日走る体力があるなら農業を手伝ってくれないか」と勧誘を受けた。
私のような農業とは無縁であった退職者さえ農業労働力として求められるほど、農作業に従事する人はいない。

 本来は農協農事法人に農地を貸し与えて規模拡大すればいいのだが、都市近郊の農地は宅地に転用される可能性があるので、本格的な農業者に貸してしまうと宅地として販売する時にそれができなくなる。
したがって私のような素人に貸しておいて当面は様子を見ようと言うことになるわけだ。

 日本の都市近郊の農業はどこもこうした状態で、実際埼玉県に匹敵する耕地が耕作されずに放置されている。
守るべき農業はすでに内部が空洞化しており、農業団体が言うほどの農業は日本に残っていない。

 また医師会が「健康保険制度が崩壊する」といって反対しているのには驚いた。実際は保険診療と保険外診療の混合診療の全面解禁に反対しているのだが、なぜ反対するのか良く分からない。

 すでに歯科医療では金歯は保険対象だが、白い象牙質の歯は保険対象外で、よく歯医者に行くと「どちらにしますか」と聞かれることが多い。
特に収益重視の歯科医がこの保険対象外の歯を勧めることが多いが、これなどは断ればいいだけだから特にどうと言うこともない。

 また美容整形などはすべて保険対象外で、この値段は宣伝費と医者の腕に比例して決められている。「世界に冠たる日本の保険制度」といっても実際はいくらでも自由診療があるのだから、いまさら「健康保険制度が崩壊する」と言うのは大げさすぎる。

注)日本の人的資源で最も優秀な人(勉強のできる人)は医者になっている。この人的資源が競争力がない様では日本の他の部門の人が勝てるはずがない。
実際は自由診療になると世界各地から金持ちの病人が日本の優秀な医療を求めて押し寄せてくる。
日本は世界の医療機関になれる可能性が高い。

 一方金融の分野で特にアメリカから槍玉に上がってきたのは郵政の貯金と保険で、郵政は国の機関として特別に保護されていると言うのがその主張だ。
小泉政権はアメリカの意向を斟酌して、郵政の全面自由化に乗り出し国の関与をできるだけ縮小しようとしたが、民主党政権になって亀井氏の強いリーダーシップの揺り戻しがあって、再び国有企業になってしまった。

 なぜ郵政の民営化に亀井氏が反対し、一方アメリカがこだわるかと言うと、郵政こそが日本の国債の約3割程度を購入する国の財布だからだ。
亀井氏は日本を守ることはこの国債購入システムを守ることだと思っている。
一方アメリカから見れば1%前後の利回りで満足している国債購入者を解き放なてば、ヘッジファンド等への顧客獲得のチャンスに映る。
なにしろヘッジファンドの通常の利回りは10%から20%を目指しているのだから、1%などは利息が存在しないのも同じだ。

 このようにTPPには農業の他に医療預金・保険の問題もあるが、本質的には農業問題だといっていい。
医療の日本の技術は世界最高レベルなのだからかえって、輸出産業に代わる成長産業になる可能性のほうが高い。
また国債購入機関としての郵政が崩壊すれば、日本の金融機関の国債保有率が95%程度から大幅に低下することは確かだが、日本の放漫財政を改める良い機会になる。

 そして何より自由貿易こそは競争力の強い輸出産業がまだ日本にとどまっても良いと判断する要因になることは確かだ。
日本はすでに農業国家ではなく工業国家だ。農業保護のためにTPP参加をとどまることはできない立場にある。
野田総理もそのことは良く理解しているが、今回の「協議に参加」は中途半端ななんともさえない発言で、イ・ミョンバク大統領のような明確なメッセージを発してもらいたいものだとつくづく思ってしまった。

 

 

 

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(23.11.13) おゆみ野の美しいまちづくり懇談会

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 おゆみ野UR都市機構がそのノウハウをすべて投入して作ったとても美しい街だが、この街を美しいままで維持するのは大変なことだ。
放っておくと自慢の遊歩道や公園はゴミで溢れ、いたるところに落書きがされ、芝生は雑草で覆われ、樹木は茂りすぎるか剪定のし過ぎで見る影もなくなる。
そして放置自転車はいたるところにあり、とてもURが目指したような美しい街とはいえなくなる。

 こうした現状を見ておゆみ野の有志が立ち上がることになった。先日(9日)第一回目の「美しいまちづくり懇談会」が鎌取コミュニティー・センターで開催された。
行政と住民が一体となって美しい街づくりをしようと言う趣旨で、こうした活動にとても熱心な市議の福谷さんが音頭をとってくれた。

 集まったのは行政側から遊歩道を管理している緑土木事務所と公園を管理している緑公園緑地事務所、それに緑区役所のくらしあんしん室が出席してくれた。
住民側からは街を美しくする活動に取り組んできた住民代表が集まっていたが、半分程度は顔なじみなのには笑ってしまった。
総勢30名程度の会議になったが、私が主として清掃活動とケヤキの保存活動について説明をし、自転車共生会議のNさんが放置自転車の問題を、そして育成のFさんが落書き問題を説明した。
さらにおゆみ野に花壇を作っている方からの説明もあった。

 この会議の趣旨は住民が行政に文句を言う会議ではなく、住民と行政が共に知恵を出しておゆみ野の街を美しくする方法を模索する会議である。
福谷市議としてのビジョンは有志をできるだけ集めて、活動の空白地帯をなくし全体として美しい街づくりができる体制を整えようとの趣旨だった。

 私からの説明は以下の通りである。

① 四季の道の遊歩道約6.4kmと隣接する公園の清掃作業をほぼ毎日2時間程度時間をかけて実施している。私以外に13名程度の会員がおり、それぞれの人が自分の担当を決めて自分の決めたタイミングで清掃作業を実施している。
ゴミの量は特に減ったという感じはない。ここは毎年2000名近くの人口が増加している地区なので、ゴミの自然増もあるのだろう。

② 四季の道やそこに隣接する公園の落書きはすぐに消すようにしているが、一頃のようなひどい落書きはなくなった。時間とペンキに余裕ができてきたので四季の道や公園のベンチの剥がれたペンキの補修を行ってきたが、ペンキ代がかさんでしまったので資金の余裕の範囲内で現在は行っている。

③ 夏の道の遊歩道のケヤキ並木の剪定については、私がおゆみ野守り人を代表して市の緑の協会と打ち合わせをしながら剪定時期と方法等について話し合っている。
樹木医のサジェスチョンをうけて2~3年はこのままの状態で放置し、枝が伸びた段階で枝すき(筒切りでない)方法で剪定するのが良いとの方向性を得ている。


 自転車共生会議のNさんの説明は以下の通りだった。

① おゆみ野の遊歩道や公園には多くの放置自転車があり、この問題を解決するために自転車共生会議が立ち上がった。

② 自転車は放置されると乗り回されたり分解されたりするのですぐに所有者を見つけて返す必要があるのだが、これがとても難しい。
所有者は自転車がなくなると見つけるよりも買い換えてしまうことが多く、時間がたって所有者が分かっても「そちらで処分してくれ」と言われることがおおい。

③ 現在共生会議では放置自転車を見つけるとすぐに、おゆみ野交番鎌取交番に届け出て、そこで所有者の検索をすぐにしてもらうようにした(従来は1週間程度保管場所に預けて所有者が出てこない場合に警察の検索システムで所有者を見つけていた)。
この結果従来よりは早く所有者が判明している。

④ 問題は、こうした報告システムを一般住民が知らないため住民全体の運動になっていないことにある。何とかこれを多くの人に知らせたい。

 育成のFさんの説明は以下の通りだった。

① 主として自分が担当している地区の公園等の落書きを消すようにしている。

② 落書きの中には特定の児童を誹謗したものがあり、多くはイジメの対象になっている児童がおおい。

③ こうした場合は学校と共同でこのようなイジメが発生しないような措置を講じているが、時にフケイから誤解を受けて反対に自分の活動を誹謗されることもある。
しかし落書きとイジメには深い相関関係が有るのでめげないでがんばっているのが実情だ。

 その他意見

① 遊歩道に花壇やプランターを設置すると景観がとても良くなるので、そのような活動をしている。少し前まではプランターがひっくり返されるようなことが多かったが幸いに最近は少なくなった。できるだけ多くの花を植えたいものだ。

② ケヤキの剪定(筒切り)については一部の意見を拡大解釈して実施したもので、多くの住民はケヤキの美しさに満足していた。
あのような筒切りは美しい街づくりの対極にあるもので、今後は住民との十分な話し合いの場が必要だ。
またちはら台方面に伸びるチューリップ・ツリーの剪定もひどいもので、どうしてこのような景観無視の剪定をするのか分からない。


 大体以上のような話し合いが行われたが、住民と行政が互いに良く話し合いをしなければ美しい街づくりが不可能なことは意識の共有がはかられた。
また次回の話し合いに期待したい。 

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(23.11.12) ためしてガッテン キノコパワー新発見

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 私は普段料理をまったくしない。朝はパンを焼いてマーガリンとブルーベリージャムをつけ、紅茶を飲んで、納豆を食べればおしまいだ。
昼も同じような食事だから料理をすることはない。ただお湯を沸かすのとパンをトーストする以外に熱を使うことがない。

 しかし今回のためしてガッテンをみて、「これは料理に挑戦する価値がありそうだ」と納得した。
今回のテーマは「キノコパワー新発見」だったが、私は何よりキノコが大好きだ。特にエノキダケ、シメジ、エリンギは好みのキノコだ。

 このキノコをある種の方法で冷凍したり、また天日で乾すとうまさが12倍程度になり、またコレステロール中性脂肪の抑制に効果があると言う。
うまいだけでなく健康アップにもなるというのだから、キノコ好きの私としては見逃すことができない。
出演者が余りにおいしいと連発するので、「そんなにおいしいなら私も食べてみたいものだ」と言う気持ちになった。

 ポイントは4つあって以下の通りだった。

① ミキサーで砕いたエノキダケを冷凍保存する。ミキサーで砕き冷凍すると細胞が分解されキノコキトサンと言う物質が、そのまま食べるのに比較して12倍程度増加する。
このキノコキトサンが、血管内で酵素と脂肪が結合するのを防いで(
酵素とキノコキトサンが結合する)、体内に脂肪を取り込まないようにするのだという。

 私はコレステロールや中性脂肪は特別高いわけではないが、それでも境界地近くにはりついているので、さっそくこの方法(
ミキサーで砕いて30分煮て冷凍保存する)方法を採用してみることにした。

② キノコを煮るときは[うまみボーナス温度帯]と言うものがあり、60℃から70℃で煮る。この温度帯でグアニル酸と言う甘みが最も良く出るが、これ以上温度が高くなると甘みが出てこなくなる。
したがってエノキダケ等を煮る時は沸騰する前に入れなくてはならない。

③ 冷凍して細胞が分解し甘みが出るキノコは柄の部分を食べるキノコで、エノキダケやエリンギがそれにあたる。反対に傘キノコ(シイタケやシメジ)は冷凍すると甘みと同時に雑み(苦味等)がでるので、甘み効果はない。

④ エノキダケを天日に2日間干すことによって細胞が分解し甘みの基であるグアニル酸が出てくる。干すだけでおいしさがまったく違う。

 以上のような結論だったが、おいしく食べるためにはグアニル酸が通常の食べ方より多く出せる方法を採用すればよいということだ。
そのためには天日で干したり、砕いたり、冷凍したりし、また煮る場合の温度加減が重要になる。
また健康のためにはキノコキトサンを多く出させれば良いので、ミキサーで砕いて30分程度煮ればよい。

 とても興味が持てたが、本当にそうかテストをすることにした。
天日で干すなんていうのはすぐにでもできるので、さっそくエノキダケを買ってきて干してみることにした。
またミキサーで砕いてペースト状にして加熱して保存する方法にも挑戦してみよう。

 そしてこの干したエノキダケやペースト状にしたエノキダケを使用して特別おいしい料理に大挑戦する気になっている!!!!

なお、ためしてガッテンは以下の記事にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

  

 

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(23.11.11) 石原都知事がんばれ 震災がれき処理 石原都知事と森田知事の人間のスケールの違い

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 私は普段石原都知事の言動に好意的ではなく、特に新銀行東京の責任逃れは明らかに間違いだし、東京オリンピック開催招致運動も無理筋だと思っているが、今回の震災がれきの50万トン受け入れについては「さすが石原都知事だ」と感心した。

 現在岩手県と宮城県の震災がれきを実際に受け入れているのは東京都山形県の一部市町村で、他の県や市町村は特に放射能を含んだ瓦礫の搬入を恐れて二の足を踏んでいる。
しかし岩手県と宮城県だけでも2000万トンと言われる瓦礫をこの両県だけで処理するのはとても無理で、日本全体で協力して処理するほかに道がないのも確かだ。

 それに瓦礫といっても通常のどこにでもある瓦礫と、放射能に汚染された瓦礫は処理の方法がまったく異なるが、今回東京都が受け入れた瓦礫は通常の瓦礫である。
そのことを証明するためにも都は搬入前、搬入後、そして焼却後に放射線量を測定し、ホームページで公開している。

 石原都知事は「放射線量を測って何でもないものを持ってきているのだから問題はなく」「(自治体は)持ちつ持たれつで被災地を救うべきだ」と言ったがまったく正しい判断だ。
これに対し約2000通あまりの抗議電話とメールが都に来たと言うが、どうして抗議するのか私には分からない。

 石原都知事が「自分のことばかり考えている。日本人が駄目になった証拠だ」と言い放ったが、私も自分の利益だけを考えた住民エゴには辟易している。
放射能に汚染されていない震災がれきについては、もっと多くの自治体が協力をすべきなのに実際は多くの首長が腰の引けた対応をしている。
環境省の調査でも広域処理に賛成の自治体は、4月時点の10分の1まで激減しているという。
そうした中での石原氏の決断は「俺は日本人だ」という矜持を示したという意味でも非常に立派な態度だと評価していい。

 一方で私の住んでいる千葉県では千葉県内で発生した汚水処理場の汚泥問題が発生している。
いわゆる放射性物質が含まれている汚泥物資の焼却灰をどのように処理するかと言う問題だが、森田知事はこのことに関して住民に十分な説明をせず、千葉県下にある3つの最終処理場に埋め立てている。

 この3つの最終処理場とは君津富津銚子管理型最終処理場のことだが、管理型とは通常の処理場と異なって汚水が排出されないように底面と側面をビニールシートで覆い、出てきた汚水を処理できる措置をした処分場のことだ。
国の基準では1kg当たり放射性物質が8000ベクレル以下の場合は埋め立てをして良いとなっており、この3処理場に持ち込まれた汚泥物質の放射線量は3000~5000ベクレルであったらしい。

 こうした事実は銚子市の市議が議会で質問して判明したので、それまで森田知事はその事実を公表していなかった。
さっそく住民の間では持ち込み反対の署名運動がなされるようになって、私のところにも反対署名をしてほしい旨の要望書が来た。

 今回の処理についてはどう見ても住民に内緒でそっと処分してしまおうとしたとしか思われず、石原都知事のようなとした対応ではなく、森田知事の対応は姑息な逃げの対応といえる。
本来は森田知事が率先して、「8000ベクレル以下の汚泥であり、管理型最終処分場なので放射性物質が他に漏れることはなく、かつモニタリングを常時行うので問題ないと判断した」等の説明をすべきだが、そうしないところを見ると問題があるのだろうか。

 瓦礫処理や放射能に汚染された汚泥物質処理のような住民が懸念を持っている案件では首長が率先して説明しなければ一体誰が説明をするだろうか。
今回の処理方法については森田知事はただ逃げているだけだが、こうしたときに人間の本性がでてしまうものだ。
森田知事石原都知事の爪の垢をせんじて飲む必要がありそうだ。

 

 

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(23.11.10) 安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)は何時からマルチ商法になったのか

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  私は畜産業界に関する知識が乏しかったので、この8月9日安愚楽牧場あぐらぼくじょう)が民事再生法を申請して倒産したという意味を理解できなかった。
そもそも安愚楽牧場なる物をまったく知らなかったからである。

 最近クローズアップ現代でこの安愚楽牧場の倒産の背景を取り上げておりそれを見ることで初めて日本の畜産業の現実を知った。
安愚楽牧場が設立されたのは1981年だから今から30年前になる。
黒毛和牛と言う高級和牛の飼育を行うことを目的に設立された会社で、倒産時日本の黒毛和牛の約20%に当たる15万頭の牛の飼育をしていた。

 日本の畜産業界では屈指の大規模経営であり、日本畜産業界のガリバー的存在だったといえる。
安愚楽牧場がなぜこれほどまでに規模拡大できたかと言うと、オーナー制度と言う特殊なビジネスモデルを開発したからで、全国から出資者を募り配当を約束することによって多くのオーナーから資金を集めていた。

 倒産時負債総額が4300億円、出資者の数は7万4千人と言うから半端な数ではない。
当初私は「これはマルチ商法ではないか?」と思ったが、発足当初はかなり真面目な経営をしていたようだ。
100万円出資をして毎年3万円の配当があったというが、年3%は高配当とはとてもいえない。
バブル崩壊までは日本の定期預金でも5%前後はしていたのだから、これはむしろ低配当の部類に入る。

 このかなり堅実だった安愚楽牧場のビジネスモデルに問題が発生し始めたのは1991年牛肉の自由化だったそうだ。
それまで高価格で販売できていた黒毛和牛の肉が外国産牛肉の輸入によって高価格が維持できなくなった頃から経営にかげりが出てきた。

 しかし本当の意味で安愚楽牧場に経営危機が襲いだしたのは、2001年BSEの発生だったそうだ(と内部の情報を知っていた人が匿名で証言していた)。
BSE問題の発生で牛肉価格が大幅に下がってしまい、安愚楽牧場のビジネスモデルは完全にいき詰まり、その後は新たな出資者の資金を利息配当に回すというマルチ商法になってしまったという。
その後も畜産業を取り巻く状況は好転せず、宮崎県で口蹄疫が発生したり原発事故による風評被害等があって、マルチ商法までもが完全に行き詰ったのが11年8月だった。

注)宮崎県の口蹄疫発生の一番目の農場は安愚楽牧場だったが、安愚楽牧場はこの事実を隠蔽したため宮崎県下で甚大な被害が発生することになった。

 ここ数年安愚楽牧場が高配当をうたって資金を集めたのは事実で(48万円出資をすれば半年後に52万円になり、これは年率8%の高配当になる)、マルチ商法が行き詰まる直前に高配当で資金を集めるのは常套手段だ。
投資者としては高配当は当然高リスクと言うことで注意しなければいけなかったのだから、こうした商品の購入には注意深くならなければいけない。

注)投資はリスク込みだから、そのリスクが表面化したとしてもいたし方ない面がある。投資は儲かっても損をしても自己責任だと私は思っているので、投資者が収益を上げたからと言って羨むことはしないし、また損失が発生したからといっても同情しない。

 私は今回の倒産で被害にあっているのは出資者だけかと思っていたら、畜産農家約350軒あまりが倒産の危機に遭遇しているのだという。

 日本の畜産業界1991年の牛肉の自由化措置によって小規模農家の経営が破綻して多くの借金を農協に抱えていた。
当時安愚楽牧場は日本有数の優良牧場とみなされており、農協は自ら貸した資金の回収のためにも、倒産農家を安愚楽牧場に紹介し、そこの預託経営農家として畜産業を継続するようにとり図ったという。
農協は資金回収のため、畜産農家は預託料で生活するため、そして安愚楽牧場は規模拡大のために預託システムが必要だった。
この預託システムで育てられている牛は15万頭約半分で北海道や宮崎等の畜産農家350軒が参加していた。

 こうした農家は牛肉の自由化で一旦倒産したのだが、安愚楽牧場のマルチ商法に助けられてここまで生き延びることができたといえる。
そしてそのビジネスモデルが虚構であったため今2度目の倒産をしようとしている。

 はたして日本で畜産業は生き残ることができるのだろうか。大規模経営はマルチ化し、そして小規模な農家は実質的に倒産している。
今回の安愚楽牧場の倒産預託農家の実情を見せられると、生き残りは不可能ではないかと思ってしまった。


なお、過去のマルチ商法の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat40090319/index.html
 

 



 

 

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(23.11.9) オリンパスの黒い闇 不正経理判明 粉飾決算の実態

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 8日、オリンパス高山修一社長が記者会見をして、過去20年にわたるオリンパスの不正経理(粉飾決算の実態を告白した。
それまでオリンパスではウッドフォード元社長の不正経理の告発に対し、菊川会長森副社長山田常勤監査役は「一切オリンパスに不正はない」と公表していたが、これがまったくの虚偽であることが分かった。

 高山社長によれば、1990年代バブル崩壊有価証券取引に失敗し(おそらく国内の株式投資を大々的に行っていたのだろう)、その損失が巨額にのぼったため、その事実を有価証券報告書に記載せずいわゆる飛ばしと言う手段で損失隠しをしてきたという。

 この飛ばしを行うために国内3社の買収を730億円で行い、またイギリスの医療機器メーカージャイラスの買収に伴う手数料を660億円支払う等の不正経理によって有価証券報告書には損失を計上しないで済ましてきたという。

 高山社長は具体的な飛ばしの方法を、「第三者委員会の正式の結論を待って発表する」として今回明言しなかったがおおよその想像はつく。

 後者のジャイラス買収では、手数料660億円のうち約600億円相当はケイマンにあったダミー会社に入金し、その資金でオリンパスが保有している有価証券を購入時の価格でダミー会社に売却したのだろう。
こうすればオリンパスからは不良資産はなくなるが、実態は自身が作ったダミー会社に不良資産を移しただけで、よく会社を再建するときに不良資産を別会社(バット会社という)に移してしまう方法と似ている。

 前者の国内3社730億円の買収の場合は複雑な経理処理になりそうで、この方法は第三者委員会の発表を待たないと明確には分からない。
オリンパスは09年に3社の買収が失敗に終わったとして560億円の損失を計上している。

 おそらく買収資金は730億円-560億円=170億円程度であったはずで、この560億円有価証券含み損の償却だったはずだ。
この時もダミー会社を作り560億円を入金して、その金で不良有価証券を560億円で買取らせ、同時に買収の失敗という形で不良資産の償却をしたのではなかろうか。

 ジャイラスは完全な飛ばしで、国内3社は企業買収失敗に見せかけた損失処理として、オリンパス本体の有価証券の含み損を消したのではなかろか。
そうなるとオリンパスが抱えていた含み損は1000億円から1200億円規模になるから半端ではない。

 証券等取引監視委員会は有価証券報告書の虚偽記載で調査を開始しており、その事実が判明すればオリンパスは取引所から上場廃止の処分を受ける可能性が高い。
すでにオリンパスの株式はここ1ヶ月の間に70%も低下していて734円8日現在)になっているが、上場廃止になればほぼ無価値になるのだからさらに売り込まれることは間違いない。

 東京地検特捜部も調査に乗り出そうとしており、海外ではFBIも調査をしているからこれは国際的なスキャンダルになってしまいそうだ。
オリンパスは医療用の顕微鏡の世界的なメーカーだが、こうした状況下では金融機関は融資に慎重になるはずで、資金繰りが急激に悪化するからどこかの会社が吸収合併をしない限り生き残れそうもない。

 私はかつてオリンパスのOMⅠと言うカメラを愛用していた時代があった。とても軽くて登山をする時に便利なカメラだったが、そうした素敵な商品を作っていたオリンパスがこのような形で消滅しそうなことはとても残念に思う。

なお先にオリンパスについて記載した記事は以下の通り。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/231022-175b.html

 

 

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(23.11.8) ベルルスコーニ首相の屈辱 次はイタリアお前だ!!

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(この写真は「千葉公園のベンチから アタシはコーギー犬のココ」(リンクが張ってあります)と言う友達のブログから一部編集して借用。海と空の写真がとても美しいブログです。


 この3日から4日にかけて行われたG20の会議は、イタリアのベルルスコーニ首相にとっては屈辱以外の何者でもなかった。
この会議でイタリアはIMFの管理下に置かれることが決まったからだ。

 ギリシャのパパンドレウ首相が「第2次支援策を受け入れるか否かの国民投票を行う」と宣言して世界中を混乱させたが、これはサルコジ大統領メルケル首相オバマ大統領が首根っこを捕まえて止めさせ、結局ギリシャ国債の半額放棄と言う形でのギリシャ国家の倒産案を無理やり認めさせた。

 こうしてギリシャは倒産することが決まったのだが、そうなると次はイタリアだと市場が狙いを定めてきた。
イタリアの経済規模はユーロ圏で第3位で、国債残高は約200兆円で、これはギリシャの約6倍だ。
日本の1000兆円に比べればまだ可愛いが、経済規模が日本の約4割だから、日本の経済規模に引きなおすと約500兆円になる。

 この所のイタリア国債に対する市場の信頼はかなり低く、国債利回りは6.6%程度まで上昇してきた。これはECBヨーロッパ中央銀行)が約7兆円規模の買い支えをしていてもこの利回りだから、もしECBが見捨てたらたちまちのうちに7%を越えそうだ。
この7%前後危険ラインと称していて、このラインの国債は一般にデフォルト寸前とみなされている。

注)アイルランド、ポルトガル、ギリシャといった国はこのラインになったとき、IMFからの支援を受け入れることにした

 イタリアの現状はかなり日本に酷似している。

① 財政赤字がGDP対比ギリシャについで高いこと(日本200%、ギリシャ150%、イタリア120%
② 経済成長率が過去15年間で平均0.75%と極度に低いこと(
日本も名目ではほとんど伸びていない
③ 高齢化と既得権益集団の力が強く改革がほとんど行われないこと(
65歳以上の人口 日本23%、イタリア21%
④ 政治が混迷していて強いリーダーシップが望めないこと(
首相のセックススキャンダルが絶えない。一方日本ではほとんどが政治資金がらみのスキャンダル)

 だがギリシャ危機が起こるまではベルルスコーニ首相の鼻息は荒かった。
レストランは満員だし、航空便も予約で埋まっている。何もイタリア経済に問題はない
しかしイタリア経済は日本と同様に成長部門と言うものが何もない。それでも国民はドイツやベルギーやオランダやフランスのような生活を望むから、ギリシャと同様に国債を増発して、それで公務員の給与や年金をまかなってきた。
だが、このトリックもギリシャ危機ですっかり化けの皮をはがされてしまった。

 特に失業率8.6%11年1月)とアメリカとどっこいどっこいだし、特に若者の失業率は29%と極端に高い。
成長産業はないから若者の働く場がないのだが、既得権益集団の力が強くて構造改革がままならないのは日本と同じだ。

 この9月にフランスとドイツにせっつかれて、増税案定年延長案65歳から67歳に引上げ)を打ち出したが、野党が反対して実行できるか否かが危ぶまれている。
今回サルコジ大統領、メルケル首相、オバマ大統領、ラガルドIMF専務理事に取り囲まれてベルルスコーニ首相が詰め腹を切らされた内容はIMFによる3ヵ月ごとの緊縮財政策の実施状況の監視だった。

ちゃんとやるといってるだろう。トラスト・ミー
いやあんたを信用するわけには行かない。国内情勢が変化したと言っては国際公約を反故にするのがあんたの常套手段だ

国内にはうるさい野党と、何かと言うとストをする国民がいるんだ。一筋縄じゃいかないことを理解してくれ
あんたの政治力がなくなったのはもっぱらセックスにうつつを抜かして、国政を省みなかったたからだ。やはり下のほうも含めて監視が必要だな

IMFによる監視なんてかつての韓国やトルコやイラクやギリシャ並みの取扱じゃないか。大国イタリアのプライドが傷つく
イタリアの国債償還に問題が発生したらギリシャの比ではないだろう。そうしたらEUもアメリカもIMFもイタリアを救うことはできない。あなたが約束したことが実際に守られるかどうかの監視は絶対に必要だ。もしこの案を受け入れないなら今後EUもアメリカもIMFもイタリアを一切支援しないし、ECBが国債を買い支えることも止める

 ベルルスコーニ首相としてはIMF監視団の受け入れは苦渋の選択だったろう。
世界はイタリアを準禁治産者とみなしたということだから、プライドの高い首相としては「自ら進んで監視団を受け入れることにした」と国民には強がりを言ってみたものの、イタリアの国際評価は地に落ちた。

 こうしてイタリア経済は実質的にIMFに乗っ取られたのだが、だからと言って前途が明るいわけではない。緊縮財政は何より国民には不人気だし、この政策をとればとるほどGDPが縮小するのはギリシャで実証済みだ。
ギリシャ、イタリア、そして近い将来にスペインは放漫財政だった過去のキリギリスの生活から、緊縮財政と言う厳しい蟻の生活に否応なしに急激に移行させられようとしている。

注)イタリアの将来は日本の将来の鏡の様だ。政治家は日本の置かれている現状を正確に国民の公開して、緊縮財政に入るのが一番だと思うが、誰も虎の尾を踏もうとしない。

なお、イタリア経済の記事は以下にまとめてあります。
 
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46608944/index.html

 

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(23.11.7) 亀の歩み 成田POPラン始末記

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 悲しくなってしまった。まったく身体が動かないのだ。
この6日に成田で行われた成田POPラン・ハーフの結果である。
亀の歩みのような走力で、結果は1時間54分17秒で、種目別順位60歳以上)は288人中82位総合順位2450人中998位だった。

 このPOPランはかつては毎年のように出ていたが、最近はトンと出場する機会が少なくなっていた。
昨今のマラソンブームでこのようなローカル色豊かな大会さえもすぐさま応募が締め切られる盛況で、間に合わず私は3年前に出たのが最後で久しぶりの出場だ。

 当初の予定では1時間50分は優に切れて、1時間45分ぐらいと思っていたがとんだ見当違いだ。
最初の10km位まではそれでも何とかかけていたが、10kmを過ぎたあたりから追い抜かされる一方になってしまった。
なぜだ、なぜこんなに俺は遅い!!!!!」

 天候は曇りで霧がかかっており湿度は非常に高い。
呼吸はちっとも苦しくないのだが足がまったく動かない。何か亀の歩みのような速度しか出ない。
途中で四季の道ランナーズKさんに、声をかけられ軽く肩をたたかれた。K さんは快調な足取りで追い抜いていったが、こちらはどんなに努力してもスピードアップができない。

 レース経験者なら誰でも知っているが、後ろから来た友達のランナーに声をかけられて追い抜かされるほど精神的ショックが大きいものはない。
山崎さん、ちっとも足が上がっていませんでしたよ」なんて後で言われたら嫌だから、懸命に追いすがろうとするのだが、目一杯の走りをしているのでどうにもならない。

 考えてみれば私は1年以上スピード練習をしていない。反対にトランスエゾ1100kmちはら台走友会のオクトーバーランで、ただひたすら走り続けたが、速度は時速6.5km程度がほとんどだった。
身体がすっかりスローJOGに慣れてしまって早く走ることを忘れてしまったみたいだ。

まずいなあ、今月の27日にはつくばマラソンがあって、その時は3時間45分程度で走って日本年齢別ランキングで100番を狙っているのに、これでは夢のまた夢だ・・・・・
がっくりした。

仕方ない、つくばマラソンまで近くの池の周りのコースでスピードプレイを行って少しでもスピードが出るようにトレーニングしておこう。5kmを前半だけでも25分ペースで走れないと話にならない
決心した。

 それでも今の私のスピードが亀の歩みであることが早く分かってよかった。後20日あまりだが少しでもスピードが出るようにがんばろう。

なお、マラソン関係の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44014135/index.html

 

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(23.11.6) 世界史の忘れ物 ハンニバル戦記 なぜハンニバルはアルプスを越えたか

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 高校生の時に世界史を学んでどうしても理解できないことがいくつかあった。
そのうちの一つにハンニバルアルプス越えがある。
ハンニバルとはローマカルタゴの3度の死闘のうち、第二回目の闘いのカルタゴ側総司令官である。
なぜ、ハンニバルはわざわざ最も困難なアルプスをしかも象まで引き連れて越えたのだろうか。しかもこうした行軍中に6万の軍勢のほぼ半数が谷に落ちたり川でおぼれたりして死んでしまったという。戦う前に半数の人数が死傷してしまうような闘いはそもそも負けではないか?」そう思っていた。

 この疑問を解くために最近塩野七生氏ローマ人の物語ハンニバル戦記」を読んでいる。
塩野七生氏ローマ人の物語は新潮社の文庫本で全40冊に及ぶ大作だが、そのうちの3,4,5巻が「ハンニバル戦記」となっている。
読んでみると分かるがこの本は物語と記載されているだけあってとても面白く飽きることなく読める。私は引き込まれるようにしてこの本を読んでしまった。

 ハンニバルとローマの闘いは第二次ポエニ戦役と言うのだが紀元前219年から前201年まで、おおよそ20年間にわたって繰り広げられた死闘で、現代的なセンスから言えばとても信じられないような長期戦だ。
しかもローマとカルタゴは都合3回も戦火を交えており第一回目は紀元前264年から前241年までのこれも20年余りの死闘だった。

 大雑把に言えば20年間死闘を繰り返し、20年間の休戦期間を挟んで再び20年間の闘いをしたことになる。
何か第一次世界大戦で敗れたドイツが再度の世界大戦を仕掛けて再び敗れてしまったのに似ているが、近代の世界大戦が5年程度で収束するのに対して20年に及ぶところがいかにも古代だ。

注)最後の3回目は紀元前149年から前146年の4年間であっさりとかたがついている。そうした意味でこの第二回目が本当の決戦だった。

 私は闘いのためハンニバルカルタゴ(現在のアフリカのチュニジア)からローマに向かったのだと思っていたが、これは誤解だった。ハンニバルスペインから出発している。
なぜスペインかと言うと第一次ポエニ戦争でローマに敗れたカルタゴは、その停戦条件としてカルタゴの植民地があったシチリア、コルシカ、サルジニアといった西地中海の海から追い出されてしまった。
また軍艦の建造も認められなかったため、仕方なしにそれまで未開人しかいなかったスペインにカルタゴの名門バルカ家ハンニバルはそこの直系)は上げて植民活動をおこない、ここに第二のカルタゴを建設していたからだ。

 ハンニバルの父ハミルカルハンニバルに遺言をしていた。
ローマを撃って(第一次)ポエニ戦役の屈辱を晴らせ
ハンニバルが海路ではなく陸路を通らざる得なかったのは、カルタゴにはローマと戦える海軍がなかったからである。
ハンニバルが引き連れた軍勢は歩兵5万、騎兵9千、そして象37頭だった。
スペインを出発してピレーネ山脈を越え、今のフランス当時のガリア)の奥深くを通過し大河ローヌ川を渡り、グルノーブルからアルプスを越えて現在の北イタリアのトリノに攻めこんでいる。
この間には標高2000m級のアルプスの峠があるが、おそらくそのどこかの峠を越えたのだろう。

 しかし現在と違って当時の陸路はほとんど道がないのに等しい。あってもそこに住んでいる部族が使用する山道のような細い道だから、まともに通ることも不可能だ。
特に当時は川に橋など架かっていないからローヌ川を渡るだけで1万3千名の兵士と象7頭がおぼれてしまったという
これが行軍なのだろうか、これに匹敵する愚挙は旧日本軍のインパール作戦ぐらいな物ではなかろうか・・・・・」

 ハンニバルがアルプスを越えたのは9月である。アルプスでは夏でも雪が降る。まして9月になればかなりの降雪を覚悟しなければならない。そして道はといえば羊飼いがヒツジを追って通れるだけの山道だ。
最近モンブラン山岳マラソン(8月に実施されている)映像を見たが、人が通ることはできるがとても象や馬が通れる道には見えなかった。おそらく当時の道は山岳マラソンで使用した山道より険しかっただろう。

 ハンニバルはこのアルプスを越えるのに15日間をようし、イタリア側に降り立つことができた兵士は歩兵2万、騎兵6千だったから、このアルプス越えで2万強の兵士が死んだことになる。象はほとんどが崖から落ちてしまった。
やはりハンニバルは頭がおかしかったのではないか、これでは死ぬために行軍しているようなものだ。ローマはただ待っているだけで勝てるではないか・・・・」

 私がそう思ったのは古代の戦争を知らなかったからで、この時代の戦争は(ローマを除いて)兵士は現地調達するのが一般的だった。
なにも強制的に兵士にするのではなく、自陣につけば利益が上がると見せて懐柔するのである。
イタリア北部にはローマにしたがうことを潔しとしないガリア人の部族が大挙して住んでいたが、ハンニバルはローマとの闘いで勝利を収めるたびに周りのガリア人を自軍に加えることによって、瞬く間に5万の兵力になってしまった。

注)日本でも源氏と平氏の戦いを見ていると、勝つほうに味方する武士がいくらでもいた。

 もちろんスペインからハンニバルに従ってきた近衛兵はいるのだが、戦闘ではこの近衛兵をできるだけ温存し、現地調達したガリア兵をローマと戦わせている。
なるほどね、ハンニバルはガリア人を味方にするためにわざわざアルプスを越えたのか。そして兵士の消耗にも平気だったのは勝利すればいくらでもガリア兵を補充できていたからか・・・・

 人命を尊重しないと言う意味ではなんともひどい司令官だが、古代戦のやり方と言うものがようやく理解できた(アレキサンダーの東方遠征もこの方式だったのだろう)。
高校時代から不思議に思っていた疑問が一つ解けてとても嬉しくなってしまった。

なおローマ史は以下の記事にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44866001/index.html



 

 




 


 

 

 

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(23.11.5) 先進国経済の停滞と成長エンジンの喪失 日本とEUの事例

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 初めて成長の限界を世界に訴えたのは1972年ローマクラブで、そのときの論旨は「人口は幾何級数的に増加するが食料は算術計算的にしか増加しない」と言うものだった。
いわば食糧問題がネックとなって成長が止まるという理論で、マルサスの人口論を基礎にしている。

 しかし今目の前に現れている日本とEUの成長の限界は食料問題ではなく、成長エンジンの喪失である。
日本が1990年ごろからまったく成長できない経済になったのは、2つの成長エンジンが止まったからだが、最初に止まったのは土建国家日本だった。

 日本は何度も景気対策として公共事業の拡大を行ったが、作られたもののほとんどが経済効果を無視した箱物ばかりで、不要な自動車道路やダムや港湾や飛行場や公民館ばかりだった。
こうした施設は日本経済の拡張になんら役立たず、そのため税収が伸びることがなかったので、日本経済は更なる箱物を作るため、不足分を国債発行でまかなわざる得なくなってしまった。
そして国債発行も限界が来たところで土建国家日本はこの成長エンジンを止めたのだ

 もう一つの成長エンジンは輸出産業だったが、このエンジンをふかすために日本政府が採ってきた方策は超低金利政策だった。これにより円は対ドル対比120円程度で推移していたので、トヨタをはじめとする輸出産業は利益拡大することができ、リーマンショックまでは日本は実質GDPで成長をしていた(名目GDPはほぼ一定)。

 しかしこの成長エンジンもリーマンショック後アメリカEUが日本と同様の超低金利政策をとったことで瞬く間に円高になって、この円高に耐えられず日本から輸出産業が消えつつある。
日本は土建国家輸出産業以外の成長エンジンを持たないため、1990年を境に長期低迷に陥り、世界の経済成長から取り残されてきた。

 そして今EUがその成長エンジンを失って長期低迷に突入しようとしている。
EUの成長エンジンはまさにそのEUの拡大であり、ヨーロッパにアメリカ並みの国内市場が出現し、人と物が自由に移動できるようにしたことにある。
しかもEUのうちの17カ国ユーロと言う共通通貨を持っていて、ギリシャ危機が発生するまでは実に効果的な成長エンジンになっていた。

 ドイツは広がった市場に資本を投下し、また地域内の相対的に貧しい国々に物を売ることで莫大な貿易収支を稼いできた。
そしてその貧しい国がなぜドイツ製品を湯水のように買えたかと言うと、ユーロ圏の一員として国債発行を低利でしかも無制限に行えたからである。
これは金融政策ECB(欧州中央銀行)が統一的に行ったが、財政政策は各国に任せたため国債発行に歯止めがかからず財政規律が無視されたためである。

 ギリシャでは国債発行で得た資金を使って公務員を増員し、給与を上げ、また年金支給者の待遇を改善してきた。そして程度の差はあってもイタリアもスペインも国民がドイツやフランス並みの生活をするために国債発行で得た資金を大盤振る舞いしてきた。
相対的に貧しかった南欧諸国は借金生活をすることで確かに生活は豊かになったといえる。

 しかしこの成長エンジンもリーマンショック後の厳しい経済情勢の中でギリシャ問題が発生してからすっかり逆噴射になってきた。
あまりの放漫財政に驚いたドイツやベルギーやオランダがギリシャやイタリアやスペインに緊縮財政を要請したからだ。

 ギリシャにとって緊縮財政とは国債発行を縮小し(実際は市場で買い手がない)、その結果公務員の首切りや給与の引下げ、公共料金の値上げと年金の引下げとして現れてきた。
すっかりギリシャ市場は冷え込んでドイツの輸出品も売れなくなってきた。

 EUは成長エンジンが冷え込んだのだ。
ギリシャやイタリアやスペインが国債発行をして国民に大盤振る舞いしない限り、ドイツやフランスの製品はこうした国々に売れない。
ところが今こうした国々が国債発行が不可能になり、自身で資金調達ができないためドイツやフランスは融資までしなければならなくなってきた。
もはや成長を云々する段階でなく、放漫財政国家をいかにして救ったらよいかと言う段階になっている。

 それぞれ国や地域にはその場所特有の成長エンジンがある。そのエンジンが崩壊したら新たな成長エンジンが出てこない限り成長はできない。
日本とEUはこうして長期低迷の時代に突入してしまった。

注)日本は土建業と輸出産業以外の新たな産業創出に成功したら再び成長路線に戻れるし、EUはフレームワークの再構築が成功し、財政政策を一本化できたら成長路線に戻れる。しかし両者ともとてもそれが可能とは思われないので、日本とEUの経済成長は終わったと私は思っている。

なお本件と関連する記事は以下の通り。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45746513/index.html

 

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(23.11.4) パパンドレウ首相のロシアンルーレット

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 とうとうギリシャのパパンドレウ首相ロシアンルーレットを始めた。
ロシアンルーレットとは、リボルバー式拳銃に一発だけ弾丸を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くゲームで私は映画ディア・ハンターでその内容を知った。

 パパンドレウ首相とゲームをさせられているのはEUの首脳サルコジ大統領とメルケル首相)である。
パパンドレウ首相は先のEU首脳会議で決められたギリシャ支援策を認めるとギリシャ国民が暴動を起こし、反対に支援策を受け入れなければEUが頭にきて融資を凍結しギリシャが倒産する瀬戸際に追い込まれている。
よしこうなったら、後は知らん、ロシアンルーレットだ
パパンドレウ首相は切れてしまった。

 この3日から4日にかけてフランスでG20が開催されるのだが、それにあわせて先週のEU首脳会議でようやく纏め上げたギリシャ救済策とは以下のようなものだった。

① ギリシャ国債の元本の半減
② 欧州銀行の資本増強
③ 欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充


 そしてその見返りにギリシャが行う緊縮財政策は ① 公務員の給与カットと3万人の一時帰休(実際は首切り)、② 高額年金支給者(12万円以上)の年金の20%カット、だった。

 サルコジ大統領とメルケル首相はこうしたギリシャ再建策の実施をG20で声明し、中国や日本からEFSFに資金提供をしてもらう腹だった。
ギリシャ危機はEUだけでは手に負えない。どうか中国さん、日本さん、EFSFが発行する債券を購入してください

 ところがこの筋書きをいっぺんで覆すほどの衝撃的な方針を、パパンドレウ首相が誰とも相談せずに突然緊急閣議を開催して決めてしまった。

我々は第二次支援を受けるべきか否かを国民投票にかける
これにはサルコジ大統領メルケル首相も腰を抜かさんばかりに驚いた。

お前一体何を言い出すんだ。国民投票でNOといわれたらどうするんだ
うるさい、俺は腹を決めたんだ。ロシアンルーレットだ、死ぬのは誰か決めよう

あのね、冷静になって考えなさいよ、今国民投票をやっている場合じゃないでしょ
うるさい、俺は分からず屋のギリシャ国民を抱えているんだ。あいつらをぎゃふんと言わさない限り俺の立場がなくなる

あんたはギリシャだけのことを考えているようだが、ユーロ全体のことはどう思っているんだ」
しらねえ、俺はギリシャの首相でEUの首相じゃない。そんなことはお前達が考えろ

それじゃ、支援はできないわ。当面の資金繰りも凍結するわ
おお、いい度胸じゃねえか、ギリシャがつぶれるかEUがつぶれるか勝負だ」

 4日に内閣の信任投票、5日にユーロにとどまるか否かの国民投票法案の採決を行うという。パパンドレウ首相の基盤は弱い。議会の定員は300人だが、与党全ギリシャ社会主義運動の議員数は152名だ。
数人が内閣不信任に投票すれば内閣そのものが倒れてしまうので、その後の国民投票法案は宙に浮く。

(23.11,8追加)結局パパンドレウ首相は白旗を揚げ、国民投票は実施せず、議会で第二次支援の承認を行うこととし、自身は辞職することになった。

 市場はびっくりしてギリシャ国債の利回りは28%になり、つられてイタリア国債の利回りが6.2%に跳ね上がった。
ユーロ危機はパパンドレウ首相ロシアンルーレットで本当にギリシャがつぶれるかユーロがつぶれるか、あるいは両方かの瀬戸際に追い込まれてしまった。
だからギリシャなんかユーロに入れるべきじゃなかったんだサルコジ大統領のボヤキが聞こえるがもう手遅れだ。

 ギリシャ問題はますます混迷の度合いを深めていく。ギリシャがつぶれれば次はイタリアスペインだ。
この2国の問題はギリシャ問題の比ではない。
1990年以降日本が成長路線から滑り落ちたが、今EUがギリシャ問題(その後はイタリア問題)で日本の後を追っている。

 すでにEUは成長できる時代が終わり長期低迷の時代に突入した。 


なおギリシャ問題の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44468201/index.html

 

 

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(23.11.3) 原発検査は誰が行うか? 原発検査のトリック(毎日新聞のスクープ)

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 電力会社原子力安全・保安院の関係者にとって、毎日新聞の朝刊は鬼門だろう。
なにしろ周期的に原子力関連の問題点のスクープを連発している。
前回は東電のゼロ連結会社のトリックだったが、今回は原発検査のトリックだった。

 11月2日の朝刊には原発検査の法定検査機関、原子力安全基盤機構(原子力安全・保安院に所属の検査が完全に業者におんぶに抱っこされたものだったことを暴いている。
記事によると検査を行うマニュアルは要領書と言うのだそうだが、これは業者の自主検査マニュアルを丸写しにしたものだった。

丸写しだって、内容がしっかりしたものならいいだろう」機構の検査業務部次長はそう言ったそうだが、実は問題がある。
私も長い間検査セクションにいたから分かるのだが、通常業者が自ら作成する自主検査項目は非常に細部にわたって細かいのだが、実務処理の手順が正確に守られているかどうかをチェックするもので、業務そのものが適切に運営されているかどうかまではチェックしない。

注)たとえば金融機関の自主点検マニュアルは印鑑が押されているとか、訂正が正しくされているとか、権限違反がないとかをチェックしている。一方検査部の検査は管理職の資質に問題がないか、業務の配分は適切か、無用な仕事をしていないか、外部からの進入に対し適格な対策がとられているか、等をチェックしていた。
現場と検査セクションの見る目は異なっている。

 原子力安全基盤機構の検査員は全体で200人程度だそうだが、これはアメリカの原子力規制委員会NRCの検査員4000名に比較するとあまりに少ないといわれている(アメリカの原発の数は日本の約2倍)。
日本ではこの少ない人員で検査を行うため、業者作成の自主点検マニュアルを表紙をかえて機構の要領書にしていたのだそうだが、この方法の一番のメリットは業者が行った自主点検結果書だけを見て、すべての検査が終わることにある。

注)それ以外の点検項目がないので、検査員が自主的に検査する必要がない。

自主点検をなかなかよくやってるじゃないか、何か問題なかった、それなら結構、後は一杯行こうか」なんて感じで検査はさっさと終了させ検査員にとって最も充実した夜の時間を過ごすことができる。

注)私が検査員になった頃は相手先(この場合は支店)の接待を受けるのが常態化していた。私自身は酒を飲まず、検査が終わったらJOGをしたかったのだが同僚がいる場合は断ることができなかった。
ある同僚はその接待のあり方で支店の評価を変えていた。
なお、この夢のような状態は金融庁が銀行検査を強化した2000年前後からは接待が禁止されるようになった。


 笑ってしまった。原子力安全基盤機構の検査は一昔前の検査で、相手を全面的に信頼し(通常性善説の検査と言われる)、互いに胸襟を開くために酒宴を張る検査になっている。
機構の上部団体である原子力安全・保安院は今回の福島第一原発の事故でまったく機能していなかったことがばれて神妙になっており、報道では幹部は「機構の検査は手抜きで楽をしているといわれても仕方がない」とコメントしたが、当事者の機構の幹部は「自前で要領書を作ることも不可能ではないが、そんなことをすると日が暮れる」と居直っている。

 なぜ日が暮れてしまうと困るかと言うと、大事な接待の時間がなくなるからである。
日本においては検査は通常形骸化されている。これは一方で検査対象先の工場が真面目に製品作りをしているからで、アメリカのように目を放すと手抜き工事をする国民性ではない。
しかしそれも限度があって、担当者が切れてしまっている場合や、幹部が精神的に追いつめられている場合はいくらでも有るのだから、相手の事業所に100%頼った検査をすべきでない。

 日本の多くの法定検査機関は担当者に専門家が少なく勢い素人検査になることと、役人は接待されて当たり前と考えていることと、互いに胸襟を広げるためには宴席が必要と考えていること等が絡み合って、馴れ合い検査になっている。

 それでも問題が起こらなければいいのだが、原子力関連施設の問題は世界の注目を浴びている日本のアキレス腱なのだから、せめて世界に対して釈明できるレベル(日本的な馴れ合い検査ではなく)の検査対応は必要といえる。

 やはり機構は居直るのではなく、給与に見合った自主的な検査をするぐらいの態度は示してほしいものだ。

なお、東電のゼロ連結会社のトリックは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/231031-9e88.html

 

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(23.11.2) 冷めた為替介入への評価 輸出産業は日本を見捨てている

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 この10月31日に行った野田内閣の戦後最大8兆円規模の為替介入を産業界はほとんど無視と言う態度で見ている。
従来ならば1ドル75円台と言う歴史的円高になると、輸出業界から悲鳴のような円高対策の要求が発せられ、マスコミもこぞってその必要性を強調していた。
しかし今回の産業界の対応は「まあ、しないよりはマシ」と言う冷めた対応になっている。

 産業界、分けても輸出産業界が悲鳴をあげなくなったのは、日本政府に対する長年の失望感からすでに円高対策が完了しているからだ。
それが誰の目にもはっきり表れていたのが今回のタイの洪水である。
タイの工業団地の冠水で私が一番驚いたのは、そこに進出している企業のほとんどが日本企業で、まるで日本国内の洪水のような状況になっていたことだ。
タイは日本かい????」

 ホンダなどは四輪車工場が完全に水没したことから、生産能力24万台の工場が約半年間操業不能になり、かつアメリカでの生産も部品不足から半分程度に落ち込むという。
輸出産業はすでに日本をみすててタイインドネシアベトナムカンボジアといった比較的対日感情が良く、政府が企業誘致に熱心な場所に進出しており、日本国内には本社機能と比較的効率の良い工場ぐらいしか残していない。

 私の住んでいる千葉でも近くの茂原市に進出していたパナソニックの液晶テレビ用パネル生産工場が閉鎖されることが発表され、1000人あまりの従業員の今後の行方が注目されている。
日本企業はこのように日本にある工場を閉鎖するか操業短縮を実施して生き残りを図っており、政府の円高対策を待っているわけではない

 安住財務相は「納得のいくまで介入する」と胸を張ったが、一体誰が納得するのだろうか。本来一番納得しなければいけない輸出産業は日本を見捨てて国外に逃げ出しており、もはや納得するのは安住財務相ぐらいなものだ。

 私が何度も記載している通り、日本ほど輸出産業にとって不適な場所はない。リーマンショック以降日本政府の一枚看板だった金融緩和策がまったく効果がなくなった。
それは当たり前でアメリカとEUが日本と競争して金融緩和策を実施して、ドルもユーロも通貨の安売り合戦になって、円だけが安いといったリーマン・ショック以前の状況は失われた。

 おかげで通貨円は対ドルで40%程度の円高水準になり、隣の韓国がドルに通貨をディペンドさせている関係から、ウォンも日本円に対し40%程度の引下げになっている。
日本輸出産業の最大のライバルは韓国で、おかげでサムスン、LG電子、ヒュンダイといった企業に日本は太刀打ちできない。

注)私も最近購入したdocomoの携帯はサムスン製を使っている。またパソコンのディスプレイなんかはサムスンが一番安い。

 特に世界最強と言われていた自動車産業などは東日本大震災やタイの洪水の影響があったこともあるが、アメリカ市場でヒュンダイに猛追されており、トヨタもホンダも青息吐息だ。
したがって今回政府がおこなった為替介入は75円台は許さないというシグナルだとしても、「だからどうなのよ」という水準で、輸出産業が「しないよりましだ」と思っていることは明白だ。

 企業レベルで言えば生き残り策は日本から出て行くことが一番で、国策として外国企業を誘致していて反日感情がない場所が一番になる。
そうした意味でタイは日本産業の一大基地となっていたのだが、今回の水害でその脆弱性が露呈してしまった。
中国は政治的リスクが大きすぎていつ反日感情の標的にされるか分からず、インドはまだインフラが未整備だ。
日本輸出産業としては打つ手段がないという状況で、「いったいどうすりゃいいんだ」と言う状況になっている。

 今は出るも地獄、残るも地獄と言う状態だ。
今回日本政府は単なるパフォーマンスとしての円高対策を実施したが、日本に輸出産業が残ってもらいたいならば、法人税や固定資産税をゼロにして、あらゆる規制を緩和するぐらいの措置を採らないと無理だろうし、TPPに参加をすることも必要だ。
だがそれは見果てぬ夢だから、たとえ水害が起こっても輸出産業が海外に逃げ出すのを防ぐことは無理だろう。



なお、円高問題についての記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat45690596/index.html
 

 

 


 

 

 

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(23.11.1) 老兵は死なず ただ消え去るのみ ちはら台走友会のオクトーバー・ラン

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 いやはや大変なことになってしまった。ちはら台走友会オクトーバー・ランのことである。ちはら台走友会毎年10月、走りこみ月間として1ヶ月間の走行距離を競うコンテストが催される。

 昨年は私が494km走ってトップになったのだが、今回はとても走る気力がなくなっていた。
一番の原因はトランスエゾ1100kmを完走できなかったので、今後は超長距離走から引退することにしていたからだ。
まあ、今回は350km程度走って3番程度になればいいや・・・・」そう思っていた。

 ところが今年のちはら台走友会は例年になく燃えてしまった。今年入会した若手NO1マッチャンが飛ばしに飛ばしたからだ。
通常私が1日に走る距離はおゆみ野からちはら台に向かって伸びる周回コースの13kmである。
あるいはちはら台の中のかずさの道を2周して16km程度が相場だ。

 ところがマッチャンは通勤ランと組み合わせて25kmから30kmの走行を平気で毎日続けて、トップの座を一歩も譲ることなく独走状態になってしまった。
まあ、そのうちにくたびれてくるだろう」と私は思っていたがペースは一向に落ちない。

これはまずいんじゃないか・・・・完全に独走を許してしまいそうだ
モンブラン山岳マラソンでキリアン選手に飛ばされてあせりまくってしまった鏑木選手と同じ立場になってしまった。
何とかしないとますます離されてしまう!!!!」

 後半になって得意の江戸川堤走を取り入れてみたが、50km程度走ったぐらいでは追いつけない。私は長距離走をした後は一日休養を取るのだが、マッチャンは相変わらず休みなく25kmから30kmのペースで飛ばしている。
ならばと長距離走の距離を65km程度に増やしてみたが焼け石に水だ。
なんとしても30km程度の差が縮まらない。

 仕方がないので最後の手段に出た。80km程度の長距離走を練習で採用することにした。
これは走ったことのある人なら分かるが、練習で80km程度こなすのは意志力との闘いになる。
たとえばキロ7分で走っても80kmでは10時間半もかかる。途中で食事もとるので走りっぱなしでも11時間だ。
うんざりするような長い時間だ。

 だが、マッチャンに追いつくのにはそれしかない。
78km走って29日の段階でようやく追いついたが、マッチャンは最終日に「限界に挑戦する」と宣言している。
仕方ない、最終日はどうしてもマッチャンが追いつけない距離を走ろう。なにしろマッチャンはサラリーマンだから、月曜日に1日中走れない。ここは引退者の強みだ

 朝の4時からスタートした。しかしこのところ長距離走を立て続けにしていたので、まったくスピードが上がらない。時速で7kmを予定したが、実際は6.5kmだ。
足が動かん、ひたすら我慢の走法だ
ありがたいことに私のRUNをTwitterで知った走友会の小太郎姉さんがエイドを設定してくれた。
結局18時間かかって110km走った。
合計の1ヶ月間の走行距離が609kmになって、何とかマッチャンを振り切ることができた。
それにしてもきついオクトーバーランだ。

 もうこんなランは二度としないことにしよう。
老兵は死なず、ただ消え去るのみ」だ。


なおちはら台走友会の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44088639/index.html

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