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2011年10月

(23.10.31) 東電のコストはなぜ高い ゼロ連結会社のトリック

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 昔経済学を学んでいた時に、商品の価格決定方法としてコスト・プラス法と言うものがあり、コストに一定の利益を上乗せして価格を決めるという説明があった。
私は「当たり前だろう」と思ったが、実際の市場ではコストに利益を上乗せすることが難しい。
それは市場が競争下にあるからで、企業としてはコスト・プラス法で価格を決めても(メーカー希望価格と表示されている)、競争価格はそれよりかなり低く決まってしまい場合によってはコスト割れする。

 しかし一方で無競争状態であれば、コストに利益を上乗せしても消費者は他に選択の余地がないからその価格を受け入れざる得ない。
そしてそのコストが適正価格ならばさして文句の言う筋合いはないが、実際はコストは企業の都合であらゆる費用がつぎ込まれ、消費者は法外な価格を受け入れさせられる

 その最適な例が東電の電気料金だ。
政府の第三者委員会の経営・財務調査委員会が先に「東電は原価の見積もりに過去10年間で約6000億円過大に計上していた」との報告をしていたが、その内訳として ① 電気事業連合会等の関連団体への会費、② オール電化工事の宣伝費、③ 福利厚生費、を上げていた。

注)東電のこの価格決定方式は統括原価方式と呼ばれているが、何でもコストに加えてしまうという東電にとって実に都合の良い方式。

 「まあ、たぶんそんなところだろう」と私は思ったが実はそればかりではなかった。
このような過大なコストは序の口で、今回毎日新聞が30日の朝刊でスクープした記事では「東電のゼロ連結会社が46社あり、この会社と連結会社関電工の電気関連工事の受注は約9割にのぼり、受注コストは競争入札に比べて約1割高価だ」と報じた。

 このゼロ連結会社とは東電との資本関係はないが、職員のほとんどが東電OBで、かつ役員は元東電のお偉方である。
たとえば「東電同窓電気」という実に正直な名前の会社は、社員360名の会社で、経常利益が常に黒字の超優良会社だが、売上げの70%を東電関連から受注し、役員も職員もほとんどが元東電職員だという。

 なぜこのような正直な名前の会社ができたかと言うと、昭和59年当時、東電の電気工事を関電工1社で受注しているのは競争原理に反するとの批判が出たからだそうで、それならばと東電OB会社をいたるところに作って、いかにも競争下にあるように見せかけたのだと言う。

注)資本関係が有るとばれるので資本金は東電OBが拠出している。

 一般に会社のOBが退職して会社を作りもとの会社の部品等を受注することはよくあるケースだ。自動車業界などもそうした事例はいくらでもあり、これが問題にならないのは、親会社そのものが競争下にありたとえばトヨタはホンダやニッサンや外国企業との競争で負けないためにOB会社といえども特に優遇策を講ずることがないからである。

 それに対して地域独占を許されている東電はまったく違う。OB会社を優遇した付けをすべて消費者に転化する方法があるからで、OB会社は「我々の仕事は特殊技術が必要で、他に発注すればさらに高額になる」といい放っている。

 実際、価格はOB会社の言い値を東電はほとんど受け入れているのだが、いくら高価でも支払は消費者だからまったく東電の懐は痛まないし、それ以上にそのOB会社に将来世話になるのだから、OB会社を優遇することは担当者の利益になる。

 すべては地域独占企業として価格をコスト・プラス法で決定できるからだが、海外では発電と送電と電力販売が別会社になっている。
そうしないと独占価格を消費者におしつけるからで、特に電力販売は競争が激しく、前に報道で見たアメリカの事例では、「電力販売会社を変えたらこんなに電力料金が安くなったわ」なんて主婦が言っていた。

 日本では談合こそが文化の国だから、競争より独占が好まれ、いくら設備投資をしても電気料金に反映できるため電気の質は不必要なまでに高められている
電気の質も家庭と工場やオフィッスでは違い、品質が少々悪くても(停電時間があっても)いい人はいくらでもいるのだから、日本のような地域独占体はやはり見直しが必要だろう。

注)なおこれは東電だけの問題ではなくすべての電力会社に共通した問題だ。

 
東電の経営問題については毎日新聞のスクープが多い。経営問題の記事は以下にまとめてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43519325/index.html

 

 

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(23.11.30) NHK ドキュメンタリーWAVE 本土妊婦は香港をめざす

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 「上に政策あれば下に対策あり」と言うことわざは中国のことわざだが、この「本土妊婦は香港をめざす」を見て、「さすが中国人だ」と感心してしまった。

 中国では香港と中国本土の間では法体系が異なり、一国2制度のもと異なった取扱が行われている。
そのうちの一つに中国本土で大々的に行われている一人っ子政策は香港では実施されていない。
そしてこれが一番大事なのだが、香港で生まれた子供は親が中国本土の中国人であっても、香港に居住権を持つことができる。

注)2001年、香港の最高裁判所で上記のような判決が出ている。

 法の裏やグレーゾーンを見つけて、網の目を潜り抜けることについて中国人ほど巧みな民族はいない。
なら子供は何とかして香港で生もう。居住権は取得できるし、何人子供を生んでも罰金はとられない金持ちの中国人が目の色を変えた。

注)中国では一人っ子政策に反して2人目以降の子供を生むと一人当たり160万円相当の罰金と、公務員であれば免職になるという。

 しかし本土の中国人が香港で子供を生むのは何かと厄介だ。第一通常の中国人が香港に入国するためのビザは観光旅行として必要な1週間程度しか許されない。
この最低限の日数で病院を探し、出産の予約をして香港で子供を生むなんて神業だが、そこは中国人だ、この隘路を抜けるための斡旋をする業者が現れた。

本土に住んでいる金持ち階級に働きかけて、香港で子供を生ませるビジネスを始めれば絶対に儲かる
病院の予約からホテルの手配、そして居住権の申請事務を引き受ける斡旋業者が香港の隣のシンセンに100社以上生まれているのだそうだ。

注)斡旋業者の重要な事務は出生証明書を登記所で受け取らせ、それを持って入国事務所から通行証を発行してもらうことにある。さらに中国旅行社で回郷証を発行してもらうと幼児は回郷証で中国本土に戻り通行証で香港に自由に入国できるようになる。

 中国人にとって香港で生まれて居住権を持つことの最大のメリットは、香港のパスポートを手に入れることができることだ。
中国のパスポートではほとんどの国に行くのにビザがいるが、香港のパスポートなら反対にほとんどの国にビザなしで行ける

 現在中国は改革解放の波に乗って商取引が完全に自由だが、この自由がいつまた共産党原理主義者によって覆されるか分からない。
もしそうなると文化大革命のときのように金持ち階層は走資派といわれて糾弾され、場合によっては殺されてしまう。

 そうしたとき香港のパスポートを持っていれば、直ちに海外に出国できるし、危ういと思ったらその前から資産を海外に移し変えることもたやすい。
自分は香港の居住権がなくても子供に居住権があれば、最悪でも子供は逃げられるし、子供のつてでアメリカやオーストラリアやヨーロッパに逃げることも可能だ」そう考える金持ちの中国人がワンサカ香港に押し寄せることになった。

 現在香港で出産する子供の二人に一人は本土の中国人の子で、2010年には4万2千名の子供が生まれたが、これは10年前の約5倍になっている。
斡旋者のパーティーで集まった人たちが「我々が中国の一人っ子政策の問題を解決している」と言っていたが、香港は中国人の出産ラッシュで病院も出産ビジネスも大流行になっていた。

 しかしやりすぎは中国人の癖とは言え、あまりの出産ラッシュに香港人の出産に支障が出てきて病院の予約もできなくなってしまった。
なにしろ病院としては本土人からいくらでも金を巻き上げられるのだから、勢い本土人の出産ビジネスに傾斜する。

注)一人当たりの出産費用は病院やホテル代斡費用を含めて140万円が相場になっていた

 映像では香港政府が規制に乗り出して公立病院での出産の受付を香港人に限り(私立の病院はこの限りでない)、香港で生まれる中国人の数を来年は4万2千名から3万5千名に削減するという。
このため斡旋業者間での競争が激しくなって、出産の事前予約これがないと香港で子供を生めない)の奪い合いが激しさを増し、インターネットでのパスワードの盗みあいまで発生していた。

注)競争相手の斡旋業者のパスワードを盗んで、競争相手の事前予約を取り消す手続きをして、そこに自分が斡旋する妊婦の予約を入れ込む。

上に政策あれば下に対策あり」の中国人だからこの程度の規制でくたばることはなさそうで次々に新手を編み出すだろうが、改革解放を進めた鄧小平氏は草葉の陰で苦りきっているだろう。

 しかし今回の番組で中国の金持ち階級の悩みがよく分かった。
金は稼いだがいつ鵜飼の鵜にされるか分からないので、その前に何とか資産と子供を外国に逃げ出させようと狙っているのだから、政府がインターネットの監視をするのもうべなるかなと笑ってしまった。

なお中国関連の記事はいかにまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

 

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(23.10.29) NHKスペシャル 中国人ボスがやってきた レナウンの400日

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(この写真は「千葉公園のベンチから アタシはコーギー犬のココ」(リンクが張ってあります)と言うブログから借用。とても美しい写真だったので友達のヨシミで使用させてもらいました。このブログは銚子について知るには絶好のブログです


 久しぶりに見た衝撃的なドキュメンタリー番組だった。
私の若かった頃日本のアパレル業界をリードし、日本中の女性をレナウン娘にしてワンサカワンサカ エーイエーイ エイエイと騒ぎまわっていたあのレナウンが中国の企業に40億円で実質的に身売りをしたと言う。

 私はこの業界のことが疎かったので知らなかったが、レナウン1990年前後のバブル崩壊から長期低迷状態に陥り、その間黒字決算ができたのはたった1回だけだというから驚いた。

 レナウンが低迷した原因はデパート業界と一蓮托生の運命をたどったことと、SPAという製造小売ビジネスモデルに出遅れたからだといわれる。
製造と小売を一緒にして売れ筋をすばやく捕らえては追加生産をするこのSPAは、在庫にすると腐っていくといわれるアパレル業界の救世主といわれたが、採用に遅れたレナウンは在庫を腐らせるままに任せたらしい。

注)アパレル業界の言葉で半値、八掛け、2割引と言う言葉があるが、最初は半値にし、さらに売れないとその8割程度の価格で販売し、最後は2割引にして在庫一層を図る。最終的には正札の3割程度の価格になる。

 消費者の立場から見るとレナウン製品女性の場合はシンプルライフやマーノ、男性の場合はダーバン)は質がとても良いが高価な商品だった。それでもバブル崩壊前は私もダーバンを好んで着ていたものだ。
それがバブル崩壊を期に、私は恐る恐る洋服を紳士服の青木に代えてみたら品質はさして変わらないが価格が約半分になってしまった。
さらにジャスコで1万円台の安売りが始まると青木の半額程度のそこそこ着れる紳士服が現れた。
これでは誰もダーバンを着る人がいなくなるのは当たり前だ。

 こうしてレナウンは在庫が積みあがり赤字決算に悩まされ、倒産か買収かの瀬戸際に立たされた。結果的にレナウンを救ったのは中国のサントン・ルーイーと言う繊維会社だが、レナウンの株式の約41%、金額にして40億円の投資をしてくれた。昨年の7月のことである。

 当初私はサントン・ルーイーがレナウンの価値を認めてレナウンが独自方式で再建するのを支援した(投資収益だけを求めた)のかと思っていたが、まったくの間違いだった。
サントン・ルーイー薫事長代表取締役会長)のチュー・ヤーフ氏がさっそくレナウン本社に乗り込んできて管理職を前に最初に言った言葉がすごかった。
莫大な投資をしたのは中国人である。そのことを日本人はよくわきまえろ。日本人は根本的に変わらなければならない

 かつて日本が日の出の勢いだったバブルの頃、日本人もアメリカやイギリスの現地職員を捕まえて同じようなことを言っていたが、今度は中国人に言われる立場に逆転していた。
しかしこのときチュー・ヤーフ氏の真意を理解した日本人管理職は一人もいなかったと思う。

 チュー・ヤーフ氏の意図は以下のようで、実質的な経営権の乗っ取りだった。

① レナウンは市場規模が縮小している日本での販売を諦め、毎年20%の伸び率で伸びている中国に経営資源を集中する。

② 中国での商売はできるだけ早く市場を押さえてしまうことが大事で3年で300店舗、10年で2000店舗の店舗展開を図る。

③ 中国では中国人が好むアパレルがあってそれは日本のアパレルとはまったく異なるので、日本式を導入してはならない。

④ 店舗展開は北京から行うのではなく地方都市からせめて最終的に北京に登ってくれば良い。

⑤ 早い店舗展開のためには手段を選ばない。店が安手であってもよく、直営でなくてもアパレルに関心を持っている投資家をフランチャイズ方式で取り込め。

 このチュー・ヤーフ氏の指示のもと、北京にレナウンサントン・ルーイー合弁会社を作ったのだが、そこで働く日本人スタッフの苦労は並大抵のものではなかったようだ。
社長の大桐さんが「ストレスを残さないようにすることが大事だ」と言っていたがまともに考えていたら精神が崩壊したのだろう。
実際大桐氏は社長ではあっても実質的な社長はチュー・ヤーフ氏の娘のチュンランさんが握っていて、チュンランさんの決裁がなければ何事も決まらない。

 日本人スタッフは当初北京の一流デパートに一号店を出し、そこでの知名度を高めたあと地方に進出する計画を立てたが、中国でのレナウンの知名度は低く、そのため一流デパートは相手をしてくれない。
ようやく見つけたシンガポール資本のモールは中国独特の政治的駆け引きの道具となって契約をキャンセルせざるえなくなっていた。

 私は中国式ビジネスと言うものをはじめて知ったが、なにしろスピードが一番で、品質については二の次であることに驚いた。
しかし考えてみればこれは当然で、本当に品質を求める中国人はパリでもニューヨークでも東京でもいつでも出かけていって一流品を購入できる。

 一方中国国内から外には出られないがそこそこの収入がある人々は、一流に見えさえすれば何でもよく、本当の意味の一流品は求めていない。
実際映像ではレナウン東京本社の製作した商品を中国向けに修正している場面があったが、ひらひらをくっつけたりして派手派手しくしてはいるが、日本人の目から見るとひどくダサイ製品だった。

注)レナウンでは商品企画はすべて東京本社が握っていたが、それでは中国人の好むデザインはできず売れ筋の販売ができない。ブランドイメージが崩れるほどダサくても中国人が好めば変更しなくてはならない。

 だが中国の現在が求めている製品は、少しばかり外国の息吹がして恐ろしく派手で、価格もそこそこの商品なのだ。
この中国市場に完全にディペンドしたのが韓国のイーランドで、ナウな商品を一時代前のスタイルに直して爆発的な営業展開をしていた。

早く、安く、ちょっとだけナウな商品」それを中国人は大量に求めているようだ。
何か日本の60年代のような雰囲気だが、それこそが売れ筋ならば企業のほうがあわせざる得ない。

 中国に取り込まれたレナウンは大変だ。スタイルをほぼ40年前にタイムスリップさせ、もう一度「プールサイドに夏が来りゃ エーイエーイ エイエイ」と中国企業になりきってがんばってもらうしかないのだろう。

なお中国関連の記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43974941/index.html

 

 

 

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(23.10.28) 第二次交通戦争が始まる 自転車の車道走行

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 第一次交通戦争といわれたのは1970年前後の自動車が極度に増えた時期で、この時期は道路事情も悪く交通事故が絶えず死者も年間17000名を越えていた(現在は7000名前後
当時、道路交通法で自転車は軽車両と定められていたので車道を走ることが義務付けられていたが、そのため自動車と自転車の接触事故が多発し、困り抜いた警察庁は例外として「自転車の歩道走行を認める」通達を出した。

 あれからほぼ40年たって、今度は自転車の歩道走行を原則禁止し、車道走行に切り替える通達を出すことにしたが、理由は歩行者と自転車の接触事故がたえないからだという。
確かに最近自転車と歩行者の接触事故が増えてきている。
理由の一つに東日本大震災以降の自転車通勤の増加があり、私の知り合いでも何人かが自転車通勤に切りかえている。

注)今回の最大の変更点は、従来は歩道の幅が2mまでの歩道は自転車通行を許していたが、今後は3mの道幅のある場合のみ自転車の走行が許される。
実際に歩道を計ってみると分かるが3M以上の歩道などほとんどないから、原則車道を走ることになる。

 昨年の自転車に接触した歩行者の死亡件数は5人だが、一方自転車と自動車の接触事故で死亡したライダーの人数は1000名弱になっている。
圧倒的に自転車乗車中の事故が多い。
 
 私はとても自転車が好きでどこに行くのにも自転車に乗っているが、一歩このおゆみ野の遊歩道を出ると非常な緊張感を強いられる。
この近くには大網街道と言う旧道が走っているがそこの歩道は約50cm程度で、一方自転車が通れる車道に惹かれた線の内側も50cm程度しかない。
ほとんど自動車に接触しそうになったり風圧で飛ばされそうになったり、雨の時は水しぶきでびしょびしょになる。

 日本では自転車道の整備がほとんど進められていらず、120万キロメートルに及ぶ道路の0.02%200km自転車レーンがあるだけだ。
そのほかに自転車専用道路として1300kmが整備されているが、これはほとんどが川の土手や河川敷に整備されたサイクリングロードのことで生活道としては利用されていない。

 自転車はいつも継子扱いだ。40年前に自転車の交通事故が絶えないとして車道から追い出され、今度は歩行者が危ないとして歩道から追い出されている。
西欧諸国のように自転車レーンが整備されていれば問題は解決するのだが、実際は遅々として整備が遅れているので、結局は自転車をどこに追い出すかの選択しかない。

 今回はふたたび車道に自転車を追い出すことにしたが、ここはロードレーサーマウンテンバイクを駆使して颯爽と自転車を乗り回す人にとっては快適な場でも、老人や幼児や子供を後ろに乗せた主婦にとってはほぼ戦場といってよい。
トラックの風圧などは相当強いから老人や幼児はひとたまりもなく倒されるだろう。

 私は今回の道路交通法を厳格に適用する通達はアメリカの1920年代の禁酒法と同じ運命をたどるものと思っている。
次々に自転車事故が発生し、特に幼児を乗せた主婦が幼児もろとも自動車に引かれたりして社会問題になることは確かだ。

 本質的な問題である自転車専用レーンの整備を進めないまま、単に自転車を車道に追い出しても意味がない。
この制度改正を機会に自転車専用レーンの整備を望むが、実際は大網街道のような旧道は歩道を確保するのがやっとで、とても自転車専用レーンなど取れるわけがない。

 今回の措置によって警察庁の意図とは反対に第二次交通戦争が始まると私は思っている。多くの人命が失われた後に、再び反省するのだろうがそのときは後の祭りだ。

なお自転車については「自転車」のカテゴリーにまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat31899200/index.html 

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(23.10.27) タイの洪水と土建国家日本の再生

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 私は長い間日本の土建国家的体質にうんざりし、特に 八ツ場ダムに象徴される無用なダム建設や、不必要と思われるほどの河川改修や、人口も自動車も減っているのになお建設を進める高速道路や、飛行機が飛ばない飛行場に嫌悪感を持っていたが、これはどうやら日本の特殊要因で、タイの水害を目の当たりにして世界にはなお多くのインフラが必要なことが分かった。

 現在タイでは大水害が発生していて、すでに7つの工業団地が冠水し、首都のバンコックに水がひたひたと押し寄せている。
インラック首相は「大規模な冠水から首都の中心部を守れるかどうか分からない」と弱音を吐いているが、このような静かに押し寄せる水害は日本にはない。

 中部アユタヤからバンコックに至る平原はほとんど高低差がなく、チャオプラヤ川がエジプトのナイル川と同じように三角州を造っており、そこに人々が生活している。
かつては洪水のたびに冠水しても肥沃な土壌が運ばれて農業生産が上がっていたのだろうが、タイが農業国家から工業国家に変遷するにつれて、洪水は恵みではなく災害になってきた。

 特に最近は地球温暖化の影響で気候が荒々しくなっており、雨が降れば豪雨となり、降らなければ徹底的な旱魃になってしまう。
今回のタイの洪水は50年に1回あるかなしの水害といわれているが、とても一過性の洪水とは思われず、今後毎年のように襲い来る洪水の序曲に過ぎない。

 本来ならば治水対策をしっかり行うべきであったが、政党内の取引材料に使われ治水は遅々として進んでいない。
チャオプラヤ川やその支流の河川工事は日本人の目から見るとほとんど自然のままの河川に見えてしまう。
少々水が溢れてもそのうちに引くからいいや」と言うレベルだ。
これでは毎年のように、日本企業が進出している工業団地は冠水しサプライチェーンが寸断され、何でタイに工場進出したか分からなくなってしまう。

注)タイには約7000社の日本企業が進出しているが、今回冠水を受けている460社はほとんどが大手企業。
サプライチェーンが寸断されて多くの企業が操業停止に追い込まれており、東日本大震災の後とまったく同じ状況になっている。

 タイの洪水は単にタイ国民の問題のとどまらず、進出している日本の輸出産業全体の問題といえる。
日本は長い間ODA予算を計上し、主として中国インドネシアのインフラ整備に貢献してきたが、中国へのODA戦後賠償の一環とみなされ中国国民からはまったく感謝されていない。
またインドネシアへのODAは一定の成果が上がってはいるが戦略的とはいいがたい。

 日本のODAは日本企業が橋梁や道路やダムの建設計画を作成し、それを現地政府の意向として日本政府に働きかけて実現させているものが多く、一部企業の利益にはなっても日本企業全体の利益とは無関係だ。

注)橋を作りたい企業は橋だけに注目し、道路を作りたい企業は道路だけに注目する。このためODA予算がその国のトータルとしてのインフラ整備になるとは限らない。

 今回のタイの水害のように日本企業のほとんどが被害を蒙るような場合は、日本の直接的な利益の問題としてODA予算を使用したインフラ整備に取り組む必要がある。
かつてタイに対してもODAは供与されていたが、昨今はタイの経済成長により新規ODA予算の供与は行われていない。

 だがしかし今回の洪水でタイに徹底的に不足しているのは公共的なインフラ、特に河川工事であることが明らかになった。
日本では無駄に無駄を加えるようなスーパー堤防の建設が、人がほとんど住んでいない北海道の天塩川の流域で行われているが、本当に必要なのはタイのチャオプラヤ川の堤防工事である。

 土建業界は日本で細々と生きながらえるのではなく、本当に土建業を必要としている場所に戦略的に(日本企業を助けるために)進出されなくてはならない。
タイの治水対策こそが最も緊急の課題であることを今回の洪水が教えてくれた。
土建国家日本の再生は国内の不要な公共工事をすることではなく、タイやカンボジアやベトナムのような日本企業進出地域で現地の人々を守り、さらに日本企業を守ることにあると認識すべきだ。

なおタイに関する記事は「評論 世界経済 タイの政治・経済」にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44596275/index.html

 

 

 

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(23.10.26) 文学入門 岡 真史 ぼくは12歳

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 今回の読書会のテーマ本は岡真史さんという少年の「ぼくは12歳」という詩集である。
この人の名前はほとんどの人が知らないはずだ。
それは当然で若くして詩才を発揮したバイロンハイネのような天才詩人ではなく、ごくごくどこにでもいる少年の遺書としての詩集だからである。

 この本を推奨したのは読書会の中でもことのほか詩に対して鋭い感受性をもつTさんだが、この12歳で自ら命を絶った少年の詩集を今回のテーマ本にした。
読んでみると分かるが、これは詩集と言うよりも小学校6年から中学1年生になって自ら命を絶ったときまでの詩の形式をかりた日誌といったほうがいい。

 ここではこの時期の少年が普通に感じるような異性に対するあこがれや、これから遭遇するであろう人生に対する少年らしい不安感のようなものを歌い上げている。
だからと言って深い絶望感などと言うものはなく、この詩集から「なぜ少年が自殺したか」の理由を見つけることは難しい。
誰にもある少年から青年になるときの通過儀礼のような心の高鳴りを感じるだけである。

 この詩集を編んだのはこの少年が自殺した後この詩集を発見し、「なぜ真史が自殺しなければならなかったか」を捜し求めた両親の已むに已まれない気持ちの所産である。
本来ならば本にして一般の人に見せるような物ではなく、秘められた秘密として一部の人の心に残される詩集だ。

 この本は真史さんの129編の詩の他に、作文や感想文も収録されており、その後に母親(岡百合子さん、作家)の「なぜ」という悲痛な文章が記載されてある。
さらに父親のかなり長いあとがきがあるが、父親は高史明氏という在日朝鮮人の作家である。

 私はこの少年の詩集を読むために父親の高史明氏の「生きることの意味 ある少年のおいたち」という本を読んでみたが、戦時下に生まれ敗戦を迎えるまでの高史明氏の悲痛なまでの貧しい生活と、それでも人間として生きようとした父親と本人と兄との生き様に息を飲んだ。

 今では在日朝鮮人韓国人)の生活は向上し、芸能界やスポーツ界や実業界でも多くの人々が活躍しているので、私などは在日の人々をとても才能豊かな人だと思っている。
かつてはひどい差別があったということも信じられないくらいだが、私の小さい頃は暴力団の団員に多くの在日朝鮮人韓国人)がいた。

 この少年が投身自殺をしたのは1975年のことだから、私がサラリーマンになって5年目の頃でその頃は高度成長期の真っ盛だった。
だから父親の高史明氏が経験したような極貧の生活とは無縁の生存権そのものが脅かされるような時代ではなかったが、そのためだろうか「獏とした不安」にかられてこの少年は自殺を図ったのだろう。

 この種の本の評論を書くのは難しい。それはこの詩集が本質的に遺書あるいは遺稿)だからで、遺書の詩のレベルを云々しても始まらないからだ。
さらに両親の心の痛みは悲痛を通り越しているので、それに対する批評も書くことがはばかられる。

 Tさんが選択するテーマ本にはいつものように悪戦苦闘させられるが、そうでもしなければ読むことのなかった本と言うことだけは確かだ。

なお読書会の主催者河村義人さんの、著者にささげる詩が以下にありますので是非参照してください。
http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/shiryou/2011/10/231030-7810.html


文学関連の記事はカテゴリー「文学入門」にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43898465/index.html

(別件)「おゆみ野四季の道」「おゆみ野四季の道 その2」のカウンター10000を「おゆみ野四季の道 新」に加えました。

 

 

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(23.10.25) 週間エコノミストの大転換 もはや貿易立国ではない

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 ようやく週間エコノミストも現実を見つめだしたのかと感慨深かった。
11月1日の特大号は「円高を生かせ もはや貿易立国ではない」と言うタイトルで、対外投資収益が日本再生の鍵になることを特集していた。

 日本では今でもマスコミのワンパターン円高脅威論で、たとえば「1円円高が進むとトヨタの収益は300億円低下する」等の説明をするのが常套手段になっている。
しかしこれは一方的な説明で輸出産業にとってはそうだが、一方輸入産業にとっては1円の円高で300億円の収益が上がるのだから、輸出だけを取り上げるのは片手落ちというものだ。

 ただマスコミが輸出産業に注目するのにも理由があって、リーマンショクまでは毎年10兆円規模の黒字を計上していたし、リーマンショック後の09年、10年5兆円規模の黒字だった。
貿易収支が黒字である間は確かに円高の影響は大きい。
しかし日本が黒字だったのはここまでで、11年に入り東日本大震災を契機にサプライチェーンが切断されて日本の輸出は大幅に減少し、上期の貿易赤字は約2兆円弱になっている。
だから計算上11年度は日本は円高のメリットを享受していることになる。

 この間日本輸出産業の多くが海外に生産拠点を移してしまい、たとえば自動車産業などは東洋のデトロイトとよばれるタイに生産を集中していた。
それがどのくらいすさまじい勢いで日本を脱出していたかは今回のタイの水害で明らかになった。
このタイの水害で7つの工業団地が冠水したが、そこに進出している日本の大企業は450社あまりに登り、自動車産業8社がここタイを東南アジアの拠点にしていたのには目を見張った。

 日本からはとうの昔に自動車産業が逃げ出していたのだ。トヨタのように「300万台を日本で生産することを死守する」企業は奇特な企業で、日本は輸出産業の生産拠点としては見捨てられている。

注)とどまることのない円高の更新、東日本大震災によるサプライチェーンの崩壊、相対的に高い法人税、TPP交渉に見られる農業重視の姿勢等、日本は輸出産業にとっては最悪の環境になっている

 問題は輸出立国路線が崩壊してしまった後の日本の生き方だが、それが今回週間エコノミストが特集した投資立国の道である。
これは当たり前のことで19世紀のイギリスがちょうどこの立場にあった。
当時の主要産業だった鉄鋼業や造船業等でドイツに追い上げられ、イギリスの残された道はそれまでかせいで来た収益を植民地に投資してその利息や配当金で生活することだった。
イギリスにとって投資こそが命だったが、そのためにシティを中心に金融業が隆盛を誇ったものだ。
成長した産業国家で貿易収支が赤字になれば所得収支で生きるよりほかに手段はない。

注)新たな産業を興すという手段はあるが、日本では新産業はまったく育っていない。
アメリカがなお覇権国家であるのはGoogle、facebook、Twitter、AppleのiPhoneといった新産業を興す力があり、この新産業と金融業で世界をリードしている。


 いわば株式投資投資信託金の購入からM&Aや直接投資をした企業からの配当金等で生きていくわけで、これは退職した老人が年金で暮らすのとなんら変わりがない
この資産運用をサポートするのが広い意味での金融機関だが、日本の現状はこの金融機関のノウハウが極端に低く、まともな収益を稼げないことにある。

 物つくりは実に上手だが稼いだ資金の運用となるとほとんど素人だ。
その理由は日本の金融機関が国債消化機関となっていて、自らがリスクをとって投資を行うことをほとんどしてこなかったからだ。
特に郵貯簡保は典型的なそれで、これで投資立国を目指すなどとは夢のまた夢だ。

 投資の仲介は広い意味の金融機関の仕事であるが、あまりに日本の金融機関のレベルが低いために現状ではシンガポールやアメリカの金融機関やヘッジファンドに席巻されている。
日本の金融機関は国債消化と融資以外のノウハウを持っていないといって言っていい。

 私はいつも残念に思っているのだが、日本では物つくりは高く評価されているが、金融業はベニスの商人のシャイロットのような胡散臭い商売と思われており、バブルの温床のように思われている。
しかし、輸出立国の時代が終わり、投資立国の時代になれば金融技術がなければ収益を上げることができない

 時代が変わり日本のありようが変わったのだから、物作り的な発想から脱却しなければ日本は生きていけないといえる。


本件と関連するブログは以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4a0a.html

 

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(23.10.24) ブラジル経済は世界の救世主になるか

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 ブラジルのルセフ大統領がギリシャ危機が深刻化しているヨーロッパに対し「ヨーロッパのパートナーであるブラジルを頼りにしていい」と言い切ったのには驚いた。
中国が先に「イタリア国債を購入してヨーロッパを助ける用意がある」と言っていたが、ヨーロッパ経済に対する救世主はブラジルや中国のようだ。

 ブラジルは人口約2億の大国で、日本との関係はジーコをはじめとするサッカー選手がJ1やJ2の選手として活躍しているので、サッカーがまず頭に浮かぶが、それ以外では資源大国で特に鉄鉱石の輸出企業ヴァーレが有名だ。

 かつて世界の鉄鉱石価格は新日鉄とヴァーレ間で年一回の価格交渉で決まっていたが、今では中国とヴァーレ間で決めた価格が世界の標準価格になっていて、新日鉄は価格形成者としての立場を奪われてしまった。
鉄鉱石以外ではコーヒー豆やトウモロコシの生産が多いが、日本との関係は中国や韓国やタイ等に比較するとかなり薄いものだ。

 もっともブラジルには戦後多くの日本人が移民をしており(私の父親も失職していた頃移民を検討し「次郎ブラジルに行くか」と言っていた)その子孫が特別ビザで日本の労働力として最近まで働いていた。
しかし東日本大震災の影響や日本経済の低迷もあって、多くのブラジル人が故郷に帰ってしまったが、現在ブラジル経済は絶好調と言ってよい状況で失業率も低くブラジル国内で容易に職を見つけることができる。

 ブラジル経済にとっての悩みはインフレと最近まではレアル高だった。
インフレは国内消費が旺盛なためで、かつての日本のように家電製品や自動車が飛ぶように売れ、また住宅投資も活発に行われている。

 あまりの消費過熱を恐れたブラジル中銀は政策金利を12%程度に引き上げたが、これを見た世界の投資資金が一斉にブラジルに押し寄せてしまった。
ブラジルは経済が堅調なのに金利は12%だ。絶対ぼろもうけできる
このため通貨レアルがドル対比でレアル高に振れ、2009年から2011年8月頃までほぼ40%のレアル高になった(レートが高くかつ通貨高に向かうの通貨が最高の投資先になる)。

注)11年8月頃からギリシャ危機が発生し、ヨーロッパやアメリカの資金がブラジルから引き上げているので現在はレアル安の方向に傾いている。

 ブラジル政府の悩みはもてるものの悩みだ、国内の消費を抑えようと金利を上げたら、外国から怒涛のように資金が入ってきてレアル高になってしまう。
レアル高は輸出商品の価格を引上げ、その結果安価な中国製品に席巻されてしまった。
こりゃだめだ、このまま行くと国内の中小企業が全滅だ

注)中国の場合は為替管理によって外国資金の流入を食い止められるが、ブラジルははるかに市場が自由なので外国人でも株式や投資信託の購入が自由にできる。

 この8月から政策金利の引下げを始めたら、こんどは消費者物価が従来の6%台から7%台に跳ね上がってしまった。
えー、いったいどうすりゃいいんだ」ブラジル中銀は頭を抱えている。

 しかしGDPの伸び率は昨年は7.5%、本年度はヨーロッパやアメリカの経済が低迷しているため4%程度の伸び率しか期待できないとは言え、日本のようなマイナス成長とはまったく異なる。
輸出はレアル高で苦戦していると言うものの鉄鉱石価格はリーマン・ショック前の価格をはるかに越えているし穀物価格も値上がりしており、さらに国内消費は旺盛そのものだから、ルセフ大統領が「ヨーロッパを助けてやる」と言うほどの余裕があることも事実だ。

 ブラジル経済は世界の救世主になれるだろうか。そうあってほしいが本当の実力はこのヨーロッパに始まった経済危機を乗り切れるかどうかで決まるのだろう。

なお、鉄鉱石価格の決定方法の推移は以下のブログ参照。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/2242-0706.html

 

 

 

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(23.10.23) 今度こそ年齢別ランキングで100番に

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 一昨年から目標にしているランナーズの年齢別ランキング100番を今年も目指すことにした。このランキングではそのシーズン(4月~翌年の3月)に行われるフルマラソンの大会でランナーズが認定している大会(陸連公認大会)の記録をすべて集計し、年齢別に日本人ランキングをつけてくれる。

 昨年は東日本大震災の発生で地震発生以降のほとんどの大会が中止になっていたが、それまでの大会(27大会)で集計されており、残念ながら私は100番以内に入っていない(走ったのはつくばマラソンだけで3時間56分だった)。

注)正確な順位はランナーズに申請すると分かるのだが、昨年(10年4月~11年3月分)は申請しなかった。
なおその前年の順位は3時間53分で154位だった(63歳時)


今年は何とかして年齢別ランキング65歳で100番になりたいものだ・・・・・
何か一つでもいいから日本人で100番の範囲に入りたいと思う。
私が所属しているちはら台走友会のメンバーは猛者が多く、多くの人が100番以内に入っているが特にYさんなんかは12位だ。

12位はとても無理でも100位なら何とかならないものか・・・・・大体65歳で3時間45分程度で走りきれば100番になれるのでは・・・・・・
10月に入ってから本格的なトレーニングを開始した。目標は3時間45分だ。

 実を言うと私の最近のRUNは長く走ることはできても早く走ることがまったくできない。
走り方は老人のチョコチョコ走りでかつてのようなストライドが伸びる走りではないからだ。
この走りはトランスエゾ1100kmみたいな超ロングの競技にはマッチしてもフルマラソンではまったくマッチしない。
トランスエゾでは時速6km程度で走っていたのに、フルでは時速11kmは出さないとならないからだ。
うぅーん、速度を倍に上げないと駄目なのか・・・・・」

 この10月から2日に1回程度の25km走と1週間に1回程度の50km走を行っている。
25km走はできるだけスピードをあげて、中間地点21km地点)までは速度を落とさず走る訓練で、50km走は後半のスタミナを鍛える訓練だ。
がんばれ、山ちゃん100番だ!!!」叱咤激励の日々だ。

 最初の大会はつくばマラソン11月27日開催だ。
なんとかこの大会で目標を達成したいものだと思う。私の場合は時間が経つにつれて息切れしてしまうのでなにしろ早く目標をクリアーするのがコツだ。

 なお年齢別ランキングは年齢が高くなるほど走れる人には有利になる。年をとると走れる人が加速度的に少なくなるからだ。
ほとんどのランナーは腰痛や肉離れ等の原因でフルマラソンからリタイアしていく。
私の場合は坐骨神経痛が右足に出ているが、幸いなことに走っているときには支障がない。そのうちに走る人が100人もいなくなって100番以内になれると思うが、そのときまで生きているかどうかが問題だ。

 

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(23.10.22) オリンパスをめぐる深い闇 何がオリンパスに起こっているのか?

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 なんとも不思議な事件が日本の光学機器メーカーオリンパスで起こっている。
オリンパスの社長は11年4月からオリンパスの英現地法人で手腕を発揮し、当時の社長だった菊川氏に認められて社長に就任したマイケル・ウッドフォード氏だったが、このウッドフォード氏と菊川氏が骨肉の争いを始めた。

 ウッドフォード氏はこの14日社長を解任されたのだが、その2週間前に菊川会長からCEO最高経営責任者)に任命されたばかりで、実質的なNO1になったとたんの解任だから世間が驚いた。
株価は急落し13日まで2482円だったのが、解任後の20日には1321円約47%も下落している。

 ウッドフォード氏と菊川氏との骨肉の争いの原因は、過去にオリンパスが行ったM&Aの不明瞭さをウッドフォード氏が追求したからである。
あのやろう、俺がせっかく社長に抜擢したのにオリンパスの恥部を公表しやがってとんでもないやつだ。このままでは示しがつかん、首にしろ
役員会で菊川氏はウッドフォード氏を解任してしまった。

 オリンパスのM&Aにまつわる不明瞭さとは2件あって、この2件は深部でつながっているように見える。

① 2006年から2008年にかけて、オリンパスは国内の3社のM&Aを734億円をかけて実施したが、このM&Aは失敗に終わり、2009年3月期の決算で557億円(75%)の減損処理をしている。

買収した国内3社は以下の通りだが、いずれも売上高が10億以下の小規模な会社

・アルティス(資源リサイクル会社
・ヒューマラボ(化粧品・健康食品販売会社
・ニューズシェフ(電子レンジ・調理容器製造会社

② 2008年 イギリス医療機器企業ジャイラスを買収。買収総額は2117億円で、そのうちの32%、687億円(当時の為替レート)がケイマン諸島にあった(今は存在していない)投資仲介業者AXAMに対する報酬として支払われた

通常のM&Aの報酬は5%以下程度だから異状に高い報酬で、しかもそのAXAMは単なるダミー会社だったから、実際のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)が誰で、687億円がどこに消えたのかが問題になっている

 この事件が明るみに出たのは月刊誌FACTAがこの8月に暴露記事を掲載したからだが、リークしたのは社長だったウッドフォード氏だったと思われる。
というのもこの暴露記事が出るとすぐさまウッドフォード氏は世界的な会計会社PwCに調査を依頼し、その調査結果を元に会長の菊川氏と副社長の森氏の解任を求めたからである。
この解任騒動の第一幕はウッドフォード氏の勝利で、その結果が雇われ社長から実質的な権限者のCEOへの昇格だったが、すぐさま菊川氏の反撃にあって、2週間後には社長を解任されてしまった。

注)PwCの調査報告内容
・ケイマンにあった投資仲介業者AXAMは所有者が不明
・直接の手数料約240億円の他に、優先株の買取約440億円が支払われているが、後者については取締役会の承認がなく、内部稟議で済ませている。


 はたしてオリンパスに何が起こっていたのだろうか。私は当初リーマンショック以前の業績の良い時にM&Aを仕掛けて失敗し、大幅な減損処理を強いられた経営の失敗だと思っていたがどうも話はそう単純ではないらしい。

(23.11.8追加)以下の推定はオリンパスの利益隠しと考えて推定したものだが、実際は損失隠しであることが判明した。したがって以下の推定の利益を隠したという部分は誤りである。



 以下は私の推定である。

 ① の国内3社の買収はM&Aと言うよりも利益の圧縮を行うためにわざと業績の悪い会社を買収したのではないかと思われる。
医者や不動産所有者がよく行う利益隠しの方法で、わざと赤字会社を作って連結対象とし、その赤字分を本体と合算して収益を圧縮する方法である。
その3社の減損処理を2009年3期に行っているが、それはさらに巧妙な方法を使用することができるようになったので、この3社の利用価値がなくなり整理したのではないだろうか。

 ① より巧妙な方法は②で、外国企業の買収を行った時にその手数料を水増しして支払い、それをケイマン諸島に隠すという方法である
実際ケイマン諸島にあったとされるFA会社AXAMは存在しておらず、手数料の行方は不明だがもともとオリンパスが作ったダミー会社だとすれば不明になるのが当然だ。

 ②では本当の投資仲介会社はAXAMではなく他におり、そこに対する手数料は常識的な5%以内(最高で70億円程度)だったのではなかろうか。残りの600億円程度はオリンパスの秘密口座に振り込まれたと私は思っている。
なお今回②のM&AではA氏と言うかなり胡散臭い人が金融アダバイザーとして登場しているが、この人は①の国内3社のM&Aにおいても登場しているから、菊川氏とは懇意の間柄で、菊川氏はA氏の指導の下に利益隠しを行ってきたのだと推定される。


 ウッドフォード氏と菊川氏の確執は、この利益隠しに気づいたウッドフォード氏が雇われ社長ではなく実質的なNO1になるために菊川氏を脅したのが真相ではないだろうか。
一旦はウッドフォード氏はCEOに就任したが、菊川氏らの反撃にあってすぐさま退任させられたのだと私は思っている。

 しかしこの二人の確執とは別に、オリンパスの闇が世間に公表されてしまった以上、今後日本やイギリスの監査当局が調査が入ることは確実で、ケイマン諸島をめぐる利益隠しの実態が初めて明らかになるのではなかろうか。
実に興味深深だ。

 現状では推察の域を出ないので、今後新事実が明らかにされた段階でもう一度この問題を考察したい。

 

 

 

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(23.10.21) ためしてガッテン 夢にまで見たたるみ解消法 中年女性の体型の復活

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 ためしてガッテンは私の大好きな番組だ。特に最近は健康問題を取り上げることが多いが、今回は女性の美容についての対処法だった。
女性の場合中年になると、腹がたるみ、お尻がだぶつき、背中が三段腹になってくるのだそうだ。

 私はこれは太った女性の場合だと思っていたら、そうではなく標準体型BMIが20から22)の女性の場合だと言うから驚く。
服などを着ているとまったく体型の変化が分からず、若いときのままのボディーラインをたもっているとばかり思っていたがまったく違うのだと言う。

 実際テストに参加していた女性(40歳前後)は通常の体型に見えたのに、3Dボディースキャナーと言う機械でスキャンすると、見事な腹のたるみたれ尻、そして三段腹が出てきたのには目を見張ってしまった。

注)腹のたるみ等の映像はコンピュータ・グラフィック化されている。

こんなすさまじい体型だったのか・・・・・」おもわず言葉が出たが、普段中年の女性の身体を見慣れていなかったせいだと思う。
私自身は中学生の頃から運動付けの生活で、今まで一度も体型が崩れたことはなく、大げさに言えば中学生の時とまったく同じなので、中年の女性の体型が崩れることが信じられなかった。

注)正確に言うと高校生の時柔道をしていたので筋肉が体中についていたが、今はその筋肉が剥げ落ちてしまって、柔道をする前の中学生のときの体型に戻ってしまった。

 中年になるとなぜ尻が落ちてしまうかとの理由が面白かった。
外部の脂肪層の厚さが同じでも内部の筋肉に脂肪がたまってしまい、外の脂肪層を支えられなくなってしまうのだと言う。
この筋肉を霜降り肉(松坂牛の霜降りと同じと言うが、弾力性がすっかりなくなり伸ばすとそのまま伸びてしまう筋肉なのだそうだ。

 実際志の輔師匠赤味の肉霜降りの肉を伸ばす実験をして見せたが、赤味の肉がすぐに元に戻るのに対し、霜降りの肉はまったく伸びたままだった。
筋肉の中に付着するこの霜降りEMCL(たるみ物質)と言うのだが、霜降りになるメカニズムは以下のとおりだ。

① 筋肉はとても壊れやすく常に修復が必要で
② 修復する場所に筋肉の赤ちゃんが現れて、それを成長因子がサポートすることで以前の筋肉に戻るのだが、
③ そのとき筋繊維を収縮する(使用する)運動をしないと、成長因子は赤ちゃんを放って置きぱなしにするため、
④ 赤ちゃんは筋肉にならずに怒って脂肪になってしまうのだという。


 なんてことはない、身体に刺激を与える運動をしていれば筋肉になり、そうしないと脂肪になってしまうので、霜降りになった筋肉の力が衰えるのだと言う。
だから単純に言えば運動をしてさえいれば腹のたるみも、三段腹もなくなるので、私のように四六時中走ってばかりいれば、そもそも脂肪そのものがほとんどないのだから体型の変化などありようはずはない。

 最も中年女性全員に私のようなランニングを科すのは無理な話なので、番組では、

①足の歩幅を大きくして歩くこと(通常より7cm程度)と、
② スローストレッチを紹介していた。


 後者のスローストレッチはヨガの一種で、ゆっくりとしかし身体を止めることなく身体を動かすストレッチだ。
この効果は素晴らしく、3週間程度で見る見る体型が整ってきていた
一方歩幅を7cm延ばして歩く方法は効果が出るのに約3ヶ月かかると言う。

 中年になると特に女性の筋肉は霜降りになるとは始めて知ったが、そうならないための対処法はいたってシンプルで、単純に言えば軽い運動を継続的にすれば良いことになる。
たるみや三段腹に悩んでいる女性にはこうした軽い運動で、夢にまで見たかつての若かった頃の体型を取り戻すことができるのだから、是非実践してほしいものだと思う。

なお、以前放送されたためしてガッテンの健康法はカテゴリー「ためしてガッテン」に入っています。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

 

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(23.10..20) 九電 眞部社長の大誤算 やらせメールで居直ってみたけれど

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 九電眞部(まなべ)社長の居直りに世間が驚いた。
ふざけるな、俺は悪くねい。佐賀県知事は立派な人で無実の罪なって着せられねえ。俺だって九電の社長を辞めねーぞ

 やらせメールが発覚した後、すっかり神妙になって辞意を表明していた人が居直った。
最も驚いたのは当の眞部社長から真相究明を依頼された第三者委員会の委員長郷原氏だ。
なにしろ郷原委員長の報告では「古川佐賀県知事が九電幹部にその旨指示をしたので、九電が関係者にやらせメールを発信させるようにした」と結論付けていたからだ。

あんた、古川知事が指示したとの九電幹部のメモを見たろう。古川さんにも確認を取ったよ。いまさら古川さんが言わなかったなんて話はないよ
噛み付いたが眞部社長は報道機関の前で言い放った。
うるせい、俺の目で見て自信を持った結論だ。見解の相違だ

 本件では九州電力玄海原発の再稼動に伴う国の説明会(6月)で、やらせメール(原発再稼動に賛成するメール)の指示が出ていたのだが、この指示を誰が出したかが問題になっていた。
第三者委員会郷原氏の報告書では、古川知事九電幹部副社長ら3名)が説明会の前に会談し、古川知事から「経済界には再稼働を容認する意見があるが、表に出ない。こうした機会を利用して声を出すことも必要だ」との指示を受けたのが発端だと結論ずけていた(この時のメモが残っている)。

 しかし11月14日に九電が政府に提出した正式の最終報告書では「古川知事の関与はなく、九電が自主的に行ったことで、直接の担当者だった幹部2名を1ヶ月の減給処分にした」と言う。
また九電の眞部社長も、当初国会答弁では辞意を示唆していたが、最終処分は3ヶ月間の給与の返上に変わっていた。
これには枝野経済産業相が激怒した。
九電の報告は第三者委員会のつまみ食いで、古川知事の関与を不明確にし、また九電の責任を不明確にするもので理解不能だ

 事件が発覚して以降の数ヶ月間に九電社長古川知事の間に何があったのだろうか。
当初は二人とも辞意を示唆していたのに、今では古川知事は無実で、眞部社長は3ヶ月の給与の返上で済ませようとしている。

 最初は動揺して「辞意だ」なんていってしまったが、よく見てみるとやらせはいたるところで蔓延し、当の経済産業省原子力安全保安院だって、原発賛成派の動員ややらせ質問を依頼していたことが判明してきた。
考えてみたらやらせは日本の文化だ。こんなことで辞意をするなんて馬鹿げている・・・・それに原子力安全保安院なんか、毎回やらせばかりだ・・・・・・・・」

そっちの責任はどうしてくれる、よう、経済産業省の枝野さんよ・・」と言うところだろう。

 実際日本では、架空の世論形成によって原発を推進してきた経緯がある。
政府、経済産業省、原子力安全保安院、知事、電力各社、その子会社、そして原子力関連の学者や技術者がスクラムを組んでやらせを行ってきたのが実態だ。

 だから佐賀県知事九電社長からすれば「何で俺たちだけがスケープゴートにならなければならないのか」との思いがある。
なら今までの原子力行政の裏側を全部ばらすぞ」と言うところだろう。

 だが裏の仕組みが表に現れてしまったらその時点でアウトで、関係者の処分は免れない。
アメリカCIAの言葉で「最も成功したミッションは存在しないミッションだ」と言う言葉があるが、それが裏の世界の鉄則であり、今回のようにバレバレになっても居座るのは無理だ。
予想に反して裏社会の闇が表に出たら表社会の人間は責任を取らなければならない。日本ではそのために社長がいると言ってもいいくらいだ。

 日本では説明会や公聴会はやらせが蔓延して、関連会社の職員が一般市民を装って出席している。
だから私などは佐賀県知事眞部社長「やらせなんて常識だろう」と思っている気持ちはよく分かるが、表社会の人間の振る舞いとしては許されない。

 世論の轟々の非難にあって九電は報告書を経済産業省に再提出しなくてはならなくなったが、表と裏社会の区別がつかなかった眞部社長の判断は中学生並だと言えるだろう。

 



 

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(23.10.19) TPP再録 韓国とアメリカのFTA締結と日本の立場 T.Yさんへの回答

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 先日「韓国とアメリカのFTA経済協力の締結 決断力で差がひらく日本と韓国」(リンクが張ってあります)と言う記事を掲載したところ読者のT.Yさんから以下のような質問を受けた。コメントで回答するには不十分と思われたので別途記事を作成して回答することにした。


いつも楽しみにブログを拝見させていただいています。

TPPについては反対派の中野剛志氏の主張が非常に的を射ているように感じています。
http://www.youtube.com/watch?v=nRmNJpUj5sI
TPPには下記のような問題があると認識しているのですが、管理人さまはどのような見解をお持ちでしょうか?

・歴史的な円高の局面で関税がなくなったからといって輸出が劇的に伸びるとは考えずらい
・TPPの対象項目は24項目あり単純に農業VS工業の利害関係だけでは語れない(投資や人材、保険といった分野の規制緩和も含まれる)
・そもそもアメリカ以外とはFTAとEPAをむすんでおり、TPPに参加したからといって国を開くという意味あいは持たない。


 なお、Wikipediaで検索すると中野剛志氏の主張は以下のようにまとめられていた。

TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)参加は日本の国益にならないとする立場。
国内市場の大きい大国である米国だけが主導権をもってルールの策定を行えることに加えて、安全保障上の問題から日本は米国に対して弱い立場にあるため日本に有利なルール策定はより困難で米国に妥協するしかないこと、その米国がドル安により輸出振興政策を志向すればTPPに参加しても日本の輸出は伸びない一方で関税という防波堤を失えば日本の農業は壊滅的な打撃を受けること、などを理由として挙げている。

また、安い外国の製品が輸入されるようになったことをデフレの要因として挙げ、TPPに反対する最大の理由は、価格の低い商品がいま以上に輸入されてデフレがさらに進んでしまうからだとしている。

以下回答

・歴史的な円高の局面で関税がなくなったからといって輸出が劇的に伸びるとは考えずらい

(回答)リーマンショック前の120円水準に比較すると現在の76円前後の値は、35%前後の円高になっています。またドルにペッグしているその他の通貨(韓国ウォン、中国人民元等)も日本円に対しドルと同じ円高になりました。
このため日本輸出産業は崩壊過程に入り、日本での生産を諦めて海外に進出しています。
なお円高になったのはアメリカとEUが日本と同様の金融緩和策をとって日本の低金利の優位性が失われたため)

 今回のタイの水害では約400社あまりの日本の企業が被害にあっていますがそのほとんどが日本を代表する大企業であることに驚かされます。
かつて日本の貿易収支は毎月1兆円規模の黒字でしたが、東日本大震災以降様変わりになり、基本は貿易収支は赤字になっています。

 多くの経済界の予想は9月以降は再び黒字体質になり、貿易収支が回復するとの予測を立てていますが、私は懐疑的です。
この東日本大震災を契機に多くの輸出産業が日本から逃げ出したと言うのが実態で、日本が輸出立国であった時代は失われました(したがってこれからは貿易収支はトントンと言う時代が続きそうです)。

 したがって中野剛志氏が言う「関税がなくなったかといって輸出が劇的に伸びるわけではない」と言う主張は正しいのですが、関税の引下げがなければ一方でまだ日本に残ろうと懸命にがんばっている企業(トヨタは日本での自動車生産300万台死守と言っています)は韓国との競争に負けるので日本から出ざる得なくなるのも事実です。

 現状は何とか輸出産業を日本に残し職場を確保するか、それとも日本は完全に輸出産業を海外に追いやり失業者を増やすかの選択を迫られていると言うのが私の認識です。

TPP参加の目的は輸出を増やすのではなく、輸出産業に日本にとどまってもらうための方策


・TPPの対象項目は24項目あり単純に農業VS工業の利害関係だけでは語れない(投資や人材、保険といった分野の規制緩和も含まれる)

 
最も大きな問題は農業問題ですが、それと共に大きな問題は金融問題です。日本市場はとても閉鎖的で財務省と日銀が金融機関をがんじがらめにして、郵政をはじめとする金融機関を日本国債の調達機関にしています。
日本の財政赤字がギリシャより悪いにも関わらず、国債問題が発生しないのはこの調達システムが機能しているからで、もしこのシステムが崩壊すれば日本はハイパーインフレーションに襲われます。

 外国の金融機関に対しても監視が強く、もし財務省・日銀の方針に逆らうような動きをすれば金融検査の網にかけて業務ができないようにするのが常套手段になっています(クレディ・スイスが引っかかりました)。
したがって表面的には自由化をしているそぶりを見せて、行政指導と金融検査で手足を縛っているのが実態ですのでアメリカは金融の透明度を高めたいと望んでいるわけです。

 なお日本の金融機関の生産性は国債調達機関のため極端に低く(
1%利ざや程)、アメリカの金融機関やヘッジファンドが10%から20%の利ざやを稼いでいるのに比べ斜陽産業になっています(したがってウォール街で発生しているような1%が99%を犠牲にしていると言うことはありません)。

 金融機関の生産性は自由化が進めば通常は向上するのですが、日本の場合は国債の償還ができなくなって国家破産の危機に陥ることが予測されます。
私の意見はあまりに政府・日銀の統制が厳しすぎ、本来高収益企業になれる金融業を押しつぶしてしまい、次世代産業が育っていない(
したがって相変わらず工業に頼らざる得ない)ため、このままでは日本は衰亡すると思っています。

日本の金融機関の低生産性にショックを与えるためにTPPに参加し金融の一層の自由化は効果がある。ただし急激にしすぎると国家破産を招く


・そもそもアメリカ以外とはFTAとEPAをむすんでおり、TPPに参加したからといって国を開くという意味あいは持たない。

日本はシンガポール・メキシコタイ・マレーシア等(いづれも日本と比較して経済規模が相当程度小さな国)とFTAを締結していますが、大市場のアメリカやEUとは結んでいません。ここも韓国との競争が問題になり、韓国がアメリカ・EUとFTAを締結しているため、韓国製品と競合する日本製品自動車・家電・IT関連部品等)が競争に負けることを危惧しています。

日本の残っている輸出産業の悲願はせめて韓国と同じ土俵の上で勝負したいと言うことで、ウォン安で追い上げられ、さらに関税撤廃で追いやられると日本輸出産業は完全に失速すると言う危惧の念から出ています。

日本の輸出産業の悲願はアメリカとEUでせめて韓国と同じ土俵で勝負したいと言うこと


 なおT,Yさんとは別に縄文人さんから以下の意見が寄せられましたので回答をしておきます

・日本は内需経済の国です。輸出は必ずしも必要ではありません。経団連は韓国のように輸出産業だけうるおい、他の国民を犠牲にしようとしているとしか思えません。

 日本の内需が約60%で韓国や中国に比較して外需依存度が低いのは確かです。
しかしそのことが輸出産業を否定する理由にはなりません。
当然のことですが石油LNG等の燃料や多くの食料を輸入しているからですが、ポイントはその支払がドルで行われているからです。

 もし日本の円がアメリカの基軸通貨ドルのようでしたら支払は円で支払えばよく、足らなければアメリカがそうしているように紙幣を印刷すれば事足ります(
基軸通貨と言うことは自由にその金を印刷できる権限を持っているということ)。
しかし円はそうした通貨でないため輸入のためにどうしてもドルが必要なのです。
戦後日本が出血輸出をしてまでドル確保に血眼になっていたのは、円は国内以外では単なる紙切れだったからでした。

 輸出をするとは本質的に輸入が必要だからで、もし石油もLNGも石炭も小麦も輸入しないとすれば国内産業だけでやっていけますが(これを鎖国体制といいます)輸入がある限り輸出が必要との原則は崩れません。

注)ただし過去の貯金で外貨がある間は輸入ができますが限界があります。

国内市場が大きくても輸入がある以上基軸通貨国以外は輸出(あるいは出稼ぎ送金や海外からの借入)により外貨を獲得せざる得ない。日本で輸出産業が命になるのはそのため


 くどいようですが私がTPP参画に賛成するのは、そうしなければ韓国との競争に負け日本から輸出産業が消え去り、輸入を行うための外貨獲得ができなくなるからで、何か有利な立場での選択をするというよりも土俵際に追いつめられての選択(選べるような立場にない)だという認識にあるからです。

 

 

 

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(23.10.18) 橋下大阪府知事はプーチンになった 橋下氏と平松氏の一騎打ち

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 橋下(はしもと)大阪府知事の言動にはいつも驚かされるが、今度は知事を辞めて11月27日に予定されている大阪市長選に立候補すると言う(知事を辞めるため知事選も行われる)。
知事から市長への格下の挑戦は過去ほとんど聞いたことがない
なぜそのようなことをするかと言えば、平松大阪市長が橋下知事の政策に真っ向から反対しており、特に大阪都構想(大阪市を分解すると言う構想に反対しているからだ。

冗談じゃありません、大阪市は政令都市として十分にやってきております。市を分解して大阪府の一部(区のイメージ)にするなんて考えられません

 橋下知事と平松市長は何回かの会談を持ったがいつも主張は平行線のままだった。
平松が要るかぎり大阪都構想は実現できない。こうなったら俺が大阪市に乗り込んで言って大阪市を解体する橋下知事がケツをまくった。

注)大阪市議会の大阪維新の会は第一党だが過半数に達していないため、維新の会の政策を市議会に反映できていない。

 幸い大阪府の議会では大阪維新の会が過半数を占めているので、議会から足を引っ張られることはない。自分の息のかかった人物をとりあえず知事にしておいて、市を解体した後4年後再び知事に立候補すればよい。
橋下氏の戦略はロシアのプーチン首相の戦略にそっくりだ

 なぜ橋下氏が大阪都構想を推進しようとしているかと言うと、大阪府も大阪市も(実質的)赤字財政で火の車だからだ。

注) 橋下知事は財政非常事態宣言を出して、大阪府の財政の健全化に勤める(公債を発行しない)と宣言して選挙戦にのぞんだ。一方平松市長は大阪市の財政は健全だとの主張を崩していない。
実際は市特別会計の国民健康保険
(▲368億円)や港事業会計(▲534億円)が大幅赤字だが公債発行と他の会計からのやりくりで表面的には黒字になっている。

 大阪府も大阪市も抱えている財政問題は同じようなものだが、橋下氏は非常事態と認識し、平松氏はまったく問題がない(
ただし地方交付税が少ないと言っている)と言うところが異なる。

 特に大阪市は日本で最も多い生活保護者16万人を抱えており、予算の17%がこの生活保護費になってしまって財政の硬直化がひどい。

 大阪市の場合特に問題が複雑なのは、新規に生活保護を申請した人のかなりの部分が闇社会、特に山口組系の暴力団と関係していると言う。
暴力団関係者の関わり方は、路上生活者を見つけると支援団体と称する団体が生活保護の申請を行い、用意したアパートに住まわせて住居費等を天引きする方法だそうだ。

 さらに生活保護者は医療費が無料のためこの生活保護者を対象にした病院が数箇所あり、不要な検査と薬付けにしているので医療費の増大を抑えきれない。
こんな状況をほっておくわけには行かないが、平松ではどうしようもない」と橋下氏は考えたようだ。

 橋下氏のビジョンは止まるところを知らず、この大阪都構想以外に、伊丹空港の廃止これは関西空港ができたら廃止するはずだった)、議員定数の削減公務員の給与と人員の1割削減府庁舎の移転府立高校のレベルアップ毎年1000人難関大学に入学させる)、私学助成金のカット大阪府立大と大阪市立大の統合無駄を省いて競争力を強化するのが橋下氏のビジョンになっている。

 これに平松市長が噛み付いた。市が解体されてはそもそも市長の職がなくなるし、市議会議員は不要になり、市職員は一部は府の職員になるが当然馘首される人も出てくる。
それに市と関係の有った既存の利益団体との関係も切れてしまうのだから既得権益者から反対の大合唱が始まった。
財政状況は府よりいいではないか。なぜ市を解体する必要がある。解体するのは府で市を特別市として残そう
ハシズムを倒せ、ハシズムを許すな

 しかし橋下知事は一歩も引くそぶりはない。
大阪維新は達成しなければならない。俺は坂本竜馬だ。このままでは日本がつぶれる
客観的に見れば大阪市は縮小つつあり、税収は傾向的に漸減し、人口も逓減し高齢化と少子化が進んでいる。
財政もスリム化しなければ生き残っていけないが、だからと言って既得権益を手放すつもりはない。
当事者になれば生活権がかかっているので反対するのは当然だ。

 だがこのまま行けば大阪市がギリシャ化労働者の4割が公務員だが他に職場がないのでそうなる)するのは時間の問題で、私は橋下氏の蛮勇(市長になって大阪市を解体すること)を支持しているが、既得権益のスクラムは強固で前途は多難だろう。

なお、大阪市の生活保護費が暴力団の資金源になっている実態はNHKが放映している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23919.html

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(23.10.18) 猿でも受かる東京大学医学部

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 実に興味深い本を読んでいる。「猿でも受かる東京大学医学部」は私の意訳で正式の本の名前は「新・受験は要領」と言う本だ。著者は和田秀樹氏で、自身は灘高の劣等生だった高校2年生の時に突然「受験が要領」によって決まることを悟り、ほぼ1年間その方法を実践して東大医学部に現役で入学した人である。

 私は和田秀樹氏を老人医学の専門家で「思考の老化をどう防ぐか」とか「人は感情から老化する」と言う本の著者として知っていたが、まさか受験界の風雲児で「猿でも東大医学部」に入学させるノウハウを持っている人だとは知らなかった。

 この「新・受験は要領」(1994年)と言う本は実に興味深い本だ。この本は旧著の「受験は要領」(1987年)をさらにレベルアップし、特に受験生の心理学的指南を目的に書かれた本で、本人の言葉では「受験哲学」の本になっている。

 東大医学部といえば日本で最難度の学部で東大生の間でも「本当は医学部に行きたかったのだが・・・・・・」とほぞをかむ人はいくらでもいる。
いくらなんでも猿では無理だろう」と思ったが、読んだ感想は「この本の受験術は本物だ」というものだ。
簡単に言えば東大医学部に入るためのあらゆる技術を駆使してそれ以外の余計なエネルギーを使わずに最低限の成績で合格しろと言うことだ。

 この最低限の成績がポイントの一つで、たとえば数学の最低合格ラインが60点だとすれば、この60点をわずかにオーバーすればいいことになる。
その場合必ず出される難問には目もくれず、確実に得点できる問題だけを解いて60点ラインに到達させることが大切で、どの問題が難問でどの問題がサービス問題であるか一目で判断しなければならない。

 和田氏の指南は東大医学部に入るための学科(数学、英語、物理、化学等)の個別の攻略法を懇切丁寧に説明しているが、特に数学の攻略法が白眉だ。
通常中学生で勉強ができた学生が高校生になって一番悩むのが数学である。
何か急激に難しくなってしまい、どの問題を見ても到底解けそうもない。
俺は頭がバカになってしまったのだろうか・・・・」そうして落ちこぼれていくのが通常のパターンになっている。

 この数学の攻略は「絶対に自分で問題を解かないことだ」と言うのには驚かされた。
実際数学こそはギリシャの昔から数え切れないほどの天才が研究してきた学問だから、圧倒的に難しい。
こんな難しい学問を先人の後を追って一緒に考えるなんて行為は一生を無駄にするものだから、何はともあれ回答を読んでそれを理解しながら記憶していくことが数学の勉強法だと言う。

数学はパターンの記憶で、大学受験にでる問題はすべてこのパターンから出題される。それを記憶して記憶の蓄積量を増やすことが東大医学部に入る道だ」と和田氏は言う。
私がこの和田氏の主張に全面的に賛成するのは、高校性のときに問題を自分で解こうとして苦吟し、結局それが不可能なことに絶望した記憶があるからだ。

 これは実に革新的な主張で、一般の教師の主張とはまったく違う。
従来数学が「頭の論理思考を鍛える学問だ」と言われてきたのはまったくの間違いで英語と同じ記憶学科で違うのはパターンの記憶だけだと言う。
笑ってしまった。
そうか、そうすれば猿でも東大医学部に入れるのか・・・・・・

 大変興味のある主張なので1週間前から実験に取り掛かっている。
とりあえずはセンター試験に合格しなければならないので、私の好きな馬場敬之氏のセンター試験の参考書を買い込んでこれを片っ端から記憶することを始めた(本には傾向があるのである人「または出版社」を固定して記憶をする必要がある)。
来年のセンター試験までにこの方法で70点の合格ラインが確保できるか否かが実験の目標だ。

 私自身は65歳で神様のお迎えを待っている身だから、いまさら東大医学部に入学しても何の意味もないが、若い世代の学生にそのノウハウを教えることができれば日本の若者に希望を与えることはできそうだ。
特に千葉高あたりに入学したものの、その後落ちこぼれれて鬱々とした人生を過ごしている学生を東大医学部に入学させることができたら爽快だろう。

 なお、和田氏の「受験は要領」と言う著書は何も東大医学部だけをターゲットのした書物ではなく、日本の難関大学のすべてに応用できるが、ポイントはその大学のその学部に特化した勉強法なので、たとえば東大医学部には受かっても慶応の医学部に受かることはできない。
何かアメリカ軍のピンポイント爆撃のような方法で、それだけに自分が入りたい大学の学部を決めたらそれ以外の無用な努力はしてはならないので、恐ろしいくらい目的意識のはっきりした勉強法になっている。

 この「新・受験は技術」と言う本は中学生時代は優秀で、高校生になってからすっかり落ちこぼれている学生に最も効果的な勉強法を提示しているので、本人やそれを心配している親御さんには是非勧めたい本だ。

注)あるいは進学校に落ちて鬱々としている学生には一発逆転の機会を与えてくれる良書だ。アマゾンで頼めばすぐに入手できるので、まず読むことを勧める。

 

 

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(23.10.16) 韓国とアメリカのFTA経済協力の締結 決断力で差がひらく日本と韓国

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 「政治とは決断の技術」と言われるが、今回ほどそれを感じたことはない。
12日、韓国とアメリカのFTA(自由貿易協定)をアメリカ議会が承認し、韓国議会が承認するのも時間の問題となった。これで韓国とアメリカの経済協力が一層強化されることが明確になった。

 5年越しの交渉と言われた両国のFTA交渉急遽締結できるようになったのは、この締結に反対していたアメリカ民主党が賛成することにしたからだ。
いままで反対していたのは韓国からの安い自動車輸入が増えてGMフォードの経営を圧迫することを恐れていたからで、特に民主党の基盤である全米自動車労組の反対が強かった。
しかし現在はGMもフォードも経営は絶好調でその心配がない。

注)アメリカは世界最大のメーカーだったトヨタをいちゃもんをつけてアメリカ市場から引き釣り下ろすことに成功し、GMが再び世界NO1になったので、韓国製の自動車を恐れなくなった。

 オバマ大統領はさっそく「100億ドルの輸出拡大と7万人の雇用創出が可能になった」とアメリカ国民に胸を張ったが、これはアメリカ農産物の輸出拡大が可能になったとの意味だ。
一方韓国のイ・ミョンバク大統領は「韓国輸出産業の一層の拡大が可能になり、世界最大の市場が出現した(アメリカとEUとのFTA締結が実現したと言う意味」と韓国民に発表している。

 どちらもウィン・ウィンの協定と言っているものの、実際は韓国内の反対は厳しかった。日本と同様の農業問題を抱えているからだが、イ・ミョンバク大統領は国家の戦略を「農業より工業」に移すことを決断した。
韓国のりんご農家を取材したNHKの映像では「今後とも農業をやっていけるかどうか不安だ」と農民が述べていたがその通りだろう。
それでもイ・ミョンバク大統領が韓国の戦略として輸出立国を目指すと決断したのは、97年の金融危機と国家破産の経験からそれにかけるより韓国経済の生きる道はないと判断したからだ。

注)輸出によって得た十分な外貨準備がないとヘッジファンドに狙い撃ちをされてしまうと言う意味。

 
アメリカはこのFTA協定の締結を低迷するオバマ大統領の支持率を上げる契機と捕らえており、最大の外交勝利と捕らえている。
それはイ・ミョンバク大統領を国賓として最大限のもてなしたことに現れていた。
イ・ミョンバク大統領に議会での演説を許し(
これは最大の歓迎の意)、韓国料理店で会談し(ホワイトハウスからわざわざ韓国料理店に出向いていった)、GMの工場の視察を両首脳で行うと言うイベントをくみ(これはデトロイトに韓国自動車は脅威ではないとのメッセージ)、のべ10時間あまり両大統領は一緒の友情ある時間を過ごした。

注)昨年4月の核安全サミットで訪米した鳩山元首相は47カ国の首脳の昼食会のときに10分間だけの会談を許されただけだった。10時間と10分の違いは国家元首の決断力と実行力の差に比例している。

 一方日本の実情はとても決断からは程遠く、太平洋諸国のFTA版であるTPP(環太平洋パートナーシップに参加をするか否か、まったく結論を出せずにいる。
アメリカは苛立っているが、日本の政治指導力は極端に低い。

 野田首相は検討を指示したものの、参加するとは一言も言っていない。
これは安い農産物の流入を危惧する農業団体の反対や、株式会社の医院ができることを恐れている医療保険団体の反対や、司法試験も通ることができない弁護士が増加することを恐れている日弁連等の反対等があるからだ。

 しかしイ・ミョンバク大統領の決断と、野田首相の躊躇ほど「政治は決断の技術」と言う言葉の意味が分かる事例はない。
経団連は今でも韓国に押されっぱなしの輸出産業のてこ入れに是非ともTPP参加を実現させたいと考えているが、特に農村地帯に地盤を持つ国会議員(民主党議員が多い)のほとんどがTPP参加に反対している。

 日本の工業品の輸出の27%は自動車で、韓国とアメリカのFTAが締結されると韓国乗用車の2.5%、商業車の25%の関税がなくなり、一方日本はこの関税のハンディを背負って韓国車と競争しなくてはならない。
日本が韓国に負けていいのか」経団連は叫ぶが政治の動きは芋虫の歩みだ。

 実際はトヨタもニッサンもホンダも日本の政治には見切りをつけて、国外生産に傾斜している。
国に頼っていると会社がつぶれる
タイのアユタヤ団地に進出している企業は日本の大企業ばかりで、今回の水害被害で大きな痛手を蒙ったが、私は進出している企業のあまりの多さ(約300社)の方に度肝を抜かれた

 日本からすでに輸出産業は消えようとしており(自動車産業は主としてタイや中国やインドに、中小の部品メーカーは韓国に拠点を移しつつある)そうした意味では野田首相の躊躇も、またTPP交渉の行方もさして影響ないというのが実態のようだ。

 現在の状況は日本は何も決断することができず、TPPに乗り遅れ世界の田舎になると言う道をひた走りに走りつつあるのだが、和の国日本(全員が納得しないと何も決断しない国と言う意味らしい躊躇だ。
日本はかつての江戸幕府の鎖国体制に近づきつつあると言うのが私の見方で、私のような老人はそれでも一向にかまわないが、進取の気質を持った若者には日本を飛び出して韓国のような国で生活することを勧めたい。


注)アユタヤの団地に何らかの形で(連結子会社を含む)進出している企業名。

ホンダ、トヨタ、マツダ、ニコン、パナソニック、日本電産、東芝、味の素、セブン&アイ・ホールディングス、ファミリーマート、ソニー、キャノン、クボタ、加賀電子、パイオニア、ミネビア、HOYA、住友金属工業etc

なお韓国経済についてはカテゴリー「世界経済 韓国経済」にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44234699/index.html

 

 

 

 

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(23.10.15) 尾瀬の自然をどのようにして守ればよいか 東電撤退

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 今月の8日から9日の連休に尾瀬の燧ケ岳の登山を行い、三条の滝の景観を堪能してきたのだが、今日(13日)衝撃的なニュースが新聞に掲載された。
従来尾瀬の景観保護のために東京電力毎年2億の予算で木道の維持メンテや湿原の回復事業を行ってきたが、福島第一原発の事故に伴う保障費用の捻出や、人員削減のためこの尾瀬の保全事業ができなくなったと言う。
やはりそうか・・・・・」思わず声が出た。

注)東電の木道の分担割合は約2割で残りは県

 東電は尾瀬国立公園のほぼ4割特別保護区だけならほぼ7割の土地を保有しており、尾瀬の群馬県側の土地は東電のものと思ったほうが良い。
元々東電は尾瀬から流れ出ている只見川に水力発電所を建設する計画だったが、地元の自然保護運動の高まりがあって、ここを自然保護区として保全してきた。

 東電としたらメセナ事業の一環としての位置づけだったが、福島第一発電所の事故発生が東電にそうした余裕を与えなくなった。
なにしろこのままでは自身の倒産問題まで発展するのだから、尾瀬の保全まではとても手が回らないと言うことだろう。

 国立公園内の土地の保有者が景観の維持ができなくなった場合は、風景地保護協定と言う制度があって、公園監理団体所有者が協定を結んで公園監理団体に保全を依頼することができる。
今回東電が求めているのもこの協定だが、一番の問題は東電が負担してきた約2億円の資金を公園監理団体が東電に代わって負担できるかと言うことだろう。

 他の大企業が東電の役割を引き継いでくれれば恩の字だが、現状の経済情勢を考えればそうした企業が現れるのを期待するのは難しそうだ。
そのほかに考えられる方法は尾瀬に入山する人から入山料を徴求して、その費用で木道や湿原の回復を図ると言う方法だろう。

 尾瀬の入山者は1996年の65万人をピークに減少しており、2010年では35万人と約半分程度の水準になっている。
この35万人から一人当たり500円の入山料を徴求すれば1億75百万の金額になるのでほぼ東電が負担していた金額に近くなる。

 高速道路と同じで利用者が費用を負担するのが最も妥当な措置だ。
観光業者からは入山料を徴求すると観光客が減るのではないかとの危惧の声も聞かれるが、では東電が負担していた費用を観光業者が負担するつもりがあるかと聞きたい。
私は日本の国立公園のほとんどが入山料等を取らないことのほうが問題で、政府や自治体や私企業がそうした費用を捻出できなくなっているのだから、利用者負担に変えるべきだと思っている。

注)水と安全と自然はただでないという意識改革が必要なのではなかろうか。

 今思えば東電が尾瀬の保全事業に果してきた役割の大きさがよく分かる。メセナとしても立派な事業だ。
しかしその東電は会社存続が危ぶまれるような状況になっているのだから、今度は国民(尾瀬を利用する人)がその費用を負担する以外方法はない。

なお最近尾瀬に行ってきた記事は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/231011-a3d9.html

 

 

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(23.10.14) 大変だ タイの工業団地は水浸し 日本輸出産業の苦悩

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 タイでは7月以降続く大雨でチャオプラヤー川が氾濫し、日本の輸出産業の集積地アユタヤが大洪水になってしまった。
特にロジャナ工業団地の水害の被害が大きく、ここに四輪車工場を持っているホンダはまったく操業が不可能になっている。

 映像で見ると工場の敷地に並んでいた自動車の頭だけが見えて後は水没しており、工場の内部にも水が浸水しているという。
具体的な被害は退避命令が出ていて工場に立ち入ることもできないため不明で、10月4日以降操業が停止されており再開のめどがたたない。

 トヨタも10月10日以降車両工場が操業を停止しているが、これはロジャナ工業団地内にある部品工場が水没したためで、日本からの部品供給を得て車両工場の再開を図る予定だそうだ。

 ニコンはこのロジャナ工業団地に連結子会社のニコンタイランドがあり、デジタル一眼レフの9割、レンズの6割を生産していたが、退避命令が出ているためまったく操業ができなくなっており影響が大きい。

 その他の日本企業もこのロジャナ団地に部品工場を持っていて、部品供給が途絶えており日本等からの部品が来るまでは操業を停止している組立工場が多く、被害は甚大と言わざる得ない。

 思えば日本輸出産業はこのところ悲劇の連続だ。東日本大震災円高のダブルパンチを浴びて日本での操業を大幅に縮小し、タイのような東南アジアに生産拠点を移してみたらここでは大洪水に見舞われる。

 世界は温暖化の影響で気候が荒々しくなっており、日本でも台風が長時間停滞して紀伊半島を中心に過去最大規模の水害や土砂崩れに見舞われたが、タイでは北部と中部を中心に大雨が降り大水害が発生している。
昨今の天候は雨が降り出すと豪雨となり、一方降らないと徹底的な旱魃になってしまう。

 北極海の氷は約4割が溶けてしまい、グリーンランド南極も例外でない。アルプスヒマラヤの氷河は毎年のように後退しており、日本では北海道の夏が私の住んでいる千葉と同じように高温多湿になってしまった。

 考えてみれば気温が上昇して大量の氷が溶け出しているのだから、水蒸気の量も半端でなくなり、これが一気に降って豪雨をもたらしているのだろう。
国連が主体となって温暖化防止のための会議を開催しているが、中国アメリカは聞く耳を持たない。

 世界の4割の二酸化炭素は中国とアメリカが排出しており、今後ますます中国のウェイトが高まりそうだが、旱魃が発生しようが豪雨が降ろうが中国政府はGDPを増やすことしか考えない。
環境なんてどうでもいい、我が国が大国になるために二酸化炭素でも硫黄でも撒き散らせ」といった具合だ。

 今急速に世界から安全な場所が消えている。どこに行っても問題が山済みだ。
日本輸出産業にとって今回の水害は誤算だったろうが、タイが日本のような河川工事をしない限り毎年のように水害に悩まされそうだ。

 私がタイのアユタヤに行ったのは今から20年ほど前だが、川はほぼ自然な形で流れており、堤防工事などほとんどされていなかった。
あちこちに川の流れが変わったために残されたと思われる沼があり、そこで水牛と裸の子供が遊んでいた。
工場団地がなければいくら雨が降っても水牛と水遊びを楽しめばよかったろうが、日本輸出産業の生産拠点の一つがタイであるためそんな牧歌的なことを言っていられない。

注)なおこの水害で260名の死者が出ており人的被害は大きい。

 日本では 八ツ場ダム建設の例で分かるように不要な公共工事ばかりだが、タイなどはこの公共工事が絶対的に不足している。
国内の無駄な工事を止めて世界のインフラ整備に貢献するのがこれからの日本の使命ではないかと、タイの大洪水をみて思わざる得ない。

注)さらに洪水の被害は広がっており、ロジャナ団地以外の団地にも水が押し寄せている。アユタヤに進出した日本企業は約300社だが、当面生産が不可能な状況になりつつある。

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(23.10.13) 激走モンブラン 2011 ウルトラトレイル・デュ・モンブラン

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 2年まえにNHKのワンダー・ワンダーで放送されて始めて知ったウルトラトレイル・デュ・モンブランの2011年夏の競技を再びNHKが放映してくれた。
このトレイルランはモンブラン周辺の山岳地帯を駆け抜けるレースで総延長166km、越えなくてはならない2000m以上の峠が7つ、制限時間は46時間と言う世界で最も厳しくそして最も景色の美しいレースである。

 ウルトラトレイルと言う競技は最近注目を浴びている競技で、一般のマラソンが平坦な道を走るのに対し、山の中を駆け巡り足回りの靴も服装も特別なものを使用する。
日本でも奥多摩で開催されている日本山岳耐久レース73kmおんたけウルトラトレイル100kmと言うようなレースがあるが、いずれも大きな峠を2回程度越えれば済むので、このモンブランのように7回も峠を越すことはない。
モンブランのトレイルは累積標高差9500m以上(富士山を2.5回登るのに等しいと言うのだから気の遠くなるような山岳レースだ。

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(鏑木選手の激走

 この競技には日本のウルトラマラソンのエース、鏑木(かぶらぎ)毅選が毎年エントリーをしている。鏑木選手は常に上位にいるのだが、2009年の大会で3位まで順位を上げてきており、万全の準備をして望んだ昨年2010年の大会はがけ崩れが発生したため31km地点で競技そのものが中止になった。
鏑木選手は中止の知らせを聞いてあまりのショックに泣き出していたが、1年間そのためにすべての人生をかけていたのだから泣くのも当然だ。
したがって2011年の大会は2年ぶりの大会であり42歳になった鏑木選手としたら、最後の優勝チャンスと思われる大会だった。

注)年を取ると身体にトラブルが発生することが多く、鏑木選手は2年前から左足に故障を持っている。

 この大会で過去2連覇しているのはスペインのキリアン・ジョルネ選手23歳)で今回もキリアン選手が優勝候補筆頭だった。
キリアン選手は若さを武器に最初から飛び出していって他を寄せ付けず優勝してきたから、今回もキリアン選手の独走と鏑木選手は予測し、その後を追うことにしていたがこれが思わぬ誤算になった。

注)鏑木選手の走りは最初はゆっくり入って後半追い上げるパターンになっている。

 この大会が世界のトレイルランの最高峰と認められるようになり、それまでは主としてヨーロッパと日本の選手がエントリーしていたが、今回はアメリカやその他の国の強豪選手がすべて集まったような大会になっていた。
ローカルな大会が世界大会に変身していたのだ

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(真ん中がキリアン選手)

 そのため選手層が厚くなってレベルが上がり、キリアン選手を含めた6選手がトップ集団を形成して80km地点頃まで併走していた。
2009年の鏑木選手が3位になったときは、この地点で鏑木選手は4位の位置にあったが、今回は14位とはるかに出遅れていた。
2009年と鏑木選手の通過時間はほとんど変わらないのに順位は大幅に下なのだ。

6選手が併走していると聞いて耳を疑った。ここまでレベルが上がったのか・・・・・
そうつぶやいていたが映像で見ていても鏑木選手の心の動揺が伝わってきた。
鏑木選手は2009年よりも時間を短縮しようとしてあせりだし、そのため事前に頭に描いていた優勝イメージが崩れていった様だ。
途中で格下と思われるドイツ選手と無理なデッドヒートをしていたが明らかにあせりの結果だ。
こうして疲労を重ねついにハンガー・ノックという低血糖状態に陥ってしまった。

注)抜かせる選手は無理に抜くことをせず、相手が落ちてきたところを捕らえるのが鉄則。まだ相手が元気なときに抜かそうとするとデッドヒートになって体力を消耗する。

 99km地点のグラン・ユル・フェルという2537mの最もきつい峠では鏑木選手は完全に身体が動かなくなっていた。
足が踏み込めない・・・・・山を走るための筋肉が失われたみたいだ・・・・腰から下が耐え難いほど痛い・・・・・・・・・・」ハンガー・ノックに陥ると身体が動かなくなる。

この場を逃れるための何か適切な理由はないだろうか・・・・いっそがけ下に転落して怪我をすればレースをやめられるのではないか・・・・」こうした悪魔のささやきが脳裏を離れなかったとレース後述懐していた。

 順位はなかなか上がらず身体も動かなかったがレースを諦めなかったのは「自分は鏑木たれ」と言う言葉だったと言う。
日本のエースで優勝候補の一角にいるものが無様なレースができないという矜持が鏑木選手を支えていたようだ。

注)私もレベルは異なるがトランスエゾ1100kmに出ていたとき、後半になって身体が動かなくなってくると前から来る自動車に飛び込みたい衝動に何回も襲われた。
死んでしまえばこんなきついレースはしないで済む」と思ったものだ。

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キリアン選手のゴール

 鏑木選手の苦闘とは反対に首位のキリアン選手は見ていて快調そのものだった。その後先頭集団は3人になり、しかもスペインの同じクラブに所属して練習しているチームメートと言うから驚かされる。
3人は他の選手より圧倒的に軽装で、あたかも100km走をしているような軽々とした足取りで山岳地帯を走っていた。
しかも他の選手が必ずもっているストックも持たず、坂道の登りは手で足の膝を押すようにしてストックの代わりをしていたが、これは相当訓練された走り方だった。
まさにツール・ド・フランスの自転車競技のようにエースのキリアン選手を優勝させるために他の二人の選手がサポートしているように見えた。

注)山岳レースでは荷物を最小にした方が絶対に有利。寒さ対策の防風衣もキリアン選手は安手のビニールのようなもので間に合わせていたし、下は短パンで荷物はほとんど持っていなかった。

 キリアン選手はスキーの選手でもあるそうだが、下りのスピードは圧倒的であたかもスキーの滑降を見るような思いがした。
下りでは自転車と同じでブレーキをかけなければ重力にしたがって落ちていく。しかし普通の選手はスピードが上がりすぎると恐怖感から足でブレーキをかけるのだが、キリアン選手はカモシカのように駆け下りていた。
ああ、これじゃ他の選手がどんなに努力しても勝てないな」心底そう思わせる走りだった。

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鏑木選手のゴール)

 今回のキリアン選手の優勝タイムは20時間36分43秒で、コースが途中で変更になり170kmになったのに関わらず前回より1時間も短縮されていた。明らかにチームで走った成果だ。
一方鏑木選手は大幅に失速して23時間41分4秒で前回より1時間遅れ7位だった。

 今回のレースを見て、トレイルランが高速レースに変わり、鏑木選手が得意とした後半追い上げ方のレースではとても優勝圏内に入れないことが分かった。
フルマラソンの高速レースと同じで最初からトップ集団についていって、最後に残ったのが優勝者になるあのパターンがこの山岳トレイルランにもはっきりと現れていた。

 鏑木選手がこのようなきついレースでも諦めず7位に入ったのはとても立派なことだと思うが、一方でレースのありようが変わってしまったことも事実だ。
今後日本選手でこうした高速レースに対応できる選手が現れるだろうか。
それとも男子マラソンのようにとてもケニヤ勢にかなわず6位入賞できたら喜ぶような状況になるのだろうか。

注)なお私も当初この2011年のウルトラトレイル・デュ・モンブランに出たいと思ったが、出場資格が厳しく国内のいくつかのレースに出て5ポイントの得点がないと出場をうけつけてもらえなかった。
そのためおんたけウルトラトレイル(ポイント3)に出て、さらに日本山岳レース(ポイント2)にでようとしたが、すでに応募が締め切られていたため、ポイントが足らなくなって出場を諦めた。


なお2009年のモンブランのトレイルランの記事は以下の通り
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/21116-0939.html

 

  

 

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(23.10.12) 欧州金融危機が一段と進んだ  デクシアの倒産

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 ドイツとフランスがギリシャ救済問題で角をつき合わせている間に、とうとうフランス・ベルギー系金融機関デクシアが倒産してしまった。デクシアはつい3ヶ月前に行われたEUのストレステストで問題なしと判定されていたのだから、ストレステストはあてにならない。
デクシアはギリシャやスペインによくある中小の金融機関ではなく、日本のイメージで言えばメガバンクの次ぐらいの規模の金融機関である。

注)総資産は11年6月末時点で5180億ユーロ(約52兆円)。地方自治体向け融資では世界屈指の金融機関。したがってここが倒産するとフランスやベルギーの地方自治体の資金調達に支障が出てくる。

 あわててベルギー政府はベルギー国内の消費者向け金融部門40億ユーロ約4000億円)で買収し、当面個人(消費者)には影響が出ない措置を取った。
しかし問題のギリシャ国債等の不良資産は900億ユーロ約9兆円)残っており、この部分をバッドバンクに切り離し、その不良債権の保証はフランスが37%、ベルギーが60%、ルクセンブルグが3%にすることにした。

 この結果ベルギーは540億ユーロ約5.4兆円)の不良資産を抱えたことになり、さっそく格付会社フィッチは「ベルギーの負担はわずかではない(GDPの15%相)」としてベルギーの格付を1段階引き下げた。

 ギリシャ危機がとうとう現実の問題として目の前に現れてきたわけだ。
フランスとドイツはいままでギリシャ支援について同床異夢だったが、銀行倒産という今そこにある危機を見て「今月末までにはギリシャ支援とユーロ圏銀行への資本増強策について合意する」と発表したので市場は一安心してニューヨーク株式市場は急反発した。

 しかし客観的に見るとこのデクシアの倒産は、ユーロ圏の銀行倒産の序曲に過ぎないだろう。理由はインターバンク市場が凍りついているからだ
一般の人はいくらでもお金のある金融機関が倒産するイメージはわかないだろうが、実際は金融機関は現金をほとんど持っていない。
現金を持っているだけでは何も利益を生まないので、限界ギリギリまで資金を融資や投資に振り向けている。
それでも問題がないのはインターバンク市場と言う無担保無保証の銀行間取引市場があってそこでその日の不足する決済資金を調達できるからだ。

 このインターバンク市場はとても便利な市場なのだが、一旦悪い噂が立つとたちまちのうちに凍り付いてしまう。それは昨日まで海であったところが今日は流氷で覆われてしまう知床の海のようだ。
こうなると金融機関は決済資金を自己調達しなければならなくなり、自分の投資資金(新興国の株式やコモディティ市場の資金)を一斉に引き上げる。
こうなると世界中がパニックになって株式市場もコモディティ市場も大崩になって(実際そうなっている)、通常は値上がりする金価格さえ値下がりしてしまう。

注)ディーラーは一定期間の間に利益を出さないと首になる。株式やコモディティで損失が発生すると大きな利益が出ている金の売却を行うことで損益を整える。このため金価格も下落する。

 デクシアはとうとう決済資金の調達ができなくなって倒産してしまった。しかしこの倒産はこれからの大手金融機関や中小金融機関倒産の序曲に過ぎない。
ギリシャ国債を保有している金融機関はデクシアだけではないからだ。
ギリシャは国債の返済をまったくする気がない
が、イタリアとスペインが同じように返済を諦めたらヨーロッパの金融機関はほとんど全滅する。
そしてその影響は世界中に広がるのは時間の問題だ。

 今世界の目はサルコジ大統領メルケル首相の決意に固唾を飲んで見守っている。
この2国しかユーロを救うことができないからだ。
両首脳は全力をだして欧州危機を乗り切ってくれるだろうか??。
危機を乗り切るとはフランスとドイツの国民の税金を、ギリシャと倒産した金融機関につぎ込むことだが、今回それがうまくいったとしてもいつまでも国民を説得し続けることはできないだろう。

なお、ヨーロッパ経済はカテゴリー「評論、世界経済 ヨーロッパ経済」にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43160490/index.html

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(23.10.11) ちはら台走友会の秋の登山 尾瀬燧ケ岳

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(尾瀬ヶ原から見た燧ケ岳全景

 ちはら台走友会の秋の登山は8日からの連休を利用した尾瀬の燧ケ岳ひうちがたけ2346mだった。
走友会では毎年2回登山を行っており、夏は奥穂高岳であったが、秋はあまり標高が高くなく楽しめる登山を目指している。

 走友会と登山との結びつきは若干奇妙だが、ランナーは意外と登山好きが多い。私もランニングを本格的にする前はもっぱら登山に熱中して、一時は登山家になろうとしたぐらいだ。

 走友会の登山では思いっきり登山好きのOさんが計画を作成してくれる。
実は昨年も尾瀬の至仏山2228m)に登っており、今度は尾瀬ヶ原を挟んで反対側にある燧ケ岳に登ることになった。
実際尾瀬ヶ原から至仏山燧ケ岳をながめるとどちらも登山したくなる山で、至仏山だけ登って燧ケ岳を残してしまうのはなんとも心残りになるものだ。

 私はこの燧ケ岳には30年ほど前に家族登山をしたことがある。当時長女は6歳、長男は4歳で、かみさんと4人でこのこの燧ケ岳に登っていたら「まあ、こんな小さな子が元気に登るのね」と驚かれたものだ。そう言われると子供はより張り切って登っていたが、当時の写真が我が家に飾ってある。
今思うと私にとって最も幸せであった時代の記念写真だ。

注)親にとって子供が小さく親だけを信頼して登山をしていた時代が、幸せを一番感じる時だと今になって思う。

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尾瀬ヶ原のチトウ 遠くの山は至仏山

 今回の走友会の登山は当初9名の予定だったが、直前になって8名になった。Oリーダーの下に詳細な登山計画を立てていたM副リーダーが身内のご不幸のために急遽登山をとり辞めためだが、M副リーダーにとっては残念なことだっただろう。

 走友会の登山のパターンは金曜日の夜に出発して朝方登山口に到着し、その日のうちに登山を行い山小屋に一泊して翌日帰ることが多い。
今回はレンタカーをチャーターして8日の夜中の2時に出発した。登山口の尾瀬御池までは5時間程度かかる。

 今回のルートである福島県側の尾瀬御池からの登山道は尾瀬に入るポピュラーな登山口ではないが、ここからは燧ケ岳に直登するルートがある。
燧ケ岳に山の裏側から登って、尾瀬ヶ原に下りるルートをとり、帰りは尾瀬沼から尾瀬ヶ原を経由して流れる只見川沿いに下り三条の滝を見て尾瀬御池に再び戻るコースを取った。

 首都圏の人は群馬県側の鳩待峠三平峠から入って尾瀬ヶ原に入り尾瀬ヶ原を散策するのが普通だから、このコースはやや特別なコースだが、今回ルートでは三条の滝を見るのが燧ケ岳登山と並ぶハイライトになっていた。

 私は過去3回尾瀬周辺の山に登山をしていたので、今回の登山については「まあ、秋の尾瀬を見るのも悪くないし、写真が撮れるからいいだろう」程度の気持ちで、始めて登山を行った時のような気持ちのはやりはなかった。
しかしそれは間違いだったと気づいたのは三条の滝を見たときだった。

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只見川の流れ

 前日からの雨で只見川の水量は非常に多く、見下ろすと実に堂々とした川だ。
この川は過去に水力発電所建設の計画があって、その場合は尾瀬の湿原は水没する運命になっていたらしい。
しかしこの尾瀬の土地(特別保護区の70%相当)を所有する東電が、ここに水力発電所を作るよりも自然保護区として保全したほうが良いと判断して、積極的に保全活動を行ってきた。

 尾瀬が原周辺の木道を整備して植物が登山客に荒らされないようにしたのは主として東京電力である(県も木造整備を行っている。誰が整備したかは木材にマークがあるので分か)。
尾瀬の国立公園の指定平成19年だから、それまでは東京電力が主体的に自費でこの尾瀬ヶ原周辺を守ってきたのだから実に立派な行為だ。
東電は福島第一原発の事故により現在は針の莚の上にいるが、尾瀬ヶ原の自然保護運動について東電が果した役割は十分に評価できる。

注)正確に言うと尾瀬のダム建設に反対して尾瀬に仮小屋を建てて反対したのは平野長蔵氏である(現在も長蔵小屋が残っている)。東電はこうした動きに触発されて、ここにダムを作るのではなく自然保護のメッカにすることを決断した。

 おかげで今回水量豊かな三条の滝を堪能するまで見ることができた。三条の滝に行くには只見川沿いに沿って下るのだが、結構タフな道だ。
それでもこの滝を見るとそれまでの苦労を忘れてしまうぐらいだから、その景観は絶景と言える。

 尾瀬ヶ原もなかなかの景観だが、この只見川沿いの水の美しさは特別だ。
私自身、何回もこの尾瀬に入りながらこの只見川と三条の滝を見ていなかったことを恥じた。
天候は二日間とも快晴で、尾瀬の朝方は相当の厚着をしないと寒さが身にしみた。
こうして今回はこのルート選択をしてくれたM副リーダーに心から感謝をしながらの登山になった。

三条の滝の映像は動画で見るほうが迫力があるので、以下のURLをクリックしてください。
https://picasaweb.google.com/yamazakijirou0/231010?authkey=Gv1sRgCK27-uv_1O6-Tw#5661709882047950626

 

 

 

 

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(23.10.10) 小沢元民主党代表の陸山会事件は推定無罪 

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 6日から始まった陸山会事件の判決は来年4月に言い渡されるが、私は小沢元代表は無罪になると思っている。
陸山会事件とは「元代表が土地購入代金として陸山会に提供した4億円を、04年収支報告書に貸付金として記載しなかった」ことを理由に政治資金規正法違反(虚偽記載)を問われている事件で、この虚偽記載を小沢元代表と秘書3名が共謀して行ったと言うものである。

 この事件について東京地検特捜部石川知裕被告を含む秘書3名については起訴したが、小沢元代表については共同謀議を認めるに足る証拠がなかったとして不起訴にしていた。
これに対し東京第5検察審査会(検察が不起訴にした内容が妥当かどうかを審査する審査会)が不起訴は不当として「起訴すべき」と2度決議したため強制起訴されたもので検察官は指定された弁護士が勤めている。

 私が小沢元代表の有罪を問えないと思っているのは、証拠がまったくと言っていいほどないからである。あるのは東京地検特捜部が作成した石川知裕被告ら3名の供述調書であるが、地検特捜部の供述調書は前の大阪地検特捜部の厚生労働省村木厚子さんの事件でも分かるように、しばしば検察に都合のいいようにでっち上げられている。

 唯一の物証と言われるものは金融機関から4億円を借り入れたさい、小沢元代表記名捺印した借用証書で「記名捺印していたのだから小沢元代表は隠蔽工作に加担していた」という推定だけである。

注)05年の収支報告書では金融機関から4億円を借り入れ、それを土地購入代金に充当したことになっていた。この際担保として小沢元代表の4億円を金融機関に提供したと言うのが小沢氏側の主張になっている。

 常識的に考えれば、04年にすでに土地を購入していたのだから(登記は05年になっている)、その資金は小沢元代表の4億円の資金を使用したので、これは小沢代表からの借入金に相当し、4年の収支報告書に記載しなければならない
それを金融機関からの借入金(05年に借り入れが実行された)に偽装するため、取引を05年に行ったこととして収支報告書に記載したのだろう。
そしてそのことは小沢代表は知悉していたと私は思っている。

 検察審査会もそのように判断して強制起訴をしたのだが、共同謀議を証明していると言う唯一の物的証拠、借用証書の記名捺印は残念ながら物証にはならない

 金融機関に勤めていた人間は常識的に知っているが、借用証書に記載される記名や捺印は事前に届けられた記名印と届出印を使用するので、反対に言えば記名印届出印を持っていれば誰でも借用証書に記名捺印できる。
こうした作業は第一秘書がすることが多く、小沢元代表の了承がなくてもできる。

 小沢元代表にすれば自分がサインした訳でないので、「秘書に任せてあった」と言う抗弁が可能で、実際そのように主張している。
東京地検特捜部はこの小沢元代表の主張を受け入れ、不起訴処分にした。

 この裁判における唯一の証拠は供述調書で、しかしこれは検察に都合よくでっち上げられた公算が高い。
私は小沢元代表からの4億円が表に出せない金と気付いて(水谷建設からの闇献金ではないかと言われている)、秘書が隠蔽工作として金融機関からの借入を装い、それを小沢元代表も知っていたと確信しているが、だからと言って小沢元代表を有罪にすることはできないと思っている。

 日本では唯一の証拠が供述調書で、しかもその供述調書が検事による誘導が疑われた可能性がある場合は証拠として採用できないからだ(石川知裕被告は誘導が行われたと主張している
だから証拠はまったくないに等しい

 これで小沢元代表を有罪にするなんて、法治国家としてはありえない

 先に行われた石川知裕被告ら秘書3名の政治資金規正法違反については地裁で有罪判決が出ているが、これについても上級審では無罪になると私は思っている。
秘書の裁判では、地裁は4億円を隠すためにマネーロンダリングのために金融機関からの借入を装った」と裁判官が認定したが、この場合も4億円の出所は明らかになっていなかった。

 4億円が隠す金であると証明できなければ、隠蔽工作の必要性を立証できないのだから、裁判官がそこを推定で補ったことは判決の弱点になっている。
上級審ではこの弱点を小沢氏側は徹底的につくだろうから、ここも証拠不十分で無罪になる可能性が高い。

 日本では確実な物証がなく、唯一の証拠が検事の作成した供述調書で有る場合は、でっち上げの可能性が排除できず無罪になるのが普通だ。

なお陸山会事件の経緯等について過去に記載しの記事については以下参照してください。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat37956764/index.html

 

 

 

 

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(23.10.9) 東電の賠償金額算定と総括原価方式のトリック

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 3日、政府の東電調査委員会の報告書が野田総理に対して提出された。
これによると向こう2年間で必要な賠償額は4.5兆円で3年以降についても相当規模の賠償額が想定されるが、今回は計算対象からはずされていた。

 報告書では東電に対し厳しいコスト削減要請がだされ、東電が当初予定していた10年間で1.2兆円の経費削減策に対し2.5兆円の削減を求めている。
人員削減の更なる増加(グループ全体で14%削減)や企業年金の引下げ(運用利回りを2.0%から1.5%に引き下げる)等で東電試算の2倍の経費削減が可能で、また資産売却を積極的に進めること(3年間で7000億円規模)等が主要な内容になっていた。

 収支については試算によれば原発が再稼動したとしても年10%程度の電力料金の値上げをしないと、東電は12年度2931億円の債務超過に陥ってしまうという。

注)原発の再稼動がなく、電力料金の値上げがなければ債務超過に陥り、東電は倒産すると言う意味。

 だが、今回の調査委員会の報告書でも触れているように、現行の東電の電気料金の算定方法はコストはかかっただけ利用者に押し付けるというもので(コスト+利潤方式と言って独占企業特有の価格設定方法)、どう転んでも赤字にはならない仕組みになっている。

注)したがって現行方式を踏襲すれば必ず料金の値上げが発生する。

 この料金算出方式は「総括原価方式」と言うのだがこれは東電にとっては夢のようなシステムなのだ。
なにしろ、広告宣伝費も政治家に対する寄付金も業界の拠出金も出向者の人件費もすべてコストに計算される

ジャンジャンオール電化生活を宣伝して、政治家のパーティー券を購入し、出向者(東電の社員でないようにカモフラージュされた職員)の人件費も出してやれ。コストはすべて利用者におしつければいい
調査委員会もあきれて過去10年間で約5000億円の過大なコストの見積もりがあったと報告したが、実態はさらに金額が大きいはずだ。
東電は地域独占体で価格を意のままに決定できるからこうした組織はどうしてもコスト意識が薄くなる。

 私はかつて金融機関に勤めていたのだが金融機関も護送船団方式で大蔵省に守られ競争が制限されていた預金利率や貸出し利率を大蔵省が決定しており、経営規模の弱い金融機関が赤字にならない水準に決められていた)。
そのため強い金融機関はいくらでも収益が上がったため、職員の給与が飛び切り高く、厚生施設にも恵まれていたのを思い出す。

注)長銀と日債銀に政府資金が導入された20世紀の末頃から金融機関の給与は急速に低下した。

 今回原発停止処理に伴うコスト増についても、当初「コストを全額値上げで解消することになる」と経済産業省が言っていたがこれは役人の論理(東電をつぶすと天下りができなくなる)で、さすがに枝野経済産業相は「東電は利益が確実に確保される企業体だから、公務員や独立行政法人と同程度の給与であっておかしくない」と電気料金アップの前に人件費の圧縮を求めた。

 報告書は出たが、東電問題としては以下の課題が残されており道半ばだ。
① 原発をいつ再開するのかまたはしないのか、② 電気料金を値上げするのか、③ 3年以降の賠償金額はいくらになるのか、④ 金融機関も相応に貸出金の債権放棄に応じるのか、⑤ 株主責任はどうするのか、等の不確定要素が山積みしている。

 今後の日程は東電が今回の調査委員会の報告を受けて特別事業計画を策定し、枝野経済産業相の認定を得ることになっている。
この認定が得られれば、支援機構からの融資が得られるのだが、問題が複雑になれば支援機構は融資ではなく資本注入をして国家企業として再建を図ろうとするだろう。

 私の予想はあまりに不確定要素が多すぎて、いくら支援したらいいのか金額が確定できないので一時国有化して再建を図らざる得なくなるのではないかと思っている。
この場合は債権者金融機関や社債保有者、株主)も当然相応の負担を強いられ、最終的には電気料金の値上げにより解決が図られるのだろう。

なお東電の経営問題の過去に記載した記事は以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43519325/index.html

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(23.10.8) 北極海は誰のものか ロシア・プーチン首相の野望

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 4日ワールド・ウェーブ・トゥナイトの特集は北極海をめぐる資源の争奪戦を扱っていた。この争奪戦で最も優位に立っているのがロシアだと言う。
元々は北極海は厚い氷に閉ざされた人を寄せ付けなかった海だったが、ここ30年間の間に北極の氷が4割も溶けてしまい、航行も資源開発もできる海に変わっているのだと言う。

 氷の上でアザラシ狩りをする白熊にとっては死活問題だが、一方北極圏の周辺諸国にとっては願ってもない新たな資源確保が可能な海に変わってしまった。
この北極海に面した国はロシア、ノルウェー、カナダ、デンマーク、そしてアメリカである。
こうした国は自国の領土から200海里までは排他的経済水域として自由に資源開発ができるが、今までは氷に閉ざされていてほとんど開発の手が及ばなかった。

  しかし海が溶ければ話が違う
さっそくこの資源開発に乗り出したのはロシアだが、この海には世界の残された石油と天然ガスの30%眠っていると推定されている。
ロシアは石油と天然ガスで持っている国で、GDPの7割を稼いでいる資源大国だ。この資源大国としての地位を維持するためにも北極海の資源は是非とも必要だ。

 しかしロシアの石油開発技術はアメリカやヨーロッパのそれに比較するとかなり遅れており、シベリアはともかくとても北極海に進出することなどできなかった。
ところがここにきてアメリカやヨーロッパの技術を導入して一気に北極海に進出ができるようになったという。

シベリアの大地の石油は今に枯渇する。次は北極海の石油とガス
今年の8月、石油プラットフォームを北極海に建設した。北海などではおなじみのプラットフォームだが、氷の海の北極海に建設したのはこれが初めてだ。
これで冬のブリザードの中でも石油掘削作業が可能になるのだそうだ。

 この石油プラットフォーム以外にも、北極海上空に気象衛星を打ち上げ天候の変化を刻々と把握しており、また自慢の原子力砕氷船で北極の海を自由に航行できる体制を築き上げている。
プーチン首相は自信満々で「これでロシア国民に富と仕事を約束できる」と演説していた。

 こうしてロシアを始め沿岸諸国が200海里以内の天然資源の開発に着手したが、今問題になっているのは200海里より外の海はどこの国の領有になるかと言うことだ。
国連の大陸棚条約では200海里を越えても大陸棚と一続きであれば国連の承認の元に自国領土に編入できる

 ロシアはこの条約を楯に現在どこの国にも属さない北極圏中心部の海まで自国領にしようと、海底にロシア国旗を打ち立てている。
これには周辺諸国から大ブーイングが起こっており、ロシアの思惑通り行くかどうかは分からないが、ロシアの本音は「北極海の残された海はすべてロシア領だ」と言うことのようだ。

 ロシアからは利害関係のない日本に対し、日本の得意とするシームレス鋼管LNG生産プラントの技術の移転を持ちかけ共同開発の誘いがある。政経分離のもとに日本企業のロシアへの進出が期待されているのだそうだ(他の沿岸諸国に比べ日本とはギブアンドテイクの関係にあるとロシアは見ている)。

 200海里を越えた海の領有については国連の大陸棚条約以外世界的な規約がなく、それも交渉次第と言うことで、ロシアプーチン首相の野望と日本企業のビジネスがうまく結びつくかどうかはかなり未知数のようだ。

 私などはいまさら石油や天然ガスの時代ではなかろうと思うのだが、日本の関係団体や企業はかなり乗り気のようだ。

なお今までのロシア経済に関する記事はカテゴリー「評論 世界経済 ロシア経済」に入っております。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44368795/index.html

 

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(23.10.7) ためしてガッテン 糖尿病が完治する すい臓を復活させる薬、新しい治療法の発見

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 今回のためしてガッテンは大ヒットだ。信じられないような治療法が開発され、不治の病と言われた糖尿病が完治するという
これには出場者全員が驚いていた。

 糖尿病はすい臓にあるβ(ベータ)細胞が弱ってインスリンを出さなくなる病気だが、暴飲暴食をしながら一方で運動をしない人がなる生活習慣病である。
暴飲暴食をしてあまりに血液の中に糖分が増えると、β細胞が糖の分解につかれてしまい、反対に糖からの攻撃でβ細胞が死に絶えると言われていた。
糖分とβ細胞は常に敵対関係にあり、弱いほうが負けるというゲームをしている。

 β細胞がなくなればインスリンを外部から注入するより手がなく、このインスリン注射は一生涯続くと言うのが常識になっている。
しかしこの常識が違うのだと言う。

 通常糖尿病にかかると、初期の段階では食事と運動療法がすすめられ、それでも血糖値が高い場合はSU薬と言う薬で血糖値を抑える措置を取る。
しかしこのSU薬を飲んでも血糖値が上がるようになると、最後の手段としてインスリン注射を一生涯行うと言うのが今までの治療法だった。

 しかしこの治療法は順序が間違っているのだと言う。
順天堂大学の河盛教授のグループでは30年前から、初期の段階でインスリン注射を一日4回行うことですい臓の機能を数週間で回復させ、糖尿病を完全に治癒することができたと言う。
どうして???????」出演者が驚いていた。

 この復活のメカニズムは「β細胞がまだ死に絶える前にインスリン注射をして、β細胞を十分休養させて復活させる」のがミソで、末期になりβ細胞がほぼ死に絶えた段階でインスリン注射を行ってもβ細胞は復活しない。
今までの治療法は最終段階でインスリン注射を行っていたため、一生涯続けなければならなかったが、初期の段階でインスリン注射を行うと疲れていたβ細胞が復活し元の健康な身体に戻る

 私自身は糖尿病ではないので、インスリン注射をしたことがないが、この注射はとても痛くしかも何回もしなくてはならないため患者が「インスリン注射だけは嫌だ」と嫌がる傾向があるのだそうだ。
そのため最後の手段としてインスリン注射を行うのがどこの病院でも一般的な治療法になっている。

 しかしこの痛い注射にも革命的な変化が起こっていた。
日本の町工場の職人の腕は世界最高だが、町工場の岡野さんと言う方がまったく痛くない針を開発してしまった。
針の細さは0.5mmで、これだとどこに刺しても痛みはないのだという。
実際にこの注射を行っている患者が番組に出ていたが「まったく痛みを感じない」と言っていた。

注)私も歯医者で麻酔薬の注射をする時に従来に比べて痛みがないのに驚いたが、針が細くなっていたためだろう。

 この療法は糖尿病暦が10年程度の人にも効果があるが、特に1~2年程度の初期の人は、β細胞が気絶しているだけの状態のため瞬く間に回復すると言う。
すごいじゃないか、日本の糖尿病患者は700万人(境界型を含めると2000万人)と言われているが、これは福音のような治療法だ。ついに糖尿病もかつての国民病の結核のように克服される日が来たのか」と感慨深かった。

 今回のためしてガッテンは大ヒットだ。インスリン注射をする時期を初期段階に行うことだけで糖尿病が完治するなら、医療の大革命だ。
国民医療費も大幅に削減できるし、糖尿病患者が激減して元気な老人が増えることは日本にとってもすばらしい。

 今回司会の立川志の輔師匠がはしゃいでいたがそれだけの理由はある
それにしてもレギュラー出演者のまみちゃんの感の鋭さにはいつも驚かされる。
立川志の輔師匠この薬は何かと言う質問に他の出演者が「ビタミン剤」と答えたが、まみちゃんは治療薬がインスリンであることを当てていた。
いつものことだがこの女性の感性が抜きん出ていることに驚嘆される。

なお過去のためしてガッテンはカテゴリー「ためしてガッテン」に入っています。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/nhk/index.html

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(23.10.6) アメリカの分裂 左翼と右翼の闘い ウォール街を占拠せよ

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 ついにアメリカで左翼と右翼の闘いが始まった。左翼はウォール街の占拠を叫ぶ若者達で、右翼は茶会運動を指導している保守的なキリスト教徒の集団だ。
オバマ政権が発足してからはもっぱら右翼の茶会運動がオバマ政権が公約した国民皆保険制度導入に反対して運動をしていたが、ここにきて沈黙していた左翼が主張を始めた。

 発端はカナダの非営利雑誌アドバスターズの編集長カレ・ラーマンがブログで「10月17日、ウォール街を占拠しよう」と呼びかけたことに始まる。
この17日に集まった人々は約1000人だったが、フェイスブックツイッターでの呼びかけが効をそうして段々と広がりをみせ、10月1日にはブルックリン橋5000人あまりの若者が集まり橋を占拠したため、道路交通法違反で約700名が逮捕された。

 この状況が再びフェイスブックツイッターで全米を含む全世界に流されたため、抗議運動は拡大の一途をたどり、今後全米100箇所あまりで抗議集会が開催されそうだと言う。
今まで沈黙していた左翼が立ち上がったのだ。これをメディアは「アラブの春」をもじって「アメリカの秋」と呼んでいる。

 アメリカの経済情勢は非常に厳しい。特に失業率は9%台をキープし続け、20歳から24歳の若者に限れば14.8%になると言う。
若者は大学を卒業しても就職にあぶれ、膨らんだ奨学金を返済すらできない。
俺達はなぜこんなに貧乏なのだ。なぜ国民の1%しかいない富裕層が富の20%を収奪し、4600万人もの貧困層が放置されているのだ

 左翼はオバマ政権樹立の支持母体だったが、ここにきて声を大に上げ始めたのは、オバマ政権の経済政策が失敗しているからだ。
期待に反して景気は上向かず、失業率は高止まりし、消費は一向に改善しない。

 かつて不動産投資でわが世の春を謳歌していた中間層はリーマン・ショックで奈落のそこに突き落とされ多くが貧困階級に仲間入りをしている。不動産は持てば持つほど含み損が膨らんでいくのはバブル崩壊後の日本となんら変わりがない。
さらにヨーロッパ発の激震で株式投資信託も低下の一途をたどりつつある。
職もなく資産も失った中間層に未来がない。

 そして大学や大学院を卒業したての学生は労働市場から締め出され、一方でウォール街の経営者やディーラーは今でもわが世の春だ。
ウォール街サブプライムローンで手痛い痛手を負ったが、政府の低金利政策で息を吹き返した。
なにしろほぼ0%の資金を湯水のごとく垂れ流してくれたのだから、これで儲けられなかったら金融業を辞めたほうがいい。

 アメリカ国債を購入しても2%程度の鞘が抜けるし、最近までは新興国の株式や不動産に投資していれば10%~20%の利益が上がっていた。
公的資金を政府に返済した後は金融機関はまた役員報酬や給与の大盤ぶるまいをはじめ、リーマン・ショック以前の状態に戻っている

何で税金を投入して救ってやった金融機関の経営者が利益をむさぼっており、一方俺達は失業者か!!!」左翼の怒りが爆発している。
金融業に公的資金を投入する道筋を作ったのはブッシュ前政権だから、オバマ大統領を非難するのは筋違いだが、オバマ氏が公約した製造業の復活は果されていない。

注)GMとクライスラーを救って職場を確保したのが唯一の成果だ。

 アメリカにはアップルや、マイクロソフトインテルといったIT産業はあるが、部品は中国や韓国や台湾から調達し今では組み立ても海外で行っているからアメリカ国民の仕事とは結びつかない。
アメリカの若者の不満は爆発しそうだ。
茶会運動で保守化したアメリカが再び左翼の時代になってきた。
オバマ政権はこの左翼の異議申し立てを精神的に支持しており、できれば来年秋の大統領選挙の再選の運動に結び付けたいと願っている。

 しかしそのためには失業率の改善が必須事項だ。オバマ政権は後一年をかけて外国(特に中国)に奪われた職場の奪回を図ろうとするだろう。
手始めは中国元の自由化で、かつての日米間の貿易摩擦が米中間で始まろうとしている。

注)アメリカ経済についてはカテゴリー「評論 世界経済 アメリカ経済」にまとめてあります。http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat43809971/index.html

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(23.10.5) 世界経済は奈落に落ちそうだ  ギリシャ支援の頓挫

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 世界経済に大激震が走っている。
どうやらギリシャ支援の枠組みが失敗しそうになってきているからだ。
この7月第二次支援枠として総額で1090億ユーロ約11兆円)の支援を決定したが、その前提になっていたギリシャの財務状況の改善がまったく進まない

 ギリシャ政府は2日、財政赤字が約束のGDP対比7.5%にするのは不可能で8.5%になると発表した。
ギリシャの真意は「ギリシャがデフォルトになるのがいやならさっさと支援をしろ」ということだ。
今月末までに第一次支援枠1100億ユーロ第6次分80億ユーロ(約8000億の融資がなされる計画だが、この80億ユーロの融資がなければ、ギリシャは確実にデフォルトになる。

注)第1次の6回目となる80億ユーロについてはEUとIMFがギリシャの財務改善状況を精査して融資するか否かを決定することになっているが、ギリシャが居直っているため結論がなかなか出せないでいる。

 この状況にユーロ圏の各国はルクセンブルグに集まり、ユーロ圏財務相会議を開催した。私は当初「ギリシャがあぶないから早く2次支援策を各国で承認しろ」(17カ国の議会での承認がないと発効できない)と言う督促会議かと思ったがそうでなかった。
反対に「ギリシャ国債の保有者にさらなる損失の拡大を迫る」と言う修正案の協議だったから、市場は腰を抜かさんばかりに驚いた。
この財務相会議でドイツが「国債保有者のロスカットは21%以上にすべきだ」と表明したらしい

注)7月の第2次枠組みでは国債の保有者に期間の延長を求め、ロスカットは21%となっていた。ところが今回の会議では21%ではたらず、さらなるロスカットを求めるものに変わっていた。

そのような変更は到底受け入れられず、市場の信頼は得られない」ドイツ銀行のCEOが驚いてさっそく声明を発表したが、ドイツやフランスの銀行にとっては死活問題になった。
ドイツの修正案は1090億ユーロの第二次支援策に各国の国民が反対しているため、ギリシャ支援を金融機関に押し付けようとしたものだ。

注)ギリシャ国債の残高は約3720億ドル(約28兆円)、うち80%(約22兆円)がギリシャ以外の金融機関が保有。

 市場には激震が走りヨーロッパ市場はフランクフルトもパリもロンドンも大幅な株安に見舞われた。もちろん株価が大幅に下がったのはドイツ銀行UBSやその他ギリシャ国債を大量に保有している金融機関の株式だ。
そればかりではなく、ユーロが円やドルに対して売られ、ユーロはついに100円になってしまった。この価格は2001年6月以来だから10年ぶりの安値だ。
このユーロの激震はヨーロッパだけにとどまらずニューヨークでも株安が進み、一万ドルの大台割れが近づいてきた。
新興国の株式も総崩れで、特にEUとの貿易取引の大きい中国の株式も暴落だ。

 世界中がEUの動きに一喜一憂しているが、ますます状況は悪化している。市場はイラついて株式市場もコモディティ市場も総崩れで、今資金はもっぱらアメリカ国債日本国債に向かっている。
これはもう駄目だ、リーマンショックの二の舞だ」悲観論が大勢を占めている。

 実はギリシャの財務改善ができないのは構造的なもので、いくら各国がギリシャ政府の尻をたたいても無駄だ。このことはブログに記載してきた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/23925-2186.html
EUやユーロ圏諸国はこのまま果てしないギリシャ支援を行うか、どこかで諦めてギリシャをデフォルトさせるより仕方ないところまで追い込まれた。

 しかしデフォルトとなるとギリシャ国債の保有金融機関がばたばたと倒産してしまう。
フランス、ドイツ、スイスの金融機関が特に危ない。
金融機関の倒産を防ぐにはふたたび国家資金を注入するしかないが、それがいやならギリシャ支援を続けるよりほかに手はない。
ギリシャをデフォルトにするのと、金融機関を助けるのとどっちが安くあがるんだ」当局者は頭を抱えている。

 ギリシャの根は深い。ギリシャが倒れれば次はイタリアスペインだ。ここに火がつけばヨーロッパはもう持たない。
世界経済は完全にリーマン・ショックの二の舞になるが、今度はそれを助ける白馬の騎士(金融と財政を緩和してくれる国)は現れそうもない。

注)おそらく今回も80億ユーロの融資を実施して当面の資金繰りをつけるだろうが、ギリシャ問題はどんどん悪化していき、最終的には秩序あるデフォルト(金融機関等との事前の話し合いがされるデフォルト)になるだろう。
その時のギリシャ国債のロスカットは50%程度になるとみたほうがいい。


なおギリシャ経済については以下にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44468201/index.html

 

 

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(23.10.4) 韓国の自殺率の高さと大学改革

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 韓国を見ていると日本と非常によく似ている国柄ではあるが、何か日本よりも極端な形であらゆる現象が出ている
たとえば自殺率の高さだが、韓国は世界屈指の自殺王国で特に若者の自殺が多い。日本も自殺率では世界の上位に名を連ねている常連だが韓国に比べればまだマイルドと言える。

注)人口10万人当たりの自殺率 韓国31.0、日本24.9

 なぜこれほど韓国の自殺率が高いかと言うと、若者を取り巻く受験競争が極端に厳しく、これに失敗すると人生の落伍者になるからだと言う。
韓国にはソウル大学、延世大学、高麗大学と言った超エリート大学があり、ここの卒業生になってサムスン現代のような一流企業に就職することが人生の勝利者とみなされる。

 日本でも東大京大を出て官庁や一流企業に入社することが勝ち組の条件ではあるが、だからと言ってこの大学を出なければ出世がおぼつかない訳ではない。
私が勤めていた銀行では役員は実に色とりどりの大学出身者からなっていた。
企業などは単に勉学ができると言うだけで出世できるわけでなく、今でも大学の肩書きが必要なのは上級国家公務員ぐらいだ。

 私は韓国が超学歴社会なのは、儒教の影響が強くヤンバン高麗、李氏朝鮮王朝時代の官僚機構・支配機構を担った身分階級)の伝統が残っているからではないかと思っている。
ヤンバンとは科挙の試験に合格した士大夫階級の総称だが、このヤンバンでなければ国家の中枢(現代で言えば上級国家公務員と大企業の職員)にのぼることができなかった。

 韓国がどの程度の学歴社会と言うと高卒の8割が大学に進学することでも分かる(日本では約6割)。しかし大学をでても地方大学出身者などは就職活動にあぶれることが多く、意に沿わない中小企業に就職しては鬱々とした人生を過ごしている。

俺は人生の落伍者だ。大企業に就職できないなら生きていても仕方がない」と本人は思うし、一方親は「所得の3分の1を教育費にあてて小学校から塾通いさせてきたのに、お前はしがない地方大学生にしかなれなかった」なんて言うので、これでは自殺をしないほうがおかしい。

 なにしろ韓国では「一番でなければ意味がないという信仰」があり、大学も一流、企業も一流でない男性は女性が結婚相手にしてくれない。
最もそんな一流男性は多くないから日本と同様結婚できない男女が増えて適齢期はどんどん伸び、出生率は1.22(10年)と世界最悪になってしまった(日本は1.39)。
まだ人口は増加しているが、日本と同様人口減になるのは時間の問題だ。

注)韓国の出生率の落ち込みは日本に遅れること約30年だが、最近の低下は日本以上http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1550.html

 こうした状況に韓国政府が動き出した。二流の大学生を作るよりも高卒で真面目に働く人材を多く作ったほうが良いと考え出したのだ。日本では当たり前の考え方だが、韓国では画期的だ。なにしろ韓国は一流以外はすべてカスと思っている国だからだ。

 3日の毎日新聞の記事に韓国政府が行っている「韓国大学 荒療治」と言う記事が載っていた。
韓国には346の大学と短大(日本は1231)があるそうだが、淘汰対象の大学を政府が選んでしまった
就職率や定員割れや学費を値上げしたか(政府の補助金を当てにしていないか)等10項目で採点して、下位43校不実大学と認定し業務改善命令の対象にし、さらにその中でワースト17統廃合か認可の取り消しを行うというのだ。

 最もこれでは二流大学出身者は浮かばれない。当初は一流大学に入学するために日夜努力をしてきたのに運悪く入学試験に失敗し、涙を飲んで二流校の門をくぐっただけだ。
政府は俺達に死ねと言うのか、自殺をするぞワースト17に認定された大学生が抗議のストを行っていた。

 しかし政府は一歩も後に引く気配がない。
こんなおちこぼれ大学ばかりでは、世界経済の中での韓国の位置が低下する
韓国は学生だけでなく政府も一番信仰の国だから、大学も世界の中で一番良質にならなければならないと思っている。

 それに出生率最悪の国だから、当然子供の数は少なく、しかも毎年のように少なくなっていくのだから大学を淘汰しない限り政府の補助金が膨らむばかりだ。
15年には大学入学定員が高校卒業者を上回り、20年には12万人の定員われが想定されている。
日本だったら定員割れの大学は自然淘汰されていくのだが、せっかちの韓国政府は荒療治に乗り出して、政府の手で大学の淘汰を図ろうとしている。

 韓国と日本はとてもよく似た国だが大きな相違は韓国では一番信仰」が強烈で、大学も職場も一番でなくてはならず、さらに皮肉なことに自殺率低出生率も一番の国と言うことだ。
私には韓国と言う国は日本を極端化した国に見えて仕方がない。

なお韓国経済に関する記事はカテゴリー「評論 世界経済 韓国経済」にまとめてあります。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44234699/index.html

 

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(23.10.3) 補聴器革命が始まった Victorのボイスレシーバー

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 私の日頃の不満はまともな補聴器が入手できないことだった。耳の正常な人にとっては補聴器など考えたこともないだろうが、この補聴器ほど現代文明の恩恵の外にある機器はない。
なにしろコストパフォーマンスが極端に悪い

 補聴器にはいろいろな形があるが、耳の中にすっぽりはまって外からは見えづらいカナル型と言うのが人気の製品だ。
ほとんどがデジタル化されていて大きな音を抑えて耳に優しいと言うのがうたい文句だが、このうたい文句どおりの製品にお目にかかったことがない。

 通常こうした製品は片耳だけで20万円前後し、両方だと40万円する。補聴器専門店に行くと片耳だけでは音を拾うことが難しいので必ず両方の耳にかけることを勧められるが、なんとも煩わしい上にまともに音が聞こえたことがないので腹立たしい。

 近眼や老眼の眼鏡などはかけると急に鮮明に見えるようになり、こんなことなら早くから眼鏡をかければよかったと思うほどだが、補聴器はその対極にある機器だ。
耳は目よりも調整が難しいのは、難聴と言っても大きく分けて伝音性難聴感音性難聴があり、前者はただ音を大きくすれば音が聞こえるが、後者は音の判別ができなくなっているのでただ音を大きくしても雑音となんら変わりがないからだ。

 通常難聴は伝音性難聴から始まり徐々に感音性難聴に移って行くそして感音性難聴になると、単に音を大きくするだけでなく聞こえない音を増幅しなければならない。
通常は高い音低い音が聞こえなくなるのだが、さらに進むと子音が聞きづらくなってくる。
そうなると「OHAYOU」と言う言葉が「OAOU」となるので何を言っているのか分からないのだ。

 私の難聴は感音性難聴で、最近は子音がとても聞きづらくなっている。補聴器を装てんしてもこの子音を増幅する機能は低いから相手の言っている言葉が理解できず、最近は適当に相槌を打つことが多くなった。
そのためしばしば「山崎さんにそのことはもう言いましたよ」なんていわれることが多く、「ああ、そうだったね」なんて答えているものの、相手からは「とうとう山崎さんはもうろくしたのだ」と思われている。しかし、実際は最初から聞こえていないのだ。

くそ、なんとか機能のいい補聴器が現れないものか、このデジタル技術万能の時代になぜ補聴器だけはまともなものがないのだ、企業は努力がたりん」このところ不満が鬱積していた。
ところがこうした状況を見て、とうとう音響メーカーのVictorが集音器の「ボイスレシーバー」を開発してくれた。
これは医療器具の補聴器でないがなんとも優れものなのだ。

 通常補聴器をかけると金属音がやたらと甲高く聞こえるのだがそれを抑えてくれるし、集音機能が革命的といえるほど優れている。
なぜ集音機能が良いかと言うとこのレシーバーではマイクが本体にあるのではなくイヤホンと本体とつなぐコードの途中にあるからだ
従来のボイスレシーバーはマイクが本体の内部にあったため、本体をポケットに入れようものなら服のこすれる音をマイクが拾ってしまい、聞きたい言葉がまともに聞こえなかった。

 それを避けるためコードの途中にマイクをつけており調度耳の下辺りで集音してくれるので実に自然な感じで音が聞こえる
先日からこれをつけて四季の道を歩いているが、見た目は補聴器ではなく音楽のイヤホンのようなので外見上もまったく違和感がない。
いいじゃないか、ようやく念願の補聴器が見つかった」嬉しくなっている。

 さらに、価格が3万円程度と実に手ごろな値段で、一方で40万円の補聴器と機能ではそん色ないし、第一補聴器と見られることもない。
音楽を聴いているのだろう位に見られている。

 Vivtorのこの集音器は難聴者にとって革命的な製品だ。
うれしいことに電池は充電が効いて何回も使用でき、補聴器の電池のように直ぐに電池切れになって買い換えることもない。これも普通の人は知らないが補聴器の電池はやたらと高い

 日本のように老齢者が世界で最も多い国なのにまともな補聴器がなく、ただコストパフォーマンスが圧倒的に悪いカナル型の補聴器を販売しつづけてきた補聴器メーカーの淘汰が始まりそうだ。
よくやった、Victor、実に立派な企業家精神を持った企業だ。これで暴利をむさぼっていた補聴器業界は悲鳴をあげるだろう!!」いくら褒めても褒めたらないぐらいだ。

なお私の難聴の苦悩史はいかにまとめてあります。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/cat39159143/index.html

 

 

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(23.10.2) 歩く会 外房勝浦・鵜原散策

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 定例の歩く会の散策は、今回は外房の勝浦・鵜原(うばらであった。歩く会のメンバーは5名で、いづれも歩くことにかけては人後に落ちない。
会のまとめ役の菩薩姉さんは「軟弱者は絶対会には入れない」と豪語しており、その言葉通り四季の道の名物おじさんである散歩おじさんや、鎌取駅の北側に住んでいるケヤキ姉さんは散歩が人生と言うような人だ。

 また最近入ったパイロットおじさんは、飛行機に乗るのが飽きて散歩に人生を見出そうとしている人だし、私は北海道を夏に920km走ったのでかろうじて末席に連なることができた。
山崎君は1100kmを完走できなかったけど、まあ920km走ったのだから、特別に許してあげるわ」と許可をもらった。

 今回のプランはパイロットおじさんが作成した。今まではここおゆみ野から歩いていける場所を散策先にしていたが、今回は勝浦まで自動車で行き勝浦と鵜原を歩くことにした。
この場所はパイロットおじさんの好みの場所で、特に鵜原の理想郷は一見に値すると言う。

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 私はこの外房がことのほか好きなのは、ここが思い出の地だからだ。
大学生時代私は水泳部に入っていたのだが、水泳部といっても二線級の選手だった。一線級の選手は大会に備えて夏の間中トレーニングをしていたが、二線級選手はアルバイトに借り出される。
夏の臨海学校それも大抵の場合は女子高校)の水泳指導員である。

 ほぼ一月間臨海学校が開催されている間、外房と内房の海水浴場で女子高校生の水泳の指導をして渡り歩いていたが、身体が日本人とは思えないほど真っ黒になったものだ。
アルバイト料は約3割を部に納めて合宿の費用にしており、私はこの合宿の費用を稼ぐ労働者だった。
しかし練習よりよっぽど面白く、この女子高校生に水泳を教えている時ほど青春だと感じたことはない。

 勝浦も鵜原も水泳指導で泳いだはずだが、当時は女子高生の方に興味があったので場所のことは正確には覚えていない。
幸い勝浦にはひな祭りの季節に雛人形が美しく街を彩るので、ここ3年にわたってひな祭りを見に訪問しているのでなじみの場所だ。
またここでは勝浦鳴海マラソンが開催されており、このレースに過去2回出場している。
もっともマラソンは地面ばかり見て走っているので周りの景観はほとんど分からない。

 鵜原に理想郷なるものがあることは今回の散策で初めて知った。ここを理想郷となずけたのは大正末期の実業家後藤杉久で、時の大木鉄道大臣に進言して、ここを一大別荘地として分譲したのだそうだ。
いまも別荘地が点在(あまり多くない)している風光明媚な場所だが、残念ながら軽井沢大磯と言った著名な別荘地にすることには失敗したようだ(私が初めてこの場所を知ったぐらいだから著名とは言いがたい)。
なにかバブル崩壊によって死屍累々になった別荘分譲地の先駆けのような話だが、なぜ失敗したのかは知らない。

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 しかしこの場所が散策には実に快適なすばらしい場所であることには変わりがなく、近くには勝浦海中展望塔千葉県立海の博物館があって、散策には楽しい場所だった。
ただこの日はとてつもなく海風が強く風速20mから30m程度の突風が海から陸に向かって吹きつけており、風の通り道ではまともに歩くこともできなかった。
登山ではなじみの突風だが平地でこうした突風にあった経験はない。

 また砂浜を歩くとここでは砂が風に巻き上げられて顔にビシビシとあたり、痛いと言ったらありはしなかった。砂が痛いと感じたのも今回が初めての経験だ。
最もこの強風は海岸縁だけで、少し海を離れるとさして強くない風が吹いているだけだったのには驚かされる。
海の風はこんなに強いんだ」あらためて海を見直してしまった。

 今回は海の写真と突風の様子を動画に納めることができた。動画を見ていただくとこの日の風の強さを実感していただけると思う。

なお動画は以下のURLをクリックしてください。
https://picasaweb.google.com/yamazakijirou0/23101?authkey=Gv1sRgCPv__oOXurLzbg#5658472573469274210

過去の歩く会の記事はカテゴリー歩く会を参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat46049658/index.html

 

 

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(23.10.1) アップルとサムスンの30年戦争 サムスンのパクリは成功するか?

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 アメリカのアップルと韓国のサムスンの間でこの4月以降訴訟合戦が行われている。
訴訟の対象はサムスンスマートフォンGalaxyGalaxy TabがアップルのiPhoneiPadの物まねで、特許権を侵害しているとアップルが訴えたことに始まる。

 訴訟はドイツ、オランダ、オーストラリア、アメリカ、日本と言う世界の主要市場で行われており、ドイツ、オランダ、オーストラリアではアップルが勝訴し、日本やアメリカでもアップルが勝訴する可能性が高い。

 もともとはアップルサムスンギブアンドテイクの関係にあって、iPhoneiPadのプロセッサ、RAM、フラッシュメモリはサムスン製を採用していた。
いわば部品をサムスンが提供し、その部品を使用してアップルがiPhoneとiPadを製造販売していたわけだ。

 問題が発生したのはサムスンスマートフォンGalaxyを販売したからで、これは日本ではドコモのスマートフォンとして売られている。
実は私はこのGalaxy Sを使用しているのだが、手にしたとき笑ってしまった。
デザインと操作方法がiPhoneにそっくりだったからだ。
違いはOSがGoogleアンドロイド(アップルに使用権を払っているを使用しているくらいで、見た目にはiPhoneとなんら変わらない。
サムスンは相変わらずパクリか」と思ったが、とてもよくできているし安いので重宝して使用している。

 従来からサムスン電子のパクリは有名で、特に日本メーカーからリストラにあった技術者を多く採用して、技術者に韓国名をつけ(日本名だと日本人技術者が作っていることが分かりパクリがばれる)そのノウハウを吸収しては韓国製だといって販売してきた。
日本メーカーはおとなしいから、だからと言って特許権紛争にはならなかったが、それを良いことに調子に乗ってとうとう虎の尾を踏んでしまった。

 アップルは日本メーカーのようなやわではない。なにしろアップルこそは世界にそれまでなかった新製品を投入して新しいライフスタイルを作ってきた最も進取の気鋭に溢れたメーカーで、かつてはマッキントッシュというアイコンマウスで操作するコンピュータを作り上げた。
このOSをまねたのがWindowsで特に95が爆発的にヒットしてアップルの牙城を崩したが、アップルはこのときの失敗に懲りて訴訟陣を強化した(先行技術はすぐに真似られてしまうので特許で保護し、訴訟で勝利しなければならない)。

 一方は世界最大のパクリ会社で、他方はアメリカの訴訟社会で鍛え上げられたアップルだから、訴訟合戦がヒートアップするのは仕方がない。
これが日本メーカーだとすぐに和解に持ち込みアップル和解金を払って示談にするのだが、サムスンはさすがに韓国メーカーで居直った。
アップルこそ、サムスンのデータ分析転送特許や電子制御特許を侵害している。アップル製品の販売をやめさせるべきだ」逆提訴した。

注)サムスンは訴訟合戦に備えるために法律の専門家を500人規模で雇っている。

 確かに細部で見るとサムスンの主張も通るところがある。が、GalaxyはなにしろiPhoneのコンセプトをすべてまねて画面や操作性をそっくりに作ったのだから、やはりパクリはサムスンだ。
アップルとサムスンは現在取引関係にあるが、このままヒートアップすればアップルはサムスンからの部品供給を諦めなければならないだろう。
そうなると韓国に匹敵する部品供給国は台湾だから(日本ではない)、アップルは台湾のTSMCあたりから部品の供給を受けることになりそうだ。

 日本でも私の使用しているGalaxy Sの後継機種は販売差し止めになるかもしれないので、そのときはiPhoneにでも変えなければならないかもしれない(サムスンがアップルに使用料を支払う可能性もある)。
いづれにしてもアップルとサムスンの間では互いに譲らない訴訟合戦が始まり、西洋史を分けた30年戦争(プロテスタントとローマカソリックの泥沼の宗教戦争)のような様相を呈してきた。
日の出の勢いだったサムスンのパクリ戦術はここにきて大きな壁に突き当たったようだ。

注1)アンドロイドのOSを使用している日本メーカーのスマートフォンもよく売れるようになればアップルから提訴される可能性がある。

注2)この訴訟合戦を見てなぜ日本のメーカーが衰退したのかがよく分かる。先行技術は必ず真似られるのだから、特許権で保護し訴訟で守らなければならない。日本メーカーはこの訴訟で守るということに失敗している。

 

 

 

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