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(23.11.23) 国債ドミノ暴落 週間エコノミストの警告

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  週間エコノミスト国債ドミノ暴落の特集を組んで警告している。
現在の欧州発ソブリン(国家)危機が次はアメリカと日本を襲い、世界的な国家倒産になるという趣旨で、週間エコノミストが第二のリーマンショックになることを明確に意識したのが感慨深かった。

 リーマンショック時はアメリカを中心に金融機関の倒産が次々に発生したが、今度はそれが国家倒産に波及し始めている。
金融機関をようやくのことで救ったつもりの国家が今度はその負債の重圧に耐えきれず、その最も弱い輪から倒産が始まった。

 ギリシャが倒産し、今その倒産の危機がイタリア、スペイン、フランスへと拡大しつつある。
各国は市場の餌食になるまいと懸命に財政再建に取り組んでいるが、実際の財政再建の道のりは遠い。
ギリシャが典型的にそうであるように国民は年金や給与の引下げ、消費税の増税に大反対だからだ。

 結局ギリシャは国債の半額の踏み倒しを行うことになったが、この国債の半額踏み倒し方法はイタリアやスペインや最後はフランスにも及ぶだろう。
いままで世界の金融機関はフランスのような最上級の格付を持っている国債を喜んで購入してきた。日本の金融機関も例外でないが、その最上級の信頼されていた国債が半額まで踏み倒されたら、国家倒産のドミノが始まる。

 この影響は世界中に波及し、日本やアメリカも例外でないが不思議なことに日本人の危機意識は薄い。
日本では従来から日本国債の保有者が日本人(正確には日本の金融機関)だから、たとえ国債の残高がGDP対比200%と、世界のどの国よりも飛びぬけて高くても支障ないといわれてきた。
日本はどんなに借金地獄になっても国債の半額踏み倒しをするようなことはないと信じているのだ。

 だがそのときは突然やってくる。
なぜなら他国の国債(イタリア国債やフランス国債やアメリカ国債)を多く保有している金融機関は、あぶない金融機関とみなされてインターバンク市場で資金調達が突然できなくなるからだ。
このインターバンク市場が凍りつく速さはおそらくジェット機並だ。

 そうなると金融機関は日銀に泣きついて資金の供給を受けることになるが、日銀とて担保なしには資金は貸し出せない。
日本国債を担保にするか買取をすることになり、これは金融機関がもうそれ以上日本国債を持つことが不可能と言うことを意味する

 従来政府・日銀は金融機関に暗黙の力で日本国債を押し付けてきた。金融機関は致し方なく1%前後の低利回りの国債を購入して保有していたが、金融機関の経営が悪化して日本国債の購入ができなくなったら、一体誰が日本国債を購入するのだろうか?
外国人が購入することは考えられないから、その場合は日銀引受が一番ありそうなシナリオとなる。

 国債の日銀引受とはありていに言えば日銀券の増刷であり、これが容易にインフレに結びつくことは歴史が教えている。
戦後日本の超インフレや第一次世界大戦後のドイツのインフレが有名だが、つい最近でもロシアやアルゼンチンやブラジルでこの通貨を増刷することに伴う超インフレが発生していた。

 日本は東日本大震災の復興費用をまかなうためにもさらに国債発行を行っているので、財政は悪化の一途をたどっている(正確に言うと復興費用は埋蔵金を当てるが、他の費用は埋蔵金をあてにできないので国債を増発する)。
ヨーロッパはどこの国も財政再建に取り組み、アメリカさえも財政再建の方向に舵を切ったが、日本だけは更なる放漫財政の道を突き進んでいる。
消費税のアップはままならず、社会保障費を削ることもできない。意味もない 八ツ場ダム建設に役所と地方自治体は建設賛成の大合唱だ。

 世界がドミノ倒産すれば日本だけが無傷でいられるはずがない。アメリカ国債が半額切捨てになったら日本は持たない。
景気対策費用として日本では誰も買わなくなった国債を日銀に引き受けてもらうことになるが、国債の日銀引受とインフレーションは同義語だ。

 外国人の保有が少ないから通貨切り下げによる海外保有者の影響は軽微だが、約95%を保有している国内金融機関の国債の価値は瞬く間に半減するだろう。
ギリシャのように国債の半額切捨てではないが、インフレによって同じ切捨てが発生する。

注)国債の保有者に外国の金融機関が多い場合は、はっきりと半額切捨てをおこなうが、国内保有者がほとんどの場合はインフレーションで実質的に半減できる。

 今世界経済は大きく財政再建に舵を切った。放漫財政と金融緩和策は国家と金融機関を倒産させることが明確になってきているからだ。
国民はかつてのユーフォリアの時代から、自分の所得に応じた堅実な生活を余儀なくされる時代に入ってきた。

誰もが稼ぐ以上の生活はできないのだ
日本だけが例外だと思うのは幻想に過ぎない。
私が何度も言っている新しい中世の時代が目の前にせまっている。

注)現在でもケインズ政策の有効性を信じている人がいるが、ケインズ政策はまだ発展の余地がある上昇期の経済にしか適用できない。
日本のように社会資本が十二分の整備した国では、更なる公共工事は飛行機の飛ばない飛行場を作るしかなく、かえって運営費用がかかって経済を失速させる。
作った公共設備が有意義な間だけケインズ政策は有効といえる。

)新しい中世については以下の記事を参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

 


 

 

 

 

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評論 日本の経済 財政金融政策」カテゴリの記事

コメント

>日本のように社会資本が十二分の整備した国では

現在日本で緊急を要すると思われるのは、橋のメンテナンスなのです。民主党の仕分けで全国の橋の補修ができなくなってしまったのです。橋は相当に頑丈に作られていますから、そう簡単には崩壊しないと思いますが、補修維持が遅れればそれだけ莫大な費用がかかることになり、また地震に対する脆弱性が増大することになります。
学校にしろ、その他の建物にしろ地震対策は終わったのでしょうか。全国のインフラ整備が本当に維持補修がなされているか早急に調査しなければなりません。民主党が何を隠しているのか信用できないからです。
公共投資はまだまだ必要なのです。しかし、それには将来の日本についての青写真がなければいけません。箱物をたくさん作れと言っているのではないのです。たとえば原子力発電所は必要なのですから、その効率性と安全性を高めるための研究開発費は是非とも必要なのです。宇宙開発も重要な課題です。はやぶさの偉業はみんなが知っていることです。さらに研究開発する必要があります。また、軍事費を増大させる必要があります。中国の軍事拡張路線に対抗するにはどうしても軍事費を増大させる必要があるのです。アジアの諸国は日本が立つのを待っているのです。核開発は非現実的な選択肢ではなくなっています。
現在のデフレの時期にインフレを警戒するとは、イソップ物語の牙を研ぐイノシシのようですな。デフレのときに資金供給量を増やさないでいつ増やすんだよって言う議論になりますね。インフレのときに増やしますか。
ケインズの時代にイギリスに「成長産業」があったわけではありません。最終的にデフレはアメリカの莫大な軍事予算で解決された訳です。その前にヒットラーが、大砲とバターの両方とも手に入れてましたが。その後、冷戦が始まり、世界は持続的なインフレの時代に突入し、冷戦の終結と同時にデフレの時代になった訳です。
いま日本が莫大な軍事予算を組めば、世界経済は2番底から脱却できるでしょう。戦後の日本の経済成長は、日本には凄まじい供給能力があることを示しています。その気になれば、現在のGDPの2倍の財の供給ができるでしょう。
OWSという運動が現在アメリカで起こっています。ウォール街は海外に投資をして大きな利益を上げています。リーマンショックのときアメリカ政府は資金をウォール街に注入して危機を脱却しました。そしてウォール街は再生し、また儲け始めたわけです。しかし、その儲けは海外への投資で得られたものですから、一部のアメリカ国民のみその儲けを享受し、大多数のアメリカ国民はその恩恵を受けることができませんでした。すなわち、アメリカ国内に投資して初めて雇用が増大し、アメリカ国民が平等にその見返りの分配を受けることができるのです。
スペインはインカ、アステカ帝国を滅ぼし、大量の金を手に入れました。しかし、現在スペインはどうでしょうか。あの莫大な金によって得た富はどこへ行ったのでしょうか。歴史の本を読んでも、その後スペインはその金によって世界を制圧したなどとは書いてありません。おそらくそれは、その金がスペインの産業の発展、あるいはヨーロッパの産業の発展にはなんの寄与もしなかったからであろうと思います。財をどれだけ、そしてどんな財を作れるのかだけが、人類の歴史では富として残るのではないでしょうか。
もしそうなら、金融業は「成長産業」にはなり得ないと思います。少なくとも人類の歴史は金融業で得た利益を「富」とは認めていないように思います。OWSの言っていることは、ウォール街の富は、アメリカ国民の富ではないと言うことです。

投稿: 縄文人 | 2011年11月24日 (木) 04時40分

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