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(23.11.8) ベルルスコーニ首相の屈辱 次はイタリアお前だ!!

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(この写真は「千葉公園のベンチから アタシはコーギー犬のココ」(リンクが張ってあります)と言う友達のブログから一部編集して借用。海と空の写真がとても美しいブログです。


 この3日から4日にかけて行われたG20の会議は、イタリアのベルルスコーニ首相にとっては屈辱以外の何者でもなかった。
この会議でイタリアはIMFの管理下に置かれることが決まったからだ。

 ギリシャのパパンドレウ首相が「第2次支援策を受け入れるか否かの国民投票を行う」と宣言して世界中を混乱させたが、これはサルコジ大統領メルケル首相オバマ大統領が首根っこを捕まえて止めさせ、結局ギリシャ国債の半額放棄と言う形でのギリシャ国家の倒産案を無理やり認めさせた。

 こうしてギリシャは倒産することが決まったのだが、そうなると次はイタリアだと市場が狙いを定めてきた。
イタリアの経済規模はユーロ圏で第3位で、国債残高は約200兆円で、これはギリシャの約6倍だ。
日本の1000兆円に比べればまだ可愛いが、経済規模が日本の約4割だから、日本の経済規模に引きなおすと約500兆円になる。

 この所のイタリア国債に対する市場の信頼はかなり低く、国債利回りは6.6%程度まで上昇してきた。これはECBヨーロッパ中央銀行)が約7兆円規模の買い支えをしていてもこの利回りだから、もしECBが見捨てたらたちまちのうちに7%を越えそうだ。
この7%前後危険ラインと称していて、このラインの国債は一般にデフォルト寸前とみなされている。

注)アイルランド、ポルトガル、ギリシャといった国はこのラインになったとき、IMFからの支援を受け入れることにした

 イタリアの現状はかなり日本に酷似している。

① 財政赤字がGDP対比ギリシャについで高いこと(日本200%、ギリシャ150%、イタリア120%
② 経済成長率が過去15年間で平均0.75%と極度に低いこと(
日本も名目ではほとんど伸びていない
③ 高齢化と既得権益集団の力が強く改革がほとんど行われないこと(
65歳以上の人口 日本23%、イタリア21%
④ 政治が混迷していて強いリーダーシップが望めないこと(
首相のセックススキャンダルが絶えない。一方日本ではほとんどが政治資金がらみのスキャンダル)

 だがギリシャ危機が起こるまではベルルスコーニ首相の鼻息は荒かった。
レストランは満員だし、航空便も予約で埋まっている。何もイタリア経済に問題はない
しかしイタリア経済は日本と同様に成長部門と言うものが何もない。それでも国民はドイツやベルギーやオランダやフランスのような生活を望むから、ギリシャと同様に国債を増発して、それで公務員の給与や年金をまかなってきた。
だが、このトリックもギリシャ危機ですっかり化けの皮をはがされてしまった。

 特に失業率8.6%11年1月)とアメリカとどっこいどっこいだし、特に若者の失業率は29%と極端に高い。
成長産業はないから若者の働く場がないのだが、既得権益集団の力が強くて構造改革がままならないのは日本と同じだ。

 この9月にフランスとドイツにせっつかれて、増税案定年延長案65歳から67歳に引上げ)を打ち出したが、野党が反対して実行できるか否かが危ぶまれている。
今回サルコジ大統領、メルケル首相、オバマ大統領、ラガルドIMF専務理事に取り囲まれてベルルスコーニ首相が詰め腹を切らされた内容はIMFによる3ヵ月ごとの緊縮財政策の実施状況の監視だった。

ちゃんとやるといってるだろう。トラスト・ミー
いやあんたを信用するわけには行かない。国内情勢が変化したと言っては国際公約を反故にするのがあんたの常套手段だ

国内にはうるさい野党と、何かと言うとストをする国民がいるんだ。一筋縄じゃいかないことを理解してくれ
あんたの政治力がなくなったのはもっぱらセックスにうつつを抜かして、国政を省みなかったたからだ。やはり下のほうも含めて監視が必要だな

IMFによる監視なんてかつての韓国やトルコやイラクやギリシャ並みの取扱じゃないか。大国イタリアのプライドが傷つく
イタリアの国債償還に問題が発生したらギリシャの比ではないだろう。そうしたらEUもアメリカもIMFもイタリアを救うことはできない。あなたが約束したことが実際に守られるかどうかの監視は絶対に必要だ。もしこの案を受け入れないなら今後EUもアメリカもIMFもイタリアを一切支援しないし、ECBが国債を買い支えることも止める

 ベルルスコーニ首相としてはIMF監視団の受け入れは苦渋の選択だったろう。
世界はイタリアを準禁治産者とみなしたということだから、プライドの高い首相としては「自ら進んで監視団を受け入れることにした」と国民には強がりを言ってみたものの、イタリアの国際評価は地に落ちた。

 こうしてイタリア経済は実質的にIMFに乗っ取られたのだが、だからと言って前途が明るいわけではない。緊縮財政は何より国民には不人気だし、この政策をとればとるほどGDPが縮小するのはギリシャで実証済みだ。
ギリシャ、イタリア、そして近い将来にスペインは放漫財政だった過去のキリギリスの生活から、緊縮財政と言う厳しい蟻の生活に否応なしに急激に移行させられようとしている。

注)イタリアの将来は日本の将来の鏡の様だ。政治家は日本の置かれている現状を正確に国民の公開して、緊縮財政に入るのが一番だと思うが、誰も虎の尾を踏もうとしない。

なお、イタリア経済の記事は以下にまとめてあります。
 
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46608944/index.html

 

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評論 世界経済 イタリア経済」カテゴリの記事

コメント

>イタリアの将来は日本の将来の鏡の様だ

日本政府の債務は国民に対してのもので、対外債務はほとんどありません。また、国民の国債引き受け能力が低下しているという根拠はありません。したがってIMFの出番はまったくありません。実際、日本はIMFの主要な金主国です。それよりいまこそ財政出動のときだと考えます。ケインズの経済学に戻るべきです。たとえ財政赤字がどれだけであっても財政出動しなければいけません。

投稿: 縄文人 | 2011年11月 8日 (火) 08時28分

こんにちは 久しぶりにコメントさせていただきます。

緊縮財政のタイミングではないのでは、、、
日本は世界最大の債権国で、経常黒字国で、貯蓄超過国でもあります。
対外純資産300兆も持っており こんな国は世界に日本しかありません。

政策サイドの人達が もっと知恵を絞れば 増税なんかしなくたってやっていける国なのです。
今ある お金を ただ使う ような政策をすれば いつかは無くなってしまいます
(将来のお金さえ今の為に使っている状態はおかしいのです)
だれだって解かる理屈でしょう

政治家が50年先を見
自分達の世代ではなく、次の世代が より良くなるような使い方をすれば
おのずと良い方向に向かうのではないでしょうかね

投稿: てつ | 2011年11月 8日 (火) 17時58分

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