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(23.11.27) 来年度から年金引下げ 事業仕分けの結論

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 とうとう年金についても事業仕分けのメスが入った。来年度から3ヵ年かけて特例水準もらいすぎ)になっている年金を引き下げるという。
元々年金については物価スライド制と言う制度があって、物価動向にあわせて年金を変動させるようになっている。
当初の目的はインフレに対する高齢者の救済策だったが、2000年ごろを境に日本の消費者物価は低下するようになった

 当時の自民党政権はこの物価下落デフレ)時に特例措置として引下げを見送り、その後の政権の見送り分を含めると、率にして約2.5%程度公的年金はもらいすぎになっているという。
個人一人当たりで換算すると23万円の年金受給者は約5700円のもらいすぎで、国家全体では約7兆円になるのだそうだ。
このもらいすぎになっている年金を向こう3年間で解消するというのが厚労省の原案になる。

注)時の政府は有権者の顔色を身ながら引き下げたり、引下げを止めたりしている。この引下げを止めた分の合計が2.5%。

 政府が今までなぜ年金の引下げに躊躇してきたかの最大の要因は、高齢者は良く投票に行く真面目な選挙人で、この高齢者の気持ちを逆なでするようなことがあると選挙に勝てないからである。
高齢者いじめ」と言う言葉に高齢者は敏感に反応し野党に投票が集まると与党は大敗してしまう。
しかしこのままでは年金制度そのものが成り立たなくなりそうになって、ようやく政権与党もこの問題に手をつけることにした。

 正直ベースの話をすると、昨今のデフレで最も利益を得ているのは年金受給者生活保護者である。物価は毎年のように下がるのに受給額がほぼ一定なのだから生活は毎年改善されてきた。
私の街の周りにも低価格商品が溢れており、ケーオーD2ビバフォームといった郊外型量販店には人が溢れかえっている。

 ダイソーのような100円ショップは小物を買う時にとても便利で、どうでも良いような品は私ももっぱらダイソーだ。
現役だった頃は背広はダーバンを着ていたが、今では1万円台のリクルートルックを平気で着ているし、その他の衣類はもっぱらユニクロで済ましている。
私の元の会社の同僚は「俺はユニクロを着るほど落ちぶれたくない」と言っていたが、私は落ちぶれてもユニクロを着ることにしている。

 デフレ時代は定年退職者にとっては天国のような時代だ。私が購入する商品の物価は統計数字よりも劇的に下がっているのだが、それは購入場所をデパートからスーパーに、そしてスーパーから郊外型量販店に移しているからだ。

 年金生活者にとって唯一の減額不可能な支出は医療費になっている。会社の健康保険に加入していた頃よりは約倍の保険料の支払をしており、また実際に医者にかかると3割負担になっているので馬鹿にできない。
健康で医者にかからないことが一番なのだが、年を取るとどこかかしこに不調が発生して医者だけは避けることができなくなった。

 最も医療費の支払にも裏があって、生活保護の受給を受けると医療費が無料になる。
先日NHKの生活保護3兆円の衝撃」(リンクが張ってあります)と言う番組を見ていたら、大阪の生活保護受給者の一部が病気でもなく医者にかかって薬を大量に処方してもらい、その薬を転売することで生活保護費以外の収入を得ていた。
そうか、俺も最後は生活保護を受ければ、医療はタダだし薬を売れば楽に人生を暮らせるんだ

 こうしてデフレ下では年金受給者生活保護者はおもわぬボーナスを得てきたのだが、さすがにそれでは国の財政が持たなくなった。
元々年金は物価スライド制なのだから、インフレ時には上げて、デフレ時には下げるのが普通だ。
しかし引下げをすると年金生活者は政府の「弱者いじめ」に憤って野党に投票するだろうから民主党政権としては政権維持が困難になる。

 ギリシャやイタリアやスペインの例を見ても分かるように、一旦国民に与えた特権を剥奪することは政権崩壊につながる。
放っておけば財政が破綻し、年金を引き下げれば政権与党が政権を追われる。
経済成長が終わり増えたパイを分けるのではなく、反対に減ったパイを誰に負担させるのかの厳しい選択の時代に突入しているのだが、意識は高度成長期のままだから国民と政府が納得できる結論を得るのは容易ではない。


 

 

 

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